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東安堵(ひがしあんど)の六斎念仏(ろくさいねんぶつ)
安堵町東安堵の融通念佛宗の檀家が行う伝統行事です。東安堵大寶寺六斎念仏講のみなさんにお話を伺いました。
安堵町
東安堵
六斎念仏の歴史
六斎念仏は、仏教において月に6日設けられた六斎日に精進や謹慎をするため念仏を唱えたことに由来します。東安堵の六斎念仏は300年以上の歴史があり、中興の祖「長次郎」が17世紀に復興した記録が残っています。現在は融通念佛宗の檀家による約10人の六斎念仏講の人々により、伝承されています。
お盆の先祖供養
東安堵の六斎念仏では鉦(かね)を打ちながら念仏を唱えて先祖を供養します。お盆の8月13日は、極楽寺で念仏を唱え、郷墓(ごうばか)で「七墓参り」を行います。14日は、大寶寺(だいほうじ)で法衣を着て念仏を唱えた後、100軒以上の檀家を約10人の講員が2班に分かれて巡ります。各檀家にて念仏を唱えた後は、「タカ塚」の祠(ほこら)前でも念仏を唱和します。15日には大寶寺で阿弥陀三尊来迎図(らいごうず)にお供えをし、念仏を唱えます。お盆以外でも、農繁期を除いて年に10回、大寶寺で念仏を唱和しています。
「新坂東(しんばんどう)」「融通回向(ゆうずうえこう)」「白米(はくまい)」「四川(しせん)」の4曲が伝わっていましたが、現在は「新坂東」と「融通回向」のみが唱えられています。
変化する時代のなか、伝統を受け継ぐ
明治期まで県内各地で行われていた六斎念仏ですが、今では県内3カ所のみにしか残っておらず、全国的にも珍しいものになりました。東安堵では各檀家の葬儀などで唱えられていたため、地域に密着して伝承できたのだと思います。
東安堵の六斎念仏は、鉦を叩くリズムから「チャンカラカン」の愛称で親しまれていましたが、近年はそのリズムが簡略化されていました。しかし、「なるべく元の形で伝承したい」との思いから、周囲の人たちの協力も得て、古いカセットテープの音源を五線譜に採譜してもらい、鉦を叩くタイミングなどの複雑なリズムを練習して、現在はかつての鉦の音が響いています。
葬儀の簡略化や生活様式の変化などで、六斎念仏を唱える機会は年々減っています。伝統が途絶えないよう、伝統芸能のイベント等にも参加しています。地域を越えて知ってもらうことで、伝統を受け継ぐことができればうれしいです。
左から
胡内(こうち) 正之さん、
胡内 宏次さん、
胡内 宏一さん、
入江 稔さん
行ってみよう!
安堵町 東安堵
8月13日~15日
東安堵地区の寺院や各檀家宅などでお勤めされます。
聖徳太子ゆかりのタカ塚
問
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