【案件】
〇新型コロナウイルス感染症対策奈良県緊急対処措置経過報告8.11
司会:
それでは、新型コロナウイルス感染症対策に係る知事臨時記者会見を始めさせていただきます。
本日の発表案件でございます。新型コロナウイルス感染症対策奈良県緊急対処措置経過報告8.11及び本日の感染者の状況につきまして、荒井知事より発表をいただきます。
それでは、知事、よろしくお願いいたします。
【案件】新型コロナウイルス感染症対策奈良県緊急対処措置経過報告8.11
知事:
まず、本日の感染者の状況は、過去最多を経験いたしました。前日、前々日は多少減っていたんですけども、日のずれはあろうかと思いますが、1日の発症としては過去最多の日になりました。報告をさせていただいたとおりでございます。そのような状況の中で、経過報告をさせていただくわけでございます。
資料の説明に入りたいと思います。本日の経過報告でございますが、3つのパートに分かれます。感染状況と防止対策、それと医療の強化対策、それからワクチン接種の早期展開でございます。
感染状況と防止対策についての経過報告でございます。4ページ目を開いていただきますと、この四波、五波と言ってもいいような状況でございますけども、四波と同様の状況でございます。このお盆の時期にかかります、このような時期が正念場だというように思っています。
県内の地域ごとの分析を従来からもしておりますけども、違うやり方でまたやり、5ページ目でございますが、奈良市と郡山保健所管内、大和郡山市、天理市、生駒市、生駒郡が郡山保健所ですけども、7月中旬以降は同じような傾向で感染者が伸びております。特に特記されるような上昇傾向はありませんが、強いて言えば、最近では生駒郡が伸びているようなことでございます。王寺町とか斑鳩町辺りであります。
6ページ目でございますが、中和保健所の主な都市では、橿原市の8月に入りましてからの増加が著しく、クラスターの発生が報告されております。香芝市においてもクラスターの発生が報告されております。それを除きますと同じような傾向が続いております。
7ページ目でございますが、特に主要な市における最近の感染状況、奈良市、生駒市、橿原市の3市について、7月26日から8月6日まで約10日間の調査をいたしました。感染経路の確定ということではありませんが、推定ができるところがございます。その中で、奈良市もそうなんですけど、生駒市、橿原市が県外での行動歴のある人が多い状況というように思われます。これは一次感染というように考えられますが、一次感染から二次感染以降に移るのが大都市周辺の地域の特徴でございますが、一次感染が減りますと全体としては減るんですけども、その域内での感染の二次感染以降の割合が増えるというような状況になります。奈良市、生駒市、橿原市の一次感染の増嵩の状況でございます。
クラスターの発生が増えております。8月10日、11日、昨日、今日の発生で6件ございます。病院が生駒市の1件、事業所が3件、飲食店が2件ということでございます。クラスターの発生も、その感染者数が大きく伸びる要因になっております。この要因の調査を見てみますと、マスクをしてないとか、間隔が狭いとかというように、細心の注意を払っていただいているとならないケースであろうかと思いますが、時既に遅しのクラスター発生というようにも思います。
そのような事例を受けまして、9ページ目になりますが、クラスター発生のケースを改めての注意ということは同じことになるわけでございますけども、細心の注意をしていただければクラスターは発生しませんよ、基本を守っていただきますと発生しませんよということを、改めてお願いを申し上げたいと思います。発生いたしますと、あっ、しまったと思って注意をされますので、同じ場所では二度と発生しないというのが奈良県のケースであります。その前に、発生する前、見えない敵でございますので油断ということがあろうかと思いますけども、クラスター発生することがこのように起こります。ぜひ基本となるのは、感染を持ち込まないということは、持ち込む人に気をつけましょう。自分では分からないわけでございますが、体調不良時には出勤しないように、あるいはさせないようにしてください。それから、感染予防対策をしている事業者では、感染者が来られてもクラスターにならないケースがございます。そういう事例がございましたので、感染予防を徹底されている事業所、事務所ではクラスターにならなかったケースも分かっておりますので、ご注意の内容によるというように思います。
今申し上げました事業所でのクラスター対策でございますが、持ち込まないのが一番でございますが、持ち込まれた場合でも、マスクの着用を徹底するとか、マスクを外しての飲食、会話を避けるというようなことをしていただきますと、その事業所ではクラスターが発生してないという事例が分かります。
