県では、毎年、「きれいな奈良県づくり功労賞」と題した表彰事業を行っております。本年度は、きれいな奈良県づくり功労賞(景観づくり部門)において、奈良らしい良好な景観を形成する広告物を募集しました。
令和元年10月に書類審査、11月に審査会を行い、優れて景観の保全・創造に寄与する以下の3作品の受賞が決定しました。
歴史的景観部門 「藤井利三郎薬房」
デザイン - 不明
制作・施工 - 不明
作品講評
吉野山金峰山寺より続く通りに面し、広い間口の伝統的建物は存在感とともに、町並み景観のかなめとなっている。店舗に伝わる多種多様な看板類の中から数種類を選び出して用い、数を抑制することですっきりした印象を創り出している。草色の暖簾は近年作られたものだが、色彩や表現をおさえて、伝統的な薬房にふさわしい表情を醸し出している。(講評:審査委員長 岩井 珠惠)
沿道部門 「まほろば大仏プリン本舗プリンの森カフェ」
デザイン - 有限会社アイボリー
制作・施工 - 株式会社ビーライフ一級建築士事務所
作品講評
奈良阪町の丘陵地という立地を活かし、建物自体が広告物ともいえる景観を呈している。プリンを思わせる建物や外壁の色彩、曲線で構成された看板など、広告物の数や大きさを抑えた表現が、「建物自体が広告」と言えるストーリー性のある景観を創り出し、お菓子の国に誘われるようである。(講評:審査委員長 岩井 珠惠)
商業地・駅周辺部門 「tonarie大和高田」 ※広告塔を除く
デザイン - 株式会社スペース
有限会社永山祐子建築設計
制作・施工 - 村本建設株式会社
作品講評
広告物の量やサイズが抑制されていて、外観全体としてすっきりとした印象を与えている。各テナントの店名広告は、サイズも小さく、掲出位置も統一されていて、一店舗一サインでそれ以外の掲出がないことも好ましく、整った印象である。駐車場に面する壁面は、景観阻害になりやすい集合看板が程よくまとめられていて、建物背面の表情を和らげている。(講評:審査委員長 岩井 珠惠)
審査委員
(敬称略、*審査委員長)
岩井 珠惠* ・・・ ビジュアルデザイナー
出井 豊二 ・・・ 京都女子大学名誉教授 生活デザイン研究所 副所長
中川 佳英子 ・・・ 奈良デザイン協会 会長
米村 博昭 ・・・ (一社)奈良県建築士会 会長
松本 淳 ・・・ 奈良県広告美術塗装業協同組合 理事長
桝田 斉志 ・・・ 奈良県 くらし創造部 景観・環境局長