令和3年11月26日(金曜日)知事定例記者会見

【発表案件】
〇県立橿原公苑と橿原市立橿原運動公園の一体的整備について
【質疑応答】
〇映画監督 河瀨直美氏のユネスコ親善大使任命について
〇令和4年度予算の国への陳情について
〇県内の新型コロナウイルス感染状況について



【発表案件】県立橿原公苑と橿原市立橿原運動公園の一体的整備について


司会:
 おはようございます。
 それでは、知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 初めに、本日の発表案件についてでございます。本日は、発表案件が1件ございます。1、「県立橿原公苑と橿原市立橿原運動公園の一体的整備について」でございます。
 それでは、荒井知事から発表いただきます。よろしくお願いいたします。

知事:
 国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の会場について、橿原市とそれぞれの運動公園を交換して、県は大きい橿原市の公園でスポーツ施設を整備するという案を提示しておりました。経緯については、資料に書いてあるとおりでございますけども、かれこれ3年ということになりますが、令和元年12月20日に、橿原市から一体的な整備の推進ということで要望を受けました。それから協議を進めてまいりました。令和2年8月には、4つの協議項目を掲げました。
 そのような経緯でございましたが、このたび、橿原市長と市議会のお話合いの中で、一体的整備は反対という意見が表明がされましたので、それを受けまして、国体のスポーツ施設の整備、10年後でございますが、やはり時間の制約がございますので、県の考え方として、書いてございますけども、橿原市での一体的整備については、非常に残念でございますけども、このたびの橿原市長からのご報告を受け、両施設の一体的整備については断念することといたします。
 県といたしましては、県立橿原公苑、橿原神宮前にありますが、活用して、奈良県での国体開催のための施設整備をするということを検討していきたいと思います。詳細については、これからの検討となりますが、橿原市長とも十分相談しながら決めていくことにしたいと思います。時間的余裕がないというのが大きな理由ですけども、国体開催のための施設整備全般について、全体について決めていく必要がありますので、できるだけ早期に県の考え方を取りまとめていきたいと思っております。以上でございます。

司会:
 ありがとうございました。
 ただいまの発表案件につきましてご質問のございます方は、挙手にてお願いします。

記者(奈良テレビ):
 この全部交換案が今回断念ということですが、資料にあるように、県立橿原公苑を活用して整備していきたいということがありますが、県立橿原公苑をメイン会場とするという考えなのでしょうか。

知事:
 県立橿原公苑には、今、陸上競技場と野球場、それと体育館があります。それでは全体としては不十分でございますので、それと、新しく田原本町でのスポーツ施設ということに手が挙がりました。これから新しい施設あるいは既存施設の改築、改修というのが出てくると思いますので、県立橿原公苑をどのようにするかということは、これからということでございます。
 いろんな大きな物も、主たる陸上競技場をどこにするかということと、開会式、閉会式をどこにするか。同じ場所でする場合もあるし、また違う場所でもいいということは聞いておりますけども、一過性にしないということ。この前、準備委員会、設立総会がありましたけども、極力そのときに大きな施設整備をして、また何十年も経って廃屋化するということのないようにということを基本方針で決めておりますので、できるだけその施設整備を抑えて、持続的に使えるようにという観点から、どのような施設整備をするかということを決めていきたいと思いますが、その中で県立橿原公苑の中でどのような整備をするか、古いものをどうするか、あるいは今使えるものをどのように改築するかという案を、至急取りまとめていくということになると思います。

記者(奈良テレビ):
 ということは、県立橿原公苑をこれからどう整備するのかを検討しつつ、田原本、磯城郡のほうに計画をしているスポーツ施設というのも活用していくというお考えですか。

知事:
 そうですね、県内施設を全般をよく見て決めていきたいと思いますけども、大物といいますか、大きなものをどこでするかというのは時間もかかりますので、早くその場所と施設、新設か改築かというようなことはできるだけ早く決めていかなければいけないと思います。特に新設が必要な場合は、早く決めないと時間がかかります。新設を、その当地で壊してつくるというのはある程度時間が計れるんですけども、新しい場所を購入してというと時間がかかりますので、田原本町の場合は、事前に大和平野中央プロジェクトのウエルネスでどのようにするかということで進め始めておりますので、できるだけ早く全体の整備方針を決めていきたいと思います。やはりもうそろそろ決めていかないとというのが、一体的交換ができれば、橿原運動公園というのは大きな場所でございますので、今からあそこを取壊しと新築と改修ということを決めても十分間に合うというもくろみでありましたけども、やはりこれからまだもめる可能性もございますので、残念ながら断念するということにしたいと思います。

