彦摩呂(ひこまろ)さん
大阪府出身。独自の味の表現や、豪快な食べっぷりで大人気の日本を代表するグルメリポーター。
奈良は文化と食の宝石箱やぁ~!
大阪府大東市で育った僕にとって奈良は身近な場所で、初デートも奈良公園でした。今でも高校時代の恩師に書画を習うため、毎年奈良を訪れています。
奈良でのエピソードはたくさんありますが、忘れられないのは小学校の遠足で起こった「石舞台事件」です。遠足のルートに入っていた石舞台古墳の見学をサボった児童がたくさんいたことがバレてしまい、先生にめちゃくちゃ怒られました。僕も古墳の見学をしていなかったので、先日、約40年ぶりに石舞台古墳を訪れ、遠足の続きをしてきました。怒られたことも今では良い思い出ですね。
今回の奈良訪問では、ウリボー(イノシシの子)のハムや下北春まなを使ったパスタ、味間(あじま)いもと結崎ネブカのうま味をいかした大和肉鶏のロースト、古都華(ことか)を使ったデザートなど「奈良の食」を堪能しました。下北春まなのパスタはグリーンがさえわたり、絶妙な塩気で飲みこむのがもったいないくらいおいしく、口の中で1泊させたかった!デザートの古都華は、酸味と甘味、香りと口どけがつながって、地元のキャスト全員で1本の映画を作っているような素晴らしい味!お腹だけでなく心も満たされ、全身に奈良のエネルギーをいただいていると感じました。
食育インストラクターの資格を持つ私から一つアドバイスをするなら、子どもの頃に食べた味の記憶は大人になっても忘れず残るので、子どもたちに地元食材の味を覚えてもらうことが大切だと思います。
食には、人を動かす力があります。地元の食に魅力があれば、そこに多くの人が来てくれる。食材の生産に携わる人、おいしく調理する料理人、その料理を伝える僕みたいな人、みんなが連携し、協力すれば奈良の食文化はもっと豊かになり、多くの人に広まるはず!
今回、大切に育まれてきた奈良の食材を味わい、「奈良の地にこんなにおいしいものがあったのか!」と感動しました。日本の始まりの地である奈良には、まだまだおいしいものが眠っているはずです。「まさに、奈良は文化と食の宝石箱やぁ~!」この感動を全国の皆さんに伝えながら、これからもおいしいものをどんどん探して、もりもり食べていきたいと思います。
彦摩呂さんの書画「包まれてるよ」