令和3年1月20日(水曜日)知事定例記者会見

 司会:
 おはようございます。
 ただいまより知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 本日は、発表案件ございませんので、質疑をお受けいたします。それではよろしくお願いします。


質疑応答


天理大学ラグビー部の全国大学選手権大会での優勝について


共同通信:
 先日、天理大学ラグビー部が全国の大学選手権で優勝されまして、知事もコメントを出されているんですが、改めて県内大学がこのような成績を収めたことについての受け止め、それから来週、こちらに大学の方が来られるようですが、どんな言葉をかけてあげたいかを教えてください。

知事:
 いい質問から入りましたね。テレビで放映されたんですが、全部見てるとちょっと緊張して疲れるから、ちらちらと部屋から出てきてテレビを見て、ああ、まだ大丈夫か、まだ大丈夫かみたいに思って見ていました。

 それで思い出したのは、天理大学のラグビー部でコロナのクラスターが発生したんですよね。だからその思い出もあって、よくクラスターから回復されて、それを処理して練習再開して優勝にこぎ着けられたという思いと、クラスターが発生したのと大会までの間が少し空いていたからよかったんだな、ついてたなと思って。

 もう一つは、2年前でしたか、準優勝のとき。あの時はもう優勝するぞみたいに、帝京大学に準決勝で勝って、決勝はどこだったかな、明治でしたかね。優勝するぞと思っていたら負けてしまったから、その悔しさがあったのかなと思ったりしました。

 3つ目は、早稲田との対決だったんですが、早稲田がやっぱり強かったですね。前に進んで後ろから走ってく、縦・縦、横・横という昔からの戦術をあれだけ高度に実行された。実は縦・縦、横・横の戦術を早稲田に植え付けたのは奈良の人なんですね。大西鐵之祐という人で、旧制郡山中学の出身なんですが、その人が早稲田のラグビー部の監督をして、バックスを使い、縦と横と組み合わせるという日本のラグビーの一つのパターンをつくって、それを早稲田が実験台になって、実行しました。あの試合を見て大西鐵之祐という人を思い出しました。大西鐵之祐は、個人的なことですが、旧制郡中と言ったんですが、私の父親と同級生だったんです。それで父親が大西鐵之祐が同級生にいるんだと誇らしく言っていたのを思い出しました。

 個人の思い出と混ぜこぜですが、その3つを思い出したということを前置きにいたしまして、天理大学ラグビー部の精神的な思いがこもっていたのかなと。一番大きいのは、2年前の準優勝、決勝で負けたという思いがエネルギーになっているのかなと思いました。連続して拝見していると、その点頑張ったなと祝福をしたいと思います。バネをはね返したという意味の祝福ということでは、コロナの感染、クラスターのバネもはね返されましたねというような、2つの祝福だと思います。



新型コロナウイルス感染症への対応について


日経新聞:
 緊急事態宣言が出されて1週間たって、奈良県は感染者数の高止まりが続いていますが、今後、病床の確保を拡大するお考えはありますか。それと、例えば知事がおっしゃっているように、都市と周辺県の状況は多分違うんだと思いますが、例えば三重県とか茨城県とか、周辺の県では独自の緊急事態へのアクションを起こしていますが、そういうお考えはありますか。

知事:
 この度2回目の緊急事態宣言を国が出すということで、どのような内容であるかということには関心があって見ていました。その内容と効果というのは、一月間、集中期間でやるということなので、その効果をよく見たいと思います。緊急事態宣言はワクチンのように必ず効くというわけでもありませんので、どのように効くかということをよく見たいと思っています。

 幸い感染者がたくさん発生している地域に適用するということですので、その効果があれば同じようなことをしたいと思うんですが、まだどうですかね、皆さん方(=報道機関)もよく調べておられるので、皆さんの記事の出具合をよく見ているんですが、客観的に出る記事ばかりではないので、その点はすぐに参考にならないんですが、緊急事態宣言の効果という点についてまた教えていただけたらと思います。

 これまでも言っていますが、大都市のように感染が集中して発生する、これは原因がよく分からないんですが、それ(大都市)と大都市近郊、それと離れているところと、3つの種類があるように思います。その感染拡大の仕方にパターンがあるように今思っています。そのパターンを国で分析していただきたいなとかねてから思っているんですが、各県の資料が出てまいりましたが、大阪の感染経路はほとんど分からないんですね。奈良県ぐらいのレベルで感染経路が分かれば、このような経路でうつされ、うつしているから危ないよということを県民の皆様に言うことができるんですが、大阪での感染が第一次感染のほとんどを占めている奈良県では、大阪での感染はどういう地域で、どういううつされ方、うつし方をされているのかという感染経路の類型がもう少し分かればありがたいなと、最近各県の資料が出てきたのでそのように思います。緊急事態宣言の効果があるかという、その基になる考え方とを国でもう少し示していただければ、すごく乗りやすいと思います。

 それと、もう一つのポイントは、自宅療養者、病床の話ですが、緊急事態宣言の原因といいますか、動機にされているのは病床逼迫というのが大きかったと思います。感染症の増と裏腹なんですが、病床逼迫で大変だということです。病床逼迫の逼迫度を何で見るかというのは、京都では、その分母がよく分からなかった。病床の予定数の分母がよく分からなかったというのが、病床逼迫の率だけでは真実ではなかったということが最近分かってきて、どうもおかしいなと思っていました。各県を比較すると、病床占有率が低いのに逼迫だ、逼迫だとおっしゃるので、どういうことかなと思っていたんですが、京都の例で実質の逼迫度は違っていたということが分かってきました。

