奈良県新型コロナウイルス感染症対策
2.8対処方針(オミクロン株の特性を踏まえた対策)
令和4年2月8日 第31回 新型コロナウイルス感染症対策本部会議
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【映像】(YouTube)
オミクロン株による感染が広がる中、その対策は、ウイルスの特性を科学的にとらえ、正しい情報(エビデンス)に基づいて、「体験に学び、常に改善する」ことが大切です。
そのため、県では医療機関や市町村との情報共有を図り、対策についての意見交換を行い、提起された課題とオミクロン株の特性を踏まえて、関係機関との連携の基に新型コロナウイルス感染症対策を推進していきます。
引き続き、県民の命を守る「医療提供体制を堅持」するとともに、「3回目のワクチン接種を迅速に進める」ことにより、感染の拡大に対処します。
県民の皆さまには、「適切な感染防止」を心がけ、「日常生活を維持」していただくよう、お願いいたします。
目次
1.オミクロン株の特性
2.医療提供体制の確保
3.ワクチン接種の促進
4.感染防止と日常生活の両立
これまでのところ
オミクロン株に関するエビデンス(例示)
~感染力:強い感染力が懸念される~
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オミクロン株に関するエビデンス(例示)
~重病度・死亡者:重症化率は低く、死亡者も少ない状況~
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デルタ株からオミクロン株への置き換わりに伴い、重症率・死亡率とも大幅に低下 |
オミクロン株に関するエビデンス(例示)
~ワクチンの効果:ワクチンは有効と思われる~
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ワクチン接種歴のあるほうが重症化率・死亡率とも低位 |
(1) オミクロン株の特性(感染力は強いが、重症化率は低い)を踏まえた、医療提供体制の構築 |
オミクロン株の特性を踏まえ、引き続き、新型コロナ対策医療と通常医療の両立を念頭に、入院治療・宿泊療養だけでなく、自宅で療養される方への重症化予防や、体調急変時の応急処置にも万全を期すなど、重症者や死亡者を減らすことを最大の目標として取組を続けます。
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感染者の急激な増加により、自宅で療養される方の割合が高まっています。 |
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オミクロン株の「感染力は強いが、重症化率は低い」という特性と、現在の感染状況を踏まえ、当面の間、自宅療養を含めて対応します。 |
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a パルスオキシメーター(※)を貸し出します
※指先に装着し、血中の酸素飽和濃度を測定する機器
b 保健所の保健師による電話での健康観察やICTを利用した健康状態の確認をします
c 看護師による電話相談窓口を利用していただけます
d 市町村による生活支援をご利用いただけます
・現在、31の市町村で生活支援が行われており、いまだ実施に至っていない町村にも実施していただきたいと考えています
・県では、感染が判明した方に対して、それぞれの市町村でどのような生活支援が行われているのかをお知らせするなど、市町村と連携し、生活支援の体制を整えています
e 健康状態の確認方法や過ごし方をまとめたリーフレットを配付しています
「療養期間」など、これまでにお問合せの多い項目をまとめたチラシを新たに同封
f 体調急変(悪化)時の自宅からの救急搬送体制を整えています
g 医師会の協力による往診、電話等での診療がはじまっています
[2月7日現在、233の病院・診療所の協力体制]
<医師会のその他の取組>
1 発熱等で新型コロナ感染が疑われる患者に対する診療・検査
新型コロナに対応できる発熱外来認定医療機関397(令和4年2月7日時点)
2 宿泊療養施設入所者や自宅で療養されている方、高齢者施設で入院をお待ちいただいている方々に対する診療、
中和抗体薬・抗ウイルス薬をはじめとした薬剤の投与・処方、相談対応 ほか
h 経口薬(飲み薬)による治療が可能な体制を構築しています
i 自宅療養者の体調が急変した際に対応する医療機関が、専用で電話をかけられる回線(ホットライン)を保健所に設置します(2月8日運用開始)
(4) 自宅で療養されている方の個人情報の取り扱い |
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県では、入院入所待機者、自宅療養者に対して、保健所への健康相談に加えて、生活支援の相談先である、市町村の担当窓口を案内し、自発的に相談していただけるようにしています。 |
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○ 国通知(※)によると、市町村への個人情報の提供については、各都道府県がそれぞれの個人情報保護条例に照らして、その可否を判断するものされています。
※令和2年4月2日、「都道府県から市町村に対する新型コロナウイルス感染症に関する情報の提供について」