飲食店のクラスター対策でございますけども、やはり先ほどの事例でありますように、マスクを着用してないとか、席が近い、あるいは大声での会話がされるというような、言ってみれば当然のようなことが、ちょっと不注意でされてないということが事例としてはございます。注意を続けるのはなかなか大変でございますけども、注意をすれば確実に防止できるということが分かってきておりますので、ぜひこのようなご注意を神経質になってでもしていただければというように思います。
飲食店での感染防止は、滞在時間を制限して感染機会を与えない。マスク着用する、設備面で換気を十分にするといったような、当然のことでございますが、このような対策を講じておられるところでは発生をしておりませんので、全店発生するということでございませんので、お願いを改めて申し上げたいと思います。
12ページ目でございますが、変異株、デルタ株の調査を続けております。前回出しましたのは8月1日までのデータでございますが、2日から8日までのデータでは、そのデルタ株疑いと言われるものが大きく伸びているのが分かります。これは大変危険な状況でございます。デルタ株の感染力の強さによって、今、日本全体、感染が爆発していると言われている面もございます。奈良県でも、このデルタ株の割合がこのようになるというのは大変危険な兆候だと思っております。一層の注意が必要だというように思います。
13ページ目は、大阪府と東京都のデルタ株疑いの様子でございます。奈良県のケースとちょっと視点が、1週間から2週間ちょっと遡っております。データの集める違いで、大阪府も7月25日まででございます。奈良県の場合も、同じ時期、前ページでございますが、比べていただきますと、ほとんどデルタ株疑いがございません。その後、2週間で大きくデルタ株疑いが奈良県の場合は出てまいりました。大阪府はこれから情報が出ると思いますが、どのようになるか心配をしております。東京都も7月25日までのデータしか奈良県での手持ちではございませんが、東京都の場合は既にデルタ株疑いが大きな、約半分以上のシェアを占めております。
14ページ目は、よく聞かれてまいりました飲食店の時短要請の効果でございます。奈良県において、前回の四波のときに時短を要請された市町とされなかった市町村が分かれました。それを比較検討して、同時期の減少率を比較検討しますと、時短要請をされたのでは同時期マイナス84.2%、実施しなかった市町村では76.4%、どちらも8割強か8割弱ということでございます。決定的な差とまではいかないのではないかというように今思われます。あと、奈良県のこの減少の、あるいは増嵩の効果に影響のあるのは、大阪市との距離の近さ、交流量の多さということでございます。この時短要請のみの効果というのは測りにくいとこがあるわけでございますけども、総じてこの分かる資料で測りますと、このような結果でございます。
15ページ目は、奈良市独自の時短協力金がありました。11日から24日までの期間中に時短要請をされることでございます。奈良県は、効果があればお付き合いしますよと言っておりましたが、今の14ページ目の表のように、時短要請の効果あまり見られないというように思いますのと、その前の各市町村の最近の増高を見ても、奈良市だけが大きく突出して感染者が増嵩しているわけでもございませんので、15ページ目の表でございますが、そのようなことを勘案いたしまして協力金の上乗せは今回はいたしません。ただ、効果が事後的にでも確認できた場合には、県から市への財政支援を検討したいと思います。
医療の強化でございます。今、全体の感染爆発の中で、感染爆発を収める手だてはない、国においても地方においてもと言われておりますが、感染された方を受け入れる医療体制は、基本的に知事、地方の責任になっております。奈良県では、医療対策強化に努めてまいりました。その様子も経過報告でご報告したいと思います。
1つ目は、17ページ目でございますが、重症対応病床でございます。34床ずっと確保しておりますが、占有率は29%、10名の重症患者がおられます。これまでは全ての重症患者を重症対応病床で治療することができている状況でございます。
18ページ目は、その担当の病院でございます。19ページ目は、重症占有状況の波の表でございます。
20ページ目は、重症化予防の対応でございます。自宅の入院・入所待機者あるいは自宅療養者、また宿泊療養施設にあっても、重症化予防の配慮をしておりますが、引き続き重症化の予防にこの措置を取っていきたいと思います。具体的には、入院・入所待機者、自宅療養者にはパルスオキシメーター、酸素濃度を測る機械を貸し出しております。宿泊療養施設に入っていただきますと医師、看護師が詰めておりますけども、急変される場合には医療機関に搬送できるように総合医療センターに応急病室を整備しております。とにかくそこには入院の予約なしでも運び入れることが可能でございます。また、宿泊療養施設で酸素の投与ということも可能にしております。重症化予防には引き続き力を入れていきたいと思います。
