林業資料No.17(要旨)

奈良県川上村「吉野川源流水源地の森」の森林概況

岡崎 旦・故 片山紀一・斎藤治蔵・大西耕平

 奈良県吉野郡川上村の東南部にある村有林「吉野川源流水源地の森」(約380ha)は、少なくとも約170年間は人為的干渉が行われていないことが確認されており、本地域の自然植生を知る手がかりとなりうる貴重な林分である。この地域の森林の概況を調査するため地域全体の踏査を行い、代表的な2群落に調査区を設定して毎木調査を行った。

大和川流域の公益的機能増進のための調査
森林所有者の意識調査

南 宗憲・江口 篤

 大和川流域の奈良市、天理市、桜井市、御所市・香芝市・生駒市の森林所有者を対象に森林の管理状況、公益的機能の評価や管理経費の負担のあり方について意向調査を行った。その結果、スギ・ヒノキ人工林の約4割が適正に管理されず、マツ林、広葉樹林(雑木林)はほとんど放置状態であった。森林所有者は、森林の公益的機能を高く評価しており、手入れされずに放置されると公益的機能が損なわれる森林は、スギ・ヒノキ人工林で、次に広葉樹林と考えていた。森林の公益的機能をより効果的に発揮するための管理経費については、受益者である住民の費用負担をもとめる意見が多く、その方法として固定資産税・相続税の改善、補助制度の充実等を望んでいた。

タワーヤーダの索張り方法の応用事例

生澤起一・江口 篤・山下俊二

 タワーヤーダとプロセッサ作業の同時作業を安全に行うことを目的として、作業道の線形に応じたタワーヤーダの索張りの応用方法を試みた。上荷集材でヘヤピンカーブの上部作業道上にタワーヤーダを設置し、ヘヤピンカーブの下部作業道上に荷降ろしする方法、下荷集材で立木を元柱として利用して、タワーヤーダを荷降ろし場所から離れた位置に設置する方法、下荷集材で、タワーヤーダを一箇所に固定したまま立木を利用して架線だけを張り替える方法である。プロセッサとの同時作業は達成されたが、架線を曲げる方法をとった場合、架設時間を倍近く要した。

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