記者(奈良テレビ):
 ありがとうございます。

司会:
 ほかにご質問は。

記者(毎日新聞):
 この関係で橿原市議会の特別委員会で否決されましたけども、市議会の判断に対しては、知事はどのように考えていますか。

知事:
 正直言うと、よく分からないところがあります。

記者(毎日新聞):
 よく分からないというのは。

知事:
 県案のどこが悪かったということが、よく分からないということ。具体的にこういう考えの、こういう点は直してもらわなければいけないということがあれば、もちろん直すのにやぶさかではありませんけども、そもそも交換はいかんというようなことで、もうちょっと膠着的な状態というように見えるわけで、皆さんどのように見ておられるか分かりませんけども、そのような状態だと、これ結構長く続いてしまいますので断念の大きな理由になりましたけども、具体的にこういうことがおかしいではないか、心配ではないかということでありましたら、その解決方法が割と見つけやすいですが、そのような具体的な反対理由が正直今、もう一つ分かってないというので、橿原市長も内容になかなか入ってくれないということをおっしゃってましたので、これではなかなか入ってからも、そもそも政治的な理由で反対かもしれませんので、それではちょっと交渉のアジェンダ化するというまでも行かなかったという感じ、やはり議会のご賛同が基本的にないと進みませんので、そのように思います。

記者(毎日新聞):
 県立橿原公苑というのは、そもそも全て県有地なのですか。

知事:
 県立橿原公苑は、一部橿原神宮の所有で使用料を払っているところがあります。これについては、県の利用している施設は所有権があったほうがいいかと思いますので、これからの交渉事項になると思います。使用権があるのでも、今、野球場は一部賃貸になっておりますけど、安定はしていますけども、神社に対する使用料を払うというのは、厳密に考えると外形的には何か寄附みたいに見られても嫌だなという、使用料として対価がもちろんあるわけですけども、というような感じが、ほかでもそういうことがあり得ますね。だからできるだけ県、公的な施設が使用するときには、所有権に基づくということが大事かと思います。
 なら歴史芸術文化村は、最初は賃貸でどうかということの申出がありましたが、賃貸はちょっと困るから、もうそれこそ断念しようかということを何度も言いましたが、購入できたのでという経緯があります。それは、そういう思想からでありますので、この県立橿原公苑は、経緯があっても長い間そのような状況でございますので、すぐにその賃貸関係が解消するかどうか分かりませんけども、方向としてはそのような努力も必要かと思っています。

記者(毎日新聞):
 どうも何か年間1,000万円ほどの賃料を県として払っているということのようですけども。

知事:
 ああ、そうですね。

記者(毎日新聞):
 今ちょっと若干触れましたけども、買取りにかかろうというような動きというのはあるのでしょうか。

知事:
 使用料の経済的関係というよりも、賃貸関係よりも所有権持ったほうがいいということでありますので、そこら辺は交渉事でありますので、これからまだ交渉を始めるということも、今日ご質問がありましたのでここまで言ってしまいましたけども、できれば所有権にしたいという気持ちは従来から持っておりますいうことです。

記者(毎日新聞):
 賃貸のままでも国体の会場にしようというような。

知事:
 それは賃貸でももちろんできるわけでございます。国体、ほかの運動大会には支障は全くないわけで、全くないからいいじゃないかというお考えももちろんあると思います。ただ、所有、賃貸のそういう形態については、基本的な考え方の方向性はあろうかなと思っておりますので、少し申し上げた次第です。

記者(毎日新聞):
 ありがとうございます。

司会:
 よろしいでしょうか。

記者(NHK):
 細かいことで恐縮ですけども、国民スポーツ大会のメイン会場を県立橿原公苑にしようという軸でいらっしゃるということですか。それとも、そのメインをどこに据えるかというのを含めて、今からどういう在り方がいいかというのを考えるということでしょうか。

知事:
 メインというのはいろいろな種類がありますけど、例えば陸上競技というのが大概メインと、こういうふうに言われますので、陸上競技をどこにするかというのは一つ大きなことで、すると県営陸上競技場がありますので、その県営陸上競技場を陸上競技大会の会場に、もし多少不足がありますので、改修するという考え方はあろうかと思います。まだ決めておりませんが、有力な考え方だと思っておりますので、ここでメインの会場というと、ちょっとメインというイメージが、陸上競技場と、よくあるのは開会式というようなことでありますけども、10年後ですので、開会式は陸上競技場を行進するというのから、もう少し変わるかもしれないという予感もしますので、そのような動きも見ながら、開会式がメインと言われた場合には、ちょっとバラエティーが出るかもしれない。陸上競技場はそういう施設が必ず要りますので、県の持っております陸上競技場というのは、県立橿原公苑の陸上競技場ということになろうかと思います。