 奈良県も最初、確保病床と運用病床には差があって、確保と運用とがどのように現実の差があるのかということを追求していたんです。それにどの程度手間がかかるのか、確保病床というとすぐにでも転換できるというように聞いていたんですが、そうでもないということになって。すると運用というのはリアルな数字で、確保というのは少しリアルから離れているというような、そういう統計の不統一性が力をそぐように思います。緊急事態宣言を国が発令されるなら、その戦い方に何か分析が入るとうれしいなと。病床の確保の量と、感染の経路という分析が入ると、奈良県がどう対処するのかについて知恵をいただけると思っています。

 奈良県では、感染された方を必ず入院か宿泊療養施設に引き取るということをしており、それが今確保されていますので、病床の逼迫という点では何とかオペレーションをしていると思っています。全国の自宅療養がどの程度あるのか。最近びっくりしたのが、報道がやっと出始めたんですが、自宅療養者数が何千と出てます。やっと出だした、どうなっているんだろうと。

 奈良は自宅療養はないんですが、入院の調整ための時間が、自宅療養と入院調整者との概念が近いのでちょっと怪しいなと思います。入院まで1週間も調整中というのは自宅療養と同じじゃないかと思います。奈良県は感染が分かったらその日のうちに入院できるかといえば、病床はあるんですが準備もあるし、1日ぐらい遅れるんです。遅れても1日ぐらいということが分かっています。だから自宅療養と全く違うと私は思っています。これが3日も4日もとなると自宅療養と同じになるから、3日も待たせてないだろうなということは私はもう厳しくチェックをしています。1日ぐらいだということを聞いています。

 入院者数は、午前0時の入院者数として発表しますので、この日に感染しても、その日はまだ自宅で、翌日に行くとなると待機中というカテゴリーになるんですが、自宅療養と待機中というのは全く違うということが統計上はっきりしていて、それが報道されるのが、感染を抑制するのに大きな決め手になると私は思っています。したがって、緊急事態宣言というのはどうかと、一般的に聞かれても、その内容と根拠がもう少し分かってくれば、追随するなり、いろんな知恵を真似するなりできると思っています。

日経新聞:
 今、確保病床が370ありますが、運用のリアルな数字だと、今、70%、60%の辺りを奈良県は推移していると思うんですが、やはり高止まりだと思うんです。今後その病床数を増やす予定はありますか。あるいは自宅療養にシフトする可能性というのは出てくるんですか。

知事:
 自宅療養はしたくないと言ってますので、宿泊療養施設に看護師が常駐して、医師に1日15万円払って来ていただくというオペレーションで宿泊療養施設を確保しています。宿泊療養でも自宅療養と大分違うということをこの際、申し上げます。自宅療養というのは奈良県では1件も発生してません。自宅療養は最近怖いなという報道が出始めました。だから自宅療養させないというのは一番最大のオペレーション目的であります。そのためには病床を増やす必要もあるかもしれないし、軽症なら宿泊療養でもいいということが分かってきましたので、宿泊療養施設を増やすという、この2つを合わせてオペレーションしていますので、宿泊療養と病床の2つの量を見ながら、今、宿泊療養で済むのは宿泊療養施設にまわそうということにしています。宿泊療養施設の占有率はまだ低いので、それで足りるかなと思っています。したがって、今の状況でしたら病床の確保というところまで必要性が生じてないですね。

 それと、これには波があると。大きな波だと堤防を越えるということなんです。堤防を越えるまでにその水が流れていく、これは退院があるということ。退院があって水が流れていくと、水かさを増さないという現実の川と同じように見ると、オペレーションの概念が分かりやすい。水が流れる退院があって、水が入ってくる入院がある。入院と退院の差が大きなことで、感染者が急増すると入院の方が増えるから病床が圧迫される。奈良の退院と入院の差はいつも見ているんですが、これは入院と退院の差がマイナスということで、退院の方が多いということになれば、病床が空いていく。4病床とか5病床とか、毎日そんなオペレーションなんで、それを見ています。それが各県とも大事なのに、見ておられるのかなと。他県のことを心配する余裕はないんですが、それが自宅療養につながっているのかなと思います。だから必要な病床、宿泊療養施設を確保することが知事の最大の仕事だと観念しております。

 そのようにオペレーションをしていますので、自宅療養というのは奈良県は発生しておりません。宿泊療養施設も余地があるので、病床はまだ今のところはいいのかなと思ったりするんですが、栃木県のように感染者が急に増えて、水が堤防を越してしまったと、自宅療養者が出てしまったというような事例がありますので、奈良県でも急に感染者が増えるかもしれないということは用心しています。そうなれば、今の病床、宿泊療養施設でも水があふれる可能性はあるんですが、今のところそのような兆候はないんですが、毎日水かさのオペレーションと、そういう観念でしております。

毎日新聞:
 今の質問に関連して、現在、奈良県では、コロナの患者を受け入れている民間の病院は1つだけです。具体名は公表されていませんが、民間病院が1つだけしかない。大阪府などは、民間病院の協会などを通じて協力を求めたりという、そんな状況になっている中で、奈良県としては、民間病院にもう少しコロナの患者を受け入れてくれないかとさらに要請をしたり、水面下で求めたり、知事が希望したりなど、そういうことはありますでしょうか。

