◆ 諮 問 「特定日付けで個人情報開示決定された「県民相談・県政案内処理票」「県民相談等記録表」に記載さ
れた住所・年齢及び要配慮個人情報」の不利用停止決定に対する審査請求についての諮問事案
◆ 実施機関 広報広聴課
◆ 事案の経過 (1)利用停止請求 令和元年 6月28日
(2)決定 令和元年 7月26日付けで不利用停止決定
(3)審査請求 令和元年11月25日
(4)諮問 令和2年 2月12日
(5)答申 令和3年 3月31日
◆ 利用停止を求める個人情報の内容
特定日付けで個人情報開示決定された「県民相談・県政案内処理票」「県民相談等記録表」に記載された住所・
年齢及び相談内容のうち、要配慮個人情報
<不利用停止理由>
条例第34条第1項の1に定められた規定に違反して収集されたものではないため
◆ 審議会の結論
実施機関の決定は妥当である。
<判断理由>
1 住所について
審査請求人が利用停止を求めているのは、相談記録に記載された住所である。実施機関は県民相談において
収集する個人情報を収集目的とともに個人情報事務登録簿に記載して閲覧に供しており、県民相談に係る個人
情報事務登録簿(以下「本件登録簿」という。)には、「個人情報を収集する目的」欄に「県政に対する要望
、意見、苦情等に対する回答及び対応」と、「個人情報の記録項目欄」に相談者の住所を収集する旨記載され
ている。これらのことから実施機関は、収集目的を明確にしたうえで審査請求人から収集していると認められ
、条例第5条第1項に違反しているとは認められない。
また、実施機関が本件住所が記載された相談記録を、本件利用停止請求時点において保有している理由は、
今後、審査請求人が同一内容の相談を行った場合に、過去の対応状況を確認する必要があるため保有している
が、現時点において実際に利用したことはないとのことであった。これらのことから、収集の目的を超えて利
用をしている事実は確認できず、条例第6号第1項に違反して利用しているとは認められない。
2 年齢について
審査請求人が利用停止を求めているのは、相談記録に記載された年齢欄に記載された年代区分であり、性質
上、実施機関の職員が相談内容を統計処理するための類型を記載したものであると考えるのが相当である。統
計の便宜に供するための類型に過ぎないと認められる本件年代区分については、個人に関する情報ではあって
も、審査請求人という特定の個人を識別することができる情報とはいえず、条例第2条第1号にいう個人情報
には当たらないと認められる。
3 要配慮個人情報について
審査請求人が利用停止を求めているのは、相談記録に記載された審査請求人の特定事項に係る発言(以下「
本件発言」という。)である。本件発言に係る記述については、特定事項に関する事項が記載されたものでは
なく、特定事項に関する事項を審査請求人自らが発言したことを記録したと解するのが相当であることから、
本件発言は、実施機関が審査請求人から収集した相談内容であると認められる。そして、実施機関が閲覧に供
している本件登録簿に相談内容を取得する旨記載されていることから、条例第5条第1項に違反するものとは
認められない。
また、実施機関が本件発言に係る記述が記載された相談記録を、本件利用停止請求時点において保有してい
る理由は、今後、審査請求人が同一内容の相談を行った場合に、過去の対応状況を確認する必要があるため保
有しているが、現時点において実際に利用した事実はないとのことであった。これらのことから、本件発言に
係る記述について、実施機関が当該個人情報の収集の目的を超えて利用している事実は確認できないため、本
件発言に係る記述について、条例第6条第1項に違反して利用していると認められない。