入院病床の状況でございますが、448床の確保にしておりましたが、先日、通常医療のために運用病床を確保するということで、71床通常医療のほうに回しました。最近少し戻しまして、412床まで戻しております。順次運用を再開しておるわけでございますが、この13日には448床の確保病床をフルに運用することにしたいと思っております。現在の412床に対しまして、現在の入院患者数は254名でございます。占有率は62%ということになっております。これまで奈良県では、入院加療が必要な方は、全て入院していただくことができております。
23ページ目は、提供医療機関でございます。県立系の病院が約52%を占めております。
24ページ目は、占有状況の推移でございます。25ページ目からは、宿泊療養施設の状況でございます。現在、6施設、711室の提供でございます。入所室数は現在、331室になっておりまして、占有率は47%まで上がってきております。26ページ目は、その運用室の状況。27ページ目は、占有の状況の推移ということでございます。
28ページ目でございますが、入院待機者あるいは自宅療養者の状況ということでございます。自宅療養の方は16名おられますが、全て入院拒否者の方でおられます。また、待機中というのは、2日以内でその病院のどこに行くか、自宅との距離あるいはご家族の状況などを調整したりご準備されるのに必要なのは1日ないし2日要るということで、2日までおられる方は、この自宅待機者という欄でございます。その方も137名ということで増えてきております。自宅療養中、3日以上おられる方という定義でございますが、16名おられますが、全員が入院・入所の拒否者でございます。3日以上おられる自宅療養者という定義に当たる人は、ずっとゼロの状況でございますので、奈良県では引き続き、自宅療養者ゼロを堅持していきたいと考えております。
入院・入所拒否の理由でございます。30ページ目にありますように、家族全員で自宅療養したいという方、また世話が必要なご家族がおられる、あるいは自営業で、在宅で勤務、仕事をするといったような方がおられますので、このようなご家族の、あるいは仕事のご関係を崩してまでということはできませんので、一応拒否者として自宅療養ということにしていただいております。
31ページになりますが、これまで自宅待機者のほか、自宅療養者が増えた時期がございました。定義上、3日目以降の入院・入所、ここで言いますと黄色に当たるところでございます。ある時期このような分析をいたしますと、この黄色の欄が増えておりますのは、4月1日から30日、5月1日から5月31日の、これ延べといいますか累計でございますが、4月、5月には自宅療養者がこのように増えた時期がございますが、現在では実質ゼロの状況になっていたという振り返りでございます。
32ページ目は、先ほど自宅での入院・入所待機者、療養者に対する健康管理で、パルスオキシメーターの貸出しについて申し上げましたが、ICTを活用した健康状態の確認と、看護師が電話対応する相談も従来からやっております。このお盆に入りまして、連絡がつかないでご自身でご心配される方もありますので、ここに書いてありますような電話、0742-27-1132にお電話いただきますと、24時間対応と、平日・土日祝問わず24時間対応しておりますので、どうぞご連絡してください。
最後に、ワクチン接種でございます。25ページ目になりますが、ワクチン接種と感染発生ということを前回から調べておりますが、今回は、その接種率と感染率の関係、相関関係は、前回はたしか0.64でございましたが、相関係数は0.71ということで、相関度が上がってきております。具体的な場所、市でございますが、左のほうの市が接種率の低いところでございます。接種率の低い市と町、香芝市、橿原市、大和高田市、広陵町ということがありますが、香芝市、橿原市のほうは全体よりも感染率が高い状況でございます。大和高田市、広陵町は低い状況でございます。
その次の欄、接種率が全年代の接種率、1回目の接種率が4割台の市を書いて、奈良市もその中に入りますが、感染率の高いのは、この縦のラインでございます。王寺町、三郷町あるいは大和郡山市、生駒市のほうが、奈良市よりも高い状況でございます。この具体的な名前は右の欄に書いてございますが、奈良市、葛城市は感染率というのは、この同じワクチン接種の低いほうの中では、感染率は低いほうだということでございます。
36ページ目は、65歳未満の接種率と感染者の関係ということを調べております。ここにおきましても、香芝市、三郷町などは、65歳未満、あるいは60歳未満の感染者数、接種率の中で奈良市、葛城市、大和高田市は同じ接種率の群の中では感染者の割合が低いほうでございますが、香芝市、三郷町、橿原市、大和高田市、大和郡山市のような市は、程度の差はございますが、感染者率が高い状況でございます。それと、その65歳未満の感染者の相関係数ですが、0.63ということでございます。これも、接種が上がってくると、相関係数が上がってくると思います。0.63でも相当な相関だと思いますけども。
