私の通勤途中に「忍性菩薩御誕生之地(にんしょうぼさつごたんじょうのち)」と刻まれた石碑があります。忍性菩薩こと良観房(りょうかんぼう)忍性は、三宅町にゆかりのある僧侶で、地元の人から「忍性さん」と呼ばれ親しまれています。鎌倉時代、病人や貧しい人へ食事や衣服を施したり、橋や道路を修復するなど、当時誰も行わなかった慈善活動を数多く実践しました。忍性さんはのちに人々から忍性菩薩と呼ばれ、今なお慕われています。 生涯を民衆の救済に捧げた忍性さんの活動は、現代の社会福祉活動に通じるものがあります。 かつて、忍性さんが自ら歩行できないハンセン病などの患者を背負い、北山十八間戸と奈良町を何年間も往復したという逸話を残す地には、現在、地元の子どもたちを対象とした子ども食堂があります(現在新型コロナウイルス感染防止のため食事の提供は休止中)。子どもたちを地域ぐるみで支援する活動は、忍性さんの心優しさを実践しているような気がします。 今まで経験したことのない大きな変化を迎えている今、全ての人が互いに尊重し合い、支え合うことができる社会やまちを実現するために、私たち自身にできることは何でしょうか。
御杖村立御杖小学校 4年 西村 小羽(にしむらこはね)さん
桜井市立桜井南小学校 6年 井上(いのうえ)まどかさん
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