令和3年7月20日(火曜日)知事定例記者会見

【発表案件】
〇通学通園路の安全総点検について 
【報告案件】
〇新型コロナウイルス感染症対策の新たな展開について 
 【質疑応答】
〇「いまなら。キャンペーン」について
〇東京2020オリンピック・パラリンピックの無観客開催について
〇盛土の調査について
〇首長選挙の結果について

司会:
 おはようございます。
 それでは、知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 本日は、発表案件として1件、報告案件として1件ございます。
 初めに、発表案件としまして、1、通学通園路の安全総点検について、荒井知事、よろしくお願いいたします。

【発表案件】通学通園路の安全総点検について

知事:
 では、早速始めさせていただきます。
 通学通園路における安全総点検というテーマでございますが、千葉県の八街市で大きな事故が起こりました。また、これまでの各県で、通学通園路で頻繁に事故が起こっております。奈良県でも気が気ではありませんでした。通学通園路の点検をしようということを呼びかけておりましたが、なかなか進まない状況で、私から見ると奈良県の総点検が進まない状況であったように思っています。それで、改めましてこのような体制で行うということを決めまして、発表する次第でございます。
 説明いたしますが、通学通園路の全路線を把握する、それで教育委員会所管しておりますが、地図を出してくれという要望をいたしました。地図が、現物が出てきたんですが、膨大ですので、山ほどありますので、それをめくってという作業も大変ですので、デジタル化するということを教育委員会と、ちなみに通学通園路の決定は校長先生・園長先生が決められるということでございますので、全責任は校長先生にあると、園長先生にあるというふうに思うわけでございますが、その全路線の現状、交通安全・防犯・防災の観点からの弱いところを把握するというのと、校長先生が自己把握するというようなことを、自己点検をお願いしておりましたがなかなか進まないので、第三者による点検ということを入れました。これは初めてのことでございます。
 第三者による点検というのは、右のほうにありますように、安全対策推進会議といって県で第三者組織と、奈良県と県教委と県警の三者で第三者組織をつくって、私が議長になりたいと思いますが、点検をして、改善策の検討をするということにしたいと思います。自己点検から他者点検へ移るということでございます。その中で、改善策の提案があれば提案をして、それを実行するということになります。
 そのスケジュールは、国のほうでは、その通学通園路の、これは文科省、国交省、警察庁になりますが、この10月ぐらいまで検討をするようにという依頼が来ております。市町村でも同じように検討していただきたいと思いますが、県、県教委、県警では、今申し上げましたような体制で一番下にありますようなスケジュールでやるのと、引き続きPDCAで継続的にやっていきたいと思っております。
 つけております資料は、出てきた通学通園路、地図落としとその写真、どんな現状かをサンプルででもいいから出してくれといって出てきた資料でございます。
 1から10までのサンプルがございますが、1は、説明するまでもありませんが、見通しのよい道路ですが、交通量が多い。2は、幹線道路の抜け道で、今このように道路、いかにも弱い道路でありますけども、車の速度が上がりやすい、千葉の八街のようなレベルです。3は、抜け道、古い城下町の中で、通学通園路の交通量が多い。こういうのは逆に割と安全になっているような結果になっているかもしれません。4が、もう狭い道路で交通量が多い。場合によっては事故が起こるというような、これは皆、通学通園路に指定されている道路でございます。5が、道幅が狭い。しかし、ガードレールは、これはあるケース。6は、見通しが悪くて脇道から車が出てくる。毎日新聞の看板がある、どこだろう。7は、路側帯が狭い、水路がある。8が、歩行ができるかできないか、郡山のような昔の城下町。9が、防護柵がない、これは曲がり角。水路に蓋がない。交通事故と水路事故が起こりやすい。このような典型的な例をサンプルでピックアップしただけでございますが、見るといかにも危ないなという感じがいたしますので、これをじゃあどうすればいいか。なかなか手間がかかりますが、危ないという箇所を選んで、点検をして改善策を考えるということを始めたいと思います。今日からこのような体制をスタートさせるということをご報告いたします。
 1つ目の報告は、以上でございます。

記者(NHK):
 通学路の点検ですけれども、その各市町村に既に点検を指示している中で、この県とか県教委、県警の三者で別枠でやるというのは、これはどういう、何というか違いといいますか、どういうすみ分けをされるんでしょうか。

知事:
 体制ですね。まず、申し上げましたように、通学通園路の設定は校長先生の権限、責任になっています。ところが、校長先生は、学校の外は学校の外だという意識があったりして、通学通園路が、これ何十年も前から決まって、道路の自動車交通が増えてもあまり知られない学校が多いんじゃないかと、こう推察しています。それを、今の点検をしようということであります。そのときに、私どもは県の教育委員会から市町村の学校、幼稚園も含めて、資料を出してくださいよということを言って、その場では達成できております。市町村の校長先生は、市町村教育委員会からでなしに、もう県の県教委を通じて県に出してくださいよということを達成、資料としては達成できております。それに、その改善策を、点検は第三者ですので、権限があろうとなかろうと第三者の目というのは大事かと思いますので、そのように県のレベルで点検しますと。
 市のレベルでそれぞれが責任ですよと、こう階段的に上がってくると、やるとことやらないとこと市町村で必ず出てきます。奈良県だけじゃない、必ず出てきます。全部しますよということは、県で全部しますよと。誰か1人が言わないと、1つの組織が言わないといけないということが、あらゆる分野で実態です。
 これは全通学通園路を総点検するというのは、1つの組織でします。その情報を市の、市町村教育委員会、市町村にも共有していきたいというふうに思っています。それで、その点検で、例えば市道ということが多いと思いますが、市道のガードレールをつくるとか、別の側道をつくるとかというのは市町村の役割になるんですよね。すると、その点検して、ここをこうしたほうがいいじゃないのということは、この県の第三者会議から市町村の道路当局に、こうしたほうがいいんじゃないかということを言うという形になります。それを聞くかどうかはまた首長の判断ですね。聞かない首長も多いことでございますので、それは心配ですけども、しかし、言ったという実績があって、保護者の方に言いましたよ、事故がもしそこから起こったら、聞かなかった首長の責任ですねというパターンをつくりたいということであります。八街でも、あんな危ないのを誰がどうしたのか、放っておいたのか。後でばたばたするというのは日本のやり方ですけど、そうはさせないよというふうにしたいというように思います。

