変異株により急速な感染拡大が進む危機的な状況の中、国が近畿の3府県についても、「緊急事態宣言」の発出をされ、大型連休をはさんで措置を実行されることになりました。
奈良県では、強い危機感をもって、感染拡大を防止し、医療提供体制を護るための、「緊急対処措置」を策定し、実行します。
奈良県の緊急対処措置の実行期間は、本日(4月27日)より、近隣府県と同じく5月11日までとします。
近隣府県に緊急事態宣言が発出されたことにより、大阪での感染が抑制されることが期待できる一方、近隣府県から奈良県内への人の流れが増え、奈良県内での感染が心配される状況になってきています。
また、緊急事態宣言に基づく措置については、県内全域に全面的に採用することの適否、奈良県の実情に合うかどうかの判断をしたうえで、奈良県の事情に適合する対処措置については、選択し、積極的に採用していくべきものと考えます。
(1) 近隣府県から、奈良への不要不急の訪問により、感染が拡大しないようにする措置を実行します。
① 飲食店、カラオケ店等に、県内市町村が、時短要請され、協力金等を支払われる場合には、同様に、県も時短要請を行い、同額を上乗せ支援します。
② 飲食店においては、カラオケ機器の利用を控えていただくようお願いします。
③ 閉館、閉園が適切な公立施設については、県と市町村が協議して実施します。
④ 地域のイベントの制限については、県と市町村が協議して対処します。
⑤ 奈良県営競輪については、無観客開催とし、場外発売を停止します。(4月29日~5月11日)
⑥ 県外からの来訪者が訪れる可能性の高い店舗、施設等については、感染予防の配慮をしていただくようにお願いします。
(2) 国の緊急事態措置等について、採用してよいと思われる措置、また、県が独自で展開してよい感染防止対策等については、選択的・積極的に実行します。
① 感染防止対策を適切に実施する店舗を市町村とともに認証する制度を創設します。
認証取得に向けた設備導入など、感染防止対策に取り組む店舗に対し、財政的な支援を行います。
② 飲食店、カラオケ店に、県と市町村、協力機関・団体が共同で巡回指導を実施し、対策の助言、認証取得の働きかけを行います。
③ 大型商業施設、映画館、劇場などの集客施設に、感染防止対策の徹底
を実施されるよう、県が文書でお願いします。
④ 学校の部活動・教育実習等の制限・自粛の要請を行います。
⑤ 県立学校における感染防止策を徹底します。
⑥ 県内の勤務者、事業者に対して、在宅勤務の活用、残業抑制、時差出勤等の推進について、県からあらためてお願いします。
⑦ 県庁における勤務については、同様の措置を実行します。
⑧ 交通事業者に対して、県内主要ターミナルでの検温実施の協力を、県から依頼します。
⑨ Go To Eat事業の食事券の追加販売は、緊急対処措置期間中は、停止します。すでに予約済みのものについては、緊急対処措置期間経過後まで、発券を延期します。販売済みの食事券についても、緊急対処措置期間中のご利用については、控えていただくようにお願いします。
(3) 緊急事態宣言が適用された地域の人々には、「緊急対処措置」適用期間中の、奈良県への不要不急の来訪を極力控えていただくようにお願いします。
時短要請の協力金、認証制度の創設
○飲食店、カラオケ店等への時短要請の協力金
○「新型コロナウイルス対策認証事業所」の認証制度(イメージ)
(1) 効果的な感染防止策について、奈良県立医科大学感染症センターの笠原センター長のご指導を仰ぎました。
県民のみなさまには、笠原センター長のご指導に従った感染拡大防止策の徹底をお願いします。
① 感染防止は、それぞれがリスク軽減の行動をとる。
② 無症状で人に感染させないよう、感染経路を遮断する。
③ 家庭内の感染に注意。
④ 親しい仲間うちでも注意。
⑤ 大阪など、感染者が多い地域は特にご注意。
⑥ 連休は、県内で家族とすごしましょう。
①感染防止はそれぞれがリスク軽減の行動をとることが必要です
感染症専門医の助言
感染リスクは、「場所」ではなく、「行動」で変わります |
②無症状で人に感染させないよう、感染経路を遮断することが必要です
感染症専門医の助言
新型コロナウイルス感染症の感染経路には、3種類あります
それぞれの感染経路を遮断しましょう!
