意見書第14号

子どもの貧困対策の推進と修学支援に関する制度の拡充を求める意見書

 

厚生労働省の2019年国民生活基礎調査によると、子どもの貧困率は13.5%となり、およそ子ども7人に1人の割合で貧困状態にあると言える。

 平成26年1月に施行された「子どもの貧困対策の推進に関する法律」は、令和元年6月に改正され、子どもの将来だけでなく現在の生活等に向けても子どもの貧困対策を総合的に推進することなど、法律の目的・基本理念が充実されたほか、教育の支援については、教育の機会均等が図られるべき趣旨が明確化された。また、同年11月には法改正を踏まえ、新たな「子供の貧困対策に関する大綱」が策定された。

 子どもの貧困対策を推進するには、支援を必要とする子どもたちに対して教育相談などの機能を充実させる取組や、関係機関と連携して支援を行う取組が必要であり、貧困の連鎖を断ち切るための教育に係る公的支援が求められている。

 また、令和2年度には家庭の経済状況にかかわらず、高等教育機関に進学するチャンスが確保できるよう高等教育の修学支援新制度が創設され、さらには、新型コロナウイルス感染症の影響により経済状況が悪化した学生への対応として、学びの継続のための学生支援緊急給付金が創設されたが、全ての意欲ある学生が安心して教育を受けられるようにするためには、今後もこれらの制度の充実が必要である。

 よって、本議会は、全ての子どもの学びの機会を保障するため、国において、新たな「子供の貧困対策に関する大綱」に基づく施策をより一層推進されるとともに、修学支援に関する制度を更に拡充されるよう強く要望する。

 

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

   令和2年12月15日

                                   奈 良 県 議 会

 

(提出先) 衆議院議長

      参議院議長

      内閣総理大臣

      内閣官房長官

      文部科学大臣

      厚生労働大臣

      内閣府特命担当大臣(少子化対策 地方創生)

 

 子どもの貧困対策の推進と修学支援に関する制度の拡充を求める意見書