記者(NHK):
 ありがとうございます。それから、今後その改善策を検討される上で、必要に応じてその積極的に道路の変更についても促すというふうにありますが、この辺り、かなりこう踏み込んだ対応なのかなと思うんですけれども、場合によってはその通学路の設定ルートも変えてもらうように市町村に指示をするという、そういうことなんでしょうか。

知事:
 そうですね。例えば、このサンプルを見ていただきますと、この2なんかは、幹線道路の抜け道、こういうとこをどうして通学路にするのかなと私は思います。別の道路がないのかと、通学通園路を変えてもらえないのかということも検討の大きな対象です。
 また、幹線道路の分で3ですけど、幹線道路の抜け道になっていると、3の場合ですけど。こういうのは、例えば車が通るところと通らないところと、こんな細々した道はまちの中にありますので、ここは車は通っていいよと、朝、通学通園路を。こちらは駄目だから、そちらを通学通園路にするよというふうにこう分けることもできます。あるいは、この幹線道路の抜け道で割とないのですけど、3のときなんかは、バンプをつくると。通路にこうパンプをつくって、30キロ以上出ないと。鹿をこれだけ、奈良県では鹿を気にしてるのに、子供をもっと鹿以上に気にしないといけないとつくづく思います。そのようなことを提言をして、パンプをつくるのも、これ市道でしたら市町村の責任になります。そのつくったのを、このように改善案を提案したのをまた公表したいと思います。
 公表して聞くかどうかは首長の才覚というふうに、ちょっと突き放してやっていこうかと思います。そこまでちょっと離れてこうしないと、こんなのはよくなりませんと私は思います。市の、校長先生が危ないから何とかしてくれというふうに市長に言っても、なかなかうまくいかないのが今までの実績ですので、これは第三者というか違うところから、県から市町村、市道に対して言いに行こうかといったような踏み込みを考えています。