新型コロナウイルス感染症は、軽症や無症状のことが多いです
「まさか、こんな軽い症状で、自分がコロナだと思わなかった」という方でも、人に感染させる可能性があります
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③家庭内の感染に注意が必要です
感染症専門医の助言
家族に発熱やかぜ症状がある場合は、家の中でも、マスクを着けましょう
家庭内感染を防ぐ8カ条です |
1. 感染者と他の同居者の部屋を可能な限り分ける
2. 感染者の世話をする人は、できるだけ限られた方
(一人が望ましい)にする
3. できるだけ全員がマスクを使用する
4. 小まめにうがい・手洗いをする
5. 日中はできるだけ換気をする。
6. 取っ手、ノブなどの共用する部分を消毒する
7. 汚れたリネン、衣服を洗濯する
8. ゴミは密閉して捨てる |
④親しい仲間うちでの感染が増えています
感染症専門医の助言
ついついマスクを外して対面になってしまう場面がありがちですが、
親しい仲間うちでも、対面になる時にはマスクを着けましょう |
⑤ 大阪など、感染者が多い地域は、特に注意が必要です
感染症専門医の助言
感染症リスクの高い地域での飲食は避けましょう
大阪など感染者の多い地域では特に注意が必要です
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⑥ 連休は、県内で家族とすごしましょう
(参考①) 感染経路判明者のうち、43%が家庭での感染です。
家庭での感染に注意が必要です。
(参考②) 家庭外での感染者の45%が、友人等との交流による感染です。
親しい仲間うちでも注意が必要です。
(参考➂)大阪府内では大阪市での感染者が圧倒的に多く、奈良県内では、近鉄奈良線・大阪線、JR関西本線沿線で、感染者が多い状況です。
大阪など、感染者が多い地域との往来は、注意が必要です。
(2)クラスターを発生・拡大させないようにします。
① 福祉施設などにおいては、クラスターを発生させないよう懸命の努力をしていただいています。
引き続き、クラスター発生防止対策をお願いします。
1.「持ち込まない対策」を徹底しましょう。
外部からのウイルスの侵入を防ぐため、入所者、職員、来訪者等の健康管理・観察を徹底し感染経路を遮断。
2.「早期発見・拡大防止対策」を徹底しましょう。
発熱者等の状況を把握し、感染の兆候をいち早く察知。
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② 県立医大感染症センターに、実地指導をお願いしてきました。引き続き、実地指導による感染拡大防止に努めます。
● 県立医大感染症センターと協力し、社会福祉施設を対象に、事前の実地指導を実施してきました。(R3年度も引き続き実施)
● 新たに、市町村においても、事前の実地指導ができるよう、マニュアルを提供し、実地指導の支援を行います。
● クラスターが発生した社会福祉施設、医療機関等を対象に、拡大防止のための実地指導を実施しています。
● 改めて、社会福祉施設の職員の方々などに、「持ち込まない対策」の徹底をお願いする文書を発出します。
● 企業や学校のみなさまにも、同様の文書を発出します。
感染症専門医の助言
かぜ症状がある場合は、なおるまで家ですごしましょう
特に飲食時に、マスクなしで対面にならないようにしましょう |
事例:高齢者福祉施設での集合形式の食事やその介助でクラスターが発生した
感染症専門医の助言
食事時間をずらす、対面にならない、介助職員はフェイスシー
ルドなどで目を覆うなど、対策をしましょう |
感染症専門医の助言
換気をしましょう
手をキレイにしましょう
• 目鼻口に触る前、触った後
• 共有物品に触る前、触った後
(電話、ボールペン、パソコンのキーボードやマウスなど)
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(参考④) 感染経路判明者のうち、26%がクラスター感染です。 クラスター感染は現場での対処が有効です。
クラスター類型別内訳
(令和3年3月1日~4月18日 237名)
(参考⑤) 笠原センター長の協力のもと、社会福祉施設等における感染拡大防止のための実施指導を令和2年7月から実施してきました
① 感染者が発生した場合に、クラスター化が懸念される社会福祉施設に対し、事前に実地指導
② 感染者が発生した社会福祉施設等に対し、実地指導
・医師、感染症管理看護師、県職員等によるチームを編成
・実施指導内容
日常の感染予防対策の点検評価
ゾーニング指導等
令和2年度実施指導実績
132件(うち笠原センター長直接指導分55件) 【速報値】
令和3年度当初予算に必要経費を計上しており、今年度も引き続き実施