令和4年2月21日(月曜日)令和4年度当初予算案・令和3年度2月補正予算案記者会見

【案件】
令和4年度当初予算案・令和3年度2月補正予算案について
【質疑応答】
音楽団体との連携による未来の演奏家の育成事業について
リニア中央新幹線について
県税収入の増加について
子育て家庭への支援について


【案件】令和4年度当初予算案・令和3年度2月補正予算案について



司会:
 それでは、令和4年度奈良県予算案についての知事記者会見を始めさせていただきます。
 本日は、荒井知事から、令和4年度奈良県予算案について発表いただいた上で、その後、報道機関の皆様からご質問をいただく形で進めさせていただきます。
 それでは、荒井知事、発表をよろしくお願いいたします。

知事:
 いろいろ資料があると思いますが、私からは、この予算案の要点で説明をさせていただきます。
 1ページ目をお開きください。予算編成に当たっての考え方でございます。今年の予算編成は、特にリニア中央新幹線との関連を強く意識をしております。左のほうの丸でございますが、2つ目に、リニア中央新幹線の全線開業、「奈良市附近駅」の設置が15年後に迫ってきております。15年というのは、この大きなインフラの整備から見ると、そう長い年月ではございません。あっという間に来てしまいます。そのような状況を踏まえまして、4年度予算からは、リニア中央新幹線の「奈良市附近駅」の早期確定、それと、そこから発生する土砂を大規模広域防災拠点の整備に伴う谷埋めに使う、土捨場に使うという関連と、3つ目は、そのときの鉄道整備を関西国際空港接続線接続に向ける、その3点セットを念頭に置いて進めていきたいと思います。
 また、リニア中央新幹線の「奈良市附近駅」がありますといろんな様子が変わってきますので、関連する事業といたしましては、大和平野中央スーパーシティ構想、あるいは京奈和自動車道、あるいは平城宮跡歴史公園、飛鳥・藤原の世界遺産登録などの関連する事業全体として、リニア開通を見据えて進めていけたらと思います。そのような意識を持って「奈良新『都』づくり戦略2022」にまとめたものでございます。予算編成も、その「都」づくり2022に基づいて編成、また説明することにしております。
 まず、今申し上げました、15年後に迫った「奈良市附近駅」設置、全線開業のことでございますが、右の地図にありますように、2037年に開通予定になっております。
 次のページを開いていただきますと、大規模広域防災拠点の予算も来年度盛り込んでおりますが、その予算の中に、この2つのプラットホームの中に大きな谷がございます。その谷を土砂で埋めるということが、リニアと関連する事業ということになります。
 また、リニア中央新幹線の「奈良市附近」から、この五條にあります大規模広域防災拠点まで大量の土砂を運搬するのに、普通はダンプなんですけども、京奈和自動車の橿原高田がまだ完成しておりませんので、鉄道貨物で輸送するということを考えております。鉄道貨物で輸送する場合に、その線路の改良があれば、例えば法隆寺-畠田間を短絡線をつくるということでございますが、王寺まで行ってスイッチバックで戻るよりも、短絡線で行ったほうがスムーズに行けるという観点でございます。
 そのようなことを五條まで50キロの間の区間で整備いたしますと、その線路の利用、在来線の活用ということが視野に入ってまいります。紀の川市の粉河の駅が関西空港に一番短く近づくところでございますが、そこから新線をつくって関西空港に狭軌単線で特急列車を走らせるということになります。全長約100キロの路線になりますが、全体の改良費1,900億円程度でございます。和歌山県がこの改良案に賛成をしてくれておりますので、それを念頭に置いてリニアの3点セットを進めたいと思います。
 なお、この資料にはないんですけども、新大阪駅から伊丹までリニアを延伸するという案を、先日の大阪でありました決起大会で表明いたしましたが、県の希望として、リニア中央新幹線が新大阪止まりでなしに、伊丹まで行くことを希望しております。これは予算案とは関係ございませんが、リニア関連ということになります。伊丹まで行きますと、1つは、新大阪駅に横からリニア中央新幹線が入りますと、北陸新幹線と山陽新幹線との接続が地下で駅になりますけども、バッティングいたします。横から入ると大変な工事になります。1兆円を超える工事になると言われておりますけども、またその空間争いがJR東海とJR西日本であると聞いております。