37ページ目は、ワクチン接種の状況でございます。65歳未満で2回目接種は10%ということでございますが、全年代合わせますと2回目接種が3分の1までまいりました。毎日たくさんのショットを打っていただきまして、これを10月末ぐらいまでに全年代、全接種ということを目標にして頑張っていきたいと思います。
38ページ目は、全年代のワクチン接種済み者の、1回目、2回目の接種済み者の状況でございます。右のほうになりますと、上北山村、野迫川村といったような小さな村では8割を超えるまでになってまいりました。また、市におきましても、宇陀市でも48%ということで、一番右欄の一番上でございますが、まだ5割までいかないということでございます。2回目の接種率は、大和高田市のように3割ということでございます。これが、全体として5割、6割ということになればというふうに思っております。
39ページ目は、市町村別の全年代のワクチン接種率の状況でございます。差が当初は割とあったんですけども、差が縮まってきてるような気もいたしますが、これが全体として上がってくると随分違ってくると思います。
40ページ目は、そのグラフ化でございます。8月11日時点での経過報告ということでございますが、感染者が過去最多を経験・計上した8月11日でございますけども、1つは、繰り返しになると思いますが、感染者の増嵩を直接抑え込むということはなかなか国でもできない状況でございますけども、なるべく静かに、感染するシチュエーション・状況をつくらないようにするということしかないように思われますけども、それを、辛抱が要ると思いますけども、県民の方にお願いを改めてする次第でございます。
感染された場合には、医療提供がないとご心配でございますので、奈良県では入院加療の必要な方にはこれまでは漏れなく医療を提供しておりますが、引き続き医療の提供、ということは入院あるいは宿泊療養ということを、一人残らず入院または宿泊療養していただきますように努めていきたいと思います。
3つ目は、ワクチン接種は、今申し上げましたようにワクチン接種が進むと感染率が低下するという相関係数があるということが分かってきておりますので、ワクチン接種をできるだけ進めて、感染者の発生の抑制に努めたいというように思っております。ワクチン接種の接種率の向上とデルタ株のまん延いうのとの競争のようになってきていると思いますが、今申し上げましたようなことで県では精いっぱい努めていきたいと思います。このお盆の時期、できるだけ身の回りの様子を用心をしていただいて、ご家族の皆様共々、感染しないようにお気をつけていただければありがたいと思っております。
私からの本日の経過報告は、以上でございます。
司会:
ありがとうございました。
それでは、質疑に移らせていただきたいと思いますが、本日のご質問は、緊急対処措置経過報告、コロナ対策の関係でお願いしたいと思います。それでは、ご質問のございます方は挙手にてお願いをいたします。
記者(奈良テレビ):
今日の発表の新規感染者の数が142人ということで、これまでの最多が4月、第四波のときに120人台だったと思うんですけども、このときよりかは20人ほど多くなっていまして、クラスターも複数確認されているとは思うんですが、知事として、今のこの感染状況の受け止めというのはどういったことでしょうか。
知事:
142名というのが続かないように、先ほど、前日、前々日が少なくなった反動というわけでもないんですけども、明日、明後日を見てますと、それが続くのか、また波打つのか、その分かりますので、週平均とか、二、三日平均とかというように統計も出しておりますので、1日だけの最高だけで判断しないようにしたいと思いますが、願わくばということになりますけども、過去最多を更新しないようにというように願っております。
また明日になってみないと分からないところがございますので、どのように波が打つ理由は、休みのときのその判断の量とか、いろんなことが関係してると言われますが、それもだんだん、月曜日は増えるよ、日曜日は少ないよと言われていたのがだんだん崩れてきているような、東京のケースなんかでありますが、奈良県の場合はまだよく分からないところがあります。前日、前々日、月、火が少なかった、比較的、他県と比べて少なかったという面もあるんですけど、これでちょっとは内心、正直ほっとしたとこはあるんですけども、しかし、また最高を経験するというような、県でも波打ちますので、少ないからといって安心しない、過去最高だからといって驚かないといったようなことのように思いたいというように考えております。
記者(奈良テレビ):
ありがとうございます。また、お盆を前にして、用心してというようなメッセージがあったと思いますけれども、県民の方に具体的に何かこう、こういう行動をしましょうというようなメッセージとか呼びかけとしては、何かありますか。
知事:
繰り返しになりますけども、奈良県の基本的なパターンは一次感染、先ほどの最近の動向で、大阪に行って、7ページ目でございますけども、奈良市、生駒市、橿原市の状況について、こう言っているわけでございますが、油断されたわけではないと思いますけども、県外での行動歴ありというケースがあります。従来のパターンで行動されているように思うわけでございます。一次感染、大阪に行ってうつされるという奈良県のパターンですけども、多分この調査すると、東京なんかの調査では、自分はうつらないと思っている方が圧倒的多数、特に20代、30代、40代の方は、ということは、奈良県でも同じようなことじゃないかなと推察するわけでございます。しかし、そういうわけではないですねと、気をつけてくださいねと。
特に、そのうつるパターンは、大阪に行ってうつされて、帰ってきて家族にうつされる、家族がまた外に出てうつすということなんですけども、お盆の時期のメリットということは、大阪に行ってうつされるということは、勤務ではお盆休みの間は、僅か数日かもしれませんが、ございませんので、それで、わざわざ懐かしい大阪に行って遊ばれるということのないようにというのが、具体的な注意の1つでございます。
そういたしますと、一次感染がないと二次感染、ご家族への感染がないと。ご家族で奈良県でいろんな、安全なところのほうが奈良県多いですから、そのいろんなところで楽しんでいただくということをお勧めしたい。奈良県は暑いですけど、海辺でもあんまりありませんですけど、そういう涼しいところと環境のいいところは密集しますので、静かに工夫をして近く近くを、この暑いのでお出かけを勧めるわけではございませんけども、涼しくなった夕方とか朝などは散歩の時間だと思いますので、ぜひ工夫をされて、違う生活パターンの工夫をされてというふうにお願い申し上げたいと思います。
記者(奈良テレビ):
ということは、結構お盆で帰省とかされる方も多いとは思いますが、できる限り県外、特に大阪とかの感染が広がっているところではなくって、県内で過ごしてほしいというようなお願いということですか。
知事:
お盆の行動は難しいですね。もっと遠くの田舎に行くんだけどもという方もおられると思います。大阪がふるさとだという方もおられると思います。たまたま大阪で今増えてるから危ないよと言っても、いや、うちは大丈夫だと、実家に帰るのは大丈夫だと思われるのが普通だと思いますので、これもお勧めするとか、行っちゃいけないとかっていうわけにはいかないと思います。もうくれぐれも用心してというしか、お願いする仕方はないように思います。また、来られる方も、帰ってこられる方もおられると思うんですけども、両親が高齢だからとにかく心配だしというので帰ってこられる方のほうが多いと思いますが、その場合でも、来ちゃいかんというようにもなかなか言えない面はあろうかと思いますけども、外国では移動の自由を、憲法の自由制限するのかという政治的な行動にもなるぐらいでございますので、やはり禁止と、お願いというようなことをされておりますけども、私はぜひ気をつけてマスクと、マスクをして人の前に立たないと随分違うというように思いますので、ぜひその動かれる場合でもお気をつけていただければと、くれぐれもお願いをしたいと思います。
記者(奈良テレビ):
ありがとうございます。
司会:
ほかに。
記者(関西テレビ):
先ほど、奈良市の時短要請の協力金の件についてですけれども、奈良市が県にまん防、まん延防止重点措置の要請を求めていたかと思いますが、効果が確認できないということで、確認できれば財政支援を検討とのことでしたが、奈良市がその時短要請しているということに関して、知事としてはどう思われていますか。
知事:
かねてから、まん防をやりなさいと、こうおっしゃってました。前は、時短要請されるときに財政的な面では付き合って、手を挙げられる方に付き合った。先ほど顕著な効果はないように思いますがということまで言いました。今度も、今のところ正直言いますと、まん防の効果があるのかなというふうに思っています。
やってみなきゃ分からないじゃないかと、こう言われるようなことはあるんですけれども、1つは、ああ、世の中の人はこう思っておられるんだなというような意味で言うだけでございますけれども、昨日、NHKの世論調査がございました。菅さんの支持、不支持の調査が中心でありました。その中に、緊急事態宣言とまん延防止重点措置のどの程度効果があるかという質問が入ってまいりました。
たまたまテレビ見てたので、ぴっと目が焦点が合ってしまいまして、その様子を覚えて、ちょっと今日、あれ割合どうなのかと。まん防の、あまりないが49%、全くないが20%という世論調査の結果です。だから、緊急事態宣言が、まん延防止というのは、よろしく自粛してくださいというお願い、要請の宣言でございます。その受け取られる方が効果がないと思って、7割効果がないと思っておられると、やっぱり行動が伴わないというふうに思います。