記者(NHK):
 ありがとうございました。

司会:
 ほかにご質問いかがでしょうか。

記者(産経新聞):
 先ほどから橿原市とか田原本町とかいろいろ出てたと思いますが、メイン会場については、橿原市か田原本町の2点に絞っているのか、それとも県内全域、今後考えていくのかというのは。

知事:
 先ほどのメインといって、定義から開会式と陸上競技と2つあるかのように思いますが、そのほかに有力な競技はいろいろありますけども、その2つということでメインというようにいたしますと、陸上競技場は、県立橿原公苑の陸上競技場が、県としては第一の候補になるのではないかなと思います。
 開会式は、陸上競技場でやらなければいけないということでもないですけども、普通ならば行進をするとか、そういうことでありますので、答弁の繰り返しになるかもしれませんが、多少バラエティーがあるかもしれません。だからメインという言葉を使いますと、県立橿原公苑をどうするかというのは大きな議論になるということには間違いありません。できるだけ至急に、どのように整備をして、国体を迎えるかということを早く方向性を出したいと思います。
 新しく移るところでもできるかもしれないと思うと、ほか、例えば橿原運動公園をどうするかということも決まりませんので、例えば今のメインは、橿原運動公園は3倍ありますので、そこにすると言ったら、そこに陸上競技場、立派なものをつくろうかという案を橿原市に提示していましたけども、それは駄目と、こう市議会で言われましたので、立派ないわゆるメイン会場は、橿原運動公園にはできない。では、県立橿原公苑にするのかというご質問であろうかと思いますけども、メインというイメージから何でもというわけでもありませんのでということをちょっと厳密化しているんですけども、陸上競技場は県立橿原公苑にもありますので、それはまず国体用に使えるかどうかという検討するのが第一かと思います。改修でできる可能性はあると聞いておりますので、それはまだ決めておりませんけども、それをまず第一に検討するということになろうかと思います。
 そうすれば、そこで開会式もしようと思ったらできますということになりますけども、開会式もやるということを決めたのかと言われると、まだそのような選択肢もありますよという、繰り返しのような答弁で恐縮ですけども、今日の時点では、そのような考えでございます。

記者(産経新聞):
 もう1点だけ。方向性を示したいということで、10年後ではありますが、いつまでには方向性を県としては出したいというのはありますでしょうか。

知事:
 10年後ですけども、市町村と相談しなければいけませんので、市町村と、競技団体は、ここでしよう、ここでしようと。皆さん、今までの風習でしたら、どんどん県が立派なものをつくってというプレッシャーがあるわけで、準備委員会でもそのような類いがあったので、いや、そのつもりはありませんということを基本方針で書いてありますので、15日ほどの大会にすぎませんので、持続的に何十年と使いたいものでございますので、立地とか規模とか内容とかというのは、やはり県民のスポーツ、運動が持続的に利用していただくようにというのが大きな願いになってくると思いますので、そのような観点からすると、昔の国体のように華々しくやって、一過性のお祭りにしてはいけないというのが各県とも皆同じでございますので、奈良県もそのようにしたいと思いますので。そういたしますと、いいものをつくってくれと、県がやるならばという市町村や競技団体の圧力は、ちょっと待ってくださいねと。よく考えて、無駄にならないようにしたいと思いますよと。
 くどく言って恐縮でございますけども、国体はそのようなプレッシャーの中で施設整備があります。橿原市には、広い敷地があれば特段のことをしようかという思いはありましたが、どういうわけか、蓋を開けるまでに駄目と、箱が返ってきたような感じでございますので、それならば蓋を開けてくださいというのにまた数年かかっても、これは無駄になってしまい、今までかれこれ3年かかっていますので、だからできる場所で、できることを検討してということにやはりならざるを得ないと思います。だから、方向性については、今日はっきりと申し上げてないような気がいたしますけども、あるものをどのように少ない費用で間に合わせて持続的に使うかということに知恵を絞りたいというように思っています。

司会:
 よろしいでしょうか。
 ほかにご質問いかがでしょうか。

記者(奈良新聞):
 一応軸と考えているのは、やはり県営橿原陸上競技場がメインと考えているとおっしゃっていました。ただ、前回のわかくさ国体のときに、奈良市営の旧鴻ノ池陸上競技場がメイン会場になりましたけども、やはりあくまでも今回の新しい国体は、中南和地区を主体に考えているのかどうかを教えてほしいです。

知事:
 県全体では、中南和でスポーツ振興したいというご意見がとても強くあります。それを受けて、中南和でスポーツをできるだけ多くするようにしたいという気持ちもありますので、それを受けますと、橿原市は中和の拠点でありますので、大きな運動公園はそのいい対象であったと思います。それはなくなったわけでございますけども、中南和振興のために、国体のスポーツ振興、またスポーツ施設整備を図るというのが基本的な考え方でございます。それには変わりございません。