知事:
 奈良県の例から判断しますと、354床確保していただいている中で、民間病院は僅かなんですね。4床ぐらいなんです。それも最近やっと入ってきていただいたということですので、頑張っておられるのは354のうち240床ぐらいかな。県立系の4病院、医大と総合医療センター、西和と南奈良で頑張って、県立系の病院は多少こちらがグリップという言い方は変ですが、お願いしやすいという事情があって、しかも病院を整備してきたというのがまた頑張っていただいている原因になっているのかと。県立病院から昨日看護師さんに来てもらったんですが、やはり病院を整備してよかったねと、看護師さんから言っていただきました。昔の県立病院だともうとにかくパニックになっていたかなというような状況です。

 他県の民間病院に助けを借りられるというのは、公立と民間との関係ということにもなると思うんですが、やはり公立系の方が貢献意欲が高いのかなと。奈良県の場合は特にそう思います。民間の場合も参画していただいたらありがたいんですが。民間病院は病院の名前を出して発表するのは嫌だと。大手民間病院ということになるんですが、やはりその営業は、コロナ患者が来るとそんなところへ行きたくないと思われるんじゃないかという気遣いをされて、それも分かります。ところが、県立医大ではどんどん普通の診療もされています。(ゾーンを)分けて診療すると大丈夫だという例を出しているということです。施設内の分離をしっかりされれば大丈夫ですよということを県立病院が証明してくれているわけなので、民間病院でも分けてちゃんとやっているよと言うと、そんなに患者さんが心配されることでもないかなと私自身は思いますが、やはり名前を出すのも最初怖がっておられました。公的病院もそうですが、クラスターが出ると分かってしまうからとか、病院に悪い評判が出るからとかで心配していますが、日頃からこうしてますよと言っても、頑張ってますねと、通常の営業にはそんなに差がないんじゃないかなと私は思うんです。人様のことを言っている余裕はもちろんないんですが、奈良県の場合は県立病院に頑張っていただいているというのはありがたいことだと思っています。

 民間病院の助けは今のところ足りているので、そういう民間病院もよく考えていただくと、いざというときには、栃木みたいに急に感染者数が伸びると、民間病院もと思うところがありますので。しかし、私から見るとどちらがあてになるかというと、公的、民間、公立ということであって、国立も頑張っていただいていますが、やっていただく病院にありがたいと思います。どちらかというとやっぱり公立系が全国的にもその参加が大きいと思います。方々で病院クラスターの発生はどういうことでそうなっているのかなと、関心はあるんですが、民間の事情もあると思います。ご質問の、今のところ民間が少ないから要求するのかというと、そういうものでもないと思っています。足りるように、足りるようにというオペレーションが一番の大事な目標だと思っています。

毎日新聞:
 今現在、12医療機関で受け入れてますが、これを公的、公立病院も含めて増やす予定はありますか。

担当部局:
 まだ公表の段階までは至ってないですが、増える予定で、水面下では調整をしています。

毎日新聞:
 幾つぐらい増えるんですか。

担当部局:
 今、具体的にめどがついているのは公立・公的ですけども、1病院めどが立っています。

知事:
 公立なの、公的なの。

担当部局:
 公立です。あと、それ以外の病院にも個別に足を運んで検討のお願いはさせていただいておりますが、明らかにめどが立っているのは1病院です。

毎日新聞:
 何床ぐらい増えるんですか。

担当部局:
 4床です。

知事:
 県立医大が80床で、ほかが50床とか。だから負担が大きい面はあるので、4床でも10床でも、公立病院でも民間でもいいんですが、その程度だったらと受入れの数を、病床数を低くして散らばらすという戦略はあると思いますが、県立に集中する方がいいかというと、必ずしもそうだとは思っていません。県立にしわ寄せがいってるのではないかといつも心配をしていますので、80床というのはとても大きな量です。しかし、40、50と受け入れていただくのは大変ありがたいと思っていますが、例えば4床、10床というのが増えてくると、その環境オペレーションが十分かという余計な気を遣わないといけないから、集中して安全に受け入れてもらうというのも一つかなと。

 今のところ大きなコロナ関連のクラスターは、病床クラスターということまではいっていませんので、その他の人がうつってきて、コロナ病床でうつるということではなく、他でうつって病院に持ってこられるということがぽつぽつ出るので、随分気をつけていただいている。それは集中管理ということをしてもらっている面もありますが、僅かでも受け入れてくれよというと、気が緩んで広がるのも心配だなと。そのような心配もしながらと思っています。

 だから、いざというときに4床が40床になるかというと、そんなことはありませんので、たくさんの病院に来ていただいて、コロナに立ち向かっていますよということになったほうがいいと思いますけれども、別の心配もあるということ、それとなるべく病院名は公表してもらうのがいいと思っていますので、公表オーケーのところは公表し始めています。

毎日新聞:
 もう1点。その公表ですが、今月に入って急に、県は12病院のうちの幾つかを公表しました。あれは知事の指示で内訳を公表するようになったんですか。

知事:
 内訳を公表したほうがいいのではないかというのは、これだけ頑張っているのに知ってもらわないとというような、対話の中で話がありました。それはそのとおりだと思って。県立医大には80床も提供してもらっている。最初、150床を要求していたんです。それにご意見がついて、「できませんよ」と。それはそのとおりだと。それを減らそうと、何でも医大というわけにいかないからという中の、配分オペレーションということですね。やはりこちらがいろんな気をつけながら、配分オペレーションすると、やはりどちらかというと安全度が高まると思います。それを公表するのは、これだけしているのですからと知ってもらいたいというような病院側の要求もありましたので、それはできたらと。全部公表できたらいいんですが、やはり風評被害を心配されるところがあるので、公立Aとか民間Aとか。民間Bがまだ出てこないということが先ほどの課題です。各県とも苦労されている面だと思います。