これは政党との関係もあって、放送されなかったんですけども、あとちょっと記事を取りますと、与党支持層では、あまりないと言われる方、それでも与党でも6割、野党になると、あまりないが8割となって、与野党の支持率の差でも、政治の差でも、ちょっと判断が違うということも留意しなきゃいけませんけども、全体としては7割が効果ないとおっしゃっているというのが世論の傾向でございますので、世論にお願いをして感染を止めるという手法でありますので、なかなか難しく、余計難しくなっているのかなという印象が1つございます。
もう一つは、昨日だったか、9日の日ですね、西村大臣と緊急事態宣言された6都府県の知事さんとの対談があって、その報道がありました。その中で神奈川の黒岩知事の発言がありまして、一度根本に立ち戻って考えるべきではないか。今やっている飲食店への対策、しかし、これだけでは効かなくなっているのではないかというように思うという発言がございました。緊急事態宣言とかまん防をされてきた、経験された知事さんでも、その効果について、またその飲食店特化について、このような冷めた見方されるんだなというのが、私にとっては印象的でございました。なかなか難しい状況で、どうすればいいのか分かんない状況でございます。
奈良市もそのような中で、効果があると思ってされている面があろうかというふうに思いますけれども、まん防、時短制限だけじゃなしに、お酒の自粛とか、カラオケの自粛とかというのも、滋賀県の場合、付随する要請になっているわけで、その要請があって国が補助を出すということになっているんですけれども、奈良市の場合は時短要請だけでございますのと、期間がほかの県より短いということでございますので、私は、効果のほどは、元から効果はどうかと正直申し上げまして思っているところで、そのような状況で効果はあるのかなと思っておりますが、効果がありましたとおっしゃられたら、後追いでも何かのやり方で国からの補助はありませんけれども、県独自の財政支援措置を考えてもいいかというのが正直な、ちょっと制度的な裏づけはないんですけれども、そのようなことも思う次第でございます。頑張っておられるところには応援したいと思いますけれども、効果のないところにそのお付き合いするというとこまで、なかなか気が進んでいかないというように思うものでございます。
それでは、ほかの効果があるのだろうかというと、国においても、いろんな県においても、なかなか感染防止ということに対しては、効果がない状況でございます。シャットダウン、ロックダウンのような厳しい行動制限、強制的行動制限すべきかどうかという議論もありますが、なかなか法律の改正あるいは憲法問題も関わってきますので、外国ではそのロックダウン、シャットダウンと、それを置いてワクチンの早期接種と医療提供とかみ合わせてされて、イギリスの場合などですけど、早くワクチン接種されたほうが感染力は抑制されていることは事実でございますので、イギリスのように経済が早く復旧するというようなことが見られますが、日本の場合、ワクチンとの勝負というふうにも思われるところございますので、もう少し、この感染抑止という点はなかなか決め手がない状況でございますけれども、お盆を利用して感染が拡大しないように、先ほど申し上げましたように、ぜひ感染が拡大、継続しないようにお願い申し上げたいというふうに思います。
記者(関西テレビ):
効果があった場合も、そのまん延防止重点措置は要請せずに、県の独自の支援をされるということですけれども、まん延防止措置を要請、効果があっても要請しないのはどうしてですか。また、どういう場合には要請されるおつもりですか。
知事:
効果があれば要請します。それと、まん延も緊急事態も大都市の飲食店の特化の抑制と、ベッドタウンの飲食店街と言われるほどのものもあんまりありませんので、今までそのクラスター、5名以上の感染が発生した、あるいは一、二名でも飲食店の感染発生したのでは、繁華街で集団発生ということではなくぽつんぽつんと、奈良の場合でも、富雄で発生して、奈良市内で発生して、南で発生、ぽつんぽつんと分かれて発生しているのは調査で分かっていますので、その飲食店街での時短要請、酒類提供停止という、大都市では効きそうなのは、なかなか効かないんじゃないか。そのまん延防止は市町村ごとにされるんですけども、酒類とカラオケ、これはカラオケは自粛要請をお願いしております。酒類の提供の自粛要請はしておりません。奈良市でも大和郡山市でも、割引券はまだ提供されて有効なんですね。飲みに行ったり食べに行ったりはできるんですけど、それが今度は時短をするからねということになっているので、ブレーキとアクセル両方踏まれているような感じはするんですけど、両方踏んで感染が抑止されたらそれにこしたことはないわけで、このベッドタウンでも感染拡大防止に、まん延でも緊急事態でも効果があればやるのにやぶさかではございません。最初から、効果があることはしますよということを最初から申し上げております。