 それで、縦に新大阪の駅の下に入りますと、新大阪駅には縦で連絡すると。その縦に入った延長を伊丹まで延長すると。伊丹まで延長いたしますと、伊丹空港への山陽新幹線からのアクセス線としても利用できますし、今言いました工事費の節約になるし、伊丹は早く終わりますので、伊丹はクローズした間、その伊丹-新大阪間は、新大阪始発のリニア列車の留置線になると。地下留置線に活用できるといったような構想を持っております。これから機会があれば、JR東海にもお願いをしていきたいと思っております。
 なお、もう一つの報告がございますが、2月18日、先週の金曜日でありますけども、奈良市長と大和郡山市長がお越しになりまして、リニア中央新幹線の「奈良市附近駅」の設置に関する要望書を出されました。今まで奈良市内と大和郡山市内の2つに分かれて、近くなんですけれども、対外的には駅の取り合いみたいな印象を与えますので、「奈良市附近駅」ということでずっと決まっておりますので、「奈良市附近駅」ということで統合するという考え方を持って来られました。もしよろしければ、一昨日来られました要望書の写しを配布させていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
 ここに、18日にお越しになったんですけども、大事な点は、下から2つ目のパラグラフでございますけども、リニア中央新幹線の整備効果を奈良県全域の発展に生かし、ともに未来を切り開く観点から、「奈良市附近駅」の設置を要望するというのと、この奈良市長、大和郡山市長と2名連記でなっているというのが、大変前向きな動きであろうかと思っております。
 なお、その駅の設置は、JR東海様がお決めになることでございますので、静岡県の例にありますように、また、奈良県のように土捨場を協力するというようなことでありますように、協力するのと反対するのと、その調整するのと、随分違います。奈良県は、リニア中央新幹線の「奈良市附近」駅設置に協調する姿勢でずっと来ておりますので、このような「奈良市附近駅」の共同要望というのは大変前向きな動きだというように思っております。予算の前の考え方と前置きになりましたが、予算案そのものの説明に入らせていただきたいと思います。
 3ページ目をお開き願います。3ページ目は、予算規模でございます。5,503億の規模でございます。下のほうには前年からの増要素、減要素が書いてございます。右のほうは補正予算案を込みの場合の総額でございます。6,000億になりますけれども、ネットという考え方といいますか、その予算案の中で、例えば基金から一般会計へ移すときも議決要件でございますけども、例えば下のほうの括弧に書いております道路公社精算金や県債の繰上償還は、実際上は、予算内のやりくりと思われますので、そのようなやりくりを除きますと、ネットでいいますと、その右の方の嵩になるということでございます。どんどん増えているようでございますが、令和2年度は、実質ということでそのようにしております。令和3年、4年度はそのような作業はしておりませんが、そのような要素があるということをご認識いただけたらと思います。
 4ページ目になります。歳入歳出予算の歳入と歳出の主な動きということになりますけども、左のほうの欄、数字がたくさん並んでおりますけども、見ていただきますと、県税等の収入要素がプラスになっております。特に県税が77億増、あるいは地方消費税清算金が14億増などになっております。地方譲与税は、特別法人事業譲与税が大きく増えております。このような要素は、1つは、県税などは法人事業税の増加、あるいは個人県民税の増加、配当割県民税などの増加によりますけども、金融に関係ない法人事業税は企業立地にもろに影響しますので、その77億円の増要素のうち半分、36億円が法人事業税の増要素になっております。これは企業立地が、工場立地などが進んできたからだというように認識をしております。大変ありがたい話だと思っております。
 また、地方消費税清算金のほうは、数年前、菅官房長官に掛け合って、地方消費税の清算基準を変えていただきました。奈良県は消費が多いのに地方消費税の配分が少ないという要素を修正をしていただきました。その影響もあるのかなと思っております。それから、法人事業税の地方配分も変わりました。これは額的に大きいんですけども、それが地方譲与税に反映しております。その逆に、臨財債などの歳入については減ることになってきておるのが見てとれます。自主財源が増えて、依存財源が減ってきたと、財政健全化の一つの道筋でございます。
