渡辺和夫
大型ビンを用いたシイタケ菌床栽培法を確立するため、第1報と異なる品種を用いて培養温度、培養途中におけるビンの反転および発生室の湿度条件が子実体の発生量および発生個数に及ぼす影響を検討した。
子実体の発生量に及ぼす要因では発生室の湿度条件が最も大きく影響した。
また、ビンの反転および培養温度も子実体の発生量に有意な影響を及ぼした。
子実体の発生個数は、培養温度の影響が大きかった。
また、発生室の湿度条件と容器の反転および湿度条件の間に有意な交互作用が認められた。
培養温度を20℃、23℃および25℃とし培養期間を100日とすると23℃で培養した実験区で子実体の1回目の発生個数が最も多くなった。
このことから、本品種の原基形成適温は23℃付近にあると考えられた。
河合昌孝
廃棄されるシイタケ菌床を用いてマイタケの栽培試験をおこなった。
シイタケの廃培地はpHが低いため、水酸化カルシウム、もしくは炭酸カルシウムで中和する必要があった。
新しいおがくずを用いた対照区に比べ発生量はやや低かったが、子実体の乾燥歩留まりが高く、品質の良いきのこが発生した。
また、対照区ではバクテリア汚染が著しいのに比べ、シイタケ廃培地を用いた場合には被害は全く発生しなかった。