令和3年9月29日(水曜日)第29回新型コロナウイルス感染症対策本部会議・知事定例記者会見

【対策本部会議内容】
〇医療提供体制の確保、ワクチン接種の促進、正しい感染防止対策の継続の3本柱でコロナとの戦いを継続し、日常生活を取り戻す
【質疑応答】
〇国体の会場について
〇市町村のごみ処理広域化について
〇自由民主党総裁選挙について

〇【対策本部会議内容】医療提供体制の確保、ワクチン接種の促進、正しい感染防止対策の継続の3本柱でコロナとの戦いを継続し、日常生活を取り戻す

司会:
 それでは、ただいまより第29回奈良県新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開会いたします。
 奈良県におきましては、4月27日より、奈良県緊急対処措置を実施し、現在、9月30日まで措置を継続しているところでございます。これまでの最大の感染規模となった第五波も、県民の皆様のご協力のおかげで、ようやく落ち着いてきたところです。
 今般、国において、現在、発出されております緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置につきまして、9月30日をもって全て解除されることが決定されたところでございます。
 こうした中、本日は、本県におけるこれまでの対処を振り返り、コロナとの戦いを継続するため、奈良県新型コロナウイルス感染症9.29対処方針、医療提供体制の確保、ワクチン接種の促進、正しい感染防止対策の継続の3本柱でコロナとの戦いを継続し、日常生活を取り戻す、につきまして議論したいと存じます。
 それでは、本部長の知事からのご発言をお願いいたします。