 歳出のほうにつきましては、義務的経費であります人件費、扶助費などがやや減になっております。一方、一般施策経費、災害復旧事業費などはプラスの要素が増えております。
 右のほうの県債残高でございますけども、県債残高を減らすことに注力をしてまいりました。上のほうは、県債残高総額でございます。県債残高総額は、交付税措置のあるのとないのとに分かれますが、交付税措置をしていただくのは約6割ぐらいになっております。総額として、ピーク時から1,040億減らすことができました。交付税措置のない県債残高は4割程度でございますが、将来的には県の自己財源で負担しないといけないという観点から、この交付税措置のない県債残高を減らすことに意を用いてまいりました。それとともに、自己財源の筆頭になります県税の収入を上げるということとの比較に配意をしておりました。交付税措置のない県債残高は10年間で750億減少することができました。
 また、県税収入額は、10年間で年間220億の増加となっております。上がったり、あんまり下がりはないんですけど、上がる額が多少変動がございますが、総額として県税の収入増加は累計で1,300億に上っております。このような財政の健全性に配意をしておりまして、一つのメルクマールにしておりました交付税措置のない県債残高と県税収入の比率を、10年前が4倍だったのを、4倍を下がるようにということを目標にして申し上げていたことがありますが、今、3倍を切るようになって、財政健全化に大きな弾みがあるということもご報告申し上げたいと思います。
 5ページ以下は具体的な施策の内容でございます。8ページ目に最後の105項目あるということを書いてございますが、昨年は150項目ぐらい上げましたので、いろいろ集約をして105にいたしました。大項目は9個ありますが、九条の都の通りをなぞらえて、9つにしたものでございます。
 10ページ目になりますけども、最初は経済、第1条は栄える「都」でございます。工場誘致・工業ゾーンの創出で、左のほうに書いてございますが、工場立地件数は過去14年間で約400件になっております。また、最近では、工場立地件数は全国で8位のランク、あるいは全近畿で2位のランクを維持をしております。左にちょっと細かく書いておりますが、その動きの中で工場立地の土地が不足してきている状況でございます。工場誘致は、立地促進補助金を導入いたしまして、工場立地が途切れないようにという動きと、産業用地を創出する右のほうの動きを併せてしたいと思っております。
 また、中南和振興の一環として、御所インターチェンジの目の前に、工場立地のショーウインドーとして県が直轄で産業用地をつくることをしておりましたが、用地買収が済みまして、いよいよ工事に入るという予算を計上しております。
 11ページは、研究開発支援でございます。12ページでございますが、県産品の海外販路・国内販路の拡大でございます。新しい項目といたしましては、右のほうの、海外への販路拡大の(9)になりますが、インドネシア西ジャワ州で東アジア地方政府会合を開催いたしますので、その展示会をいたしますのと、その下、3のデジタルマーケティングを活用した販路拡大などにも取り組むということが、目新しい動きでございます。
 13ページ目は、売る力の強化ということでございますが、新しい項目として、その一番下の(6)でございますが、中小企業の経営力向上の支援に8億4,000万を計上しております。コロナで痛まれた中小企業の方がおられると思いますので、このような形で経営力向上を支援したいというように思っております。
 14ページ目は経済産業振興大綱。15ページ目になりますけども、働き方改革に取り組んできておりますが、ここに書いてありますように、女性の働く力を応援しようと、育児や保育施設の整備などに取り組んでおり、あとの地域医療構想や地域雇用戦略でも出てまいります。
 その次のページ、16ページになりますが、この議会に「地域における多様な人材の育成、就労の促進及び再就職の支援に関する条例」を出しております。