 【報告案件】新型コロナウイルス感染症対策の新たな展開について

 
知事:
 お手元の資料でございますが、題は、新型コロナウイルス感染症対策の新たな展開についてという題にしました。
 目次を見ていただきますと、その意味が表現しているようなことがありますが、大阪府で新たな感染が拡大をしておりますので、奈良県でも、さらなる注意が必要でありますよという認識を本部で確認をいたしております。2つ目は、ワクチン接種の早期展開は、これと感染症拡大抑止の今は一番のメインの決め手になってきておりますので、その状況。それと医療提供体制バックアップと、この3つを、新たというのは1番だけでありますけれども、そのようなことを対策会議で確認をいたしましたという報告でございます。
 3ページ以降の、大阪府での新たな感染拡大の様子でございます。4ページ目を見ていただきますと、第四波のときの上がり方がこんなに急速に上がったというのと、大阪が上がって奈良が引きずられた。この当初のときは、こんなに勾配が急になるとは正直あんまり予想できなかったんです。すごく急に上がったのでびっくりしたというのが実情であります。三波のときは、上がり方がご覧のようにやや緩やかでありました。そのようなので、四波のときは、この急速なのが予想できなかったというのが実情であります。
 今度は、最近でありますけども、大阪の上がり方の勾配が第四波の勾配と似ております。だから、これを第五波と大阪府の知事さんは呼び始めておられるような気もするんですけども、奈良県でも第五波に注意というような気持ちがございます。五波かどうかというのは、定義はまたちょっと落ち着いてしなければいけませんが、第五波のこういう危険性が、第四波に比べて類似をしているというのが一番の懸念であります。この4ページ目を見ると、もう大変心配になってきます。これが一つの一番大きな、増加の兆しというのが大きなことでございます。
 関連する情報でございますが、5ページ目でございますが、10分の1ペースというのが奈良県の特徴でございます。大阪府の10分の1の感染症発生ということでございますが、10分の1を超えた場合と、下がった場合ということでございます。
 6月の14日、15日から、6月中は奈良県が10分の1を超える状況で、あれ、局面が変わったのかな、10分の1原則を離れていくのかなというような心配をしておりました。ところが、7月に入りますと、前半はまぜこぜになってまして、上がったり下がったりですけれども、必ずしも奈良県がその10分の1原則を超えるという状況でもなくなってきました。
 ところが、7月14日以降は、逆に大阪のほうが、奈良の10倍を上回る日が増えてきました。このフェーズを1、2、3に分けてみますと、明らかにこう違ってきているというふうに思いますので、大阪が伸びると、奈良が引きずられて伸びるというのが第四波の傾向でございましたので、これを今、こういう傾向が出てるんじゃないかということを大変心配をしております。この5ページ目の資料からも、大阪が伸びて、奈良が引きずられる危険性があるというご心配の兆候を、そのご理解願えたらと思います。
 6ページ目でございますが、奈良の前週比較、前週同曜日比較ということでございます。前週同曜日から同じ曜日の、この検査の数とか体制が違いますので、前週同曜日を比較いたしますと、前週の同じ曜日よりも上回っているのは赤の一重丸でございます。さらに上回って2倍以上になっているのを二重丸にしております。二重丸の日が最近では増えてきている、これも心配でございます。奈良県のこの上回る勾配、坂が、2倍の二重丸が増えてくると大変心配ですというようなことでございます。
 前週同曜日を上回る日、大阪についてでございますが、大阪は、最近では前週同曜日を上回る日が連続しております。大阪は数が多いですので、2倍以上というのではなかなか二重丸はつかないんですけど、それでも量は相当多いものでございますので、連続して同曜日を上回るというのは、大阪にとっても心配だと思いますけれども、奈良県にとっても大変心配なケースがこのような統計でよく分かりますので、県民の方にもその同じような情報を共有していただきたいというふうに思います。
 奈良県の地区の動向でございます。8ページ目でございますが、この3月からずっと、感染者の人口10万人当たり、全体の総量でも分かるんですけども、どちらがいいか、分かりやすいか。10万人当たりの感染者数の動向を、この奈良市、郡山保健所管内の主な都市ということで、奈良市、郡山市、生駒市、生駒郡などを、大阪府と並べて置いてあります。人口10万人当たりになりますと、同じようなスケールでこのように絵を描くことができます。天理がそのちょっと飛び跳ねて、これはクラスターが発生したのがちょっと影響したというふうに思いますが、そのほかでは大阪の波と大変同調的でございます。
また、心配なのは、7月5日以降の大阪の上跳ねの波に、これらのまちは同調ぎみであるということがお分かりになると思います。下がるときの同調は大変ウエルカムなんですけど、上がるときの同調は大変心配だということが分かります。それをちょっと知っていただきたいということでございます。
 次は、中和保健所管内で調べましたが、中和保健所管内の中で大阪寄りに位置します大和高田、香芝、北葛城郡は大阪との連動が強い。その波の跳ね上がり方が強いように思います。特に最近では、その北葛城郡の3町になりますが、このように大阪と連動して上がりぎみだというので、この点も心配をしております。身近なことの情報というのは足元でお持ちでないケースがありますので、このように比較して調べると、ああ、うちは上がっているのか、そう上がってないのかということを、よく地元で見ていただきたいという思いでございます。
 10ページからは、その感染類型の変化ということになります。感染の状況、3類型ございますが、判明した後、家庭、家庭外、クラスターの3類型の割合をずっとフォローしておりますが、この3年7月7日以降の類型は、クラスターを除く家庭外が、この赤い矢印のように急増しております。左の3つは3類型、同じようなことでありましたが、クラスターの割合が減って、家庭外の類型の割合が急増しているというのが特徴でございます。
 11ページ目でございますけども、一次感染というのは主に大阪ですけども、一番下の図を見ていただきますと、一次感染は、昨年の3月、6月は36%、3分の1ですが、そこから6月から7月にかけて一次感染が大変少なくなってきました。一次感染は県外感染ということになりますけど、少なくなってきて、県内感染の割合が増えたというのは、先ほどの県内感染の割合が増えた数字にも表れているんですが、ここに来て、7月7日に来て急激に一次感染が増えた。これはもう大きな変化ですので、一次感染が増えたということ、県外感染に注目していただきたいという資料になります。
 12ページ目は、県外感染、一次感染の内訳になりますが、8割が大阪関連でございます。だからこうなりますと、大阪と同調するのも理由があろうかと推察できるわけでございますが、その中で、一次感染の7月7日から16日の、大阪に行ってうつされた、来てうつされたという割合は従来からこのように変わらないですけども、行ってうつされたというのは奈良の特徴でございますけども、これは勤務がありますので行ってうつされてしまったというのが多いんですけども、従来、行って勤務でうつされたというのと、飲食や遊びでうつされたというのが、2つの種類がありますので、大阪、それは奈良の生活スタイルの特徴ですので、この点について、繰り返しになってきておりますけども、また大阪に行ってうつされた人が増えてきているということを改めて注意を申し上げたい思いでございます。
 13ページ目でございますが、家庭内感染ということになりますが、一次感染は家庭外感染ということで、クラスターと家庭内感染は県内感染でございます。一次感染に含まれるのは家庭外感染ということになります。家庭外感染の行動別ということになりますと、一次も二次も同じですけども、友人との交流と、仕事というのが2大類型であります。これが大阪に行ってうつされるのと、二次の県内でうつされるのとというようになるわけでございますが、同じような傾向でございます。大阪に行ってうつされたというようにこれを当てはめてみますと、大阪に行って仕事でうつされた、大阪に行って友人との交流、会食をしたりしてうつったというようなことが、奈良県の特徴として上げられます。そのような類型がありますよということのご注意を改めてさしあげたいと思います。
 家庭外感染の場所ということになりますけども、事業所が3割を占めてきているのが特徴でございます。事業所の3割というのは、勤務と密接でございます。勤務に行って事業所でうつされたということが多いわけでございます。その際、場所別に見ますと、飲食店というのがありますけども、居宅というのも、友人との接触でうつるケース、行動パターンが多いわけでございます。飲食店に行っても、飲食店からうつされたというよりも、友人からうつされたけども、会食に行ってたからという、長時間付き合ったからということが多いように推察されます。居宅が多いのは、友人との会食、その接触を、それぞれの家で話し込むというようなことが推察されるものでございます。これは、類型としては従来から出てきている類型でございますが、時が変わるとともにそのボリュームが変わってくるということの報告でございます。
