台湾の世界保健機関(WHO)への参加を求める意見書
パンデミック(世界的大流行)に発展した新型コロナウイルス感染症を終息させるためには、国際的な防疫網を構築する必要がある。そのためには、特定の地域が取り残されることによる地理的な空白を埋めるとともに、公衆衛生上の成果を上げた地域の有益な知見・経験を世界で共有することが欠かせない。
しかし、昨年5月に開催されたWHO(世界保健機関)の年次総会において、台湾が目指す総会へのオブザーバーとしての参加についての議論ですら次回会合へ先送りし、台湾の参加を認めなかった。そして、現時点においても同様の状況が続いている。このように国際的に重要な会議に公衆衛生上の様々な成果を上げてきた台湾が参加できない事は、国際防疫上、世界的な損失であることは明らかである。
そこで、このような現状に対して強い懸念を表明するとともに、国際的な公衆衛生上の緊急事態の収拾に資するべく、台湾のWHO参加支持を表明している関係各国と連携し、参加実現に向けての取り組みをこれまで以上に強化されるよう強く要望とする。
1 関係各国に対し、今般の新型コロナウイルス感染症及び今後の世界的な公衆衛生危機対応の為に、WHOの次回総会より台湾がオブザーバーとして参加することを認めるよう求める。
2 日本政府には、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態の収拾に資するべく、台湾がWHOの年次総会にオブザーバーとして参加する権利が保障されるよう、関係各国に強く働きかけることを求める。
3 関係各国に対し、WHOの初動対応などについての検証作業に、早い段階で新型コロナウイルスの人から人への感染をWHOへ警告していた台湾が参加できるよう対応することを求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年7月2日
奈 良 県 議 会
(提出先) 衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
外務大臣
厚生労働大臣
台湾の世界保健機関(WHO)への参加を求める意見書