知事:
 新型コロナウイルス感染症対策が緊急事態宣言、まん延防止措置が全面解除されるということを受けまして、奈良県の緊急対処措置というのも連動しておりましたので、これからの取り組み方を抜本的に考えるというような時期になってきてると思います。それで、9.29対処方針としたんですけれども、たまたま29回目の対策本部会議ということになりました。その内容をお諮りしたいと思います。
 題にありますように、3本の柱で日常生活を取り戻すというのが大きなテーマでございます。
 2ページ目は、目次でございますが、3ページ目から、まずこれまでの振り返りということで、振り返りをしておりますが、最後に総括を出しますが、科学的根拠というのが振り返るとやはり大事だったのかなというふうに思います。国も奈良県も検証不可欠、長期的な戦いに勝つのは検証が不可欠というのはもう戦いの鉄則でございますので、その対策をまず振り返るというパートでございます。
 4ページ目でございますけども、振り返る中でどのように感染が拡大してきたのかという振り返りでございます。大阪との連動性ということはずっと言ってまいりましたが今回の第五波におきましても、連動性が本当に強くなっているようなことで、ほかの県、大阪中心の府県との連動性もそうでございますけども、大変強くなってきているということでございます。
 その中で、10分の1連動でありましたけども、10分の1以下は、0.8から0.7連動になってきてるということ、これはいい傾向でありますけども、そのような連動性が発生しているというような振り返りでございます。
 2つ目は、大阪府、奈良県というふうに国のほうでは府県単位に捉えられておりますけども、どうして連動するのかということというのは、遠距離の交流ということが大きな要素になっていると思います。その交流は、市町を拠点になりますので、市町分析というのが必要かというふうに思ってきておりますが、国などでは市町分析はされておらない様子でございますので、奈良から見た近畿の市町分析をずっとしておりますけども、十分ではありませんけども、右のほうの府県別分析でいきますと、大阪府が100にいたしますと、累計ベースで約20万、19万、奈良県はその8%でございますが、兵庫県は39%、京都府が19%、2割、4割、1割と、こういうような感じでございます。
 エリア全体を取ってみればこういうことでございますが、ウイルスは行政区域というのが頭に入りませんので、越境は当然されますので、その中で市町分析ということを十分ではありませんが、その下、右のほうの下部のほうでございますが、大阪市というのが断トツでございます。大阪市が断トツで、大阪府が先ほど多いですけども、大阪府の市以外のレベルは4分の3になって、75%になっています。大阪市と府下というのは随分このように差がある。市町分析でいきますと、大阪市と京都市と比べますと、4分の1、神戸市のほうは3割、しかし、その間にあります尼崎、西宮などは1割と、神戸市のほうがピラーと言ってますが、この柱が高くなっているという、これは連動の中でもピラーのあるのは、そこで発生源の基になるような都市交流があるのではないかと推察されます。大阪市の都市内交流、京都市の都市内交流、神戸市の都市内交流ということがあることが推察されます。これは、外国でしばしば行われましたロックダウンの発想につながるんですけども、賛成するかどうかは別にして、この効果があるのは、ピラーの高い市ではないかということを連想させるような資料になっております。そういうことからいきますと、奈良で多い奈良市は、全体の大阪市のピラーの大体5%というレベルでございますので、距離だけではなしに、都市内での感染源性格というのがやや薄いのかなというような振り返りができるものでございます。
 6ページ目でございますけども、どのように感染したのかの中で、年代別の割合でございます。この年の3月、4月の2か月と、9月の割合は、上の丸の左端と右端ですけども、見てみますと、60歳以上と20歳未満の合計の割合は大体同じなんですが、大体4割ですが、両方とも4割ぐらいなんですけれども、その内容が交換されております。60歳以上が減って、20歳未満が増えているということでございます。そういたしますと、20から50代の割合は同じということでございます。20歳未満の割合が増加して、60歳以上の割合が減少しているような感染拡大の年代別構成ということになります。
 7ページ目でございますけども、感染拡大、奈良県の場合の基本的パターンというのは変わってないように思います。左のほうは、一次感染と二次感染を分けてきましたけども、一次感染の県外感染ということでございますが、県外感染はいろんなケースがありますけども、大阪関連が55%ぐらい、56%ということでございます。その中で、大阪に行ってうつされるのが圧倒的、56%のうちの50%ぐらいですね。大阪から来た人にうつされるというのが5、6%ということで、緊急事態宣言のときに大阪から来てうつされるぞというような報道がたくさんなされましたが、この全体の割合としては、大阪から来てうつす人の割合は極めて低いというのが従来の傾向でございます。
 それから、二次感染以降になりますと、右の丸グラフになりますが、3大類型になるんですけども、その中で家庭での感染ということが圧倒的に多いわけ、64%と、この傾向は変わりません。そういたしますと、基本的なパターンは、大阪に行ってうつされて、家庭でうつすと。それが三次感染ということになりますが、家庭から学校、職場などに家人がうつすというパターンが1、2、3のパターンが奈良県のベッドタウンとしてのパターンというように思われます。このパターンを変わりはないような状況だと思います。
 8ページ目でございますけども、その感染のパターンの類型を取っておりましたが、3大類型というふうに言っておりますが、3大類型は変わりません。それは家庭の類型と家庭外の類型とクラスターと、その3つでございます。この類型を分ける意味を今振り返りますと、対策が全く違うんですね。家庭内の対策と家庭外とクラスターの対策は全く違うということが分かります。家庭内の対策の主流となってきました飲食店時短などはあまり影響を及ぼさないというふうに思われます。このように割合の多い家庭内に対する対策として、違う対策、緊急事態のような対策以外のことを考えなきゃいけないというのを思ってきておりましたが、振り返りましてもそのように思われます。
 9ページ目でございますが、感染拡大の中で、クラスターという分類がございます。クラスターの対策は、家庭の対策と家庭外の対策とまた違うものでございます。場所対策ということに考えております。場所に応じたクラスター対策は効果がございました。同じ場所で二度と起こらないということでございますが、場所の対策を小まめにやっていただいたところでは起こってこなかったというふうになりますが、その中での場所の性格の違い、ここでは福祉施設、学校、飲食、事業所、医療機関、人が集まられる集客施設ということでございますけども、その対策も集客の動機とか様子に応じてやっぱり対策は違ってくるということが分かってきました。場所に応じたクラスター対策の取組を、これは笠原先生の貢献が極めて大きいものだと思っております。クラスター対策を小まめにやっていただいたように思います。
 10ページ目以降は、クラスター対策の中で場所の違いによる対策をしていただいておりますけども、基本的なところは分かってきております。換気とマスクというようなことでございますが、特に場所対策では換気というのが大きな要素だったということが振り返りで分かってきております。その中でも、場所の特徴に応じた対策ということで、医療・福祉機関での関係者、これは日々密着のサービスが基本でありますので、速やかなPCR検査ということが大きな課題でございました。事業所でのクラスター対策は、距離とマスクというようなのが大きな要素でございます。ほかのよりも最重要要素ということを上げていただいておりますが、絵にありますようにこのような距離を取るということでリスクが随分下がるということが分かってきております。飲食店でのクラスターは、事業所と違って見知らぬ人が集まるわけでございますので、1つは、見知らぬ人との距離というのが大きなことでございますけども、あと、知った人でも長時間の濃厚接触というのはリスクを上げることが分かってきております。基本的な対策を笠原先生の指導を受けておりますけども、体調不良でも勤務、集客施設に行かれてうつしたというケースがありますので、むしろ控えていただくというのが基本になろうかと思います。それから、その場では換気とマスクというのが基本になります。それから消毒。換気、マスク、消毒が大事だと笠原先生は言っておられます。クラスターが起これば、その場所ではそういうことをチェックされるわけでございますけども、事前にそういうことをしていただいたところはクラスターが発生していないという明確な差が出ておりますので、改めて振り返りの中で確認をしておきたいと思っております。
 家庭外感染の行動別の内訳でございますが、真ん中の右の方の丸グラフになりますけども、友人等との交流と、仕事というのは2大類型でございますけども、家庭外では主に交流と、人との接触というのが感染の基本でございますので、その交流のパターンはありますけども、2大類型の仕事と友人との交流では、気のつけ方が違うように思われます。友人との交流というのは、マスクをして長時間の濃厚接触は避けるということでリスクが大幅に下がるということが分かってきております。職場は毎日出かけて接触するわけでございますけども、休息室や更衣室などでもマスク、ディスタンスというようなことを配慮をしていただきますと、リスクが随分下がるということが分かってきております。これは飲食店の時短とは全く関係ない配慮ということになるように思っております。
 13ページ目は、飲食店の時短要請の効果ということの振り返りでございます。緊急事態宣言、まん延防止の重点措置の中心になっておりましたが、飲食店、商業施設等の時短要請、飲食店における酒類の販売自粛でございます。奈良のようなベッドタウン地においては、その効果が不明のままであるというふうに思います。なかなか検証は難しいですけども、適用された府県と適用されなかった府県との差をこのように時期で見ておりますが、右のほうのグラフで、ある時点での増加率というのを取っておりますけども、なかなか順番がうまく並びません。それと、時期によって、その対策を取られた時期の対策の効果がいつ発現できるのかと、数字が表れるのかというのもよく分からないです。そのような、この時短効果の発現時期とその効果の量というのは、まだまだ検証されないまま継続されたというような思いがございます。奈良県は時短をしなかったですけども、同じように下がってしまいましたので、近畿の知事さんの中では、緊急事態宣言された知事さんで、最初はまん延防止措置をしたら感染者が増えてしまったと、こうぼやかれて、最近では、どういうわけか下がってしまったと、こうぼやかれてたので、とても親近感を持っている知事さんでございますけども、正直な知事さんだなと思っております。国等中央でも、正直に分析をしていただけたらと願うところでございます。
 県内市町村の市町の差を見ました。はっきりと分からないところもあるんですけども、実施をした市町と実施をしなかった市町の差がそれほど大きくないと。やや、数ポイントというぐらいですかね。左の方の下降局面でございますと、6ポイントぐらいの差があるぐらいなんで、6ポイントというのは大きなポイントかどうかということになります。上昇局面、これは緊急事態宣言が効いている時期かどうか分からないですけども、左の方の地図の上昇局面では、時短要請をした9市町村のほうが上昇しているという結果ですけど、これは緊急事態宣言も効いてない時期かもしれないということで、この時期の差というのもよく分からない。右のほうは下降局面での差というのを9市町と5市で分けますと、ほとんど差がないと。1.7ポイントぐらいの差ということでございますけど、誤差といいますか、これだけの大きな差の中での1.7でございますので、あまり差がなかったと評価してもいいんじゃないかなと思っております。
 15ページ目でございますが、死亡者増を防ぐというのが大きなポイントでございました。死亡者増を防ぐのにはどうすればいいかということでございますけども、1つの仮説は、医療提供体制をちゃんと構築すれば死者が防げるんじゃないかという仮説でございます。それが実際かどうかということを検証しようとしたものでございますけども、一波から五波までの死亡率というのを各県別の探ってみました。上位団体がこのように変わるわけでございますけども、奈良県はその順位で入れますと25位から、下のほうがいいわけですけども、総合の全体としては23位ということでございます。全国の平均よりも死亡率ということでは下のほうだということでございます。
 総合の一番右の累計の死亡率のランクで、全国に比べて、北海道で2.4%とか、徳島2.0%、これは大きな差だと思います。このような大きな差がどのように出るのかという検証は、やはり奈良県でなかなかできませんので、国などにおいてやっていただきたいなと思われる振り返りのポイントでございます。死者を防ぐというのは、感染者増を防ぐのはなかなか難しいんですけど、死者を防ぐのは医療提供体制は手が届きますので、できるんじゃないかなというふうに思われる分野でございます。
 16ページ目は、死者増につながる重症化防止でございます。重症化を防ぐには、感染者の早期発見、早期療養というのが基本になると思いますけども、それを地区別の比較をするといったときに、少し困難に直面をしたという資料になっております。重症者の数字というのは、よく分からないままでございます。その原因は、重症者の統計基準が明確でなくて、各地方公共団体の判断に委ねられているという、基本的にはお医者さんがこの人は重症患者だということでございますけども、重症病床が開かない場合は入院病床に入れられたり、自宅でも置かれてる県があるように思います。それは医者の判断ということになりますけども、最近、自宅での死亡ということに注目されるのは、そのような医者の判断で重症化病床に入れられなかったというのが一つの原因かと思われますけども、統計は重症病床に全部入れられるという奈良県のように、全部入れましたということになれば、重症化病床に来られた患者数ということが分かれば分かるんですけど、ほかでは、ほかの病床に重症化病床が置かれたり、自宅に置かれている場合がありますので、それが統計では表れてこないので、地区別比較ができないという困難が出てきております。これは大変重要な統計の欠陥だと思っております。重症化というのはとても大きな目標になろうかと思っておりますので、重症者の総数を把握するという、これは国の責任だというふうに思うんですけども、それをお願いをしていきたいというふうに思っております。