 15ページ目は、ちょっと新しい切り口でございますが、60歳以上の割合ということを、この赤の円で囲んでおります。15ページ目では、60歳以上の割合は大体3割から4分の1というようなレベルで進んでおりましたが、7月以降は1割になってきております。これは、ワクチン接種が進んだ成果というように推察されます。同じように高齢者、若年層の人にも進むと、この割合が減ってくる。全体として感染者がシュリンク(縮小)してくるということが想像できますが、高齢者のワクチン接種が進むと、ほかに進んでない人との比較では、割合が減ってきているということがこのように分かってきます。
 16ページ目でございますが、デルタ株の状況でございます。東京の感染拡大の主役はデルタ株だと言われておりますが、奈良でも心配をして、デルタ株の発見に努めていました。ところが、今までのところ、デルタ株の発見というのは、数は少ない状況だというようにご報告できると思います。しかし、デルタ株というのは、入ってきますとすごい勢いで出ますので、決して安心はできないということを申し上げたいと思います。このように注意を続けたいと思っております。
 それでは、大阪のほうはどうかというようなことでございますが、今までのところ大阪での調査を書きますと、大阪でデルタ株が割合が増えているということではないように見てとれます。東京のほうはデルタ株の数が大変増えてきておりますが、大阪でのデルタ株というのはあまりまだ目立った動きはない。しかし、デルタ株のせいで第五波が起こっているんじゃなければ、どういう理由で大阪の第五波は起こったのかということに興味が行くわけでございます。ちょっと分からないところがありますけれども、奈良としては、大阪で第五波が起これば奈良に必ず波が来るから用心しましょうというのは、最初からのトーンでございます。
 以上が分析でございますが、18ページは、そのような分析を受けまして、改めてそのフォーカスをしながらご注意申し上げたいというところでございます。大阪において感染拡大の兆しが見られますというのと、先ほど申し上げましたように一次感染の割合が増えておりますので、大阪由来が一次感染の8割ということ、これは従来からの傾向でありますけど、その割合が極端になっておりますので、大阪との往来、勤務の方もおられるわけでございますけども、大阪は奈良の一部だと思って遊びに行く人も多い奈良県でございますので、大阪に行くときも寄り道せずに真っすぐ帰りましょうと。「8時だョ!全員奈良に帰ろう」というようなフレーズを誰かおっしゃってましたけども、寄り道しないで、というようなことを改めて申し上げます。
 それから、仕事場での感染が増えております。出勤をしないとか、テレワークとかというのは大きな要素になってくると思います。大阪の企業の在り方ということになりますので、大阪に通勤しないで奈良で仕事をするからということになれば、また変わってくると思います。
 それから、友人との交流というのは楽しみでもありますし、常時そのようなことが起こるわけでございますけども、特にオリンピックが始まりますと、東京では会場に行かないでと、地方ではテレビを見ようよと。テレビを見るときに、友達と見ようよといいますと、居宅での感染ということが想像できます。パブリックビューイングへ行かなくても、居宅での感染ということが増える可能性がありますので、テレビを見てもマスクをして、テレビのほうをずっと見てるとか、ちょっとつまらないかもしれませんが、そのような注意が必要かと思います。盛り上がるのにはちょっと水を差すようなことになりますけども、ご注意をというように思います。
 それから、友人との感染だけじゃなく、家庭内で感染しても、収まっても家庭の人数だけになるわけでございますけども、家庭内で感染を知らずに家庭外に行かれて、友人との接触、学校での接触でクラスターになるケースがもう出ておりますので、やはりそれは配慮、注意があると防止できるというのが、個人それぞれの注意によるものでございますので、防止ができる、あるいはしておられる家庭とそうでない家庭がございますので、ぜひこのご注意をいま一度お願い申し上げたいと思います。オリンピックが始まるのと、夏休みがお子様にありますので、家族と過ごされますのと、県内で比較的安全な場所も、大阪由来、一次感染を持ち帰らないということでありますと、大阪でうつされないように、家族で行って、うつす、うつされないようにということでございます。帰省ということもありますので、往来は、奈良に帰ってこられる方とか、いろいろなご家庭があると思いますけども、気をつけると感染拡大防止につながっておりますので、ぜひ気をつけていただきたいというようなことでございます。このような時期への、改めてのお願いを申し上げたいと思います。
 ワクチン接種が絶対的な決め手ではありませんけども、ワクチン接種があると、先ほどの高齢者の例のように、感染率が低くなる傾向がございます。24ページ目は、新しいデータでございますけども、高齢者の1回分の接種量のランクを前回示しておりましたが、今回は全対象者の接種状況でございます。このような統計が出始めましたので、全対象者の全国順位ということでございます。奈良県は全国平均より上でございますけども、全国20位でございます。近畿の例でございますと、ちょっと丸でしております、和歌山が3位、奈良県が2番目、兵庫がその次で、京都、滋賀、大阪というのが全国平均より低いというような状況であるのが分かります。これ、東京都、沖縄県、埼玉、千葉、愛知など、神奈川ですけど、大変はやっているところの接種状況は低いと。どちらが原因でどちらが結果か分かりませんけども、そのような状況でございますので、ワクチン接種を進めて感染を抑止するというのが大きな課題になるのもよく分かります。
 25ページでございますが、奈良県の全対象者のワクチン接種状況を右のほうに書いてございます。左のほうが65歳以上、右のほうが65歳未満ということで、これがどんどん円が広がってくるように期待をしております。これを合わせたのが全人口で、24ページ目の数字になるわけでございます。
 26ページ目は、市町村別の1回目のワクチン接種済み者のランクでございます。65歳以上の接種率を順番に、香芝市が一番低いんですけども、並べております。
 27ページ目は、市のワクチン接種状況でございます。高齢者と全年代と分けておりますが、これからは全年代のワクチン接種率の競争ということになってくると思います。右のグラフになりますけども、このように市レベルでも差が、1番の宇陀市が約半分打っておられます。御所市は4割、香芝市は2割、大和高田市は4分の1といったような状況でございます。これも日々、ご報告申し上げたいと思います。
 町でございますけども、町の高齢者のワクチンは、1回目をほぼ打ち終わられたように思います。2回目がどんどん上がってくる、高齢者については上がってくる状況でございますが、全年代の1回目のワクチン接種のほうが右のほうでございますけども、一番低い斑鳩町でも3割ぐらい、進んでおります吉野町は5割程度にもなってきております。
 村になりますと、29ページになりますけども、高齢者のワクチンはほぼ終了状況、全年代でも、上北山村の1回目が84%というように上がってきている状況でございます。
 市町村のワクチン接種率の状況、30ページ目でございますが、全年代の接種率の順番に市町村で書いてございます。市のほうが平均でいきますと28%、町で34%、村で62%という状況でございます。
 31ページ目でございますが、県の広域ワクチン接種会場は、前回は奈良会場だけが認められたという報告でございましたが、申請をしておりました橿原市周辺会場でのワクチン供給が認められました。8月上旬から予約開始で、8月中旬から接種を始めたいと思います。広域接種の概要でございますが、福祉、医療、教員等が優先でございますが、一般の方々へも優先を超えて提供する機会を設けたいと思います。ワクチンの総供給量は5万1,000回でございます。高齢者についての接種の完了団体が、町も出てきまして、11団体になってきましたという報告でございます。
 また、33ページ、64歳以下への接種券の発送状況でございます。100%を超える発送が増えてきております。また、14市町村では、真ん中では12歳から16歳未発送でございますけども、発送率はこのように差があることは書いてございます。
 34ページ以降は、医療提供体制の確保で、日々報告しております状況でございますが、簡単にご紹介をしたいと思います。重症患者の治療は、従来から重症対応は抜け目なくしている状況でございます。36ページ目では、重症患者が今、1床の使用だけでございますので、占有率が3%ということでございます。37ページ目は、医療機関、38ページ目は入院病床、昨日の段階で80床ということで、占有率が21%ということでございます。39ページ目が提供医療機関、40ページ目が宿泊療養施設の占有、69室でございますが、占有率10%のレベルでございます。
 医療提供のほうについては、現在の状況ではまだ余裕がありますが、先ほど申し上げましたように、第四波のときはあのように急激に上がりましたので、医療提供体制が上がるのに追いつかなくて、あふれてしまいました。今のところはこのように余裕がありますけども、主な上がり方というのにもなりますけれども、第四波と違うところは、ワクチン接種が進んで、その抑止力になるのではないかという期待もございますので、そのワクチン接種と感染症の増加傾向ということを両にらみで注意を払っていきたいと思いますが、県民の方には、このような感染者の動向についての情報をぜひ知っていただいて、情報共有させていただいて、ご注意に遺漏のないようにお願いを申し上げたいというように思っております。
 報告は、以上でございます。ご清聴ありがとうございました。

