2021年1月号
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vol.20
篠原(しのはら)おどり
五條市大塔町篠原にある天満神社で毎年1月の第3日曜日(かつては25日)に行われる伝統行事です。篠原おどり保存会の皆さんにお話を伺いました。
五條市
天満神社
篠原おどりの起源
篠原おどりは、五條市大塔町篠原に伝わる風流(ふりゅう)踊り(室町末期から江戸初期にかけての流行歌「小歌」に合わせて行われる踊り)の一つとされます。残された資料では、約200年前の記録があります。その起源は、人を襲うオオカミ退治が成就した御礼として奉納された踊りといわれています。山深い篠原の地で、地元の人たちにより脈々と受け継がれてきました。
多くの曲目が残る踊り
天満神社の「神事初め」として毎年1月に行われます。男性は手にした締太鼓を打ちながら踊り、女性は扇を手に踊ります。「式三番」と呼ばれる「梅の古木踊」「宝踊」「世の中踊」の3曲が優雅かつ厳かに奉納されます。かつてはその後に萬福寺(まんぷくじ)へ移動し、その他の曲目も「座敷踊」として、屋内でにぎやかに披露されていました。江戸時代の資料にも、他の村々から篠原おどりを見に来た記述があり、数日間にわたり盛大に行われたことが伝わっています。歌詞が伝わっているものが37曲あり、そのうち、踊りも伝わっているものが17曲あります。これほどの曲目が伝承されていることは珍しく、神事としてだけではなく、披露するための演芸として発展してきた歴史があります。
座敷踊
地域の垣根を越えて
昭和46年の文化財指定に合わせて保存会を結成しましたが、集落の過疎化・高齢化により踊り手が減少し、平成26年には踊りを奉納することができませんでした。この中断をきっかけにして、村外の人の力も借りて後世に残すため、ウェブサイトや新聞で踊り手の公募を始めました。県や市の協力も受けながら、踊れる曲目を増やすために月2回の練習を15人前後で行っています。覚えた曲目は全国各地の舞台などで披露し、魅力を知ってもらうために活動しています。篠原おどりへの参加に興味のある人は下記へ連絡をいただければうれしいです。
地元の人は、曲を聞くと自然に体が動きます。これからも地域に根差した篠原おどりが途絶えないよう、地域の垣根を越えて受け継いでいきたいです。
平山さん、梅本さん、吉﨑さん
石﨑さん、山本さん
行ってみよう!
天満神社
1月の第3日曜日
所
五條市大塔町篠原816
問
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無形民俗文化財については、県文化財保存課
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電話
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0742-27-8124
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FAX
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0742-27-5386
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