 17ページ目でございますが、重症化を防ぐためのトレンドで、地区別比較は難しいんですけど、トレンドの比較は比較的しやすいということでございます。このトレンドで3月、4月、5月、6月、9月までいきますと、上の資料ですけど、明らかに感染者分の重症者の割合、重症化率は下がってきております。3.9であったのが1.1で、これは極めて顕著な下落でございます。これは奈良県でございますけども、各地でも重症化率が下がってきているようでございます。それとともに、下のほうでございますが、その背景にありますのは、高齢者の重症化率が下の丸グラフにありますように顕著に下落しております。これは高齢者のワクチンが進んだ効果だというふうに思います。すると、ワクチンの接種が重症化率を下げるという効果があったということが顕著に実績で出てきておるように思います。
 18ページ目は、医療提供体制でございます。この波をずっと見てみますと、重症対応病床はあまり変わらないんですけども、四波の波と五波の波を見てみますと、五波の波のほうが重症化率が下がってきてるということを受けまして、占有率が高い波を被らなかったという要素が見てとれます。重症化数の抑制と重症化病床の占有率、関係があるものでございますので、そのような、いいほうの効果が出てきたというふうに振り返ることができると思います。
 19ページ目でございますけども、コロナ入院病床の占有状況でございますけども、四波と同じような五波の波になっておりますが、コロナ専用病床はバッファがございます。宿泊療養というバッファと、いっとき水があふれたときの自宅療養という、これはあまり望ましくないバッファでございますけど、その2つがありますので、それのバッファがあるということは調整が可能だということで、現在のところ、このような波で抑えられているというように振り返ることができると思います。
 20ページ目でございますが、宿泊療養施設でございますけども、入院病床に一般の治療もされておりますので、あまりご迷惑をかけ過ぎることは望ましくないという面もございます。宿泊療養施設の客数を、上のほうの線がありますけども、254床のときから400床、現在は948床、1,000床近くに増えております。4倍近く増やしてきております。その結果でもなりますけど、占有率はこのように波を打っておりますが、特に3月、4月の第四波のときには大きな波ありまして驚いたわけでございますが、それから宿泊療養施設のキャパシティーを増やしてきまして、一般コロナ病床のバッファたるべき役目を果たすべきという観点が振り返りの中からも見てとれるものでございます。
 21ページ目でございますが、自宅療養者の状況ということを振り返ってみました。自宅療養者は、入院病床と宿泊療養が、おけに例えますと、感染者が増えますと水があふれてしまうわけでございます。水があふれたときの水は、自宅療養者ということでカウントされるわけでございます。これはあふれた水のように例えますと、8月から9月の初めは最高値を記録いたしました。自宅療養者の中には3種類ございます。入院・入所待機者と、拒否者と、自宅療養者、3種類おられますが、入院・入所待機者は自宅におられるのが2日以内、自宅療養者は3日以上ということを定義しております。1日、2日は調整が要るから自宅療養と呼ばないように奈良県ではしておりますが、入院・入所待機者の場合も、感染者が増えるとピーク時は9月2日でございますけども、539名をカウントいたしました。その後、感染者の減につながって、減少してきております。
 一方、入院・入所拒否者というのも、9月4日で226名記録いたしましたが、ある程度の入院・入所拒否者がずっとおられるということは分かってきております。自宅療養者は、拒否をされないで、入りたいけども、3日以上も自宅で待機させられたというような方でございます。これはなるべく減らそうということでございます。かつてはあまり、ゼロの状況が多かったんですけど、このように206名を記録した経験もございますので、その後、自宅療養者を減らす努力を続けてきておりますが、9月28日現在では、最近では非常に低くなってゼロになっている状況でございます。
 22ページ目でございますが、ワクチン接種と感染者の関係の振り返りでございます。ワクチン接種率が低い県ほど10万人当たりの感染者が高い傾向にございます。この相関係数は0.58ということで広く取ると相関はあるわけでございます。弱い相関と言われる相関状況だと思いますが、左のほうになりますと、この線の上にあるのが平均よりもワクチン接種率が、偏差値が高いということでございます。奈良も高いですけども、この地区の性格、大都市があるところ、あるいは大都市の均衡というようなことが、この相関線、平均線よりも偏差値が高いように思われます。偏差値の下のほうは、静岡、栃木、滋賀などが上げられておるわけでございますが、この相関係数、弱い相関の中ではワクチン接種が低いほど感染者が高い傾向が、振り返りの中でも分かります。
 23ページ目は、新しい表でございますけども、感染拡大の前兆というテーマでございます。新規感染者の増加傾向が現れてから、次の波が顕著になるまで約2週間のタイムラグがあるように振り返りで分かってきております。最初の先行指標と思われますのが青い数字でございますが、前週土曜日の増加、前週比の割合、この1の数字よりも上がっている場合ということでございます。この青い表で1よりも上がるという数字が随分ありますが、2倍になったり、この一番高いところでは3倍になったりしております。前週比で上がるということは、左の第四波では2回山がございましたが、それが続きますと黄色いのが直近1週間の新規感染者数でございますが、約2週間遅れで、この一波、二波の2つの波が、この黄色い波に押し寄せたというふうに見えます。第五波になりましたら、この波が4つございます。6月の波と、6月末の波と、7月中ほどの波と、8月に入ってからの波と、大きな波か4つ押し寄せました。その4つ押し寄せる間は黄色い線は割と増加が見られませんでしたが、4つ押し寄せた結果がその黄色い波が増加し始めたのが8月の2日以降の山でございます。第四波の波が来るのと同時に、この黄色い波が急激に上がったということが分かります。青い波を前兆といたしますと、3回波が来たら、4回目来るとどっと大きな大波が来たということが、こういう表からは分かります。それを感染拡大の前兆と捉えて、今後の予兆を調べることに結びつけることができたらというための振り返り資料になっております。
 24ページ目は、振り返りの総括でございますが、4点上げておりますが、1つは、物事を科学的に捉えるということでございますが、疫学は統計であろうかと最初から思っておりました。科学的根拠につながるものでございますが、国などの対処方針が十分な科学的根拠に基づいたものであったのか、検証を期待したいと思います。我々は、物事を科学的に捉え対処することは必要だという自覚の下に、対処を続けたいと思います。
 2つ目は、体験に学び、常に改善するということでございます。感染症対策は未知の経験でございますので、常に改善が必要だと思います。効果がある、なしの見直し、見極めが大事かと思います。同じやり方を続けるのは効果が十分に検証されないまま、対策が継続されたように思いますので、体験に学び、対処の内容を常に改善して実行したいと思います。
 3つ目は、専門的知識、合理的根拠でございます。合理的根拠は分からないまま、大きな声で言えばいいということは、あまり戦いに勝つ常道ではございません。専門的知識に基づいた正しい情報から学び、合理的根拠に基づいた行動をしていきたいと思います。それと、ウイルスとの戦いは長期戦でございますので、ウイルスが消滅させるという目標はなかなか勝てない目標だと思いますので、戦い続けるというような目標で今後対処したいと思います。振り返りの総括としてまとめてみました。
 25ページ目は、9.29対処方針の考え方ということでございます。科学的に捉え、持続力のある戦いをするというのと、日常生活との両立を図るが大きなポイントでございます。
 26ページ目でございますが、赤字の書いてあるところでございます。感染症のリスクゼロはできないということから始まります。今後さらに長期間にわたる可能性があると思われます。科学的に捉え、体験に学び、専門的知識と合理的根拠に基づいた行動を行い、持続力ある対処を継続したいと思います。
 27ページ目でございますが、短期集中的な対策と位置づけられると思いますが、緊急対処措置は9月30日で一旦終了したいと思います。今後は、県民の命を守ることを最重点の目標として、社会経済活動と日常生活の維持との両立を図ることにしたいと思います。
 28ページ目でございますが、重点の3本柱でございますが、重症者、死亡者を減らす医療提供体制の確保。2つ目の柱は、ワクチン接種を促進し、重症化予防、感染防止を進めること。3つ目の柱は、感染防止に配慮しながら日常生活を取り戻すことの3つの柱で対処を進めていきたいと思います。第六波に備えつつ、日常生活を取り戻す方向を確認をしたいと思います。第五波のピーク時の状況を見ながら、医療提供体制が中心でございますが、機動的対処ができるように考える。
 それと、2つ目は、リスクコミュニケーションということになりますが、県民の皆様との情報共有を図ることが大事かと思います。それから、そのような情報は、日常生活における行動の参考にしてもらえたら、エビデンスとナッジということになりますが、効果的なナッジができればと思っております。それから、正常化することを目標にしたい、9.29対処方針の精神ということになります。
 30ページ目で、その各論になりますが、医療提供体制の確保でございます。感染者の早期発見と感染者全員の入院療養を図りたいと思います。
 31ページ目でございますが、全員の入院・宿泊療養を基本とすることを続けたいと思います。第五波では、最大で1,500名を超える方の入院・宿泊療養が必要になりました。これは入院・入所拒否者を除いております。その結果、入院・宿泊療養施設は不十分でございましたので、自宅で療養していただく方々が多数発生した状況でございます。その後、入院病床と宿泊療養施設の確保を続けきましたので、現在では1,416の確保になっております。今後さらに180の宿泊療養室の確保の見通しが立っておりますので、来月には病床・宿泊療養施設は約1,600になる予定でございます。また、この入院病床・宿泊療養施設の確保とともに、保健所の機能維持が大事でございます。保健所は大変大事な機能を果たしておられます。そのようなことで、全員の入院・宿泊療養を基本としたいと思います。それと健康管理と応急処置に万全を図りたいと思います。
 33ページ目でございますが、第五波のピーク時は、先ほど申し上げました9月1日でございますが、その時点での総療養者数は1,522名でございました。自宅に置かれて入院・入所拒否者を除いたものでございますが、来月の10月になりますと、入院病床と宿泊療養室の合計は約1,600になります。第五波のピークを超えるキャパシティーになるわけでございます。第六波は第五波を超えるかもしれませんが、分かりませんので、第五波のピークが来ても第六波の受入れ体制は大丈夫だということを確保したいということが、33ページ目の精神ということになります。1,522名のピークを超える、1,600を10月に確保したいというふうに思っております。
 34ページ目は、重症病床でございますが、全ての重症患者を重症対応病床で治療することができておりますけども、重症患者数が減ってきておりますのは幸いなことでございますが、今後とも重症者全員の入院ということを堅持していきたいと思います。
 35ページ目でございますが、受入れ体制、県立系の病院で70%を重症病床の受入れで占めていただいており、奈良県は県立系の病院、大変頑張っていただいて、県立病院を整備しといてよかったなとおっしゃっていただきますが、このような体制を続けたいと思います。
 36ページ目は、重症化予防の徹底ということでございます。1つは、宿泊療養施設における重症化予防の徹底でございます。従来からやってきておりますが、ここに書いておりますように、1つは医師、看護師の診察、健康観察の継続でございます。
 37ページ目に行きますが、健康状態の確認の徹底でございます。3つ目は、急変時の対応でございます。4つ目は、酸素の投与をすることでございます。このような4つの対処で、宿泊療養施設における重症化予防を徹底していきたいと思います。
 38ページ目では、自宅療養者に対する重症化予防でございますが、1つは、パルスオキシメーターの貸出し、2つ目は保健師による観察、またICTを利用した健康状態の確認でございます。3つ目は、看護師による電話相談窓口のご利用、相談件数がこのように続いております。毎日夜間の利用も可能でございますので、24時間体制での電話相談を受けさせていただくということでございます。4つ目は、市町村による生活支援のご利用でございます。市町村から生活支援をしたい、またそのための自宅療養者の情報をくださいという申出がございました。個人情報保護条例を調べてみますと、個人の病歴に関する情報は特に配慮が要るということと、その町におられることが近所からの差別、偏見につながるというおそれがございますので、ご本人の承諾があれば別でございますが、承諾なしに一律に市町村に情報提供することは、個人情報保護条例に違反するというふうに今のところ考えております。
 しかし、一方、自宅療養されているご本人と家族のために生活支援していただける市町村の担当がおられますよということをお伝えをして、必要な場合も多いと思いますので、そこにつなげると、個別につなげるということをしていきたいと思います。それは本人のご承諾ありということに認定できるように思っております。市町村における生活支援内容は、買物代行など多岐にわたっておりますので、助けになると思います。保健師、保健所機能が介在をして市町村の生活支援につなげるというパターンを取っていきたいと思います。いや、一人暮らしているので要らないとおっしゃる方で、漏れこぼしのあるのが心配でございます。保健師などは、そういう生活のことだと、ほかにも危ない例がありますから、ぜひ接触させてくださいというふうに、保健師は接触ができますので、保健師の重点接触ということが一つの課題になると。市町村の前の、保健師の重点接触ということが課題になってくると思います。
 40ページ目は、市町村支援内容と連絡先でございます。それから、自宅療養の4つ目の柱でございますが、リーフレットの配布をしております。それから、急変時の救急搬送体制を整えております。
 42ページ目は、医師会の協力による往診、電話診察が始まっておりますが、往診というのはなかなか難しいケースになるんじゃないかなと思っておりますが、往診の実例がどのようにされたのかを注目しております。訪問されて、感染者に対面往診をするということはなかなか難しい面もございますが、していただけるということでございますので、その実績を注目をしております。
 43ページ目は、入院病床の確保でございます。現在、468床でございます。
 44ページ目は、入院病床の機能強化ということでございます。妊婦の方の病床確保、また、ロナプリーブの治療体制強化、それから入院治療後の、入院して、帰りなさいと言われても、まだ少し困難があるという方に対する一般病床の確保のあっせんということをしております。
