オランダ人絵本作家ピーター・スピアーの『せかいのひとびと』という絵本があります。その題のとおり、世界中の人の外見上の違いや人種、民族、言語、宗教、生活などの多様性、さらに差別や争いの問題などが、さまざまな視点で描かれています。 多文化共生や多様性尊重に関する本は多いけれど、私がこの本に心動かされるのは、人間の感情、行動、社会問題にまで踏み込んでいるからです。みんなで何かするのが好きな人や一人が好きな人、強い人も弱い人もいます。さらに、たいていの人は良い人ですが、悪い人も少しいます。勤勉な人や怠けている人も、働きたいのに仕事がない人もいます・・・。でもみんなどこかで生きていて、どのように生きてきた人も、最後は命を終える、その共通点で、世界中の人はつながっている、とそんなメッセージを感じます。 どの人にも違いがあるのは当たり前のことです。また、誰もが不安や恐れを抱え、危機と隣り合わせで生きている、その現実も当たり前のことです。だから、何か困った事が起きた時に助けを求めることは決して特別なことではありません。相談を迷っている人には「ひとりじゃないよ。話してみませんか。」と、心からお伝えしたいです。
斑鳩町立斑鳩中学校 2年 𠮷村 歩華(よしむらあゆか)さん
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