毎日新聞:
 ありがとうございます。

朝日新聞:
 療養中の患者の症状の内訳で、中等症以上の患者さんが増えてきているんですが、具体的に言うと1週間で約1.3倍ぐらいに中等症の患者が増えていて、一方で軽症の患者は順調に退院されているんですが、症状が重い方が増えると、病院の負担も大きくなってくるのかなと思いまして、知事が、症状が重い患者が増えることをどのようにお感じになるかと、今後取り組みたいことがあれば教えてください。

知事:
 重症、中等症、軽症と分けているので、軽症でも入院をされたほうがいいと、高齢だったり合併症があったりで入院された方がいいというのと、宿泊療養でもいいというのを分けてもらうようにしています。まだ課題で残っているのは、お医者さんに任せているので、お医者さんによってトリアージを適当にしてるのではないかとかいう心配はしてます。

 中等症、重症は明らかに分かると思いますし、中等症のメルクマールも多少分かると思いますが、その判断や適用が現場できちんとしておられるのかということは、もちろんいつも気にしています。それが標準化して、軽症が多いということが最初に出るわけですが、中等症を軽症と間違うと深刻だから困るねといつも言っております。そのようなケースがもしあれば、どうしてそういう判断が発生したのか、直ちに追及して探索するような構えでいます。

 ケースが発生しないと、僕がこれはどうしてかと言うきっかけにならないので、今のケース、深刻かどうか分かりませんが、情報を入れていただければ、そのケースを勉強したいと思いますけれども、一般化するとか類型化して、軽症はこう、中等症はこうだと、もうとにかく悪いケースにならないようにオペレーションしてほしい。現場のオペレーションですので、そのように思っています。

 中等症と軽症というのは多少曖昧な境界かなという印象だけ持っています。ちゃんとしてるよとおっしゃるかもしれませんが。

朝日新聞:
 一応基準はありますが。

知事:
 基準は、もうお医者さん任せではないかという印象を持っているけれども、それは怖いなと思ったりするから。

担当部局:
 中等症に関しては、国がガイドラインを示しており、そこに中等症の定義が書いてありますが、酸素が必要な方、またはレントゲン等で肺炎像がある方も中等症ということになっていますので、知事のおっしゃるとおり、お医者さんの判断で中等症の判断をされているというのが今の実情です。

知事:
 お医者さんの判断が信用できるかというもしご質問であれば…。

朝日新聞:
 そういうことではないです。症状が重い患者が増えると、知事はどんなことを今後心配されるかと。

知事:
 専門家ではないから分からないけれども、きちんとオペレーションされているかどうかという心配はいつもしています。厚労省のガイドラインが曖昧なことが多いので、結局は現場のお医者さんに任せてますよと、いつも言っているような感じがして、それは心配だなと。ぶれるのではないかという心配はいつもしています。現実にぶれているところもありますからね。奈良はケースがまだ出てこないけれども、例えばお医者さんが判断して自宅療養でいいと言ったのに、死んだらお医者さんの責任という追及の仕方をしています。誰かが判断して自宅療養でいいと言ったに違いないから、入院したいのにさせてもらえなかったというのは誰の責任という、訴訟になる可能性も出てくると思います。そのように観念して丁寧に心して扱ってほしいということを言っております。

 そのようなパターンしかなかなか言えませんので、中等症、重症の判断は臨床の判断でもありますので、基準はきちんとしているか、医者の判断はしっかりしているか、受皿はきちんとしているかと、この3つを僕からは下問しています。それでも心配ではあります。

朝日新聞:
 関連して、先ほどおっしゃっていたように、県立医大などは特に重点的に重症患者を受け入れられていて、一つのベッドに対して必要な看護師さんの数が、他の軽症患者のベッドと比べて多く必要だと思います。今後重症患者が増えた場合に、重点的に受け入れている医療機関のベッド数を減らすことはお考えでしょうか。

知事:
 大都市で重症が急に増え出しているのは、どうしてかなと思います。他山の石ですので、奈良でもそういうことが起こるかもしれない。奈良は、感染者はほとんど軽症で、中等症が珍しく出たり、重症がぽつんと出たり。重症病床は極めて重要で、空きはいつも気にしています。重症が急に増えるのかどうかというのは検証しなければいけないんですが、検証の量が増えると感染者分の重症化率というのも気にしないといけないということになります。感染者が増えると、それは一定の割合で重症が発生しているのかと。大都市は重症化率が高いのかどうかということを国なりで教えていただきたいので、すると余計用心、感染が増えてくると重症病床も用心しないといけないというオペレーションをしないといけないので、私どもは、そういう統計が奈良県の統計では限られており、ほかの統計が利用できない。できるのは重症化が毎日見て増えたら、これが増えるものかどうか。幸い毎日1出るとか、ゼロが多いですので、今の兆候だとこのようにならないような兆候ではありますが、それを毎日見ているということです。

 それが増えたらどうするのかは、どのように増えるかから考えなければいけない。仮説では、重症化率(感染者数分の重症者数)というのが、最近ではそれが高くなっているような気がしますが、統計は分からないです。そうすると、感染者が増える傾向だったら用心しなければいけない。大阪や東京の大都市は、感染者が増えると重症化率も増えるというのが正しければ、重症病床がすごく大変だと推察しますが、それは大都市の話なのでと思っています。他山の石ですけれども、奈良では、統計のことで心配する、まだ統計の元手もないので、いつも毎日の重症化、急に2名も3名も出ないだろうなと思って毎日数字を心配して見ているというのが実情です。