 45ページ目は、入院病床を提供していただく病院、26病院ございますが、5割は県立系の病院でございます。
 46ページ目は、病院の中のコロナ対応病床の転換率ということを調べましたら、沖縄県、東京都のように大変感染が拡大しているところの病院転換率が高いんですけど、鳥取、佐賀、和歌山などに感染率が低い県でも、転換率の高いところがございます。宿泊療養と病院入院との割合ということにもなりますが、その中で奈良県は19位のランクになっております。
 47ページ目は、宿泊療養施設でございます。約180室を10月中の運用開始に向けて調整中でございます。そういたしますと、9施設、1,128室になります。奈良県は、客室数が少ない県でございます。提供率という、転換率というのは高い率になっております。
 48ページ目は、これまでの宿泊療養提供施設でございます。
 49ページ目でございますが、先ほど申しました転換率ということになりますと、埼玉県などの場合は、旅館・ホテルの客室数も多いんですけども、その中でも転換を10%、1割ぐらいは転換されておりまして、旅館・ホテルで病院の機能が少し低いというふうに言っておられましたので、宿泊療養のほうで手当てをしようという体制になっていると思います。大阪府は、宿泊施設も大変多いわけでございますので、もう奈良の10倍以上施設がございます。その中で、感染者も多い、そして転換率も上げておられます。奈良は、宿泊施設のキャパシティーが全国45位で大変低い中で転換していただいているということでございます。
 それから、50ページ目は、人口10万人当たりの病床・宿泊療養施設の確保状況ということでございますが、人口10万人当たりの感染率というのはまた違ってまいりますけども、人口10万人当たりの基礎的な確保状況ということで、奈良県は6番目の状況になっております。
 51ページ目でございますが、これは大事な指標だと思って従来思っておりましたが、入院病床と宿泊療養室の合計、これは受皿ということになりますが、受けおけということになりますけども、それと総療養者数との比較ということを従来からしたいと思っておりました。それをあふれた、おけから瓶があふれると自宅療養になってしまう可能性があるということでございます。近隣府県だけ調べたものでございますけども、ピークの時期、9月の1日を設定しておりますが、ピークの時期になりますと、このようにおけの量をあふれる自宅療養可能者が出ております。そのとき奈良県は569でございましたが、滋賀県でも850、大阪は1万7,000、ほかの関東でも大きな数字になっていたと思います。ところが、直近の9月22日になりますと、これが要量が増えてといいますか、総療養者が減りまして、自宅療養の可能者というのは京都府以外はなくなってしまったということでございます。この全体のAとBの比較というのを、これからも続けていきたいと思います。極めて重要な数字だと思いますが、国のほうでこの数字がなかなか出てこないものでございますので、奈良県において作成したものでございます。
 52ページ目でございますが、自宅療養者に3種類ございますが、その3種類の方々の状況を示したものでございます。全体のピーク時の総療養者、総感染者、左のほうの図に行きますと、ちょうど半分を超えるぐらいが自宅におられる結果になっております。右のほうに9月28日になりますと、自宅におられる方が4分の1以下に、2割ぐらいになっています。左のほうは55%ぐらい、右のほうは2割ぐらいということで、自宅の3種類おられる中でも随分違う、割合が違ういうことになっております。その中で、社会福祉施設での療養16名おられますが、社会福祉施設の療養が必要な場合もございますので、その場合でも健康状態の確認と急変時の対応をしていかなきゃいけないということを確認をさせていただきたいと思います。
 54ページ目は、学校、放課後児童クラブ、保育所等での検査体制の強化の項目でございます。
 55ページ目は、保健所機能の強化を図りたいと思います。保健所機能は大変重要でございますので、大変頑張ってきていただいておると思いますが、保健所の中心機能は保健師機能でございますが、保健師の業務の再編・効率化・外部委託など、保健所体制を強化していきたいと思って、強化してきておりますが、引き続き強化をしていきたいと思います。保健師が担当する業務を絞り込みますというのと、それ以外の他職種による応援を投入します。それから、外部委託の導入をしますということをしてきております。本庁からは動員体制を強化してきております。
 56ページ目でございますが、これやってきておりますことを図示したものでございます。保健師でないとできないことを黒囲みでしております。本人の聞き取りとか疫学調査、クラスターの立入り、また、自宅療養者の健康観察などは保健師でないとできない業務でございますので、これに集中してもらうことで、その他は保健師以外の方に任せるようにしようという設計を進めてきております。それを図示したものでございます。今後ともこの体制を続けたいと思います。
 57ページ目は、新型コロナ医療と通常医療の両立の工夫でございます。先ほど五波のピークに間に合うように医療体制を整えたいと申し上げましたが、現実に感染者が減っている状況では、空き病床が生じるわけでございます。しかし、急増する場合があるということで備えたいわけでございますけども、通常医療にしわ寄せが生じるのが通例でございますので、柔軟運用していきたいと思います。感染者が少ないときは、新型コロナ病床を縮減いたしますが、コロナが増えていくときは、先ほどの2週間前の兆候が出始めたときには、病床を元に戻すという、2週間前から戻していくというようなことをオペレーションしたいというふうに思っております。
 ワクチンの促進でございます。ワクチンの促進加速ということでございます。59ページ目でございますが、奈良県のワクチン接種と感染率の関係で、感染者の関係でございますが、ワクチン接種と相関が大変高いわけでございます。0.85という相関になっております。10万人当たりの感染者が600人以上の市町が19市町ありますが、それがほとんどワクチン接種の低いところに集中をしております。赤丸の中でございます。10万人当たりの感染者が400人以下の町村は右下の青丸の中に入っております。赤丸が19市町、青丸が18町村ということでございますので、早く赤丸の人が、この相関係数の滑り台を滑り落ちていただいて、青丸に入っていただくことを目標にしたいと思っております。
 ワクチン接種ということでございますので、60ページ目でございますが、各県のワクチン接種率を見て見ました。これ2回目の接種率ということになりますが、奈良県は、このランクでは16位でございますけども、また、1回目接種率は11位でございますけども、緊急事態宣言、まん延防止された県を赤字、また緑字で表現しております。ほとんど右の方に寄っておられますので、緊急事態宣言されたときに飲食店の時短というよりも、ワクチン接種を加速したほうが早く感染者を減らせたんじゃないかなという仮説が、仮の方向が観察されるものでございます。ワクチン接種をした中で、接種順位で、緊急事態されたところは、左の方で群馬県、熊本県などがございますが、ほとんどが右のほうに寄っているという状況でございます。
 61ページ目は、進捗状況でございます。
 62ページ目は、県内の全て市町村で、全世代の2回接種率が50%を超えました。さらに頑張っていただきたいと思います。
 63ページ目は、市町村の差でございます。
 64ページ目は、グラフ化したものでございますが、市の順番がややフラットになってきたように思います。接種率の低かった奈良市、橿原市、葛城市などが頑張ってきていただいているのかなと思われるとこがございます。
65ページ目でございます。年代別の接種の差がございますが、高齢者から順番に接種が進んでいる状況がよく分かります。
 66ページ目でございますが、接種のご検討を積極的にしていただきたいわけでございますが、特に重症化する傾向のある40代、50代の方々、大阪に通勤・通学をされている方々、小さいお子さんのいる世帯の成人の方々には、ワクチン接種を積極的にご検討いただくのがありがたいと思っております。
 67ページ目でございますが、県の広域ワクチン接種をまたしたいと思います。本日から一部の予約受付を開始したいと思っております。約1万回分の接種でございます。
 68ページ目でございますが、接種完了時期の調査でございます。市町村に調査をいたしましたが、全市町村で11月末までに完了予定と聞いておりますが、できるだけ前倒ししてくださいねということでございますが、この赤い字で書いた市町村は、前倒しを実行された市町村でございます。後ろ倒しはまだございませんので、後ろ倒しをされた場合も、この色付けの市で表示をしたいと思いますが、現在は前倒しのみの状況でございます。
 69ページ目でございますが、ワクチン接種と感染のケースでございます。2回接種をされた、新規感染者が6,042名おられますが、接種履歴の情報があるのが5,571名おられます。5,571名のうちに、接種をされましたかという問合せで、1回目接種の方が、1回接種を受けたけども感染したという人が10%に当たる542名おられます。2回接種したのに感染したという方が522名おられるという状況でございます。僅かとも言えますけれども、2割が感染した、接種された方でも2割が感染されたケースもありますので、接種されたら完璧に安全だということではございませんということでございます。
 下のほうでございますが、そういうことでもありますけれども、ワクチン接種と感染状況を6,000人について調べてみました。未接種の方の感染率は0.97%でございますけれども、1回接種された人の感染率は0.33ということで、3分の1に減っております。2回接種された人の感染者の割合は0.07ということで、激減をしているわけでございます。10分の1以下になっているわけでございますので、接種されますと感染が減りますよということは確かでございますので、接種をお勧めしたいと思います。
 70ページ目以降は、正しい感染防止対策の継続というテーマでございます。
 71ページ目以降は、笠原スクールになりますが、笠原5原則を掲示をしております。1つ目の原則、笠原原則でございますが、科学的に見ても換気、マスク、消毒、距離というのは大事ですよということでございます。換気、マスク、消毒、距離は大事ですよ。
 笠原第2原則でございますが、マスクは一石四鳥ですよということでございます。飛沫が出ない、接触汚染がない、エアゾル感染も起きない、鼻や口も触らないという一石四鳥マスクである。笠原第2原則でございます。
 笠原第3原則でございますが、3つの感染経路の遮断、3つあるよということでございます。エアロゾル、飛沫、接触、3つありますので、換気で防ぐ、マスクで防ぐ、手指の消毒で防ぐ、3つの手段で退治しましょうということでございます。よろいかぶとの3つで防ぎましょうということでございます。
 74ページ目は、笠原第4原則でございますが、リスクの高い場所を避けましょうと。リスクの高い場所というのは、その状況にも応じますが、状況がリスクが高そうだということであれば、その場所に立ち寄らないということでリスクは随分下がってまいります。
 第5原則でございますけれども、ワクチン接種をしても100%じゃないので、引き続き注意をしましょう。マスクというのが引き続き注意の主役だということでございます。笠原5原則を再掲をしております。
 最後に、コロナの戦いの継続と日常生活の取戻しでございます。77ページ目で、これまでの感染防止対策をどのように継続するかということでございます。それぞれ弾力的な運用をしてきておりますけれども、引き続き注意をしていきましょうといったトーンになっております。しかし、日常生活の正常化を視野に入れて、柔軟に見直しを行っていきたいと考えております。施設の使用制限については、市町村と協議をして実施していきたいと思います。イベントの実施にも県と市町村が協議して対処していきたいと思います。3つ目は、飲食店、宿泊施設の認証制度を推進したいと思います。4つ目は、認証の有無にかかわらず、飲食店、商業施設、集客施設での感染防止の配慮をしていただきたいと思います。その中で、商業施設の自己認証制度の創設もしております。コロナ時代における勤務の工夫も必要かと思われます。クラスターの発生予防については、笠原スクールでクラスター発生予防、発生防止対策をして拡大をしていただきましたが、それを予防につなげる努力をしたいと思います。学校での協力でございますが、一般自粛というよりも、一般的な注意をすることでリスクを下げることをお願いしていこうということでございます。広報活動は、これまで同様に続けていきたいと思います。工夫が要る面はあろうかと思います。
 82ページ目でございますが、プロモーションをどうするかということでございますが、今までのプロモーションの手法が「ワクチン接種で安全・安心キャンペーン」というのと「いまなら。キャンペーン」、「GoToイート」と、3つのキャンペーンテーマ、素材がございます。この時点での判断として、実施時期の検討を始めるということにしたいと思います。判断は、奈良県のワクチン接種の進捗、感染者の動向、医療提供体制の状況を見て判断をしたいと思います。希望者へのワクチン接種の2回目の完了見込みの時期を見据えるのが、ワクチン接種の進捗状況のさらに詳しいポイントになろうかと思います。その中で、ワクチン接種で安心飲食キャンペーンでございますけれども、補正予算案に入れておりますので、補正予算が通った後ということになりますけれども、内容は、ワクチン接種をされた方へのご苦労さま代みたいにも見えるかもしれませんが、3,000円を抽せんでお渡ししますということでございます。
 子供の頃、アデノイドというのを取ったときに、後、母親にアイスクリーム、当時はアイスクリームはなかなか食べれなかった、アイスクリームを食べさせてもらうととてもおいしかったのを思い出します。同じかなと思ったりして見ておりました、若者にとって。そんな子供にするわけではありませんので、ワクチン接種すると楽しんでくださいねというご褒美というようなことにもなると思います。
 「いまなら。キャンペーン」でございますけれども、県内、県民の県内観光というのが基本でございますが、ワクチン接種済証または陰性証明の利用者中心にというようなことになろうかと思いますが、どのように設計するか、割引率に一定の差を設けるというようなことが今、検討になっておりますけれども、そのような、行き場所は認証取得ということを条件にできるかどうかというようなこと検討をこれからして詰めたいと思います。
 GoToイートの食事券は、国実施でございますけれども、対象は感染防止対策、認証された店舗が中心になればという方向での議論をしております。
 長くなりまして、大変申し訳ございませんが、そのような施策を、振り返りを踏まえてしたいと思いますので、お諮り申し上げたいと思います。