記者(NHK):
 ワクチン接種について、直近の課題というか目標としては、7月中にまず高齢者の接種を完了したいという日程観があったと思うんですけれども、現状これは県内の自治体では、この目標は達成できると、知事、見込んでいらっしゃいますでしょうか。

知事:
 私から見ると心配な市町村もあり、担当から市町村に聞いていただいておりますけれども、全市町村で達成できるというように市町村は言っておられるようでございます。市町村を信頼して、全高齢者は7月中にできますよと。1つのまちだけ、会場の予約が7月中でない、8月1日になったという報告があり、それは8月1日でも7月中と認めてあげていただければと思いますけど、それ以外は全高齢者に接種できますよと、こう言っておられるようでございます。
 市のほうが一番低いんですけれども、現在、例えば奈良市、27ページ目の表でございますが、高齢者の接種、2回目、47%なんですね。だから、7月中というとあと10日ぐらいですが、やっぱり見ると心配なんです、大丈夫だろうかって。県の担当と大丈夫なのかといって心配の言葉を交わしておりますが、市のご当局は大丈夫だと言っておられ、駄目だという証拠もないので結果を待つしかないと思います。現在、10日残して47%、登録は実際登録してないだけだと、こう言っておられる面もありますので、それならそれでいいんですけれども、心配ではあります。選挙が終わったから気が緩むというわけではないと思いますが、どんどん打っていただけたらと思います。

記者(NHK):
 ありがとうございます。それから、今後はそのほかの世代、もうちょっと若い世代の接種も進めていくということになるかと思いますけれども、打ち手の確保というのが従来から課題ではあったかと思うんですが、研修医の皆さん、恐らく7月中で一旦終わりになると思います。その後のその人手の確保を、県としてはどういうケアをされていくのか、あるいはその大規模会場によって市町村の負担を減らしていくという考え方になるのか、ちょっとその辺りを教えていただけますか。

知事:
 高齢者の次の、ここでいう全年代の接種ということになりますが、秋に終わるという目標を国でも立てておられますが、県でも立てております。その1つは見込みということと、その進み方、どこから打ち出すのか、どういう体制で打つのか。建て付けとしては、市町村でやるのと、大規模接種と、あるいは職域接種と、この三本立てのようになるわけでございます。今度全年代になりますと、市町村が先か、あるいはエッセンシャルワーカーが先かということの、もうだんだんこんがらがってきて、とにかく一斉にたくさん打ちましょうよというような状況にすぐなってくると私は思います。だから、とにかく打ち進めてくださいねというのが私のほうから見た気持ちであります。
 それで、秋には全年代で2回目完了するようにということを願っております。どちらが先かということを、もう言っている暇がなくなってくるのではないかなと思っています。国のほうでは、最初に細々と打ってきているときは、医療従事者から打ちましょう、高齢者から打ちましょうよということでありましたが、今、国のほうも、年代で、若い者から打ちましょうよというふうに職域も大規模も言い始めました。それはある程度誰に打つかは、地方で考えてもいいよと緩んだ感じになってきてますので、そうなると優先順位というよりも、とにかく、何度も言うように、ファストカム・ファストサーブドというように、「早く手を挙げて打ちたいんです、私は。」という方歓迎ですよというやり方に近づいてきているように思います。そのときに、大丈夫かという点では、今までは打ち手が少ないということがありましたけども、今は、この打つ体制は、出てきております。
 奈良県でも、打つ体制については相当勢いがついてきているように思いますので、あとはワクチンの供給量というふうに。ボトルネックはどこにあるかという。戦争に例えますと、銃を打つ人が不足しているのか、銃の数が不足しているのか、弾の数が不足しているのかと。今まで銃の数が見えないねと言われていて、弾はあるんだけどこちらにと。ところが、銃を打ち出すと、弾が来ないよという状況になってきた。銃の打ち手と弾、両方あふれるようになるのが望ましいというふうに思いますので、今は、弾がちゃんと来るかどうか心配だねというような、補給の話というのが日本国中覆っています。これが補給は国の責任ということになりますので、補給を遺漏なきようにしてくださいと。
 地方は、打ち手の責任持っておりますということで、それは、打ち手についてはこのような状況でございますので、そこそこ大丈夫のような状況に思います。どこに打つかというのは、多少、左ばっかり打ってたけど、今度は右でも打てるようになったというような状況でもありますので、とにかく全部平らげるというのが今の目標だと思っています。

