意見書第7号

国勢調査の実施に際して、十分な安全対策を求める意見書

 

 

 新型コロナウイルス感染症は、社会や経済に甚大な影響を与え、国難ともいうべき事態をもたらしている。現時点では外出自粛などにより新規感染者数は大幅に減少したものの、専門家によれば、ワクチンや治療薬が開発途上の中、秋口から冬場にかけて第2波、第3波の恐れも心配されている。

 このような現状下で国勢調査を実施することには、新型コロナウイルスの感染を心配し調査に応じない可能性や、調査対象と接触し応対する業務を担う国勢調査員を十分に確保できないこと、また医療機関や社会福祉施設に対し、調査への協力を求めることが困難であることなどが懸念されている。

 国勢調査は、国や地方自治体で基礎データとして活用され、また民間企業や研究機関等でも幅広く活用されており、国内で最も基本的かつ重要な調査であるため、次の対策を求める。

 

 

1 令和2年国勢調査に関しては、新型コロナウイルス対策を徹底したうえで実施すること。

 

2 国勢調査が安全かつ円滑に実施できるようガイドライン等を整備し、国勢調査の重要性、調査方法の安全性について国民から理解を得られるよう、早い段階から、様々な媒体を活用して国民に周知すること。

 

3 国勢調査を実施する際には、調査に伴う感染症対策に係る経費についても、全て国が予算措置を行うこと。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

   令和2年7月3日

                                奈 良 県 議 会

 

(提出先) 衆議院議長

      参議院議長

      内閣総理大臣

      内閣官房長官

      財務大臣

      総務大臣

      厚生労働大臣

      内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

 

国勢調査の実施に際して、十分な安全対策を求める意見書