危機管理監:
 ありがとうございました。
 知事から、本日お諮りをいたします対処方針につきまして、資料に基づいてご説明をいただきました。
 このほか、この場で確認すべき点等、各部局から発現がありましたらお願いいたします。
 それでは、本日の会議の確認事項としてお諮りをいたします。知事から説明がございましたように、現在、実施しております緊急対処措置を9月30日で一旦終了するとともに、新型コロナとの戦いが今後も長期間にわたることを踏まえて、3つの柱を中心に、9.29対処方針として決定したく存じますけれども、よろしゅうございますか。
 ありがとうございます。

司会:
 それでは、以上をもちまして、第29回奈良県新型コロナウイルス感染症対策本部会議を終了いたします。
 本部員の皆様はご退席願います。ありがとうございました。
 引き続き、知事定例記者会見に移ります。この中で報道機関の皆様のご質問をお受けいたします。

〔本部員退席〕

司会:
 報道機関の皆様、よろしいでしょうか。
 それでは、知事定例記者会見に移らせていただきます。
 本日の質疑では、後ほどその他のご質問もお受けいたしますが、初めに、ただいまの新型コロナウイルス感染症対策本部会議の議題に関してご質問をお受けいたします。

記者(奈良テレビ):
 念のための確認なんですけれども、この県独自の緊急対処措置が一旦終了ということなんですけれども、この一旦終了というのは、今後の感染状況とかも踏まえて、また実施する可能性もあるということでしょうか。また、その緊急対処措置のこれまでの効果とか、感染拡大防止と経済の両立ということを何度もおっしゃってましたけれども、その辺りの効果はどのように捉えていらっしゃるか、教えてください。

知事:
 1つは、一旦終了というのは、もう一度やり直すことはあるのかというご質問でございますけれども、緊急対処措置という名前で緊急をつけてやっておりましたが、今の状況と、これまでの振り返りになりますと、分かってきたこともあるということを前提になりますが、コロナは抑え切れないと。コロナというのは感染症、ウイルスというのは、ウイルスを撲滅するような、空からまいてというわけには、体の中にあるわけでございますので、全滅させることはできないというような観点に立ちますと、人間とウイルスとの戦いは長期になるということは前提でございますので、できれば緊急というのは、しょっちゅうするのは緊急でなくなるわけでございます。どちらかというと持久戦というか、継続をして長期的な戦いというふうに転換しようということでございます。分からないときには緊急対処が必要だったかと思いますけれども、これからは多少分かってきたところもあります。それを、相手のことをよく観察をして、持久できる、継続できる戦いに変えていけたらということが内容になっております。
 したがって、一旦中止ということでございますが、次はどうなるかというのは、方向として、長期戦、持久戦ということに指向しておりますけれども、それはまた急に暴れ出すかもしれませんで、その時点での緊急性ということは出るかもしれませんけれども、今のところでは持久戦で戦い続けていけたらということを考えているということでございます。
 2つ目は、そのような状況はとにかくとして、これまでの奈良県緊急対処措置というのの効果というのを判断、検証ということでございます。これまでの振り返りということでいろいろ申し上げたわけでございますが、国の戦い方もそうなんですけども、感染者が増えたから感染ウイルスをやっつけるという戦い方であったんですけども、その近隣の知事がおっしゃるのは、どうして増えたのか、どうして下がったのか分からない。国も教えてくれないですよね、分からない。だから、緊急対処措置が効果あったのかと言われても、上がって少なくなったことは確かでございますけれども、それを緊急対処措置の効果と言えるかどうかは正直分かりません。先ほど、近隣の知事さん、正直だなといつも親しく思っている知事さんなんです。どうして下がったか分かんないとおっしゃる。わあ、すばらしい知事さんだなと思って。
 国のほうでも、下がったことは分かんないんじゃないかなと思います。外国でも、どうして上がるのか、どうして下がるのかということは分かんないまま、人間が右往左往しているという状況でございます。今の奈良県緊急対処措置が効果があったのかというご質問に対しては、よく考えてみても分からない点が多いですねというような感じでございます。したがって、緊急対処措置を分からないところが多いということですので、効果あったという総括もなかなかできないわけでございますけれども、その間にいろいろ振り返ってみると分かってきたこともたくさんありますので、それを確認をするというのが今日の9.29会議の大きな最初のパートになっております。これからも学びながら対処を考えるという科学的姿勢を持ち続けたいというふうに思います。

記者(奈良テレビ):
 あともう一つ、お聞きしたいんですが、今回の9.29対処方針でも、社会経済活動の正常化というのを挙げていらっしゃるんですけれども、いろいろ正常化させていくと感染者数のリバウンドというのも、もしかしたら今後懸念されるんですけれども、それを防ぐ点ではどういったことを考えていらっしゃいますか。

知事:
 これも、何といいますか、リバウンドを防ぐというのは、先ほど申し上げましたように感染ウイルスを増やさないということは、なかなか難しいというのがずっと分かってきております。リバウンド、抑え込めよということを国も皆さんもおっしゃるんです。抑え込むのはどうして、抑え込んだわけじゃないですよと、この緊急対処措置なり緊急防止措置、緊急事態宣言でも抑え込んだわけじゃない、専門の方は、俺が抑え込んだと言うかもしれません、それはうそだと思います。抑え込んだ形跡ないですよね。下がってしまったというのが、近隣の知事さん、正直な感想だと思います。
 すると、リバウンドを防ぐというのはなかなか難しい目標だなと思います。だから、ここの、今日の対処措置で強調しておりますのは、どんなに増えても死者を増やさないようにしよう。その前提で、重症者を増やさないようにしようと。人間でできることは、医療、命を守ろうということを中心にしたいと。前から思っておりましたけど、それが一番できることでございますので、リバウンドを防ぐことをしますということは言いません、できるかどうか分かりませんので。感染者は、どのように暴れるかどうか分からないけど、どの程度暴れても医療提供体制、宿泊療養施設で受けたいと。死者率を防ぐというのが大きな要素になると思います。死者を防ぐほうの対策に傾注をしていきたいというのが、今日の対処の中心だというふうにお考え願えたらと思います。

記者(奈良テレビ):
 分かりました。ありがとうございました。

記者(NHK):
 今のお話にも関連するんですけれども、この間、国が主導してきた対策の在り方というのが、時短ですとか、そういったものに見られる、ある種の行動抑制といいますか、規制というところが軸になった宣言なりまん延防止等重点措置だったと思います。改めて振り返って、先ほど、奈良県内では時短の効果がちょっと分からなかったということでしたけれども、国の掲げるこの感染拡大抑止対策の方向性というのは、知事としてはどのように評価といいますか、見直すべきだとか、そういったところ、お考えありますでしょうか。

知事:
 コロナ対策で、日本は総理大臣の首が飛んだわけでございます。とても大事な対策のテーマだったと思います。どうして飛んだのかということもよく分からないんですけれども、こんなに下がってきたら飛ばなかったのにと、こう思われますのですけど、そのときに感染対策として対処がよかったのかどうかという検証は、総理大臣の首を飛ばした国が積極的にしなきゃいけないというテーマだと私は思います。それは、とても大事なことで、効果は分かんないのに玉を打ち続けろというのは、いい将軍がすることでありませんので、効果は奈良県では分からない。国では分かっておられるのかというのもよく分かんないんですね。
 関西広域連合の会合がありましたけれども、効果をちゃんと言ってもらおうということは一致して、要望事項になりました。それをまた改めて言おうというのが、連合長が言っておられます。間もなくその資料が出ていくと思いますけれども、それは、奈良県が考えてきた国等の、これは国等を批判するんじゃなしに、もうちょっと考え方を考えましょうと積極的な提案として取っていただきたいんでございますけれども、知事としてもっと批判しないのかと、こういうふうに言われると、いや、そういうつもりはございませんということをまず申し上げたいと思いますけれども、国がどのようにするのかということはもう少しこう、合理的な議論があったほうが、科学的な議論があったほうがよかったとは思いますけれども、そういう議論の中には加わっておりませんので何とも言えませんけど、奈良県の我々、私のほうの部隊の責任分野としては、死者を増やさないようにしようと。
 大阪からうつってくる感染者数の増を防ぐ、リバウンドを防ぐ、できないのかと言われても、なかなか正直できない話のような気がいたします。分析をして、今日の振り返りの中で分析をするのが戦いの基本だと思います。ローマ軍は二度負けないという、二度負けない国が一番強い。一度負けても二度負けないということは、負け戦を検証するというのが一番大事なんですね。いつも勝った勝ったと言いたい将軍ばかりでは困るということになります。どの点が悪かったのかということを謙虚に見ていきたい。奈良県では見ていきたいと思っております。国も合理的な検証が進むことを期待申し上げたいというように思います。

記者(毎日新聞):
 今日の資料の69ページのワクチンを2回打った人、2回打つと感染者数が下がるという検証の、いい検証してると思うんですけれども、この2回接種した人でも感染した人がいらっしゃるんですけれども、その重症化するのかどうか。2回打って感染している人が重症化した人がいるのかどうかなどの検証はされているのか、あるいはそれを知事は聞かれていますか。

知事:
 この2つ、違う分野の、69ページ、上と下と違うことを言っているんですよね。2つとも正しい、実証されているわけでございますので、2回打っても感染する場合があるよというのと、打つと感染が激減するよと、この2つはもう並び立つ事実だと思います。その上でどういう判断をするのかという、それはあまり早く結論出さないほうがいいですよ。いつもぱっと書かれるように筆を走らさないほうがいいと思いますよ。

記者(毎日新聞):
 2回打って重症化している方っていうのはいらっしゃるんですか。

知事:
 2回打って重症化ということは、重症化予防というのもありますので、重症化予防の効果がありますので、それに反する事例があるかと、これもね、事例が一発あると重症化していると書かれるでしょう、書かないか。

記者(毎日新聞):
 いえいえ、そういうつもりはないです。

知事:
 つもりない。ああ、結構。拍手、拍手。

記者(毎日新聞):
 いないのか、いても少数だと。

知事:
 そういう捉え方には反発しているわけです。全体の流れを見て、それを統計上正確に判断するという皆さんのメンタリティーがあると、すごく日本はよくなるとつくづく思うもんです。一つ違う事例があったら、おかしいぞと、そういうものでもないですよ。これは統計の話ですから。というので、3つ目のテーマは、重症化している例があるかという質問だから、そういう例には少しあんまり意味がないと私は思いますが、重症化、2回打つと重症化が予防されてますかというふうに資料を出すというふうにするのがやりたいことであります。1例あったらおかしいということを、そういう質問からちょっと感じたんですけど。

記者(毎日新聞):
 いやいや、そういうことではないです。

知事:
 分かりました、分かりました。

記者(毎日新聞):
 もったいないんで、ここまで。

知事:
 質問をね、2回打つと重症化に効果がありますかというふうに受け取ります。

記者(毎日新聞):
 そうです、はい。

知事:
 それでいいですね。

記者(毎日新聞):
 そうです。

知事:
 ものすごく大事な点だと。

記者(毎日新聞):
 いや、そうです。

知事:
 1例あると、というふうになるととても危ない質問だと。

記者(毎日新聞):
 違います、そういうことを聞いてないです。

知事:
 オーケー、オーケー。

記者(毎日新聞):
 調べてますか、担当課がいらっしゃるので。

知事:
 それは調べて分かるし、そうしたいと思います。それは大事な点だと。それはまだ出てないかもしれないけども、予測するとね、ワクチン打つと重症化率がこのように下がってきてるじゃないですか。