NHK:
 従来から知事は、感染の類型などを見ながら対応策を考えるということを信条にされていると思いますが、その中で年末から、そして今月に入ってもまだぽろぽろと施設系のクラスター、あるいはクラスター認定までされていなくても、一定程度の集団感染が起きています。クラスター対策はこれから重点的に取り組まれるというお考えは、この間もお話しされていましたが、その後の検討状況や対応方針などについて、どのように今お考えでしょうか。

知事:
 クラスターの発生が、高齢者施設や障害者施設である。これはすごく心配。その施設サービスを閉めるわけにいかないのですごく心配しています。どのように対処するかということになるんですが、クラスターの対処について、今まで出てきたものを勉強してまとめて対策本部会議にかけたいと思います。対策本部会議は、まだ発表していないらしいんですが、来週の火曜日にしたいと思います。対策本部会議をして、また記者会見をして、その後、議会の委員会にかける。その対策本部会議のテーマは「クラスター対策」と「ワクチン」ですね。それと最初に出た「病床の確保」のオペレーション。その状況と、今はこうだけれどもまたよろしくね、みたいになるかもしれませんが。その3つを大きなテーマにしたいと思いますが、資料がもし整えば、さらにその後出てきた中でクラスターの割合が増えていると思いますので、「感染経路類型の分析」も、できたら対策本部会議にかけたいと思います。

感染類型の分析ができるかという問題、まだ担当に言っていなかったので、できたらという言葉をつけたいと思いますけれども。だから3つは、クラスター対策とワクチンの、特にワクチンは、市の方はどちらかというと騒がなくても大丈夫で、町村を心配しています。町村のワクチン頒布・接種が順当にいくかどうかが心配。これは県がもう少し助けに入る必要があるのかと思っています。ワクチンをどのように接種するか、あるいはワクチン接種の証明が、ドイツかどこかみたいに意味があるような接種証明ができるのかどうかということも含めて、ワクチン接種のやり方を県がいろいろ言う。市町村に任されているんですが、県が町村のワクチン接種の円滑化ということも含めて、ワクチン接種について対策本部会議で確認しておけばいいと思っています。だから「クラスター対策」、「ワクチン」、それから「病床確保の状況とこれから」を大きなテーマとして対策本部会議をしたいと思っています。ちょっとその調べもありますので、今日、明日というわけではありませんが、来週の火曜日ぐらいというように。また正式の発表をさせていただきたいと思います。

NHK:
 今、3つの重点の中で触れられたワクチンなんですけれども、なかなか市町村のお話を聞いていても、国からそもそもまだ情報があまり下りてきてないということもあって、どう準備していいのかという声も聞かれます。その中で県として市町村へのどういうフォローアップ、あるいは国に対してどういったことを求めていきたいとお考えでしょうか。

知事:
 対策本部会議でその内容を確認するというのは、今おっしゃったようなことがメインのテーマになると思います。流れてきて、誰にする、どのようにするというようなことを確認すると。流通の体制もありますが、接種の体制が整っているかというのが大きなことだと思います。それを県として確認する。その漏れこぼしがないように、ここの町はできたけども、ここの村はできなかったということがないようにというのが県の立場の関心事項ですので、それをどのようなテーマがあるかを確認して、その対策を講じるということを対策本部会議の議題にしたいと思います。まだ検討がこれからというところもありますので、火曜日には間に合うようにしたいと思います。今おっしゃったようなことは大きなテーマになろうかと思います。

NHK:
 ありがとうございます。それから、話題が若干違うんですが、国で今、コロナに関連して特別措置法や感染症法という法律を改正しようという議論が進んでいるかと思います。どの法律においても、ある程度これまでに比べると、各都道府県知事の様々な面での権限や役割がやや強化されるのかなという印象なんですけれども、知事、この1年間、コロナ対応をされてきた中で、今の法改正の議論の方向性をどのように評価されていますか。

知事:
 感染症法の議論、大事な議論だと思います。従来の感染症法の類型がどこだとという議論が1つ典型的にありましたが、感染症法の概念で適用してコロナについては十分だったのかどうかというのが大きな点だと思います。そのときに、感染症法は、昔の伝統で言えば、感染症ということに決めれば、国が決める、国が対策を取るという、国中心の対策だったと思います。それでちゃんといけばいいんですけれども、今度はどういうわけか知事がもういろいろやれよということになってきた傾向があろうかと思います。これは全体として、医療提供体制が地方分権で知事の責任が増えてきたのと並行しているように感じています。

 その方向としてはいいんですけれども、コロナ対策の知事責任というのはどうなのかというのがはっきり今、明確になっているかどうかということなんですが、現場で知恵を出せよということは言われなくてもしないといけないことではあります。そのときに地域ごとにばらばらになるのをなるべく抑制し、標準化するという国の役割はあると思うので、その感染症法の権限責任の地方分担を増やしたときに、国はどのように見ているのかという点が、私から見ると不明なところです。ということは、他の県の様子、対策で役に立つものがあればもっと教えてほしい。あそこはこのようにしているからうまくいったな、ここはちょっとうまくいかなかった原因があるんだなと、報道だけでは分からないし、国の情報だけではなかなか分析できないところがある。

