2020年12月号
|
|
予防が大事!
この冬の感染症対策
~新型コロナウイルスから身を守る~
県立医科大学附属病院 笠原病院教授に聞く
感染経路を意識した対策
県立医科大学附属病院
笠原病院教授
(感染症センター長)
感染症の状況
第1波のピーク後の状況と比べると、7月以降の感染ピーク後の状況は、社会・経済活動を徐々に再開していることもあり、感染者数が減少していません。11月上旬時点では、感染者数は増加に転じています。
一方、新型コロナウイルス以外の感染症は、例年よりも流行が抑えられています。これは、手洗いやマスクの着用など、新型コロナウイルス感染症対策が、その他の感染症の対策にも有効であるからだと考えています。
今後の新型コロナウイルス感染症の状況を予測することは難しいですが、万一感染が拡大するようなことがあっても、十分に対応できるように備えています。
新型コロナウイルス感染症とインフルエンザ
新型コロナウイルス感染症とインフルエンザでは、ウイルスの潜伏期間や感染力などに違いがありますが、症状はよく似ています。症状から、自己判断しないようにしましょう。
また、新型コロナウイルス感染症では、喫煙者は重症化する傾向がありますが、禁煙することで、そのリスクを軽減することができます。
これからの感染症対策
新型コロナウイルス感染症は、「接触」「飛沫(ひまつ)」「エアロゾル(飛沫の中でも小さく、しばらく空中を漂うもの)」を経路として感染します。
そのため、この3つを適切な方法で遮断することにより、感染を防止することができます。
手洗いや手指消毒は、タイミングが大切です。多くの人が触れるものに触った後など、ウイルスが付いた可能性がある時に実施しましょう。
また、冬場は部屋が閉めきった状態になりがちのため、定期的に窓を数分間でも開けるなど、換気することが大切です。
一人一人の感染経路を意識した行動で、感染を防ぎましょう。
新型コロナウイルス感染症の
感染経路
感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫
(政府新型コロナウイルス感染症対策分科会提言より)
新型コロナウイルス感染症の感染リスクが高まる場面として、飲酒を伴う懇親会や大人数・長時間の飲食、マスクなしでの会話などがあります。
●飲酒をするのであれば、少人数・短時間、なるべく普段一緒にいる人と、適度な酒量で。
●箸やコップは使い回さず、会話するときは、なるべくマスク着用。
●席の配置は斜め向かいに(正面や真横はなるべく避ける)。
●ガイドラインを遵守したお店(従業員の体調管理やマスク着用、アクリル板の効果的な設置、換気など)で。
●体調が悪い人は参加しない。
厚生労働省スマートフォン向け
新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)
iPhoneはこちら
Androidはこちら
発熱などの症状がある場合の相談や受診の流れ
発熱などの症状がある場合は、まず、身近な医療機関に電話相談してください。
身近な医療機関がない場合は、新型コロナ・発熱患者受診相談窓口に電話相談してください。
こんな時、どうなるの?どうすればいい?
~新型コロナウイルス感染症Q&A~
Q1
発熱などの症状はありませんが、新型コロナウイルス感染症にかかっていないか心配です。どうしたらいいですか?
A1
症状がない場合でも、勤務先や通学先に発熱などの症状のある人がいるなど、感染の不安のある人は、「新型コロナ・発熱患者受診相談窓口」にご相談ください。感染が疑われる場合は、診療・検査が可能な医療機関を紹介します。
Q2
検査で陽性が判明しても軽症なら自宅で療養となりますか?
A2
県では、無症状の人を含む感染された全ての人に症状が回復し、感染リスクがなくなるまで入院治療や宿泊療養をしていただいています。
Q3
濃厚接触者とは、どのような人ですか?
A3
ウイルスがうつる可能性のある期間(発症2日前から)に新型コロナウイルス感染者と接触のあった人で、マスクなどの必要な感染予防策をせずに手で触れたり、互いに手を伸ばしたら届く距離で15分以上接触があった場合で、保健所の調査により濃厚接触者と特定された人のことです。