○ 個人情報保護条例では、「病歴に関する情報」は、本人に対する不当な差別、偏見その他不利益が生じないように取り扱いに特に配慮を要する情報であり、地域において自身の感染を知られたくないという声もある中、ご本人の承諾なしに市町村に一律に情報提供することは考えていません。
○ 入院入所待機者、自宅療養者の方々には、「療養中の健康確認」、「往診、電話診療及びオンライン診療の案内」、「市町村の生活支援内容及び連絡先」を記載した県発行のリーフレット(「新型コロナウイルス感染症入院・入所待機、自宅療養される皆様へ」) のご活用をお願いいたします。
※県リーフレットは、県ホームページからもご覧いただけます。
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重症度が高く医療の提供が必要な方や、基礎疾患等により重症化リスクの高い方に入院病床を提供し、適切な治療を行います |
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○ 新型コロナの重症患者に対応する病院が、より重症度の高い患者の対応に医療資源を重点配分できるよう、新型コロナ対応病院間の機能分担について、さらなる協力を求めています
○ 妊婦や透析を必要とされる方、認知症の方々に対応していただけるよう、引き続き、医療機関と協議を進めます
(6) 救急搬送困難事案の増加に対応するための後方連携の推進
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令和4年1月、救急隊が、患者の受入可能な医療機関を確保するまでに時間を要した「救急搬送困難事案(※1)」が大幅に増加しました。これは、新型コロナの感染急拡大に伴い、医療資源が新型コロナ対応に集中したためと考えられます。 |
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高度医療を提供する奈良県立医科大学附属病院や奈良県総合医療センターが、多くの新型コロナ患者を受け入れながら、救急医療や高度医療を可能な限り維持できるよう、症状が軽快した患者を受け入れる後方支援病院を確保するなど、引き続き「後方連携」を推進します。 |
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○後方支援病院に、受入体制の充実を働きかけ
○転院困難事例への対処について、関係医療機関に働きかけ
a 手厚い健康観察が必要な方や、同居家族(陰性)がおられる方に優先して入所を調整します
b 医師・看護師が、電話による診察、健康観察をします
c 健康状態の確認を徹底します
宿泊療養施設に常駐する看護師が、1日に2回(朝・夜)、
電話で健康状態を確認し、医師と情報を共有します
d 医療機関への救急受入依頼など、体調急変(悪化)時の対応を適切に行います
e 体調悪化時には酸素の投与をします
f 経口薬(飲み薬)による治療が可能な体制を構築しています
g 外来診療を活用した治療を促進します
○ 感染対策を行ったうえで、宿泊療養施設入所者が、
新型コロナ対応病院に出向き(搬送)、外来で、中和抗体薬の
投与を受けられる体制を構築しています
○ 1月26日から保健所以外の所属より、郡山、中和保健所にそれぞれ40名(計80名)の応援派遣を行うとともに、保健所の日々の業務の状況に応じ福祉医療部から追加派遣も実施しています。
○ 看護協会からも看護師2名程度を応援派遣いただいています。
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○ 感染者の減少が進まない中、明日(2/9)から職員の応援派遣の増員を実施し、郡山保健所に54名、中和保健所に56名(計110名)の応援体制とします。 |
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(参考) 重症対応病床、入院病床、宿泊療養施設の状況 |
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2月6日時点で、約8万1千人が3回目接種を終了しています。 |
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2月末までに接種を希望する対象者の接種終了見込み調査 |
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2月末までに接種を希望する対象者について、全市町村から、接種終了が可能であると、報告されています。 |
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3回目(追加)接種に係る県の主な取り組み(1/2) |
2月4日以降、医師の確保が困難な市町村の集団接種会場に医師を派遣し、接種の加速化を図ります。
3回目(追加)接種に係る県の主な取り組み(2/2) |
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○2月下旬から県による広域接種会場を2カ所に設置し、更なる接種の加速化を図ります。 |
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武田/モデルナワクチンによる3回目(追加)接種について |