 しかし、現場に入ると、その現場の情報だけが上がってくるから、それが全体の中でどんな位置づけの現場なのかというような、ある面、統計がないと、これは割と時間がたたないと記事にも報告にもならないという性格のものだと思います。このような情報を出して、皆さんにも吟味していただいて、どうだこうだという国柄になったほうがいいかと思っている者の一人です。すると国の役割は、地方分権で知事が責任を取る分野が増えてきたときの統合性というか、回り方をどのようにされるのか。繰り返しのコメントですけれども、まだもう少し頑張っていただいた方がいいのになと思うところがあるんです。こんなことを言っていると国も頑張っていただけるんじゃないかと。国の役割の明確化ということになると思います。

 それは感染症の法律で明確にされることを期待するんですけれども、国が全部やるよと言ったら、国がやることとして感染症法でやるんです。今度は分権時代だと、国がやること、地方がやることとの役割論とそのばらばら感が、偏差値が分かれないように、なるべく同じ層に固まるように、多少の差はあってもいいけれど、大都市と近隣と地方でやはり大分違います。そういう実情の差だということが分かればいいんですけれども、少ないのがもちろんいいんですが、それは地方だから少ないだけなのか、地方でも多いのはどういうわけなのかということが分かれば、国民も安心されると思うんです。その安心を与えるのは、実情把握を正確にして国民に知らせるというのが国の大きな基本動作。

 戦争と同じですから現場のバトルフィールドの実情を正確に把握して国民に知らせてほしいというのが私からの願いでもあるんです。それが前の戦争と同じように、捏造とまではいかないけれど、大本営になるといかんなというような言い方も失礼ですが、その情報が錯綜するようになると戦いは負けだといつも思っています。情報が正確に伝わっている限り、分析がある限り、戦いは勝利の見込みが十分だと思っております。情報の精度、分析の仕方、それを感染症法でこうするということを決めてやると、当たらなかったらどうするのと。コロナウイルスに効かなかったらどうするのというようなことがあります。それは、いつも監視すると。コロナの動向を監視するのは統計だと思います。それが十分かということは、感染症法の中でそういうのが観点になっていればいいんだけど、なかなかならないのかなという心配はしています。

NHK:
 もう少し権限を整理してほしいということですか。

知事:
 うん、その動向を分析して、標準化して、各県でも意味が分かるようにしてほしい。各県で分かるということは、国民の皆様に分かるということでありますので。その分析力がどこにあるのか、中央省庁のどこにあるのかということをいつも心配しています。

NHK:
 知事として、できる行動の範囲が広がることについて求めることはありますか。

知事:
 権限は広がるのは全然いいんです。こういうことをやらなければいけないということが明確になるのは全然いいんです。それが効果があるものかどうかということは、責任を分散させるというのでなしに、責任はいくら増えてもいいんですが、効果があるからこれを頼むぞと司令官からメッセージが来たほうが(よい)。そういうメッセージが来ないと戦いは負ける。おまえの責任だといって、何していいか分からないまま司令官を放り出す参謀長は、出来の悪い参謀長だと思います。そういうことにならないようにお願いをしたいと思います。

NHK:
 ありがとうございました。

産経新聞:
 先ほど県内の病床の体制について、知事が、宿泊療養の占有率がまだ高くないので、すぐに病床の確保の必要性は生じていないというお話をされました。ということは、今の370という病床から増やす予定がないということなのか、それとも民間・公立含めて協力いただけるところを探すというのは継続してやっていくということなのか、その辺りはどうでしょうか。

知事:
 運用病床354だと思うんですが、確保病床は、まだちょっと手を入れると運用病床になるのが370ということです。それを増やすかどうかについて先ほどから質問があるんですけれども、今の感染者の発生状況から見ると軽症が多いので、増やすならば宿泊療養施設でもいいんじゃないかと思っています。だからその病床の量については、354でも今のところ間に合っている。急増したらどうかという心配はありますが、間に合っている。そのときの受皿のバラエティーと、病院の数を増やす必要あるのかと。必要はないかもしれませんが、増えた方がいいのかという関心、観点はあろうかと思います。病床の数を増やすというよりも、受皿病院の数を増やすということに今努力をしていますが、それは病床が逼迫しているから増やすというよりも、バラエティーがあったほうが、いざというときに役に立つんじゃないか、そのセーフティーネットの数が増えるんじゃないかという観点がまだ強いとご理解願えたらと思います。

産経新聞:
 分かりました。先ほどから重症者の増加についても、知事は、大都市が中心ですけれども、懸念を示されていたと思うんですが、県内でも昨年12月から見ると、高齢者の感染者数がどうしても割合として上昇傾向にあるという中で、やはり全体の母数だけではなくて、その年代別だとか、あるいは知事が気にされている施設のクラスターも含めて、そうした感染の類型から重症のリスクが上がっている状況にあるのではないかと思うんですが、重症病床自体の数を増やすというお考えは今のところはないということでしょうか。

知事:
 重症者の、特に死者になりますと、死者は他の県でも同じで、全て70代以上なんです。それをあまり強調といいますか、分かると、感染しても死なないものと思ってもらうと困るなと。若者が感染して高齢者にうつして死亡につながるというケースはあるんですと、こう言いたいんですけれども。若者の感染が増えているというのは、そういう独自判断があるのかなとちょっと疑っています。

 重症、死亡という観点から言えば、死者は奈良県では70代以上。時々50代とか著名人が亡くなられますけれども、奈良県では70代以上ばかりなんです。その中で重症者になって死者になると。重症になっても生還される人の方がはるかに多いんですが、重症になっておられる方の割合というのはちょっと今、統計を持っていませんが、おっしゃるように高齢者の方が多い可能性が高いです。しかし、コロナウイルスが倍の量来たから重症になったかといえば、重症になるのは同じようなコロナの量でも受皿が弱いから重症化したと判断できるわけです。それは若くても併合症のある方、あるいは高齢者、そういう類型は仮説ですけれども必ずあると。重症者の、例えば高齢者で併合症があるか、あるいは高齢で体力が弱っているかというと、ほとんどその類型に入るんじゃないかと心配しています。そのような方にうつさないようにというのは、より注意しなければいけない、重症化予防というのはとても大事な仕事ですので、そのように気を遣っています。