 ドイツの例は、とても離れたところですけど、シュレーダーさんが雇用改革をされまして、党派が違ったんですけども、メルケルさんがそのドイツ経済の元手を引き継がれて、メルケル15年時代の繁栄を築かれたという事情がございますので、この条例を雇用改革、シュレーダー改革と言っておりますけども、地域雇用戦略を実行しようということでございます。
 大きな柱は、人材の育成の中でリカレント教育。人は一生、同じ職場にい続けるのではなしに、複数の職場を転職されるのが常態になっておりますし、生涯雇用の年代も上がっておりますので、高齢者の教育、また就職などが大きなことでございます。
 真ん中の就労の促進は、学生の就労についての、インターンシップを奨励することを始めておりますが、就労のマッチングを進めたいと思っております。それから、地域内の就労支援で、県庁のハローワークをつくっておりますのと、就職氷河期の、初任の就職だけではなしに、これまで氷河期を経験された方の再就職の支援もしたいと思っております。それから、20番目の丸ですけど、女性の就職の支援も大きな意味があると思っております。
 予算案ではありませんが、左の方で県内の就業地別有効求人倍率でございますけども、全国では27位レベルで、近畿全体が低いんですけども、近畿では一番上をずっと走っております。経済の温度の測り方の一つだと思っておりますので、求職される人が多いという奈良県の実情でございます。
 次の17ページでございますが、障害者雇用でございます。左のほう、障害者雇用率は、最近ずっと1位になっておりますが、奈良県は、大きな企業、ユニクロのような企業が障害者雇用を大量にするというのではなしに、中小企業の方が障害者雇用に取り組んできておられる誇らしい伝統がございます。この1位というのは大事なことでございますけども、働く就労支援だけではなしに、生活支援と接続していくということを考えております。また、その生活支援とともに、生きがいというものも大事でございますので、国民文化祭などを障害者も一体化するということをしておりますので、考え方としては関係をしてまいります。
 18ページ目からは、賑わう「都」。二条大路は、観光でございます。
 19ページ目をお開きください。左のほうの図で、奈良県はホテルの客室数が全国最下位でございました。最近はちょっと上昇傾向にございますが、なかなか一挙には増えません、投資でございますので、奈良県は立地をするのが難しいところだと、奈良県で立地させない事業者の方が過去におられました。そのようなことを振り返って、観光地で大きなことは、いい観光地になるのは滞在時間だと言われております、滞在時間が長いほうがいいと。滞在時間を長くするのは、宿泊か食事かイベントということになりますので、その宿泊と食事とイベントに力を用いてきております。その中の宿泊でございますが、宿泊の立地補助を、昨年からでございますが、始めております。また、ホテル誘致の促進のためのいろんな助成を開始をしております。具体的な例としては、吉城園、また奈良監獄などでの周辺環境整備、これは県有地であったり国有地であったりいたしますので、周辺環境整備をしておるものでございます。
 20ページ目でございますが、滞在時間を長くする中で、イベントの中で、コンベンションというのが大きな要素になっております。大概コンベンションセンターは、各地には観光地にあるのでございますけども、奈良県はなかった事情がございます。大きな会議を誘致できないという事情でございましたけども、コンベンション施設ができましたので、それを活用してにぎわいを創出するというための予算でございます。4億円ぐらい計上しておりますが、(4)、(5)で、イルミネーションとか夏・冬にスケートリンクを天平広場で開業をするということが目新しいものでございます。それから、(10)でございますが、G7関係閣僚会議などの誘致にも向けて取り組んでおります。それから、(4)の中で、会議の開催に当たる補助を出す一方、(14)になりますが、UNWTOの世界フォーラムの開催をこのコンベンションセンターで開催したいと思っております。
 21ページ目は、観光総合戦略でございますが、リニアの開業が15年後ということで、この長期的な視野も含めて総合戦略が必要かと思います。その中で、予算的には(3)、「いまなら。」キャンペーンの予算を計上して、全体として12億の項目になっております。
