「まだ食べたらあかんやん!」「えっ?」「そのお肉赤いやん。」というやりとりを両親と何度したことでしょうか。私は子どもの頃、お肉が焼けているかどうかの確認を毎回両親にしてから食べていました。焦げるまで待つこともありました。お肉の色の変化が見分けられなかったのです。 色の見え方が他の人と違うことを知ったのは、30歳の頃でした。私にとって当たり前の色の見え方を、人と比べる機会が無かったので、違いに気付くのに時間がかかりました。調べてみると、日本人男性の20人に1人、女性の500人に1人、日本人全体でいうと約300万人が私のような特性を持っていることが分かりました。 色の見え方に限らず、人は誰しも何かしらの特性を持っています。互いの特性を理解し合うことで補い合い、支え合うことができ、より豊かな生活を送れるようになるでしょう。 今では、冒頭のような「焼けていないお肉を食べること」はなくなりました。それは、私自身が特性を理解し、両親や妻や子どもも理解してくれているからです。 私のお皿にはいつも美味しそうに焼けたお肉がのっています。
スマホアプリ「マチイロ」でも電子書籍版がご覧になれます。 詳しくはこちら
電子書籍ポータルサイト「奈良ebooks」でもご覧になれます。 詳しくはこちら