記者(奈良新聞):
 奈良市営の鴻ノ池陸上競技場の整備に関して、また活用とかは今のところ考えてないですか。

知事:
 県の施設の活用が第一にするのが、県の役割だというように思います。それと、中南和振興というのは県の姿勢でございます。

記者(奈良新聞):
 分かりました。

【質疑応答】映画監督 河瀨直美氏のユネスコ親善大使任命について


司会:
 ほかにご質問いかがでしょうか。発表案件の関係で、ご質問はよろしいでしょうか。
 それでは、その他のご質問を含めまして、ご質問ございます方は挙手にてお願いをいたします。

記者(NHK):
 話題が全くがらりと変わって恐縮ですが、奈良県ゆかりの映画監督、河瀨直美さんがユネスコ親善大使に選ばれました。地元の知事として受け止め、あるいは今後のご活躍に期待されることなどありましたら、お願いします。

知事:
 まず、お喜び申し上げたいと思います。河瀨さんは、東京オリンピック・パラリンピックの映画のマネジャーをされてます。また、カンヌ映画祭で賞を何度か受けておられますので、パリに本部のありますユネスコの親善大使。日本におきましては、そうですね、何人かユネスコ親善大使ということになっておりますが、平山(郁夫)さんがなられていたということは存じていますけども、ユネスコのジャンルが世界中にいろいろ分けて親善大使ということは、ユネスコの存在感をいろいろジャンルごとに、いろいろ関心ありますよと、ユネスコの精神を伝導してくださいという、昔の宣教師のような役割だと認識しています。河瀨さんは、そのようなお役割にふさわしい人だというように思っています。映画というジャンルでありますけども、大変奥深い映像づくりをされておられますので、日本の精神ということを映画を通じて創造されてますので、ユネスコという文化活動の母体にとってもふさわしい人だというように思います。

