福本通治・藤平拓志
1970年及び1980年世界農林業センサスの資料をもとに森林計画区の林業特性の分析を行った。
森林計画区の特性は成熟した林業地域(吉野森林計画区)、成熟しつつある林業地域(北山川、上十津川、下十津川森林計画区)、今後成熟が期待される林業地域(木津川森林計画区)、その他(大和川森林計画区)に分けることができた。
柴田叡弌・西川禎彦
奈良県宇陀郡室生村にある室生林木育種園スギ精英樹採種木のスギカミキリ被害を1981年と1989年に調査した。1981年の被害率は6.2%であったが、1989年の被害率は43.4%に増加していた。49クローン別には被害差を明らかにすることができなかった。
岡崎 旦
もみがらを蒸焼き状にして炭化させたくん炭が、スギさし木床の床土として利用可能か否かを知るために、単用、山土混合、山土との積層、箱さし区を設定し、カヌマ土および山土と比較した。
その結果、カヌマ土とほぼ同等か良好な発根状況を示した。しかし、根系の観察結果ではカヌマ土および山土に比べ、木質化がやや遅い傾向があり、堀取床替後の活着、初期生長に問題がある場合も考えられる。
西川禎彦・岡崎 旦
スギ精英樹次代検定林の10年時生長調査の結果、偏差値による評価では、樹高で7クローン、胸高直径で4クローンが生長良好であった。このうち吉野10、吉野23及び宇陀18は、どのような立地条件においても樹高生長が良好であった。また、宇陀14、宇陀23及び宇陀26は、樹高と胸高直径ともに生長が悪かった。しかもこれら3クローンは、どのような立地条件においても樹高生長が悪く、採穂園の改善を図る上で、除去する必要がある。
天野孝之
ナラタケ(Armillaria mellea (Vahl.) Que'l.)は多犯性病菌の一種で、多くの草木類・木本類に寄生することが知られ、世界的に重要な疾病の一つに数えられる。本研究は日本国内におけるA.melleaおよびA.tabasenceの発生とその寄生性の実態および感染機構を解明し、防除法と抵抗性育種の基礎となる知見を得る目的で行っている。研究を進めるにあたり、文献標題を収集した。入手できた文献の一部については、その抄録を付した。