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○成人を対象とした交互接種による追加接種により、中和抗体価が十分に上昇したと報告している海外の研究データがあります。(下図のとおり)
○武田/モデルナ社ワクチンによる追加接種では、初回接種と比べて接種量が半分になります。
また、2回目接種後と比較して、主に発熱や疲労などの症状が少ないことも報告されています。
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小児(5~11歳)への接種については、3月からの接種が予定されています。
県では、小児接種について、副反応に対応する救急体制及び相談体制の構築等を進めています。 |
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接種後の救急体制の構築を進めています。
3月から、小児接種の相談への対応を開始します。
奈良県新型コロナワクチン副反応コールセンター
(365日・24時間対応)
TEL 0120-919-003
保護者用のリーフレットの作成を進めています。
(内容)小児用ワクチンの効果や副反応について 他
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引き続き、各市町村での準備状況を確認し、課題等を県としても共有し、個別の改善策の検討を市町村とともに進めます。 |
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コロナとの戦いは長期にわたり、持続力のある感染防止対策を行いながら、日常生活を維持する必要があります。
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○奈良県では、効果が明確でなく経済的打撃が大きい、飲食店等への時短及び酒類提供の自粛要請を伴う、「まん延防止等重点措置」や「緊急事態宣言」によらない感染防止対策を継続します。
○飲食店等における感染防止対策としては、事業者の認証制度活用の推進をお願いするとともに、既認証店においても改めて感染防止対策の徹底をお願いします。
また、利用者のみなさまにも感染防止に配慮した行動・利用を引き続きお願いします。
○県民のみなさまには、基本的な感染防止策、日常生活における感染リスクを下げる行動の継続をお願いします。
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基本的な感染防止策の継続
(1)マスクを正しく着用し、(2)換気、(3)消毒、(4)2m以上の距離を確保しましょう
これらの対策で、3つの感染経路(エアロゾル、飛沫、接触)を遮断しましょう |
無症状の方で、感染リスクが高い環境にある等のため感染不安を感じる県民の方は、新型コロナウイルスの検査を無料で受けていただけます(県内65か所で実施)※
※令和4年2月8日現在のか所数。順次追加予定。令和3年12月29日から当面の間実施。
検査結果が陽性であった場合、必ず医療機関を受診してください。本無料検査は、診断に用いることはできません。陰性の場合でも、基本的な感染防止策を継続してください。
外出・移動にあたっては、
・感染が拡大している地域への不要不急の往来は、極力控えましょう
・感染拡大の恐れがある場合、混雑した場所への外出を極力控えましょう
飲食・会食にあたっては、
・きちんと感染対策をしている店舗を利用しましょう
・飲食時もマスクを外した会話は控えましょう
・多人数・長時間は避け、大声での会話は控えましょう
飲食店等の認証の実績(令和4年2月7日時点)
申請件数 2,242件 認証件数 2,140件
(参考) 県内対象飲食店数: 7,271店舗
認証未取得の事業者への働きかけ
➣ 「認証促進化チーム・R4」による店舗巡回
県と委託業者主導の下、協力が得られる各種団体(商店街組合、施設管理者)や市町村からなるチームを編成し、飲食店が集中する商店街などを巡回して、感染防止対策の徹底や認証取得を促す活動を集中的に展開(2月中旬から実施)。
認証取得済み事業者への働きかけ
➣ メールや郵送により、改めて感染防止対策基本4項目(距離の確保や遮蔽、消毒の徹底、食事中以外のマスク着用、換気の徹底)の実施徹底を周知済。
➣ 認証済店舗に対する「見回り調査」を行い、利用者向け、従業員向けの感染防止対策ちらしを配布して、感染防止対策の徹底を依頼(2月中旬から実施)。
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クラスターが発生した施設またはクラスター化が懸念される施設に対し、感染症専門医、感染症管理看護師、県職員等によるチームにより実地指導等を行い、感染防止策を徹底しています。 |
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<令和4年1月以降の実地指導実績>
令和4年2月7日現在
高齢者施設 12施設(複数回訪問施設あり)
障害者施設 2施設
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県老人福祉施設協議会の協力により、高齢者施設における感染に伴う大幅な職員不足に備えて、応援職員派遣体制を整備しています。 |
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1月27日に高齢者施設応援職員登録者向け感染対策研修を実施しました!
