【vol.30】
日本の縫製業を守りたい
合同会社ヴァレイ
代表社員
谷 英希(たに ひでき)さん
リモートワークで働きやすく
家業でもある縫製業を次世代につなぐため、2016年に会社を設立しました。縫製業を営む母の反対を押し切って入った業界でしたが、経営は難しく、根本的な仕組みを変えていく必要があると思いました。そこで考えたのが、「マイホームアトリエ」という制度です。
この制度は、結婚・出産・介護などのさまざまな理由で退職された全国の職人の技術をいかし、自宅で衣服の縫製をしてもらうシステムです。「服作りに関わる全ての人を笑顔にする」をモットーに、一人一人の職人を複数の専門スタッフで支えるなど、安心して働ける環境づくりにも取り組んでいます。
全国の職人や奈良の事業所と力を合わせて
2020年4月、経済産業省の要請を受け、コロナ禍(か)で不足した医療用ガウンを2カ月で10万着作りました。「大変だったでしょ」とよく言われますが、マイホームアトリエ制度で、みんなと協力すれば達成できると考え、すぐに引き受けました。当時は手に入らない材料もありましたが、知り合いの広陵町の靴下製造業者に、袖口のゴム部分を編んでもらうなどして対応しました。さらに、「本当に必要とするところに必要な物資を届けたい」との思いから小規模な病院や保育所などにも5月からガウンの販売や寄付を行っています。
縫製を子どもたちの仕事の選択肢に
子どもたちに「作ることの楽しさや大切さを学んで欲しい」と思い、縫製について学べるソーイングスクールを開校しています。子どもたちがたくさんの選択肢の中から縫製の仕事を選び、縫製業を次世代につないでくれるとうれしいです。その時のために、これからも良い環境で服作りができる体制を整えていきます。
●かわいい医療用ガウンやソーイングキットなどを販売中!詳しくは下記HPへ。
●谷さんが講演する女性起業家セミナーステップアップ編は
23ページへ。