記者(NHK):
 ありがとうございます。

【質疑応答】令和4年度予算の国への陳情について


司会:
 ほかにご質問はいかがでしょうか。

記者(時事通信):
 昨日まで政府要望に行かれていたと思いますが、要望を終えてのもろもろの感想ですとか、手応えみたいなのを教えていただけますでしょうか。

知事:
 2週間前に行きましたし、昨日も行きまして、昨日は、忙しい中で林外務大臣に会っていただきました。これは新しくG7関係閣僚会議を奈良県で開催してくださいというお願いで、林外務大臣は相当忙しいと思いますけども、会っていただきました。G7の会場誘致に初めて手を挙げて、歓迎しますというお言葉でございました。これからどうなるか分かりませんが、関係閣僚会議ということで、そのうちG7の本体はまた最終的にばたっと決まりますので、そこから手を挙げてもこれは僣越だなと思って、関係閣僚会議からということでお願いして、申入れを歓迎しますというのが、昨日のことでございます。
 そのほか大きな陳情ですと、大規模防災拠点の来年度事業化するのを念を押しに行ったと。内定、内諾はいただいていたつもりでありますけども、大臣が代わられましたので、来年度事業化いたしますので、最初の交付税措置で、しかも大きな交付税措置でありますので、大臣に申し上げましたら、非常にスムーズに、頑張ってくださいという返事でございました。
 あと大きなのは、野田大臣に会いに行きましたときに、奈良県中央卸売市場のBtoCという、にぎわいのほうの申請、地方創生拠点整備交付金というのは、あると随分助かりますので、具体的な玉をお願いするというのがこの秋の陳情の一番大きなことでございますので、それを具体的な玉を持ち込んだのを確実にするという観点で、今申し上げたようなことの3番目が、奈良県中央卸売市場のにぎわいのところの地方創生拠点整備交付金でございます。
 あとはその関係で、農水大臣にも改めて行きました。大臣が代わっておられますので、これは金子さんという長崎県知事された人でございますので、BtoBと言われる卸売市場の効率化・高度化に対して農林水産省が補助、大臣がこれ幾らの割合出るんだと、こう担当に聞くと、10分の4出ます、これは大きなことでございますので、ちゃんとしますというとこまで確実な返事をいただいたので、今、ほっとしています。来年度の発注に向けてしていきたいと思います。
 それから、交付金という玉はないですけども、大きな要素でありましたのは、これも野田大臣ですけども、大和平野中央スーパーシティ構想、地方創生関係で野田大臣が担当だということで、そのいろんなご支援、知恵のご支援をお願いしますといって、心安く、応援するという反応をいただきました。それと、少子化対策をされてますので、スーパーシティ構想の中で就学前教育のすごく目新しいことをしようというのを、例えば幼保一元化をやろうか、広くゼロ歳からの保育を受け入れようかという、非常に斬新な考えをスーパーシティ構想の中で盛り込みたいと思っておりましたので、そのようなことを考えているスーパーシティ構想ですのでご支援をということで、話が弾むというか、快く受けていただきました。
 それから、例年よく行く公共事業関係ですけども、大臣がお忙しくて、昨日、道路については、公明党の山口代表ほか公明党の先生と関経連(関西経済連合会)の松本会長とご一緒しました。関西全体の道路ですけども、奈良県が京奈和自動車道のネットワークで遅れていますので、京奈和自動車道をアピールするのに、最近では、ここ数年、知事としては私だけが参加させていただいているということで、公明党、ほかも財務省に行ったり国土交通省に行ったりするのですが、昨日でしたが、公明党のほうにお付き合いさせていただきました。大きなインフラの陳情は一歩一歩でございます。
 あとはそうですね、大きいのが、固めていただいたお礼になりますども、大和川の特定都市河川の認定を、奈良県が認定され、これとても大きなことなので、陳情の案件に入れておりましたら、もう直前に決めていただいたので、陳情が御礼に替わったということでありますけども、球磨川が、その狭隘部分があふれてしまったということを受けて、特定都市河川のため池、遊水地の補助を国の3分の1から2分の1にしようという、その場所に限ってと、とても大きなことですけども、奈良県はたまたま内水対策を数年前から全体やり始めてましたので出足がよかった。珍しく出足がよくて、それを即刻認めていただいたというので、むしろ、昔の河川局ですけども、水管理局長にお礼ということになりました。
 あとは、奈良県のいつも定番で大きなのは、都市局が大きいですけども、公園緑地補助を奈良県が一番いただいている、国営公園になりますのでいただいてますので、それも引き続き整備を、平城宮跡の整備を進めてくださいということでお願いをしてきました。
 あと大きなのは、来年の西大寺の国費の調査費用をいただくということが割と大きなこと。それと、文化庁の飛鳥・藤原の世界遺産登録を来年の12月に閣議決定してもらうというのが大きな願いなので、それは文化庁長官に申し込んできましたが、参議院の大臣でよく知っている大臣なので、大臣に陳情しようかと思ったのですが、官房長がまたよく知っている矢野さんという方で、挨拶に行きました。すると、官房長室に入っていて、いや、大臣をよく知ってるから、官房長のことをよろしくと言いたかったんだと言ったら、「あれ、今大臣、ブリーフィングを聞いてますよと、一緒に行きましょう」って、官房長がもう大臣室に一緒に入って、大臣に、「やぁ」という感じで行きまして、陳情はなかった。この官房長を「よく知ってるので、よくできる人だから」ということだけ言って帰りましたけども。
 そのようなことを、ハプニングみたいですけど、繰り返していますと、だんだん陳情案件、何のために来てるのかということを察知してもらって、陳情がスムーズにいくというのが奈良県のスタイルになってきて、今どのような様子だったかと、こうおっしゃいましたので、いろいろそのような様子でしたというようなことを、以上にしますけども、そのような調子でいつも行っておりますということでございます。