 22ページ目でございますが、奈良公園プロジェクトでございます。奈良公園は、社寺の所有地、国の所有地が多い公園でございますが、管理は県がさせていただいております。管理の力を入れるという観点で、環境整備、吉城園周辺と旧奈良監獄の整備、また、奈良公園の中の水でございますが、水が少ないのと滞りがち、流れないという難点がございますので、水をよく流す、水環境の整備。そのための猿沢池なんかをきれいにするなどの、アメニティーの向上に予算をつぎ込んできております。
 下のほうに参りますと、地上の交通環境の整備、その奥まったところにバスが集中して行きますのでバスターミナルをつくったわけでございますけども、バスターミナルの運営と、そこを利用されるバスの運行を容易化する、ぐるっとバスを走らせるというのと、平城宮跡前駐車場を利用するということに、来年度も予算を計上したいと思います。
 それと、新しいのは、右のほうの文化会館の整備。奈良公園プロジェクトの中で大きな位置を占めております、県の文化施設の改修ということでございます。来年度は基本実施設計の予算を計上して、令和8年のリニューアルオープンを目指していきたいと思います。音楽に特化した会館にする予定でございます。
 23ページ目でございますが、大宮通りと近鉄奈良駅附近の景観・環境整備でございます。大宮通りは、奈良の玄関口という認識の下で、県が独自で環境整備を図ってまいりました。イルミネーションの充実とか植栽でございます。このようなことはまた続けていきたいと思っておりますが、下のほうに書いている近鉄奈良駅前の環境整備でございます。このような図にありますような広場の設計を、地元の自治会と相談をしております。むしろ自治会のご意向を受けて、この西口広場の管理権を奈良市から行基広場も含めて譲っていただきました。その管理権を基に、奈良県が地元の自治会と相談をして、自治会の意向を受ける形でこのような整備を進めることができたらと思っております。解決すべき問題は、奈良交通の持っております駐輪場、ユーティリティーゾーンと書いてあります付近にある駐輪場と、6番出口付近の交番でございます。それを移設するあるいは廃止するというようなことが必要になっておりますので、それが地元の自治会の意向を受けて解決できれば、一つの案として、このような大宮通りに出る出口を一つ減らすことができるということと、屋根つき広場ゾーンを拡大することで、アメニティーが改善されるということをもくろんだ予算でございます。近鉄奈良駅は、路面でかつて入っておりましたので、なかなか駅前というほどのことができませんでしたので、苦肉の策で、行基広場も大変狭い状況でございますが、西口をこのように改善をして、ちょっと広場らしくしようという試みでございます。
 24ページ目でございますが、平城宮跡歴史公園でございます。この左のほうに書いてございますが、南門が令和4年3月に開園されると聞いております。国営公園になりまして10年以上たつわけでございますが、国のおかげで順調に整備が進んでおります。大極殿の平城宮跡の中は今の南門が一つ大きなことでございますが、朱雀門の南、朱雀大路東側については、西側は整備が進みましたので、朱雀大路の東側については、令和4年度から基本設計に取りかかります。前のほうに実物大の正倉院を置いて、レプリカなどを飾るという構想で進んでおります。その裏のほうは、歴史体験学習館を整備することで、ハウステンボスにありますようにシアター風で、中が映像で囲まれた映像館というようなイメージでございます。そのような体験学習館の整備を予定して、そのための基本設計の予算でございます。
 真ん中、平城宮跡南側でございますが、積水化学様から用地の取得ができましたので、そこを公園として整備をするということの予算でございます。また、朱雀大路は北のほうの朱雀大路を南のほうに延長するというイメージになりますように、西側の通路を朱雀大路の保存エリアと書いていますが、そのような予算を計上したいと思っております。
 25ページ目になりますが、中町道の駅でございます。中町、第二阪奈のランプがあるところでございますが、令和4年度には造成工事と建築工事に着手をしたいと思います。また、指定管理者の決定をして、令和5年度にオープンをしたいと思います。
 26ページ目は自転車の周遊でございますが、27ページ目になりますが、食のブランド力強化、食の振興でございます。いろいろありますが、新しい項目として、(4)にあります「ミシュランガイド奈良」が間もなく発表される予定でございます。また、コンベンションセンターでガストロノミーツーリズムをやることや、NAFICセミナーハウスや、なら歴史芸術文化村で食と農の魅力発信ということも、この項目の中に入ってまいります。
