意見書第7号

         コロナ禍における「生理の貧困」への支援を求める意見書

 

 新型コロナウイルス感染症の拡大により雇用状況が悪化する中、特に女性への影響が深刻であり、生理用品を買えない、利用できない、生理に関する教育にアクセスできないという「生理の貧困」が問題になっている。これまで潜在化していた女性を取り巻く生理・健康についての課題が顕在化したといえる。
 20代の会社員、学生で構成する任意団体「#みんなの生理」が行ったアンケート調査によると、金銭的な理由で生理用品を買うのに苦労した若者が、20.1%、生理用品でないものを使った27.1%、交換する頻度・回数を減らした37.0%との結果が出ている。
 また、ネグレクトにより、親などから生理用品を買ってもらえない子どもたちがいるとの指摘もある。世界的にコロナ禍が続く中で、スコットランドでは、昨年11月からあらゆる人を対象に生理用品の無償提供が決定した。他の国々でも、小・中・高校での生理用品が無償提供されるなどの報道がある。
 よって、奈良県議会は、次のとおり国に対して、経済的な理由により生理用品が十分に使えず健康な生活が脅かされることがないよう、児童、生徒をはじめ全ての女性が健康で衛生的な生活を保障されるための支援を行うことを求める。

                                      記
                                       
1 特にコロナ禍において生理用品が必要だが利用できない方に配付するとともに、受け取りやすい体制を整備し、学校や公共施設に無償で使える生理用品などの設置を行うこと。

 

2 養護教諭らに、日常的に生理をはじめ心や体の悩みを気兼ねなく相談できる環境を整備すること。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

   令和3年7月2日
                                 奈 良 県 議 会

 

(提出先) 衆議院議長

      参議院議長

      内閣総理大臣

      内閣官房長官

      文部科学大臣

      厚生労働大臣

 

コロナ禍における「生理の貧困」への支援を求める意見書