記者(毎日新聞):
 そうですね、はい。

知事:
 すごく面白い質問だと思うんだけど、捉え方によってすごく。

記者(毎日新聞):
 いやいや、そういう悪意を持って聞いているわけじゃなくて。

知事:
 いや、悪意はないけどさ、狭い可能性があるから。

記者(毎日新聞):
 これだけの母数で調査されているので、和歌山の調査よりも多いですので、和歌山の2回打った人の重症化した人が何人いるというのまで出されてます。

知事:
 今の重症化の質問は割と大事だと思いますので、重症化率の、重症化はなかなか、17ページを併せて見ていただくと、17ページで重症化のあまり真剣に国のほうも統計上取ってくれないという不満を言っているわけで、それとも関係するのでこんな反応した面があるんですけれども、すると重症化の効果というふうな、とても大きなことを言うと、死者に至るのは重症化を減ないで死者になるのかどうか、これもテーマなんで、それをちょっと追及したことがあるんですけれども、今の69と17と一緒に見ていただきますと、ワクチン接種をすると重症化率の割合が下がってきてますよということが分かってきております。
 明らかにワクチンを1回よりも2回接種すると重症化の率が下がってきてますよというのは、今のに対するお答えに近いことになろうかと思いますが、ワクチン2回接種すると重症化は少なくなりますねというのは、17ページ目のお答えになると思います。今まで重症化に主役であった高齢者が重症化しなくなったということは、1つこれは言われていることだと思います。

記者(毎日新聞):
 そうですね、だから、なおさらそういうデータがあれば、さらに裏づけができるので、担当課さんがいるので、ありますかと。

担当部局:
 重症化とワクチン接種の回数についての分析の方法も含めて今、検討しているところですので、お出しの仕方も含めて、知事からも慎重にあるべきというようなご発言もあったかと思うんですけども、そのような状況でございます。

記者(毎日新聞):
 極端に言えば、ワクチンを2回接種して死亡された方っていうのはいらっしゃるんですか。

担当部局:
 現時点で公表できるような手持ちのものはございませんので、そのように捉えていただければと思っています。

知事:
 今のね、ワクチン2回打って死亡された方、報道されるんです。割合がどうなのかということをいつも報道の中に入ってくることを強く希望しますね。統計しないとこういうのは対処できないですよ。いや、久保さんはよくバランス取ってよくされていると思うんですけど、ほかの、関東のテレビだと思いますけれど、そういうふうなのは割と、こういう感染症への戦い方というのは、統計もっと重視しないと戦い切れないと、こう、気持ちが動揺するじゃないですかね。あまりよくないと私は思います。

記者(毎日新聞):
 で、せっかくの2回打ってすごい効果が出てるというデータを発表されてて、そういうのも踏まえて、この前、議会でも少し答弁で触れてましたけど、国はワクチンの3回目接種をやろうという考えを持っているようで、知事としては、このワクチン3回目接種についてはどういうふうにお考えなんでしょうか。

知事:
 ワクチン3回目が効果あるかという科学的根拠というもの、疑っているわけじゃないんですけども、ワクチン2回で切れるよと、今の日本の専門家の人は、外国で言われたことをそのまま言っておられるような気がするんですよね。直ちには信用できないんだけども、いや、うそだとも言えないから、よく分かるまで慎重には対応したいというふうには思っています。効果があるならばやるよと、効果がないのはしないよと、それに尽きますですよね、現場は。効果があるということをもっと実証的に言ってくださいねと言うと、3回目打つと効果があるというのは、まだ日本では分かってないんじゃないかと思うんです。外国で言われているだけだから。外国でやったのをうのみにしろよという専門家は、本当の専門家じゃないと思いますよ。だから、ちょっとやや慎重な答弁ということになりました。

記者(毎日新聞):
 それともう1点、「いまなら。キャンペーン」のことなんですけれども、これはワクチンを接種あるいは陰性証明の方に割引率に差をつけたいという、知事としてはどれぐらいの差をつけたいというお考えなんですか。

知事:
 「いまなら。」は、この認証制度のないときに打って割と好評だったんですけれども、それは県民の方がみな知らなかったと。奈良県の行動パターンは、勤めに行くのも遊びに行くのも大阪やというようなことでありました。それはベッドタウンの特徴でございますけれども、このような時期だと、自律的に奈良で楽しめるようになってもいいじゃないですかということを狙った「いまなら。」だったんですけど。それに今度は、認証とワクチン接種をどう絡ませるかというテーマがあります。まだ結論は出てないんですけれども、先ほどの安全・安心飲食のワクチン打ったらご褒美になりますよというちょっと余計な言い方しましたけど、それとまたちょっと違う面もあろうかと思います。
 「いまなら。」は、ワクチン打たれて、その認証の宿泊に行かれるととても安心していただけますよというタイプのプロモーションになるんじゃないかと。逆に、打ってないといけないのかと。家族で打ってない人がいれば、例えば12歳未満の子がいるから打ってないけど、連れていっていいのかというような、差別排除につながる可能性もありますので、その点はちょっと気にしています。だから、割引率の差でするのか、それにしても、いずれにしても気をつけてもらいたいと。ワクチン打ってなくても、そこに行けば安心だというのが認証の一つの特徴でございますけれども、ワクチン接種の有無で差をつけることについての判断は、多少慎重にしなきゃいけないかなと思っています。もう少し時間ありますので、ちょっとよく考えて結論出したいと思います。

記者(産経新聞):
 すみません、資料の44ページのロナプリーブの件なんですけど、昨日の段階でも400人以上の方に投与されているところだったんですが、効果というのは、どういった効果が、統計とか取られているのかというのと、あと、副作用の懸念もありましたが、そういった症状が出ている方はいるのかとかも教えていただけますでしょうか。

知事:
 大事な点ですね、効果と副作用。何か分かることはありますですかね。

担当部局:
 昨日の議会でもお示しさせていただきましたように、国のほうでの効果は昨日答弁させていただいたと思っているんですけれども、7割程度ということでございます。副作用だったりについては、各医療機関でやられているものですので、特別こちらに何か上がってきているという状況では、県内の状況としてはないですが、各医療機関の中での治療ということですので、全てはそれができているかというところでは定かではないところですけれども、そういった状況です。

知事:
 今のところ、もう少しデータが十分じゃないというような感じを私もいたしましたので、引き続き、こういうやるときは効果検証大事だと言ってるほうの立場ですので、このロナプリーブの効果と副作用、いい効果、悪い効果ということになりますが、それをちょっとフォローしたいと思いますので、しばらく続けさせていただければと思います。

記者(産経新聞):
 分かっている範囲でもいいんですけど、例えば治療の期間がロナプリーブ投与によって短くなった方とかって、そういうふうな形に今なっているということですが。

担当部局:
 別の医療機関のほうでやられている状況ですので、細かいデータについてこちらで把握してないので、現実にその短くなったりとか、この場で申し上げるのは難しいところがあります。

知事:
 久保さん(=毎日新聞記者)とのやり取りでもあったんですけど、1例出ると危ないぞと、そういうことはよしてくださいよね。100例のうちの1例か、1,000のうちの1例か、5のうちの1例か、全然違いますので、割合というのは統計で物すごく大事ですので、そういう例が出ることもあるかもしれませんけど、この中の割合というのはすごく大事なので、1例あるかと調べられるとね、いや、久保さんはそういう報道するつもりはないとおっしゃったので、同じ回答を期待いたします。

記者(産経新聞):
 あともう一つ、ということで、統計取られるということで、それを待ちたいんですけど、プラス、そのロナプリーブに関して、今、感染者が減ってますけど、数に限りがあるという話もあったんですけど、その体制のほうはどうなのかというのもまた教えていただければと思います。

担当部局:
 ロナプリーブの国からの供給の件に関するご質問だと思っていますけれども、現時点で各医療機関において供給に滞りがあったというような報告はいただいておりませんので、問題なくできているのかなと考えております。

記者(読売新聞):
 資料59ページで、ワクチン接種率が低く、何々はワクチン接種を加速していただきます、やや強い言い方なんですけども、何かその支援策みたいなものを考えていらっしゃるのか、それが67ページにある広域ワクチン接種のことなのか。あるいは、接種率が低いままの市町村にはペナルティーみたいなものを考えているのか伺いたいんですが。

知事:
 いい質問でございますけれども、ワクチン接種の動向を見てみますと、市町村が主役と、国が供給、県が配分、市町村が打ちますよというパターンが基本となって、国の直接接種、県の広域接種などが補完するということでございましたが、加速しますって、加速していただきますということは、それを受けて市町村にというのが、主語がそうなっているような文章になっております。最近の現状では、最初、出足が遅かったんですよね、奈良県の市町村は。ところが、どんどん加速してきてということになりましたので、このようにワクチン接種率が上がってきているという結果になっているように思います。最初は、ワクチン接種の主役は地区医師会だった。地区医師会も出足が遅いので、研修医をつぎ込むとか、そういうこともやりまして、研修医が初期は頑張ってくれたということでございますが、今は、地区医師会が頑張ってくれているところはどんどん上がってきているということでございますので、加速していただきたいのは、基本的には地区医師会とは思っておりますけれども、その支援をするというのは、地区医師会の望みはいつも接種の単価を上げろということを交渉でおっしゃいますので、そういうことを言われてちょっとはしたないなとは内心思っているんですけれども、陰でおっしゃるので報道されないんですけれども、そういうことなしに、やはり地区医師会にはせっせと打っていただきたいと相変わらず思っています。
 この中で、接種率の低いところを挙げまして、よく見ていただきますと、地区医師会が偏ったりしているんですよね。大和高田とか、北葛城郡とかね。あまりご存じないかもしれませんけれども、地区の医師会の活躍ぶりで随分違ってくるということは、私から見るとそう思います。頑張って加速していただきますというのは、県の支援よりも、地区医師会のご活躍を期待していますと同義でありますので。

記者(読売新聞):
 期待するだけで、特に何もしないということなんですか。

知事:
 しませんね、はっきり言うと。県は県で独自でやりますが、地区医師会にやるということはあまりないですね。

記者(読売新聞):
 分かりました。

知事:
 期待していただくだけかとおっしゃって、申し訳ございませんが、お願いいたしますというふうにしたいと思います。

記者(読売新聞):
 飴と鞭じゃないですが、鞭みたいなものはないですか、接種率が低いところに対して。

知事:
 あっ、鞭か。鞭はあまりないですね。このように情報を出して、私がしゃべるのが下手すると鞭になっているかしれません。だからちょっと、鞭じゃありませんよと、単なる情報ですよということを、謝りを入れて言わないといけないと思いますが。何か支援することはないですかとおっしゃると、飴を出せよとおっしゃってるように聞こえたもんだから、そういうのはあまりよくないですよと。いつも飴を要求されるところですから、というのが、いつもの折衝の経験からあるものですから、飴をくれたらやるよというような関係をつくると、私はよくないと思うんですよね。飴の有無にかかわらず、同じようなワンショット幾らの時に、これだけ差があるんですから、ワンショット幾らで、加速するときにすごく値段、診療報酬なり上げられるんですけれども、そういうのを狙って交渉するというのは、日本の医師会の一つの宿痾だと私は思うもんですから、そういうことを支援しないですかとおっしゃったので、裏でつながっておられるわけじゃないと思うんだけど、そういうことにはすごく反発してしまうので、申し訳ございません。お願いする立場なのに反発して申し訳ございませんということを申し上げ、付け加えさせていただきたいと思います。

