ある日、突然の大雨に見舞われた私は大急ぎで最寄りの停留所からバスに乗り込みました。案の定、どの停留所も長蛇の列で車内は大混雑です。ほどなく、「すみません、次降ります。」と1人の乗客が降車扉へ向かおうとしました。その手には杖が見えます。しかし、通路に立つ多くの人の手にはスマホ、耳にはイヤホン。気付いていないのか、それとも気にも留めていないのか、積極的に通路をあけようとする人はいません。その時、「降りる人がいます!通してください!」と大きな声が聞こえました。声の主は1人の中学生でした。通路をふさぐ人たちをかき分け、その人を誘導する姿に清々しさを覚えたのと同時に、何もしなかった自分を情けなく感じました。 「人権は大切」と頭では分かっていても、いざそのような場面に遭遇したとき、「自分じゃなくても誰かがなんとかするだろう」と考えてしまうことはありませんか。人権を尊重することは、何か特別なことをすることではありません。また、1人ではできなくても誰かとならできることもあるでしょう。この記事をきっかけに、人権が尊重される社会を築く小さな一歩を踏み出してみませんか。
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