講師(代表) : 奈良県立医科大学感染症センター笠原センター長
★研修の「レッドゾーンにおける感染対策」に関する部分を抜粋、動画化し、施設に対する感染対策指導に活用しています。
https://youtu.be/cnrPiGzY3Iw
◇学校では、濃厚接触となる教育活動を原則禁止とします
・児童生徒の「接触」「密集」「近距離での活動」「向かい合っての発声」を避けるなど、感染リスクの高い教育活動を制限します
・部活動は個人練習を中心に実施し、練習試合や合同練習等は県外学校に加え、県内学校とも不可とします
・昼食時・登下校時の感染防止の指導を徹底します
◇陽性者が判明した場合
・県教委は学校とともに濃厚接触候補者リストを作成し、県保健所に提出します
・県保健所は濃厚接触者に対し、検査を実施します
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○「春のいまなら。キャンペーン2022」は、準備を進めていますが、予約・利用開始時期は、感染状況等を踏まえ改めてお知らせします。
3回目のワクチン接種を促進するため、3回目接種済証の提示により、割引率をさらに優遇します。 |
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【いまなら。キャンペーン(県民による県内宿泊等促進キャンペーン)概要】
(目的)
・県内の観光の促進、県民による奈良の魅力新発見・再発見、県内観光業の回復、認証制度・ワクチン接種の促進を図る。
(概要)
・奈良県民の県内観光を割引き。
※「春のいまならキャンペーン2022」では、3回目のワクチン接種を促進するため3回目接種済証の提示により割引率をさらに優遇。
(参画施設)
・利用者の安心を確保するため、キャンペーンに参画する宿泊施設は、奈良県新型コロナウイルス感染防止対策施設認証制度の認証取得を要件とする。
全国で、5月以降、国の「雇用調整助成金(緊急雇用安定助成金含む)※」の助成率が原則10/10→9/10に引き下げ(中小企業・小規模事業所が解雇等を行わない場合)られていますが、本県では、コロナ禍の中、中小企業などの雇用維持を支援するため、5月~11月の間、1/10の上乗せ補助を行い事業者を支援してきました。
令和4年1月以降、オミクロン株による感染が急激に拡大している中、雇用を維持する中小企業等への支援が必要であることから、11月で一旦停止した雇用調整助成金の1/10の上乗せ補助を令和4年1月~3月について再開します。
※国の助成率が9/10となる全ての事業主に1/10の上乗せ補助を実施。
※国の日額上限額の変更に伴い、国と県を合わせた日額補助上限額は、1月、2月分:12,222円、3月分:10,000円となります。
※雇用調整助成金とは、事業主が、従業員に対して雇用調整(休業)を行い、従業員の雇用を維持した場合に、休業手当などの一部を助成する制度。国から事業主に直接支払われます。(雇用保険被保険者でない従業員を休業させた場合には、緊急雇用安定助成金が支払われます。)
【制度概要】
(1)「新型コロナウイルス感染症に関する対応」として、小学校、放課後児童クラブ、保育所、幼稚園、などが臨時休業した場合
(2)新型コロナウイルスに感染した子どもなど、小学校等を休む必要がある場合
に、保護者として子どもの世話を行う労働者に対し、有給休暇(労働基準法上の年休を除く)を取得させた場合の賃金相当額を事業主に支給
【支給日額上限額】
緊急事態宣言地域・まん延防止等重点措置地域 15,000円(R3年8月~R4年3月) 補助率10/10
それ以外の地域
13,500円(R3年8月~R3年12月) 〃10/10
11,000円(R4年1月・2月) 〃10/10
9,000円(R4年3月) 〃10/10
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まん延防止等重点措置区域等かどうかに関わらず、保護者は小学校の休業等に伴い、子どもの世話をするための休暇を取得する必要があることから、支給上限額が地域により差異が生じていることは制度上合理性に欠けるのではないか。
支給上限額を同じにするよう、全国知事会とも連携し制度改正を求めていく。
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新型コロナウイルス感染症に関連する人権への配慮について
― 差別や偏見をなくしましょう―
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、感染された方をはじめ、医療従事者やそのご家族、その方々が属する施設・機関などに対する差別的な言動や、SNSでの誹謗中傷、また、ワクチン接種に関する差別など、人権を侵害する事象が見受けられます。
いかなる場合でも、差別、偏見、いじめなどは決して許されるものではありません。
県民のみなさまには、新型コロナウイルス感染症に関連する憶測、デマ、不確かな情報に惑わされず、人権侵害につながることのないよう、行政機関の提供する正確な情報に基づき、冷静に行動していただきますようお願いいたします。
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