それと、緊急事態などは、全県なんですね。商業の休業要請とか時短とか、大阪に近いところは随分その増えるのと、大阪から離れて宇陀市とか桜井市とか、飲食店クラスターがぽつんぽつんと発生しますけども、大阪の影響が比較的薄いところと高いところと全県同じようにというのは、これは緊急事態宣言の特徴なんですけど、ちょっと適用をはばかられる。経済への影響が大きいですね。まん延防止も、滋賀県の場合も、京都市の場合でも、京都市は大変繁華街もあります。緊急事態宣言だと舞鶴市とか木津川市も全部休業要請されましたので、あれが本当に効果があったのかなというふうにまだ疑っています。
知事会では、緊急事態宣言、まん延防止の効果検証してくださいと、専門家の方々、お国の皆様にということを何度も叫んでおります。エビデンスが出てまいりません。その中で、先ほどNHKの世論調査では、エビデンスを出さないとやっぱり信用されないんじゃないかなという世論調査の結果が出てきて、それが菅さんの評価につながっているような報道ありましたので、何かいい手がありましたら、効果がありましたら、それに飛びつく所存でございますけれども、効果がないけども飛びつけと言われるのには、やっぱり責任上。戦争に例えますと、敵がいないけれども玉があるから打てと言われ、いや、司令官、敵いませんよと。敵のいるところを教えてください、私、打ちますから。そうだな、ちょっと待てと、こう言われているような感じがあります。
例えはあまりよくないかもしれません。どこに玉を打てば感染防止効くのかということは、世界中なかなか分からないですけれども、このようなやり方、緊急事態、まん延防止やっていれば効くよと言っても、あんまり効かなかったねというような状況までなってきて、じゃあどうすればいいのかということなかなか分からないので、あまり非難ばっかり、批判ばっかりできないんですけれども、そのような状況なので、追随しろと言われたらちょっと二の足を踏みますねというような状況でございます。くどくどと申し上げまして申し訳ございませんでした。
記者(関西テレビ):
あとは今日の感染者数が最多で、お盆のシーズンこれから一番の時期迎えますけれども、先ほどおっしゃられていたのを引用させてもらうと、敵がいる可能性はかなり高いと思うんですけど、それでもあくまでもエビデンスがなければ要請しない、呼びかけでのお願いということですね。
知事:
もう一つね、知事会なんかでも、知事さん、こうささやくわけです。まん延防止効かないけど、国がお金出すからやるんだよみたいなことで、何かそういうことならやめときゃいいのにと私は思うんですけど。お金出したら、お金もらって配るよと、選挙の前ならともかく、あんまり基本的には政治家はすべきじゃないなと私は思います。効果があれば、やるのに全くやぶさかではございません。可能性があるかどうか分からないのに、あそこに敵がいると思って打てというのは、これ負け戦の典型であります。これだけ何度もやっているのにというふうに私は思います。
記者(関西テレビ):
特にその効果について、いつまでに奈良市からの報告をお願いしているとか、そういうのは今はされてないですか。
知事:
効果があるように言ってこられたら、助ける効果があるから財政的な支援しろとおっしゃられたら、後追いでも、その効果があるやり方が分かれば、また次はそういうやり方でしようねというところまでいくと思います。今まで効果検証した人誰もいないもんですから、一緒におまえやれよと言われても、この水につかったら息が楽になるという、そういうわけでもない。みんながやっているからやろうと、みんながやれば怖くないと、それが一番いかんことだと私は思います。
記者(関西テレビ):
分かりました。ありがとうございます。
司会:
そのほか。
記者(毎日新聞):
今の奈良市のやつで、効果が確認できた場合には財政支援を検討するということですけど、効果を検証するというか、効果を確認するのは、奈良市が自分とこでやると、やれよということですよね。
知事:
効果があると思ってされてますので、ぜひ教えてくださいと。
記者(毎日新聞):
知事としては、効果が今のところ確認がなかなかできていないと。もし効果が確認できた場合にはというからには、奈良市が効果を確認して、示してこいということですか。
知事:
普通はそうじゃないでしょうか。こちらでは分かりませんので。分かっていればこちらもしますけれども、分からないから、効果あったよということを言っていただいたら、ああ、そうだなということであれば、分かりやすいと思います。
記者(毎日新聞):
それと、専用病床なんですけど、8月13日には448床に戻すということなんですけれども、さらに感染者が増えた場合は、448床よりさらに増やすように知事として要請するようなお考えはあるんでしょうか。
知事:
