奈良の輝く企業×起業

【vol.31】

　奈良県は日本一の靴下の産地で、弊社は1950年に葛城市で創業しました。これまではOEM生産(製造の受託生産)がほとんどでしたが、2013年に自社ブランドを立ち上げ、現在は3つのブランドを展開しています。「はくひとおもい」を合言葉に、靴下を履く人のことを真面目に考え、履いた瞬間に「今日も頑張ろう」と思ってもらえるような靴下(一日を変える靴下)で、暮らしを豊かにしたいと考えています。

　弊社では靴下を下着と捉えています。毎日身につけるものだからこそ、徹底的に素材や製法などにこだわり、流行に左右されない定番商品を作ることが大切だと思っています。定番商品を作りつつ、国内市場の状況も鑑み、自社ブランドを立ち上げた時から海外展開を考えていました。2019年からヨーロッパなどの海外の展示会に出展し、現在ではアメリカやEU諸国など18カ国で取引があり、今も数カ国で新規取引の話が進んでいます。それぞれの国で評価される共通点は、靴下へのこだわりやその背景にある物語で、「はくひとおもい」は世界共通だと改めて感じています。
　自社ブランドを展開してからは、多くの声が直接届くようになり、雑誌や新聞にも掲載されました。これらの情報を社内で共有することで、自分たちの仕事がどう届いているか、評価されているかが分かり、やりがいやモチベーションの向上につながっています。

　これからを見据えて、新たな取り組みも始めています。クラウドファンディングを活用して「屋内用に特化したホームソックス」のテスト販売を行いました。予想をはるかに上回る成果となり、商品化に向けた作業を進めています。また、さまざまなニーズに対応するため「わたしにやさしい」をコンセプトにしたブランド「memeri」を立ち上げ、2月から販売を始めました。
　これからも定番商品を作りながら、新たな挑戦を続け、社員一丸となって「一日を変える靴下」を国内外へ届けたいと思います。