 28ページ目になりますが、海外と東京プロモーションでございますが、ポストコロナ、コロナが落ち着いたときのインバウンド、あるいは県外からの国内インバウンドに向けたプロモーションを展開したいと思います。また、奈良の歴史を素材にして展開しておりますが、記紀・万葉の後、壬申の乱1350年が一つのイベントになっております。それから、3でございます、奈良まほろば館が開館いたしまして、この時期でございますが、好評を得ております。その活用ということがこの中に入ります。
 29ページ目からは、3つ目、三条大路でございます、愉しむ「都」でございます。30ページ目でございますが、大規模広域防災拠点の項目になります。いよいよ用地取得に着手するということで、大きな予算を組んでおります。緊急防災・減災事業債の適用のめどが立ってきておりますので、その事業化ということになります。この事業の7割が後で、交付税措置されるという債権でございます。用地取得と準備工事に着手するということは、リニア関連の中でも申し上げましたことでございます。
 それと、この地域のアクセス道路の整備の都市計画手続の実施についての予算を計上しております。道路の項目でまた出てまいります。ここに整備イメージに書いてありますように、この谷間をリニアの土で埋めるという構想でございます。
 31ページ目は消防学校、32ページ目でございますが、大和川直轄遊水地と流域内水遊水地でございます。外水と言っております直轄遊水地の整備5か所を予定しておりますが、3か所で工事を始める予定が進んでおります。また、河川改修で藤井地区、長安寺地区の河川改修にも手が入りました。外水は、あと2つ残っております。緊急内水対策事業でございますが、大和川とその支川が特定都市河川に指定されました。この特定都市河川の指定は、今のところ、奈良県の大和川だけでございます。3分の1から2分の1に国の補助率がかさ上げされると、大変大きなことでございます。これも数年前から、内水対策をやり始めたことが大きな影響があると思います。その際に、県は市町の内水対策に実質費用の2分の1の財政支援をすると、単独の補助を打ち出しておりましたので、それも大きなことだと思います。
 それから、右のほうに書いておりますが、30年に一度の遊水容量としておりましたが、100年に一度の災害にも堪える遊水容量に格上げをいたしまして、100年に一度の遊水容量にしていきたいと思います。深く掘るとか広く掘るとかということになります。この結果、市町村の負担は全体の事業費の約12%強になる予定でございます。それと河道の掘削、堤防の補強にも、国の予算がつき始めておりますので、手を入れていきたいと思っております。
 33ページ目になりますが、土砂災害にも大きな予算を組んでおります。奈良の南のほうでの土砂災害が今までに発生をしておりました。砂防施設の整備などに、また、紀伊半島直轄の河川の事業などに引き続き注力をしていきたいと思っております。
 34ページ目は災害対策。35ページ目でございますが、「なら四季彩の庭づくり」を進めております。4年度は条例を検討したいと思います。エリアの責任課長、庭師と呼んでおりますが、県庁庭師の、下のほうに河川、道路、公園、施設と分けておりますけれども、それぞれの庭師さんに活躍してもらって、「彩の庭づくり」、五十幾つかありますけれども、進めていきたいと思っております。時間はかかりますが、ビフォーとアフターで随分違うものでございます。
 その庭の一つが、36ページ目になりますが、馬見丘陵公園でございます。馬見丘陵公園、古墳の公園でございましたが、花の公園にしようということで、左の上にありますように、訪問客が100万人を超える立派な公園になってまいりました。花をもっとたくさん植えようということで、最初はチューリップが確か2万株ぐらいでございましたが、一番下の(6)の(1)に書いてございます、令和4年度は65万株まで植えることにいたします。100万株を目標にしておりましたので、まだもう少し残っております。花ごよみ、チューリップのほか、花菖蒲、ひまわり、10月のフラワーフェスタ、クリスマスウイークなど、だんだん大きな人気を呼んできております。移動の容易化にも手を入れていきたいと思っております。