 だから、統計的には多分その重症化の類型の中での属性ということになりますが、重症化の属性、高齢者、かつ合併症の原因を持っておられる方というふうに属性が類型化されると思います。また調べて分かればご報告いたします。

産経新聞:
 ありがとうございます。

読売新聞:
 緊急事態宣言の効果についてしっかり注視して、いろいろ考えていきたいということでしたが、確認で恐縮なんですけれども、現段階ではまだ従前のとおり、大都市とは感染の状況が違うということで、そういう要請をしたり、県独自の緊急事態宣言を出したりということは、今のところは全くお考えにないということでよろしいですか。

知事:
 緊急事態宣言は、私から見ると心理的な効果が多かった。特に第一波の緊急事態宣言は心理的なインパクト、マインドセットと言われているような効果が多かった。三波目はリアルな内容が入っているかどうかということを注視したんですが、やはりマインドセット的なことになっているのかなという印象ですが、その効果がどのように発現されるか。(報道機関の)皆さんが、よく追いかけておられるのは、第一波の緊急事態宣言よりも外出の率が大きく増えているということです。そのような外出抑制の効果は第一波の緊急事態宣言に比べて低くなっているなと、外出抑制ということを狙われているなら、その効果は少ないと見受けられるんですが、外出が制限されると感染者の発生が抑止されるかどうかというのは、感染症の専門家の方もおっしゃるんですが、それほど単純なのかどうかもう少し検証されないといけないように思います。

 感染経路がもう少し分かれば、新宿西口駅前を歩いていても感染しないけれども、マスコミのカメラに写らないところで感染している可能性も多いと思いますので、あそこだけでの外出量で感染の量が規定されるのかどうかということも検証されたらいいなと思います。どこかで増えるとすれば、どこでうつっているんだろうか、うつしているんだろうかという感染経路類型がもう少し詳細に分かれば、新宿の交差点でうつっているのかというとそうでもないんですが、象徴的にカメラで写されますよね。あそこが減ったら減るのかということなんですが、夜どこかに若者が行ったらうつっている方が増えているんじゃないかと、このように心配するんです。そんなことを誰かが調べて、探索していれば、必ず勝つ戦いになると思います。

読売新聞:
 では、今の段階では、奈良県としてはそういう要請はしないということでよろしいですか。

知事:
 だから、効果を見たいと思います。

読売新聞:
 ありがとうございます。それから、近隣の大阪や京都でも(緊急事態宣言が)出されたということで、奈良との往来が多いと思うんですが、経済や観光への影響で、何か心配されている点はありますか。

知事:
 感染者数が多い地域の近隣に位置していますので、感染類型を調べていくと、やはり第一次感染は大阪での感染がほとんどだということ。それがだんだん入ってきて、二次感染以下が増えてきているという状況です。クラスターも。奈良は、通勤者が多いので大阪に行くなと言うことはなかなかできない。テレワークになってくれればいいんですが、通勤・通学を自粛してくださいということは言ったことがないので、気をつけて行ってらっしゃいということをずっと言っています。気をつけてというのは、感染でうつされる場所がせめて分かれば用心するよと言って通勤される方も多いと思います。近隣でどれだけ防げるのかということを、奈良は試されているように思いますので、用心をして行動してくださいと。大都市近隣でも防御の仕方があったというふうになればいいなと思っています。

 感染した場合は病院で引き受けるよ、その次の感染がないようにしますよということは一生懸命やっている。似たような例だと、同じように埼玉から東京への通勤者というのは奈良と似たようなものなんですが、東京の感染者数と埼玉の感染者数の比率というのは、埼玉がはるかに多いんですよね。奈良は大阪の感染者数の大体10分の1で、埼玉は随分多い。これは行き来が多いのかなと思うんですが、通勤者だけだったら奈良と変わらないんですけれども、盛り場感染ということになると、西武池袋線だと池袋でうつして所沢へ帰っておられるのかと、こういうような類型が分かればもう少し、所沢の人には、池袋に夜行くのは用心しましょうという注意ができるかもしれないと思ったりするんです。通勤を止めるのはなかなか難しい。池袋で勤められているわけではないですが、所沢から池袋経由で新宿や原宿、あるいは東京都内に行かれた時に、池袋に立ち寄って一杯という風習があると、それは避けられた方がいいですよという注意はできたかもしれないと、そういう仮説のことを考えています。

 栃木が増えてきているのはどういうことだろうなと思ったりしますが、そのような地域の特性に応じてその分析が進むと、注意の仕方がより高度になるんじゃないかということが、国への期待になってきています。だから、先ほど緊急事態宣言を発令すれば感染者数が減るぞということが分かれば私もやりますということになるんですが、減るかどうかということを注視しています。

読売新聞:
 ありがとうございます。

日経新聞:
 知事、ワクチンを受けるタイミングが来た時に、ご自身は受けられるおつもりはありますか。

知事:
 うん、出てくれば受けようかと思っています。

日経新聞:
 それからもう一つ、英国由来の株が静岡で見つかりましたが、奈良の検体は現状で、英国由来のものかどうかを検査しているんですか。

担当部局:
 基本的には医療機関等が民間の検査会社もしくは自身の医療機関でPCR検査、抗原検査等しておりますけれども、それだといわゆる遺伝子検査というか、細かく分析して、そのウイルスがどこの型なのかというところまでは特定できていないというのが今、現状ですので、県内の陽性になった方のウイルスについて、詳細な分析までは現時点ではできていないのが実情です。

