意見書第3号

請願採択を踏まえ「各交通事業者への働きかけを強める」意見書

 オリンピック・パラリンピックの開催を前にバリアフリーの機運が高まっており、第198回国会では「精神障害者の交通運賃に関する請願」が衆参両院で採択された。

 障害者基本法では、精神障害者は身体障害者及び知的障害者と同じ障害者として定義されている。障害者が移動をする際に公共交通機関の役割は必要不可欠なものとなっている。現在、身体・知的障害者に適用されている交通運賃割引制度から精神障害者は除外されている。精神障害者においても「自立」と「平等」及び「社会参加」を促進するためには、身体障害者及び知的障害者と同じように精神障害者にも交通運賃割引制度が適用されなければならない。

 この間、大手私鉄では、西鉄が全国で初となる精神障害者の運賃割引を実施し、政令市の札幌市、名古屋市、福岡市の公営交通においても地下鉄など全国共通の運賃割引制度が導入されてきた。平成30年10月に発表された航空会社の3障害共通の割引制度の実現は、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」による国の働きかけが航空事業者に受け止められたものである。

 こうした状況を踏まえ、全国に輸送網を持つJR、大手私鉄及び高速道路等の交通事業者は、請願採択という国会の意思を尊重し、速やかに、精神障害者にも他障害者同等の交通運賃割引制度の適用に踏み切る必要がある。

 よって、奈良県議会は、国会及び政府に対し、精神障害者についても、身体障害者及び知的障害者と同等に交通運賃割引制度の適用対象とするよう公共交通運輸事業者等にさらなる働きかけを強めるよう要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   令和2年3月25日

                                       奈良県議会

 

 (提出先) 衆議院議長

       参議院議長

       内閣総理大臣

       厚生労働大臣

       国土交通大臣

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