 37ページ目でございますが、平野は大和川一本でございまして、大変水が汚いということが言われておりました。左のほうの上で、ここまでよくなってきたということでございますが、前は赤い支川が多かったですけども、少なくなってまいりました。水質でございますけど、水質をよくするには川辺をきれいにしようという発想から、きれいな水がいいなと思ってもらおうと、きれいな川辺づくり、川づくり、水づくりということに取り組んでいきたいと思っております。
 38ページは、無電柱化の計画でございます。39ページ目は、新しい土地利用でございますが、来年度は土地利用に関する条例の制定にかかりたいと思います。国のマスタープランによるまちづくりから逆に構えまして、地方からまちづくりの案を出して国のマスタープラン化に反映してもらうということでございます。田園都市構想を活用しようと思っていたら、国のほうがデジタルをつけた田園都市構想を最近言われております。農業、農地との調整が必要でございますが、ここに書いてございますような懇談会の有力な方々ともう数年一緒に懇談会で勉強を進めてきております。森林については、森林の独自の条例、考え方が実行できました。あと農地と住宅地、工業地、商業地のまちづくりということになります。
 40ページ目は、住まい方改善で、大福で手を入れている内容でございます。
 41ページ目は、交通の改善でございます。
 42ページ目は、自治会との連携の予算でございます。
 43ページ目は、子育て家庭への支援、女性の支援と、次の就学前の教育の一環でございますが、子育ての中で大きな、「なら子育て応援団」奈良っ子はぐくみキャンペーンに3億円を計上しております。応援団の利用登録世帯に5,000円分の電子クーポンを配るというのが、3億円の予算になっております。右のほうで標準家庭を前提にいたしますと政策の幅が狭くなりますので、標準家庭でない家庭も大事な家庭でございますので、ひとり親家庭の就労と子育て支援を充実させる項目を(8)から(12)までたくさん並べているのが特徴でございます。
 44ページ目は、就学前児童の育み。就学前は、教育というのはあまり効果がないというふうに言われております。「はぐくみ」ということを念頭に置いた条例を、この議会に上程をしております。就学前の児童は教え込むのではなく、食べることと遊ぶことと。遊ぶことの中に、運動することと、芸術に親しむこと、音楽・絵画などに親しむことが重要だと言われておりますので、そのようなことを中心に、これは教育機関に任すだけではなく、県が直接いろんなことを仕掛けてやるのが大きな内容です。(5)に、まほろば健康パークでの子育て機能の強化、なら歴史芸術文化村での幼児教育などを計上しております。
 45ページ目になりますが、はぐくみの中でのこども食堂。食べることを中心に展開をしていきたいと思っております。それと放課後児童クラブの充実にも力を入れていきたいと思います。
 46ページ目、児童虐待防止についての項目でございます。これも子育ての中の大きなことでございます。
 47ページ目は、子供の通学・通園路の安全確保でございますが、大きいのは、通学・通園路の安全確保の主体を校長先生から市町村長に移したということでございます。市町村長が通路の安全に責任を持ってもらうということに踏み切っております。奈良県は、幸い通園・通学路の死亡事故はまだ発生しておりませんが、そのようなやり方で安全確保を進めたいと思っております。
 48ページ目は、女性の幸せ応援という項目でございます。
 4番目の項目は、便利な「都」、交通基盤でございます。50ページ目になりますが、京奈和自動車道の整備でございます。京奈和自動車道の大和北道路と大和御所道路に大きな予算を計上しております。いよいよ本格的になってまいりました。企業立地の推進メインエンジンでございますとともに、リニア15年後開通のときの北と南を結ぶ大きな通路になります。リニアと高速道路の結節というのも大きな要素になります。また、一番右下の図でありますが、京奈和自動車道の奈良インターチェンジとJR関西本線新駅が近くにできますので、それと奈良市内に入りますと西九条佐保線、これは県が実施いたしますが、西九条佐保線の一体的な整備に予算をつぎ込むことにしております。
 51ページ目は、国道163号線、168号線、大和平野中心部の北のほうの道路改良、道路建設でございます。
 52ページ目は、大和平野中心部でございますが、大和中央道と阪奈道路の道路改良でございます。城廻り線、宝来ランプ、辻町インターチェンジなどの予算を計上しております。