日経新聞:
 それから、これは要望なんですが、これから長丁場になっていくと思うんですけれども、知事がこうした生声を我々報道機関の前で発せられるのは多分2週間ごとくらい。近畿の他府県の知事の生声は、緊急事態宣言の時には会見をやったり、本部会議をやったりして、聞くことができたんですが、知事の生声を聞くタイミングがなかなか今回なかったと思うんです。今後、こういう機会を増やすとか、知事ブリーフィングをやる等、節目節目でやっていただけるお考えはありますでしょうか。

知事:
 緊急事態宣言の話ですかね、緊急事態宣言の大都市型のように思うんですが、飲食店がターゲットという言い方はおかしい、飲食店の時短というのが大きな要素で、奈良は時短を要請する飲食店がなかなか見当たらないもんだから、そういう意味のタイプの緊急事態宣言というのはなかなか奈良的じゃないなということもあるんですけれども、奈良に適した注意というのは何かといつも考えています。「このように気をつけてください」というパターンが、実際に発生した事例を分析して申し上げないと、気をつけてくださいね一辺倒じゃ、気をつけるぐらいはしてるからねとおっしゃるんじゃないかと思う。その気をつけてくださいねというタイプがうまく説明できればいいのになといつも思っています。それは、事例の研究しかないんだなと思っています。

 そのようなことを心がけてと思いますので、どこの地域で起こっても参考になればそれを勉強して、県民の方に、このように気をつければ少しはましだよということを言えたらいいのになと常に思っています。うまくいくようにという、そのような努力を、匍匐前進の努力という程度ですけれどもしております。司令官が、敵は向こうだ、突撃と言ったら戦局が一変するというわけではないですが、防御して来ないように、こちらは防御、防御というような戦争のように思いますので、司令官の号令一過、敵は退散というふうにはいかない戦いかなと思ったりします。

日経新聞:
 その司令官の声を聞きたいというタイミングに、司令官が登場して会見していただければ非常にありがたいんですが、そういうお考えはないですか。

知事:
 またよく判断してと思っていますが、煮え切らない司令官ですので。



大和西大寺駅の高架化及び近鉄奈良線の移設について


毎日新聞:
 例の近鉄の踏切道の対策の関係なんですが、今年度末にもう計画策定の期限が迫っているかと思うんですけれども、その後、近鉄との協議は進捗があったのかどうかと、もしこのままの状態であれば、もう大臣の裁定を待つと、そういうスタンスなのか教えてください。

知事:
 いろいろ作戦を練って、結局近鉄と具体的な落としどころについて折衝に入ろうと思っています。結局は近鉄の負担額問題なんですよね。お金の問題に収れんしている。元からそうなんですが、近鉄はゼロだったらいいとおっしゃっているんだけど、ゼロというわけにもいかない、理屈的にもね。踏切を改良するのに連続立交(=連続立体交差事業)という方法があります。100億円、1,000億円の事業になると、今までは、連続立交では地域の鉄道事業者に7%負担してもらうというような取決めだった。その7%も負担しない理由は何ですかということを聞いているわけで、それは移設を強要されるからだと。こちらの反論は、移設をしなくても、踏切道改良法の指定があるから、連続立交か何かしなければいけないですね。それは道路でできますよ。しかし具体的には道路ではできませんね。その場での連続立交がもし可能であれば、平城宮跡の中での地下化が可能であれば、連続立交の考え方でそれは近鉄は負担するんでしょう。それがたまたま国営公園だから移設となる、その移設の分は負担は余分かと。余分は何かあるかもしれないけれども、元からゼロというのは考え方としてはおかしいんじゃないですかという折衝をしているんです。その額は、ゼロじゃないでしょう。じゃあ、全体の額の7%かという話になると思います。概念的にはそのように分かってきて、それを具体的に数字で表す作業をずっとしていました。

 そういう考え方でいくと、負担するとすれば7%だとすると、このぐらいになりますねと。それも負担する気ないんですか、ゼロはおかしいですねという折衝から始まることになると思います。全体が1,000億円だと7%、それが移設になるとちょっと距離が延びたりするところはどうするかと。それは公的な負担にしてくれというような理屈は一理はあるんですよね。そのようなところの折衝ということになろうかと思います。だから額の折衝ということになる。 そういう折衝を何度もやって、どうもらちがあかないということになると、折衝の経緯を国に報告して、それは近鉄がおかしい、県がおかしいと裁定してもらう。元から裁定ということには、こういうケースは当然ならないと思って、そういう努力はしています。期限が迫ってきていますので、折衝を開始するように段取りをつけています。

司会:
 ほかにご質問はどうでしょうか。よろしいでしょうか。
 幹事社さんもよろしいですか。
 それでは、これで定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

知事:
 どうもありがとうございました。

(発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。)

お問い合せ先:奈良県広報広聴課 報道係  TEL 0742-27-8325

お問い合わせ

広報広聴課
〒 630-8501 奈良市登大路町30
報道係 TEL : 0742-27-8325
広報紙係 TEL : 0742-27-8326 / 
FAX : 0742-22-6904
デジタル広報制作係 TEL : 0742-27-8056
県民相談広聴係 TEL : 0742-27-8327
相談ならダイヤル TEL : 0742-27-1100