記者(日経新聞):
 「いまなら。キャンペーン」で陰性証明って、抗原キットの陰性証明なんですか、それともPCRなんでしょうか。

担当部局:
 お答えさせていただきます。制度の中身につきましては、まだ今、検討中ですので、その辺りもどういうものを使うかというのも含めまして、今、検討しているとこでございます。

記者(日経新聞):
 これから、行動制限の緩和に向けて、その陰性証明のニーズって高まってくると思うんですけれども、当然検査体制というのが重要な関心になってくると思うんですが、今回の措置を見ると、54ページに保育園等の検査体制のくだりがありますけれども、それのみですかね。例えば、奈良市が昨日、一昨日かな、10月1日からホテルに抗原キットを配るような取組を始めますけれども、そういう取組は今のところ奈良県のほうでは考えていらっしゃいませんか。検査体制のバージョンアップです。

担当部局:
 すみません、それは「いまなら。」に対してということですか。

記者(日経新聞):
 そうじゃなくて、全般的な話で。

担当部局:
 全般的にということですか。ホテルでの検査ということであれば、今、宿泊療養で用意しているところでそういったことをするということは、現時点では検討はしていないです。

記者(日経新聞):
 検討していない。他に、例えばPCRを独自に許可するとか、そういうお考えもないわけですか。

担当部局:
 保健所機能の強化の件があったと思うんですけれども、そういった観点では、保健所の体制を強化するということで考えているということで理解いただければと思っております。

記者(日経新聞):
 分かりました。あと、15ページなんですけれども、知事がおっしゃっていた死亡者の割合、これ非常に貴重なデータだと思うので、もし可能であれば、47都道府県全部開示してもらうことはできませんでしょうか。奈良県の近隣の府県がどこにあるのかというのを知りたいと思うので、可能であればですけれども。

知事:
 15ページの死亡率の表ですか。

記者(日経新聞):
 そうですね、ベストテンまで入ってますけれども、奈良県が25番目で、奈良県の周辺の県が例えばどこなのかとかですね。よく見ると、東京都が入ってないのはちょっと驚くべきことなのかなと思ったりするので、東京都がどこら辺にあるのかというのも知りたいところなので、貴重なデータだと思うんで、せっかくこういう統計を出されているのであれば、47都道府県全部出してもらうことは可能でしょうか。

知事:
 15ページの表に注目していただいてありがとうございます。これ、奈良県の位置づけを出すためにこのようにしたんですけど、全国の表で比較するのも私、大事かと思っておりますので、国の役割でもあるんですけれども、奈良県でも全国の表をつくろうと思ったらつくれるんだっけ。できれば、この全国の表を出して、多少なり国に代わって分析の一助になればと思うところもありますので、このような表は分かりやすく見えるところがありますので、ちょっと一度並べてみたいと思います。それでまたご吟味ください。今日の奈良県対処とまた違って、これから国の効果検証の一助、パートにもなりますので、この15ページの表を全国ベースにつくるという作業を、ご発言もございますし、させていただけたらと思います。

記者(毎日新聞):
 GoToイートについて、いつ再開するかまだ未定ですけれど、これは認証店を推奨するという書き方がされていますが、限定なんですか。

知事:
 そうですね、GoToイート、久保さん(=毎日新聞記者)のご活躍で最初知らない間に進みそうになって、肝を冷やしたことがございますけれども、今回はみんな私のところにちゃんと情報が来ると思いますので、それを受けてGoToイートをどうするかというのは、飲食に関わる話でありますので、飲食店、疲弊してるというのがあって、助けてやりたいと国も思う面もあろうかと思います。奈良もそうでありますけれども。それを、国はどうするのかな、飲食店はあんなに危ないところだと言ってきたからやりにくいのかな。奈良は、いや、そんなことは言ってないからやりやすいのかな。マスコミ的にはどう思われますかね。あまりまた、たたかれるのも嫌だからという面もあるんですけれども、安全に飲食してもらったらいいですよという気持ちはあるんですよね。日常生活を取り戻す中で、外で家族で安全に飲食というのは大きな要素だと思いますが、GoToイートの食事券で安全飲食を推奨できるのか、心配ないのかというテーマもあると思いますので、その辺りをちょっと慎重にというような、まだ今の段階だと思いますけれど、時期にもよると思います。それとやり方というのも関係すると思います。世の中で飲食店が危ないよと言われている中で、なかなかできにくい面はあったと思います。奈良県の飲食店は大丈夫だというところまで言い切れないとか、そのように密集していないので、地区としては比較的安心ですよというようなことでありましたので。それと、時短でコロナの対処はできませんよという判断をしたわけでございます。今度は客に、食べに行っても安心だよというところまで言えるかどうかというテーマが入っていると思いますので、その点はよく、久保さんが、もうしてもいいんじゃないのということをおっしゃると、喜び勇んで。

記者(毎日新聞):
 だから、認証店にしてくださいねって推奨段階なんですね。

知事:
 そうですね。

記者(毎日新聞):
 認証店だけでっていうんじゃなくて、できれば認証店でということ。

知事:
 そこらへんが大事な点ですね。排除するかしないかという点はあろうかと思います。そのテクニックが必要かと思います。認証店以外行っちゃ駄目だよというセンスはあまりないと思います。しかし、安全なほうがいいですねというセンスはある程度あると思います。その点も大事だと思います。

記者(毎日新聞):
 ありがとうございました。

知事:
 またご示唆ください。従っていきますので。

記者(日経新聞):
 この間、コロナ会議のときに、効果が見えないと笠原先生のコメントがあって、多分、それは毎日新聞の久保さんが書いた記事がバズって、荒井さんはよくやったと、独り勝ちだという声があって、地元でずっとウオッチしている身にとっては、ちょっと違うんじゃないかなと思いながら、この間街を歩いていたら、結局荒井さんの言うとおりになったんじゃないかと、地元の人も言ってたんですね。今回、第五波について、知事はどういうふうに総括されますか、今回の、要するに同じ生活圏の中で緊急事態宣言を取らなかった奈良という選択ですけれども、今回の五波の総括をもう一回改めて伺うようですけど。

知事:
 今まで経験が積み上がってきてるわけですけれども、国でも県でもということであります。その意見交換を知事さんとの間でいろいろしてるわけでございます。その経験を踏まえていろいろ質問に対しても反応するわけでございますけれども、やはり科学的というか、根拠をよく求めて動いたほうがいいなというふうには、もう、つくづく思います。見えない敵に対する戦いですので、こういう戦いは大陸の国のメンタリティーのほうがうまいというか、強いですねとつくづく思います。大陸だと、敵がどこに潜んでいるか分からないから、逃げる逃げ方によっても、分散して逃げるというのが鉄則になっております。右に行けというの、左に行けというのが鉄則になっております。
 ところが、日本は島国で、ここで守るというから、逃げるときは一緒に逃げようと、全部一緒に逃げよう、これは全滅の危険性が高くなるというのは、大陸系の人はそういうことはめったにしないというふうに思っています。奈良県は、全滅は嫌だからわざと違うほうに行ったというわけではないんですけれども、それが国民性といいますか、メンタリティーなんで、同調しないよというのが大陸系の、特に遊牧民の習性になってきております。全滅しないようにして生き残る。生き残ったのは、2回負けないと、主力をやっつけた敵をやっつけに行くというのは、大陸での戦いでローマ軍は二度負けないというような戦いになっておりますが、日本軍は全滅を割と好むというか、同じ方向で行って、同じように戦いたいというメンタリティーが強いというのは、第五波の総括での、書いておりませんけれども、科学的に考えてやりましょうと言ったのは、そのようなことを検証しながらしないと、何度も負けてしまいますよというような教訓を得ているつもりということでございます。
 余計なことを申し上げましたけれども、日本人の戦い方というようなことをつくづく思う次第でございます。

記者(日経新聞):
 少し感染がおさまって、平場というか、フラットな状態になってきた今、多分、今回大きく我々が思ったのは、奈良市長とか、生駒市長とか、医師会の会長さんと知事のコミュニケーション不足というのが決定的に感じたんですけど、改めてこの平場の状態でもう一回直にお会いして、関係を再構築するということはお考えになりませんか。つまり、今度、第六波がまた来るときに、同じようなことが起こるというような、多分想定されると思うんですけれども、そういうふうにならないために、もう少しコミュニケーション、青臭い議論かもしれないですけど、もう一回コミュニケーションを取るというお考えはないでしょうか。

知事:
 第六波の様子ですが、今までの五波までの戦い方は、感染、コロナをやっつけるという戦い方だったんですね。ウィズコロナという戦い方じゃなかったんですけども、中央では、ウィズコロナでいこうか、やっつけようかという、その2つの戦い方の流儀があるように伝わってきています。今の感染症の責任者である西村大臣と尾身さんは、自粛自粛でやっつけようという戦い方でありましたが、なかなかできないことであります。第六波も、やっつけるというのは、勢いをつけたらなかなかそうはいかないんじゃないかと私は思っています。そのときに、逃げ方というのは、襲ってきたら逃げるというのが一番。やっつけるというのはなかなかできないですから、逃げる。逃げて被害を少なくするというのが一番の基本になります。被害を少なくするというのは、籠城的になるわけですけれども、医療を充実して、医療の防波堤で逃げて引き下がるというのが基本の戦い方になる。すると、強いコメントを出せよとか、緊急宣言とか、そういうタイプじゃなしに、逃げようという宣言になると弱く見えるかもしれませんが、防衛戦というのはそのように、非常に強い精神力が要る戦い方でありますので、これは日本人のメンタリティーも問われているようなコロナ対策だと思います。
 昔は、三十六計逃げるにしかずというのが割といい言葉でありましたので、逃げてその身を守るというような戦いのほうがコロナにはいいかという、これは戦略の要諦でありますけれども、そのときに医療のところで守ってもらおうというのが基本になるのかなと。第六波が来ても医療で守るということはまず確保しようというのが、先ほどの1,600の宿泊療養病床をつくろうという精神に出しているところでございます。
 感染症が増えると、医療がやられるから感染症を抑えると、こういうロジックだったんですけれども、なかなかそうはいかなかった。基準もそういう基準になっていましたですね。病床の圧迫率が増えると感染症をやっつけに行くんだと、ちょっとロジックが逆だったように私は思います。医療を十分にやっていれば、感染症はある程度増えてももつようにしましょうねという方向でやれば、菅さんの首も飛ばなかったのになと思ったりするとこがありますが、第六波に備えるのはまだ奈良県だけじゃなしに、国もどのように備えるかという議論が必要だというふうに思います。総裁が代わるわけでございますので、戦いはどのようになるのかということは注目しています。