記者(時事通信):
 G7関係閣僚会合ですけども、奈良県でやることの意義については、知事はどのようにお考えですか。

知事:
 奈良県は、日本の一番古い都であります。初代天皇から50代天皇の桓武天皇までのご在籍が明確になっております。そのような場所であるということを、ひなびてきておりますので、あまり世界的に知られてない。しかし、天皇制というのは、世界で日本は唯一であります。今の天皇は126代、うち50代が奈良県だということはとても大きな存在意味があるように私は思います。いろんな国にお付き合いするときに、天皇制から始めると皆さんびっくりされますので、G7だけじゃなく、いろんな会議を国際的、それと、そういう国の始まりであったということと、なぜ国の始まりだったのかということの意味ですけども、日本が開国状況を続けたのは、奈良時代の300年と明治以降の150年と2つだけです。その300年の意味というのはとても大きい。
 これからグローバル化でどのくらい続くか。明治の追いつき、追い越せ型開国。奈良時代もそうだったように、まさしく追いつき、追い越せ型の開国で、グローバル帝国、唐があってのことであったわけでありますけども、これから周辺のグローバルセンターがどこにどうなるかというのは分かりません。当時は、唐だけがグローバルセンターであった。今はグローバルセンターが東や西や北にあるというような状況でありますので立ち位置が違うわけですけども、そのグローバルセンターに対して、グローバルセンターが仏教を信奉していると聞くや、仏教を取り入れるとか、大変器用なことをしたというようなにも見えるわけであります。そのような歴史を外国人にも申し上げられますし、我々日本人も、そのようなプレゼンを奈良県がしていますと、よく知っていただけると。
 林外務大臣に言いましたが、奈良県は中国、唐の文明の受容でもう大変お世話になったと。もう計り知れないお世話になって、少なくとも奈良県は1300年以上も感謝をしてますよということを中国の人に繰り返し言ってる。それは言ってもおかしくないですよって言った。そのようなことを言えるのは奈良県だけではないかと思いますので、そのような意味がG7だけじゃなく、国際関係のために奈良県の立ち位置を使ってくださいと。
 林外務大臣に言いましたのは、G7関係閣僚会議の陳情ですけども、例えばアフガニスタンのカルザイ大統領が奈良に来ました。それから、イランの女性副大統領が奈良に来ました。イランとはなかなかアメリカの関係でお付き合いできないですが、昔のイラン、ペルシャ帝国とは奈良政権はお付き合いがありましたのでという因縁もあります。あるいは、鑑真さんの縁で胡錦濤さんが来られましたというようなことを、今までのゆかりの国際会議を列挙して、奈良の歴史を外務省の分室のように使っていただいたらというのが本当の陳情なんですよということを申し上げてきました。同じ宏池会の参議院で、同じ食事をしてたものですから気安く言えることでございまして、それが陳情の大きな、本当の陳情のつもりですと、こう申し上げて、またじゃあ頼むこともありますねというようなことでございました。ちょっと長くなりまして恐縮でした。

【質疑応答】県内の新型コロナウイルス感染状況について


司会:
 よろしいでしょうか。

記者(読売新聞):
 コロナの感染状況について伺いたいですけども、最近は県内でもゼロが続く日が続いていて、ワクチンの要因が大きいという人もいますが、知事としては、現在の県内のコロナ感染状況はどのように見ていますでしょうか。

知事:
 今の感染状況というご質問ですが、最近、国の基本方針が新しくつくられました。最近の感染状況とも関係するものでございますが、コロナの感染防止という西村大臣がされていた分野と、重症化させないと、医療で受けようという田村大臣がされていた分野と、ワクチン接種という河野大臣がされていた、3人、3巨頭がされているように見えました。奈良県は、地方政府は特にそうですけども、医療が大事ですよというように叫んできました。今度の新しい基本方針は、感染防止よりも医療に重点が移ってきてるように思います。これは歓迎です。いい方向に国がかじを切られているなというように見立てております。
 感染防止というのは、各国そうでございますけども、なかなか難しいですよね。感染防止、プロパーの仕事というのは、西村大臣が持っておられた分野、難しい。緊急事態宣言という薬もないのをばらまいたらウイルスが退くかというと、そうではなかったというように思いますので、だからどういうわけで上がって下がったのか分からないままですので、気持ちが悪いですよね。感染防止が効いたかというと、そうも思えないというのが答え的なものであります。だから、次がどうして伸びるのか。用心しろ、不安に思えと、こう専門家が言う。何か専門家らしくない言葉が続いてますので、どうして上がったのか、どうして下がったのか、しかも第五波は左右対称です。しかも急な上がり方で、急な下がり方。
 しかし、今は相当底まで下がったと。その理由は分からないまま感染防止というのは、相当難しいことだと思いますけども、今度の基本方針では、そういう状況も踏まえて、感染防止にあまりこう重点を置かないで、医療対策に重点を置きましょうと。感染しても手当てしていれば重症化しない。最初コロナが出たときは死者が、岡江(久美子)さんとか、岡本(行夫)さんとか、あとドリフターズの志村けんさん、びっくりするような死者が出ましたが、そのようなことはなくなってきたと。それは早く酸素を入れるとそのようなことにならないということが分かって、これを専門家がそのように言ってくれればいいのにと思いますけども、それが一番大事と。早期発見、早期隔離、治療ということだと思います。それに重点を置くというのが国の基本だと思います。そのように三本足の重点が、そちらが中心になってきた。やっとしてくれたかという思いです。それにワクチンがついてきたというのが、今の日本の状況であろうかと思います。だから、国もよく勉強していただいて、教えていただければというように思います。

記者(読売新聞):
 それで、政府の基本方針で、国内全体で病床を3割増やすというのが示されたと思いますが、奈良県としては、病床を増やそうと努力されるのか、宿泊療養施設を増やしていくのかというと、どうなりますでしょうか。

知事:
 国がね、病床というより、受皿に宿泊療養を入れていないのが不満です。だから、宿泊療養も含めて、宿泊療養の安心装置というのは重要であります。多分、厚労省の医政局中心にやって、病床ばかり言っておられるのかなというように思っています。宿泊療養も立派な病床代替だというような認定が、医政局ではできないのかなと見立てております。私のほうからは不満です。