記者(NHK):
 今のお話でいうと、弾の補給が心配であるということでしたけれども、現状、県内で、いわゆるワクチンが足りなくなりそうだとか、何かそういう実際の接種に滞りが出るような事態というのは、知事、何か把握していらっしゃいますでしょうか。

担当部局:
 今、県内で、具体にどっかでワクチンが足らなくて打つのが止まるというようなことは、出ておりません。前回、前々回ですか、配分方針でお示ししたように、進んでいるとこには多く行くようにしながら、途中、何かで足らなくなる場合には融通をし合うような、県下一円、市町村と一緒に取り組んでおりますので、今そのような状況は出ておりません。

記者(毎日新聞):
 知事は、前回のときに、たしか7月10日にワクチンを接種されるとおっしゃっていましたが、そのワクチンを接種した感想なり体調の変化なりあれば。あと、2回目はいつ打たれるのかを教えてください。

知事:
 先週かな、最初打ちまして、左手に打ったら、ちょっと一日だけですけど、固くなったなというような。一日で済みましたけど、そんなに(腕が)上がらないとかっていうほどじゃない。家内も同じような感じだと言ってました。で、それは収まった、熱は出たことありません。
 2回目は、7月の末で、7月中には打とうかと思っております。私の場合、あんまり外へ行かず、このような状況の中でおりますので、その感染リスクは、相当ケアをしていただいていますし、低いほうかと思います。遠慮したわけではありませんけれども、打つタイミングはそのようになりました。また2回目の状況も、お問合せがあれば、熱が出たとか、異常があれば報告させていただきます。今のところ、異常がなく、このように元気で過ごさせていただいております。

記者(共同通信):
 この休み期間中あたり、菅総理が、ワクチンの関係で、10月から11月までの早い時期にワクチン接種を希望する方、全ての方の接種を終えたいというふうな話をテレビ番組でされていて、それがややニュースになっていたかと思うんですが、この発言の読み取り方からすると、11月までの早い時期までに接種を終えたいとなっていますが、奈良県としての接種完了目的を、今、知事は秋とおっしゃいましたけども、たしか11月中だったかなと思うんですが、この発言によってその計画が前倒しするとか、そういったことについてはどのように現状お考えでしょうか。

知事:
 ワクチン接種は、例えば11月中と決めていても、わざと打てるのを遅らす必要はないんですね。早く打てれば早く打つにこしたことはありませんので、遅くとも10月とか11月中にというのが、国民の方々全部に対して、そのような方向で打ちましょうという体制で来ております。奈良県では、早く打ち終われば早く打ち終わったにこしたことはありません。それにはネックになりそうな打ち手と供給量ということだったのですが、今のところ供給があれば相当前倒しにもできるかもしれないと内心は思っております。
 だから、先ほどの総年代の接種率というのは、進んでくれば、これが25ページ目の総年代の接種、24ページ目ですかね、1回目の接種率は31%ですけれども、1回目を100にして、2回目を上げていくというのが、今、7月の末ぐらいですけれども、今までのペースだったらどのぐらいと、そういう机上の計算はできます。ワクチンの打ち手のほうは定常的というか安定してますけど、ワクチンの供給量というのは波が打つかもしれません。まだ確定供給というとこまでいってないように思いますので、不確定要素とは思っておりますが、それがどんどん入ってくると、どんどん打ってもらいましょうと思っておりますので、前倒しの可能性はそこそこあると思っています。前倒しできたらしたいと思っております。

記者(朝日新聞):
 弾と打ち手の話に戻って恐縮なんですけども、広域接種会場のほうでは、ワクチンの供給量のほうは一応確定しているように資料から見れるんですけども、合わせて5万1,000回分届くということで、こちらの供給は分かっていて、ここの会場の打ち手というのは今どのように考えられていて、既に確保できているのかについて教えていただけますか。

担当部局:
 ワクチンの大規模接種会場の打ち手についてご質問いただきました。そちらにつきましては、病院協会のほうとご相談させていただいて、現在、人の確保にご協力いただいているところです。具体的な人数等については調整中の段階ですけれども、基本的には確保していただけるということで調整させていただいています。

記者(朝日新聞):
 ありがとうございます。それと、先ほどご発言であった、不確定要素としてワクチンの供給量というものがあるけども、入ってくるならどんどん打ちたいということで、こちらの供給量がどんどん入ってくることが分かって、弾の心配をしなくていいとなった場合に、今度、打ち手を増やさないとということになると思うんです。研修医の方は7月末で研修プログラム上、もう打ち手になることはできないということで、その後どういうことをお考えですか、打ち手に関しては。

知事:
 打ち手ですか。

記者(朝日新聞):
 ワクチンがどんどん入ってきた場合に、今度打ち手を増やさないとということになると思うんですが、そうした場合にどういった形で打ち手を確保されますか。

担当部局:
 高齢者接種につきましては、研修医がかなり活躍をいただいて打っていただきました。一方で、それと並行して市町村が個別接種ということで、開業医の方へのご協力をかなり進めておられます。今後、先々も見据えて、そういう体制を組んでおられるところが多くございます。あと、その医師のマッチングサイトの活用をされている市町村もございます。いろんなツールが出てきておりますので、そういう市町村で、もし足らないというお話があれば、いろんな相談には乗っていきたいと思っております。

 「いまなら。キャンペーン」について

記者(読売新聞):
 「いまなら。キャンペーン」について、先日、県内の宿泊業界とか旅行業界の団体から要望書が提出されたと思いますが、県としては、早期実施の考えはあるかお聞かせ願えますでしょうか。

