策定の目的
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産は、奈良県・三重県・和歌山県に所在する多くの史跡名勝天然記念物、重要文化財から成っています。これらの資産は、それぞれが極めて高い歴史的・学術的価値を持っていますが、その価値を世界遺産として一体的に保存し、次世代へ継承していくためには、世界遺産全体を包括する保存管理計画を策定し、それに基づいて個別の保存管理計画を策定することが必要です。そのため、文化庁の協力の下に奈良県・三重県・和歌山県の3県は包括的保存管理計画の策定を行い、これに基づいて、3県がそれぞれの県に所在する資産の保存管理計画を策定することとしました。
策定の経緯
個別史跡等の保存管理計画を策定するため、奈良県・三重県・和歌山県は、各専門分野の研究者および地域住民の代表等からなる学術委員会を設置し、それらを代表して3県合同の総合学術委員会を設置しました。3県下に設置された学術委員会および3県合同の総合学術委員会の審議を経て、平成15(2003)年1月10日、世界遺産の全体を包括する保存管理計画が策定されました。
平成16(2004)年7月7日に「紀伊山地の霊場と参詣道」は世界遺産一覧表に記載されました。その際、世界遺産委員会は保存管理計画の内容について追加情報を求めるとともに、保存管理体制の整備について勧告を行いました。
この勧告に基づき、奈良県・三重県・和歌山県は、平成17(2005)年5月19日に『世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」三県協議会』を設置し、同年10月4日、文化庁の指導の下に包括的保存管理計画を改訂するとともに、各史跡の保存管理計画をまとめて各県ごとの世界遺産保存管理計画(分冊1~3)を策定しました。
世界遺産登録後、高野参詣道および熊野参詣道の一部で、良好に遺存し、現在も機能している参詣道が確認されたことから、これらを構成資産に追加登録するための軽微な変更提案の実施に際して、平成27(2015)年12月1日、包括的保存管理計画の改訂を行いました。
包括的保存管理計画
奈良県保存管理計画(pdf 3169KB)