記者(読売新聞):
 最後に1点ですけども、12月に入ると年末年始に向けて帰省のシーズンになってくると思いますが、知事としては、帰省をどういうふうに見てますか。

知事:
 今までも、帰省、越境がいけないとおっしゃって、帰省、越境で感染がどのように影響したのか、人流の影響というのはもう少しはっきり言ってくれないとよく分からないですよね。国民の皆様も、根拠がないのになかなか従われないような感じがしますね。人流を抑制しろとか叫ばれるわけですね。しかし、人流が減ってないけど、感染者が減ってる。どういうわけですかということを知事会でも何度も聞いていますけども、分からないままですので、その中で越境、渡航をやめましょうとか、昔ほど激しくおっしゃらないけども。
 だから、奈良県はずっと最初から、気をつけて移動してくださいねと。もう大阪に毎日行く人が何万人もいる県ですので、しかもそれは勤務で行かれますので、それを越境と言えば越境ですけども、やめてくださいと言える経済状況にはありませんので、それを、とにかく気をつけてうつらないように帰ってくださいね、帰ったらうつさないようにしてくださいねということを繰り返し、繰り返し、お願いしております。それが奈良県の基本だと思います。
 だから、大きな越境というのも、申込みの方は根拠がなくても国が言えば書いてしまわれるから残念ですけども、正直。だって代わりに、国に代わって根拠を示すのはなかなかできないから、県もそうですけど、しようがありませんよね。同情します。

記者(読売新聞):
 ありがとうございました。

司会:
 ほかにご質問はいかがでしょうか。

記者(奈良テレビ):
 新型コロナワクチンについてお伺いしますが、2回目の接種率が日々じわじわと上がってきていると思いますが、予定では11月末で全ての市町村で完了するということでした。11月も残すところ僅かですが、予定どおり11月末で終わりそうですか。

知事:
 そうですね、奈良市が一番遅れていましたが、11月30日には終わりますということを事務的に報告を受けてるようでございますので、終わりますというように思っています。
 それと、ワクチンの2回目の接種率は、国全体でいろいろもう随分進んでるところがありますが、近畿は割と遅れていますけども、奈良県は、近畿の中で今、一番ワクチン接種率が高くなってます。和歌山県が随分高かったですが、和歌山県がどういうわけか接種率ということでは、もういいと。ああいう感染状況ですので、ワクチン接種に一生懸命にならなくても大丈夫のような気がいたしますけども、近畿では奈良県、滋賀、兵庫、京都、和歌山、大阪と。大阪が沖縄に次いで低い状況ですので、これだけ減ってくるとワクチン接種率の差というのはあまり出ないと思います。増えてくると、この接種率の差が出てきた経緯があります。
 奈良県が近畿で一番高い、そのほかの県は、もう感染者数がほとんどないところはワクチン接種が高い。どちらが原因か分かりませんが、ワクチン接種をやっているからというのもありますし、先ほど読売新聞さんがおっしゃった、東京との交流が少ないから少なかったというようなこともあろうかと思いますが、その様子をもう少し数字で出てきたほうがいいかなと思いますが、奈良県は今、2回目のワクチン接種率は全国22位です。ということでありますので、近畿で一番上になって、これも、出だしは悪かったですけども、医師会も頑張っていただいて2回目の接種率が上がってきました。
 2回目接種が終わると、次はどうも8か月で効果が切れるとか減じるとか言われていますので、3回目接種に向けて、今まで弾みがついていますので3回目接種も進めたいと思って、県の役割は、ワクチンの配分ということになりますので、それを進め始めています。市町村も、その体制が出てきましたので進めていただけると思います。
 それを受けて、12月1日から「いまなら。キャンペーン2021」と、ワクチン接種で安心飲食キャンペーンと、GoToEat事業を開始したいと思います。なお、GoToEat事業は、既報でございますけども、延長になりましたので、今まで12月1日から、国の期限が12月15日ということでしたけども、来年2月28日まで3か月の利用ができるということになりましたので、奈良県の消費推進、日常生活の取戻しを12月から始めていただけたらと思っています。

記者(奈良テレビ):
 このGoToEat事業の延長は、この前、県が国に要望していたのが通って、2月末までになったということですね。

知事:
 そうですね、県だけの要望ではございませんでしたけども、皆こぞって延長してくださいと言ってましたので、そのような要望どおりにしていただいてよかったと思います。