知事:
 今日の資料を見ていただけますと、おのずから答えは分かると思います。このように(新型コロナ感染者が)増えてきているときに、これを見てから、どのように反応されるかということがあります。プロモーションとワクチン、県民の方は感染が増えると怖いなと。しかし、経済も元気になればいいなと。両方の願いを持っておられますので、奈良県は酒類の販売停止もしませんでしたし、時短も一時でしたが、あまりしませんでした。飲食店をあまりいじめなかったという感じはいたします。それで、大阪近隣で、影響を甚大に受けておりますが、このように爆発的に飲食店クラスターが発生しなかったという状況であります。しかし、大阪の状況がこのような今日の報告でございますので、それでもまだ県民の方が「いまなら。」をしたいと言われるのかどうかということは大分疑問に思いますので、慎重な判断をしたいと思います。

記者(読売新聞):
 それから、先ほど夏休みは県内で過ごそうということがありましたが、これはだから、旅行や宿泊というよりも自宅でというようなことになるでしょうか。

知事:
 そうですね、いろいろな言い方や見方があると思いますが、観光や飲食を自粛してくださいということをあまり積極的に言ってこなかったんです。気をつけて行ってらっしゃいねということで、行く時に、わざわざうつりそうなとこに行かないでねという気持ちがあるわけです。奈良県の生活パターンは、わざわざ南へ飲みに行く人はいないですね。高田など大阪に近いところは、飲みに行くなら西を向いて行くというような風習があるわけで、大阪から奈良へ飲みに来られる方はほとんどおられないというのが実態なんです。だから、蔓延防止というのは、あまり意味がないなと思われました。
 だから飲みに行く場所も、いつも行っているところは危ないんですよということを繰り返し繰り返し注意申し上げているわけで、すぐに自宅でなくても、安全なところで飲んだり宿泊されるのはいいんじゃないですかと申し上げてきております。宿泊自粛、飲食自粛というのではなく、気をつけて、気をつけて、気をつけてということをまた改めて申し上げたいと思います。
 その時にプロモーションをかけると、安心だからそれ行きなさいと、こういうパターンになりますので、そこまではちょっと難しいというのが先ほどのご質問の姿勢ですけれども、じゃあ家かと言われると、その間、気をつけて行ってらっしゃいというパターンがあるように思いますねということになると思います。気をつけてというのは、行く場所に気をつけて、行動パターンにも気をつけてということになると思います。
 奈良は、どちらかというと店も、飲食も、宿泊も、散歩の場所も、比較的安心なところはありますので、ここに行けば大丈夫だという保障はできませんけれども、大阪に行くよりは大分安全じゃないでしょうか。しかし、大阪に行かないでも、桜井市や大和高田市でも飲食クラスターが発生いたしましたので、そのような店は避けて、例えば認証制度がある店は比較的安全度が高いんじゃないでしょうかとお勧めしたいと思います。その勧めるというのも、また語弊があるかもしれない。自宅かと言われると、いや、そういう店もありますよということは、ちょっとだけでも言いたいなということでございます。

 東京2020オリンピック・パラリンピックの無観客開催について

記者(時事通信):
 東京オリンピックについてお伺いします。ほとんどの会場で無観客での開催が決まりましたけれども、知事は観客を入れることに肯定的だったと思うんですが、受け止めはいかがでしょうか。

知事:
 オリンピックの開催はもういいですね、もうやることになった。

記者(時事通信):
 開催は、もちろん肯定的ということですね。

知事:
 あと、無観客について。無観客にするというのは、どういう根拠で言われたのかなという感じはまだちょっと、素人ですが、そのような感じがあります。バッハさんが観客を入れてもいいんじゃないかと言われるとまた反発があったりしますので、あまりそういうところに参戦したくないですけれども、前を向いて静かにしていますと、うつるのかなと。専門家は、それでもうつるんだという証拠をなるべく分かりやすく言っていただけたらいいのになと思ったりします。
 テレビを見て不思議に思うのは、大谷選手の出場しているオールスターとか、アメリカでは感染者がすごく多いんですが、大谷選手が出るロサンゼルスの野球のスタジアム、満員ですよね。ああいうことができて、わあわあと騒いで、アメリカも結構まだ感染者が残っていると思うんですが、日本のオリンピック無観客というのは、ああいう野球を見た人は、アメリカで野球を見るとわあわあ騒げるのに、東京に行ってオリンピックに出ると観客いないねというのは、どのように説明されるのかなという興味は持っております。持論を述べるほど専門家ではありませんので、プロでもないのですが、素人の印象を持ちます。

 盛土の調査について

記者(毎日新聞):
 静岡県の熱海で大規模な土石流災害が発生したという事案があり、違法かどうかは別として、盛土が要因ではないかという指摘があるようです。その熱海の災害を受けまして、奈良県としては、盛土の調査であるとか、レッドゾーンの再点検であるとか、そういうことをされるお考えはあるんでしょうか。

知事:
 実は、今日の会見資料の案件に、森林区域の開発に関する盛土の調査というのを入れていたんですが、昨日まで議論をずっと重ねておりましたが、今日の発表にはちょっと間に合わなくて落としました。しかし、盛土の調査や安全対策をしたいと思っています。
 なぜ今日発表できなかったということにもなるんですけれども、森林の盛土、危険な盛土を調査するということが大事だと思っております。危険な盛土というのをどのように絞り込むのかという点について、調査対象を十分合理的にまだ絞り込めなかったというのが、端的な話でございます。
 といいますのは、熱海の盛土は開発危険地域というのが流域にあるんですけれども、盛土というのはその上の方にあることが多いんですね。すると、その危険な盛土があろうとなかろうと、土砂崩壊危険地域といって、流域であるんですけれども、そこだけ調べたらいいのかと。盛土というのはその上にあったりして、違うところから盛土が崩れて、その危険地域になだれ込んだというようなことが熱海のケースのように見えるんです。そのような森林の開発許可は、1ヘクタール以上は県の許可、1ヘクタール未満は市町村への届出という、これは農水省の森林法で定められているんです。私から見るとちょっと曖昧なんですね。市町村への伐採届というのが、その伐採をして後に盛土をするとかしないとかいうことが、十分に安全性をチェックされてないんじゃないかと思われるところがあります。
 すると、市町村の伐採届をどのように把握するかというようなことも少し関係してきまして、盛土や森林の防災管理というのは、立てつけが法律から来て、それが県の体制にも影響します。市町村の役割と、その危険な場所をどこに特定するのかという点が、昨日まで毎日ほど勉強会をしてたんですけれども、今日の発表を昨日の夕方断念しました。曖昧なままここで発表するのはよくないんじゃないかと思って、もう少ししっかりと調査対象を判断して、改めて発表させてもらおうと思います。1週間か少し遅れると思いますけれども、調査対象を明確にして、調査の体制をはっきりしていきたい。盛土の危険性を認識、認知をしたいという思いは、引き続き強く持っております。