記者(日経新聞):
 すみません、奈良県の話なんで、もう一回確認しますけど、奈良市長、天理市長、生駒市長、それから医師会の会長と、この平場の状態でもう一回じかにお話しする考えはないですか。

知事:
 何を話すんですか。

記者(日経新聞):
 今後の対応、要するにこれからどうするか、第六波に備えての対応です。これからどうするか。

知事:
 何か意味がありますか。

記者(日経新聞):
 意味があると僕は思うから話をしてるんですけど、ないと思いますか。

知事:
 意味がないように思いますが。

記者(日経新聞):
 コミュニケーション不足ってことないですか。

知事:
 第六波に向けて話ししろとおっしゃるんですか。

記者(日経新聞):
 そうです、コミュニケーション不足を解消するために話したほうがいいと思うんですけど。

知事:
 あまり意味がないように思いますね。

記者(日経新聞):
 分かりました。

〇国体の会場について

記者(毎日新聞):
 知事は、一昨日の議会の答弁で、例の国体なんですけれども、今、橿原が主会場になるのかや、国体の関係で橿原市が市営の運動公園と、それから県営の橿原公苑との交換についてちょっと触れられて、その際にも、橿原市に4項目の提案をしたというような答弁をされていましたが、これは具体的にどういう4項目なんですか。また、その趣旨は。

知事:
 4項目、あれは、資料を配っていいかどうかということなんだけれども、そんなにたくさん書いてないんですが、あそこに言ったようなことを書いてあるんですけれども、市長に議会と調整してもらうペーパー、たたき台ですので、普通は外に大っぴらに配るもんじゃないわけでありますけれども、議会に調整に入られる予定になっていて、行き渡っているということでもありますので、それを受けて県会議員のほうもご質問されたと。行き渡った資料でありましたら見ていただいてもいいんですけれども、まあしかし、まだ調整する資料でありますということは確かですので、どのように扱うか、資料を見てもらうのが一番いいんですけれども。
 それをリザーブさせていただいて、県からの提案の趣旨というのは、全面交換を前提にして、じゃあ交換した後の県の施設はどのようにするのかと、3倍もある大きなところですので、メインのスタジアムと附属のアリーナがあって、あそこに、北、真ん中、南とあります。真ん中には野球場とサッカー場があります。それは改修して、例えば甲子園の地方野球大会などはそこで開催できるようにします。改修ということは、補強ですね、そういたしますと、今の県の公苑よりも立派な野球場になる可能性があります。それを利用させていただきますというような提案だった。サッカー場も2面ありますけれども、それに観覧席をつけると、ちょっとしたゲームができますよというような、それは北のほうは新設案、真ん中のほうは改修案、南のほうはアリーナとかっていう新設案と、子どもの遊び場というような遊園地をつくりますよという県の構想を施設のレイアウトとして提示をしております。
 その次には、施設の整備の方針というのは続けて、それと県が提供いたします橿原公苑は、今、野球場とか体育館がありますけれども、橿原市が好きなようにしたいと。場合によっては全部なくしてもいいんだというようなご意向もあります。議会のご意向もありますから、自由度を高めて、自由にしてくださいといった提案にしています。
 次は、整備をどのようにするかというと、整備も、国体がありますので、とにかく早く始めないといかん。すると、交換をして、土地の精算をして整備というのには間に合わないかもしれない。とにかく鑑定に基づいて費用を償いますから、こういうレイアウトでいければ、例えば北の一番急ぐ競技場の整備は、土地の交換前に県が整備に入っていいですかというような整備の協定をつくりませんかという具体的な提案が入っております。
 精算は必ずしますから、精算が遅れてもお金のことだから、県と市だからそんなに取りはぐれはないので、それは鑑定に基づいて、底地のは鑑定に基づいてしましょうと。それは確認しておけば、底地の精算はどうなるかと、分かってからしか譲らんよというのも普通はあまりないと思いますので、それは、その鑑定に基づいて精算しますからと。その都度、必要なときにお金は払いますからといいますと、それは3倍もありますから、橿原市で取られる分は多くなると思うんですけども、橿原市で取られる分は、橿原公園の整備とか市役所の整備とか、いろんなのに利用していただけますので、最初金が入ってどうこうというよりも、適宜にその精算ができればいいというお立場じゃないかと、これはこちらで観察をして、その精算できた段階で精算して、支払いますよというようなことも入れております。その段階的整備と、早く急ぐとこは早くしますよというようなことから、それと段階的精算といいますか、概算と精算、概算払いでお金が要るなら概算払いをしてもいいし、精算で最後精算をすればいいだけですのでというような、そういう現実的な提案も中に入っております。

記者(毎日新聞):
 橿原神宮への賃料についての話とかも入っているんですか。

知事:
 橿原球場。

記者(毎日新聞):
 賃料、県が今、支払っている賃料ですね、賃貸料。

知事:
 賃貸料、どこに。

記者(毎日新聞):
 橿原神宮ですね。

知事:
 橿原……。

記者(毎日新聞):
 橿原神宮。そういう賃料の話というのは。

知事:
 それは交換ですので、売却ということになります。

記者(毎日新聞):
 売却になって、もう完全に交換する。

知事:
 そうそう。で、あと精算しましょうということなんで、その間に使いますよといったときに、使用料を払うのかどうかというような賃料は発生するかもしれませんけれども、最終的には精算しましょうということですので、その間を、貸すというよりも、後を整備するのにやっぱり所有権がないと、議会に諮ってやるよといっても、そのときもし橿原公園が県の持ち物で、貸していれば、家主のお伺い立てたりせないかんから、ちょっとあんまり望ましくないと思いますので、それぞれ売却ということを前提に、交換ということを前提にやりましょうということにしてます。ちょっと失礼しました。

記者(毎日新聞):
 ありがとうございます。

〇市町村のごみ処理広域化について

記者(読売新聞):
 大和郡山市が奈良市などとのごみ処理の枠組みから離脱を表明したことについて、県は広域化を推進する立場ですけれども、どうお考えになるか、お伺いしたいと思います。

知事:
 清掃工場ですね。清掃工場は、それぞれの市の大きな仕事ですので、奈良市は大変問題が発生していると思いますので、よくできる市長さんですので、辣腕を振るって清掃工場を整備されることを期待しています。

記者(読売新聞):
 奈良市が整備していることを期待していると。

知事:
 そういうことですね。

記者(読売新聞):
 その大和郡山が離脱したことについては、どうお考えでしょう。

知事:
 大和郡山市。

記者(読売新聞):
 そのすぐそばに工場が並び立つ事態も想定されるわけで。

知事:
 あまり県としてはコメントありませんですね。

記者(読売新聞):
 広域化を推進してるのに、その矛盾が生じるわけですが。

知事:
 いや、よく調整されたらいいんじゃないかと思いますけれども、よく調整されるときっといい結果が出ると思います。よくできる市長さん同士ですから、よくうまくできると思います。期待をしております。

記者(読売新聞):
 県が介入するというお考えは。

知事:
 ありませんですね。どうぞ頑張ってくださいねって。

記者(読売新聞):
 分かりました。

〇自由民主党総裁選挙について

記者(NHK):
 本日、自民党の総裁選挙が行われます。まだ結果判明前なので大変恐縮なんですけれども、新しい与党のトップが選ばれることについて、今、今後どのようなことを期待されるのかされないのか、その辺り教えていただけますか。

知事:
 今日、自民党の総裁が新しく選ばれる日なんですけども、その前に、菅さん、何で代わってしまったのかなと思うんですよね。今、菅さんの進退が今問われたらですね、これだけ減っているので続投しろよということになってたのかなと思います。時期のタイミングということだと思います。菅さんは、立派にやってこられたというふうに思いますので、その惜別の念のほうが私は強いです。どうして総裁選が菅さんなしの総裁選があるのかなと。菅さんが入っていても、総裁選があってももちろんいいんですけれど、当然いいんですけど、菅さんが入っていてもよかったのかなと思ったりもするんですけど、それが一番ですね。
 だから、今、菅さんのやってきたことがおかしいから変えようというような総裁選じゃなしに、何か選挙の顔をつくろうかというような政治の動きになっているように思いますけど。すると、政策というよりも顔かというふうに、皆さんもそのように捉えて報道される面もあると思いますけど、それは議員の心理を報道されているだけで、今のご質問にあるように、日本の国のかじ取りは誰がどのようにすればいいかということが一番大事で、菅さんが辞められたことについては残念でありますけれども、さておいて、これからどのように総裁がかじ取りをしてもらうかということについては、政策論争がいろいろあります。これは自民党らしくて、政策論争、自民党はいろいろ多角的な政策をまとめて党の、与党の政策として実行されるという政治機能が一番あるという党でありますので、それが一番多角的なのをその都度、左に軸足をかけたり、右に軸足をかけたりというようなことを、スイングしながら実行するという、右派も左派も同じ党の中にある、ドイツの総選挙と大分違うように思うとこであります。その中での論争ですので大変興味がある論争だと、政策論争だというように思っています。
 その中での、政策をどのようにするかという点も大事なんですけども、新しい総裁に期待するのは、ガバナビリティーということだと思います。統率力、これは上から統率するじゃなしに、みんな働き場所をうまくつくるという統率の仕方もあろうかと思います。それは自民党らしいというか、日本らしい統率の仕方であろうかと私は思います。その際に、政策の色合いというのは出てくると思いますけど、その一つの内閣であらゆることをなかなかできませんので、その時点での日本の国の最重要事項にチャレンジしてほしいなというふうに思っています。そのような取上げ方をされて、それに対する布陣をちゃんとされる総裁、総理になられるわけですけども、それがありがたいなと、そういう人にはまたついていきたいなと思います。菅さんもそのようなタイプであったかと思いますけれども、道半ばで大変残念でありました。

司会:
 よろしいでしょうか。
 それでは、本日の質疑のほうを終了させていただきます。ありがとうございました。

※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。
 また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。

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