記者(奈良テレビ):
 ありがとうございます。

司会:
 ほかにご質問は。

記者(NHK):
 コロナの医療体制についてお尋ねします。先ほども国の方針として医療に軸足がという評価のお声ありましたけども、現状を見ますと、占有率が0.何%という、かなりこう実際、運用のために確保しているものに対しての実働が、幸運なことに低く抑えられているかと思います。そうすると逆に言えば、通常医療とか、その他に振り分ける部分とのバランスというのもまた難しいのかなと思いますが、この辺り、感染状況を見ながら、どう運用との切り替えといいますか、バランスを取っていかれるお考えでしょうか。

知事:
 コロナの病床確保というのが、今まで5割を超えると厳しいということで、しかし、今の運用弾力性だと7割を超えても、いざというときにはさらに増床できるということさえ確保していれば、7割、8割全然心配ではないですね、奈良県はそのようなオペレーションしていましたので、重症病床もそうですけども、5割というのは随分、どういう基準だろうと思って見ておりました。すると、その分、5割を確保しろというので、5割いつも空けとかなければいけない。5割を維持しようということで、いつも5割を空けとかないけないという基準ですので、ちょっと合理的ではないなと思っていました。
 今おっしゃるように、工夫をして、急に増嵩いたしますので、そのときは病床を増やすというのと、横に宿泊療養で確保すると。自宅療養を極力なくすというのが大きな奈良県の方針。国はそこまでまだ行ってないので、先ほどまだ不満残っていますと、こう言いましたが、今も医療提供体制を重視するという方向に変わられたのはよかったと思いますけども、弾力的な運用を前提にということになると、まだもう少し、それは国が全面的にやるか地方に任すかという、ちょっと方針の差があると思うんですけども、あと、交付金の使い方と、今年の冬、診療報酬の改定があるんですよね、相変わらずまた医師会が病院経営悪化とこう言ってますけども、本当にそうなのかという議論が出てきていますので、奈良県の場合はコロナの病床確保で経営は安定しています。
 コロナにしてもらったほうが病院経営は安定です。コロナにしないほうが、患者が減ったという結果になります。患者が減っても、病気が悪化しなければという見方も出てきているようですけども、それが診療報酬にどのように反映されるかと、今、政治的なマターになってます。これはクリニックの診療報酬が医師会の狙いでありますので、国の中でのバトル、見えないバトルということになりますので、コロナ病床整備というのにどう関係するのかなというように見ております。関係者は東京で大活躍でありますけども、どう思われますか。ここで言っててもしようがないかもしれませんが、地方からでもそのように中央の動きを見てたほうがいいかと思います、情報が入りますから。

記者(NHK):
 そうしますと、今の奈良県内の病床確保についてお尋ねしたいですけども、今、知事は、柔軟性をある程度持ってという話がありました。そうしますと、現状その占有率としては今かなり余裕がある状態になっているかと思いますが、しばらくはこの状態を続けてみるということですか。

知事:
 そうですね、今ほとんど感染者が出てませんので、そのキャパシティーを、宿泊療養入れて6,000ぐらいですか、第五波のピークを超えるキャパシティーを確保していきたいと。特に、宿泊療養のキャパシティーというのは大事だと思っています。宿泊療養のキャパシティーを確保して、安心感を持ってもらおうというのが奈良県の病床の医療確保の体制です。第五次のピーク、9月1日でしたが、1,522名でした。第六波は、それよりむしろ、場合によっては超えるかもしれないけども、その根拠なく超えるぞと言うのもおかしいわけであります。しかし、超えるときにはという想定で、今の確保病床、宿泊療養を入れて1,522に対して1,613をずっと年末確保していきたいと。
 それには、確保の予算が要るわけですけども、宿泊療養確保は病床確保よりも経費が安いわけですので、1,613のうちの宿泊療養が1,136あるんです。とにかく軽症、ワクチン打つと余計ですけども、高齢者も含めて軽症が多いですので、宿泊療養でも十分かと今のところ思っています。それを評価、ワクチン効果で重症化率が低いということを国も評価されたほうが、宿泊療養の意味が出てくると思います。それは経費が低いという大きな意味があります。入院だと、通常医療を圧迫する可能性があるということ、経費が低いという以上に、プラス通常医療を圧迫するかもしれないということに、国の配慮が要るのかなと思います。
 だから、入院病床の5割確保とか、そういう基準が割と厳しい基準、基準の5割超えると危ないよなんて警報鳴らしたりしたのが、宿泊療養のあるところはへっちゃらよと、こう言いたいぐらいですけども。そのようなオペレーションを地方で工夫を凝らしながらするというのを許されていますので、いかんとまではおっしゃらないのでという感じであります。

記者(NHK):
 ありがとうございました。

司会:
 よろしいでしょうか。
 ほかにご質問いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 幹事社さん、よろしいでしょうか。
 それでは、本日の知事定例記者会見を終了いたします。ありがとうございました。

※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。
 また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。

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