今行われている議論は、病院が圧迫するから感染者を抑制するというのと、感染者が出ても自宅待機、自宅療養しなさいと、この2つが出てきているわけですけれども、感染者を抑制する手がない状況でありましたら、ほかの国でやっておりますのは、とにかく入院をして、隔離もありますけど、とにかく酸素を入れないと駄目だということになりますので、酸素を入れて重症化を予防するということを何とでもしていきたいというふうに思います。
今の状況は、酸素を入れる状況、中等症になりますけど、中等症の患者数というのは入院病床よりもずっと少ない状況で動いています。だから、入院病床を増やすという前に、宿泊療養を増やすということ。これは大都市でも、自宅療養の前に宿泊療養を増やされると、そこで酸素を提供するという、あるいは経過観察をするということになると随分安全だと思います。自宅療養の前にやる知事の責任があるんじゃないかと私は思っています。
だから、これから感染の増嵩、今の占有状況でございますけど、入院と宿泊療養の占有状況でございますけれども、これ、こんなに140名がどんどん毎日進んでいくと、あっという間にもう入院病床も宿泊療養も埋まっていきますけども、その経過を見ながらということになりますけれども、軽症が多いということで宿泊療養のほうが通常医療を圧迫しないというメリットがありますので、そちらを増やすということと、幸いということはないけれど、重症病床は、重症病床がいっぱいになるのを一番恐れてたんですけれども、いっぱいになりかけたときがありましたが、これ今、重症患者というのは比較的少なくなっているんですね。若者が重症にならないものと思われる原因にもなっているんですけれども。重症病床が一番大事なんですけれども、それが比較的まだちょっと緩いというふうには認識しております。しかし、重症が増えてくると油断できないよとはもちろん思っていますけど。
それとともに、今、久保さんがおっしゃったように、入院病床と宿泊療養と、まず軽症が多ければ、中等症になると宿泊療養で酸素供与というのも今やれますよというとこまで来ておりますので、それでも宿泊療養でも、中等症でも、すぐに中等症になりました、すぐに転院する、入院するまでに酸素が必要だと。そこで、酸素供与ということになるような仕組みはしておりますけれども、中等症になりました。しかし、軽症のままで退院される方、あるいは退室される方が圧倒的に多いわけでございます。しかし、自宅よりもはるかに安全でありますので、もう増えてきたら宿泊療養を考える。その次に入院。
正直、入院のキャパというのは、本当にぎりぎりです。これ以上ないかと言われたら、いざとなれば、ご無理をお願いせないかんと、いっときでもお願いせないかんと思ってますけれども、まず宿泊療養と。それは、病院のほうが今いっぱいで、ぎりぎりで頑張っていただいているということは何度も会話して分かっておりますので、できれば宿泊療養のほうで軽症の患者を受け入れることができたら、そのほうがいいかというふうに今思っています。
記者(毎日新聞):
それと、デルタ株なんですけど、最近、直近のスクリーニング検査では、計算すると56%ほどデルタ株の疑いがあるということですけど、奈良でもそのどんどん置き換わりが進んでいるんじゃないかなと知事自身は考えていらっしゃるんですか。
知事:
デルタ株の、12ページ目にありますけれども、東京、大阪の資料は7月25日までと、特に大阪は7月25日まで、デルタ株はあまり疑い株は発生してないように思われるわけですけれども、奈良県の場合、8月の資料を出すと、特に8月2日~8日の資料はもうすごく跳ね上がって、私、正直びっくりしたんです、予想はしておりましたけど、危険な予想はしておりました。デルタ株は必ず出てくると。デルタ株の洗礼を受けないと、なかなか次に収まりがつかないというふうに思っています。デルタ株の洗礼を受けた後に、収まるかどうかというのが勝負だというふうに思っておりますけど、デルタ株にもワクチンは効くと言われておりますので、デルタ株を抑えるワクチンの接種との勝負というふうに思っています。
だから、これ抑えきれない大都市にワクチンを優先配剤するというのも、私は正しい方向かと思いますけれども、奈良県でも、ワクチンの接種をとにかく早く進めて、デルタ株がうろうろしても撃退できるようなワクチン接種の接種率まで早くこぎ着けたいなと、今、必死でそれを思っています。
記者(毎日新聞):
もう1点だけ。先ほど、どこかの質問でお盆のことが出ましたけれども、知事は、お盆休みは、今年もあれですか、県内で過ごされるということですか。
知事:
自宅です。
記者(毎日新聞):
大和郡山のご自宅でと。
知事:
自宅です。
記者(毎日新聞):
どういうご予定で。
知事:
いろんな勉強材料を持ち帰っていますので、また。
記者(毎日新聞):
分かりました。
司会:
そのほかご質問いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、本日の知事臨時記者会見のほう、これで終了をいたします。ありがとうございました。
※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。