記者(毎日新聞):
 調査はする方向だということなんでしょうか。

知事:
 そのとおりです。

 首長選挙の結果について

記者(毎日新聞):
 2つの選挙の結果についてご所見をお伺いします。まず、奈良市長選挙ですが、現職が4選を果たしました。今年は出陣式第一声、知事は行かれていませんでしたが、この奈良市長選の結果について、まずどう思われますでしょうか。

知事:
 市長選の現職が出られますので、(各報道機関が)優秀な検証資料を出されたというのはこの前申し上げました。あれを見て、すばらしい検証能力がおありになるんだなと、各社ともですけれども。あの検証資料を取っております。ああいうものは市民の方によく読んでいただくのが一番いいと思いますけれども、各社の検証は立派ですが、各紙を全部購入されている家はないんですよね。各社とも粒ぞろいの検証資料だと思いますが、それぞれちょっとニュアンスもありますので、検証記事をまとめて有権者が見る機会があればいいのになと思ったりいたしました。それは選挙の結果ではなく、選挙の動向についての感想ということになります。
 結果については、勝つべくして勝たれたのかなと思いますが、検証結果を市民の方がよく読まれた結果なんだろうなと思えるかどうかはまた別にして、市民の方のご判断かなと思います。私の感想というのは特段ございません。

記者(毎日新聞):
 それともう一つ、2日前に投開票されました兵庫県知事選挙ですが、これは初めて日本維新の会の推薦する候補が、大阪以外の知事選で勝ちました。事実上の若い方と、知事も同期でいらっしゃるような井戸知事が推しておられた副知事との一騎打ちで、意外と差が空いたかなと考えているんですが、その結果について、同じ知事としてはどう思われますか。

知事:
 ああ兵庫県、差が空いたという評価になりますかね。
 井戸さんは役所の同期です。彼は運輸省にも出向で来ていたことあり、私が航空局で事業課長、総務課長をしていて、彼は環境政策課長で、伊丹等の騒音防止対策の課長だったんです。その前からよく知っていますので、彼が佐賀県の財政課長のとき、僕は福岡県の福岡陸運局の課長で出て、その頃、九州でお目にかかったりして、懐かしい同期が去られるのは寂しいなといって電話をいたしました。それは個人のことなので、こんなところで申し上げて申し訳ございませんが、選挙の結果ということになります。
 今度の新しい方、まだよく知らないものですから、選挙の結果って、今、維新の動向ということをおっしゃいましたが、よく分かりません。兵庫県は奈良県よりも随分大きいですし、大阪府に隣接してるということでもありますが、維新の動向、他県への動向というのはよく分かりません。先ほどの奈良市長選じゃないですけれども、県政とか政治の検証というのは、中央政治も含めてとても大事ですので、中央政治の勉強会もしようといってやり始めたら、その調査表がおかしいと県議会の維新の方からクレームがついて訴訟になったりして、あれも毎日新聞の関係する記事でしたけれども、すごい立派な先生に中央政治の勉強させていただいて、中央政治の勉強はとても引き続き大事かなと思っています。
 中央政治がよくなれば、地域がよくなると本当に思っていますので。どのような選挙の結果であっても、いい地方政治ができるようにと願っています。首長の役割も大きいと思います。いつも県内の人に言うんですけれども、首長は使い捨てでいいんだよと。とにかく現職でいる間、サボらないでよく働くように、議会は尻をたたくようにといって議員にも言っているんです。だから働かない首長を見ると内心腹が立つということですので、他県のことを腹が立つことはないですけれども、よく働く首長であれば、必ず他県であっても応援したくなるような気持ちになるわけでございます。よく働く首長が続々と、県内でも出てくればと思います。働く首長は皆助けてもらえるように思いますので、ちょっと話がとんだかもしれません。そのような感想というか、選挙の結果というよりも、首長選挙についてのスタンスというようなことにしかすぎませんけれども。

記者(毎日新聞):
 もう1点、先ほど同期の井戸知事が去られるのは寂しいということでしたが、荒井知事は、次の知事選についての対応というか、次の奈良知事選の対応については。

知事:
 ああ、まだ。

記者(毎日新聞):
 そういう態度というのはいつ頃までに決めたいなというのはあるんでしょうか。

知事:
 ああ、まだ2年あるよね。1年だっけ、2年だっけ。

記者(毎日新聞):
 2年。

知事:
 2年あるから、まだ考えていないです。いい首長が出てくるようにというのは、私のことはさておき願っております。それに、いい首長が出てくるのが一番だと思います。そのいい首長になるように頑張らないといかんというのが、自分から見た姿勢ということになります。その時に選挙結果で立場をもらうわけですので、今のプロジェクトがいろいろ進んでおりますので、それが成就できるような体制になれば、奈良県にとってはいいことかなと思います。それだけですね。使い捨てて、使い切るか使い捨てるか、ちょっとニュアンスがあると思いますけれども、仕事の結果が出るようにとだけ願っております。

司会:
 他にご質問はいかがでしょうか。幹事社さん、よろしいですか。
 それでは、本日の知事定例記者会見を終了いたします。ありがとうございました。

※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。

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