 53ページ目は、アンカールート、国道168号、線南のほうの予算でございます。県が事業いたします新天辻・阪本工区、また国に直轄でやってもらいます長殿などの道路の予算でございます。一番下で調査路線として、五條市生子町~釜窪町と書いてございますが、これは右の下の図にありますように大規模広域防災拠点を経由する五條西インターから国道168号線に直結する道路の、調査路線の予算計上でございます。
 54ページ目でございますが、国道169号線との接続、特に京奈和自動車道と国道169号線に接続する根っこになります御所高取バイパス、高取バイパスは県事業でございますが、重要な道路でございますので予算を計上しております。南のほうになりますと、伯母峯峠の改良、新トンネルの建設が進んでおります。また、下北山村の前鬼~音枝については、調査路線にしております。
 55ページ目でございますが、東部でございます。白河バイパスと言われます、真ん中の丸が続いております、桜井から柘植のほうに参りますバイパス、県道38号線でございますが、長谷寺の門前地区を迂回する道路になります。その調査費を計上しております。
 56ページ目は、道路維持管理の体系化、県が市町村の道路施設の老朽化を引き受ける、逆移譲してもらう、奈良モデルのはしりになりました考え方でございます。
 57ページ目は、新しい道路整備の仕組みとして選択と集中を数年前からしておりますが、その確認、また予算計上でございます。
 58ページ目は、奈良県は用地取得困難県だと言われております。関西一円はそのように言われておりますが、奈良県は特にひどいなと時々東北と比較して言われるわけでございますが、奈良県は、どこかの公共団体と違って、鑑定価格以上の土地は絶対に買わないことにしております。用地買収ができないと道路もつくりませんよということでございます。また、用地の鑑定には二重の鑑定措置を講じております。これのための予算を計上しております。
 59ページ目でありますが、近鉄西大寺駅の高架化・近鉄奈良線の移設でございますが、来年度予算は鉄道基本設計の予算でございます。国費をいただいて、近鉄と一緒にこの鉄道駅の位置や、鉄道線路の線形を確定する作業になります。また、都市計画決定に至る重要な調査のステージに入ってくるものでございます。
 60ページ目でございますが、JR新駅の工事が順調に進んでおります。鉄道高架化の工事が着手されまして、130億円の工事が順調に進んでおりますが、それに伴いましてJR新駅の設置、また西九条佐保線の整備などを進めております。道路の高架の代わりに鉄道高架をして駅にするというような方向転換がうまくいった例でございます。
 61ページ目は、リニア中央新幹線の予算でございます。リニア中央新幹線は、先ほど大規模広域防災拠点との3点セットで申し上げましたが、リニア中央新幹線の位置確定が煮詰まってきているような感じがいたしますので、その予算を計上しております。
 62ページ目は、路線バスの改善についての予算でございます。
 63ページ目からは、健康関係でございます。第5条、五条大路でございますが、健やかな「都」をつくるでございます。
 64ページ目は、健康づくりでございますが、都づくりの左の上に書いてございます、健康寿命は、男性が3位、女性が25位でございます。健康寿命を客観的に測っておりますのは、奈良県だけでございますけども、平均余命から平均要介護期間を引くということでございます。平均余命は男性3位、女性10位で、割といいラインでございますが、要介護期間は男性が39位、女性が44位、この要介護期間の短縮が必要でございます。その下のほうで、健康成果と書いてございますが、脳卒中の死亡率は男性2位、女性5位、これ大変成績いいわけでございます。急性心筋梗塞の死亡率は男性4位、女性4位。がん死亡率が男性6位、女性18位、3つとも大きな死因は全て調子がいいのですが、平均要介護期間が長いのが健康寿命のランクが多少短くなる要素でございますので、要介護期間を短縮するような取組が右のほうに上がっております。よく言われます野菜を取って、減塩する、また、運動するといったような、それぞれの方がしていただくような取組の仕組みを考えております。
 65ページ目でございますが、その中でがん対策のがん死亡率が左上のグラフにありますように、10年前の34位から7位まで下がりました。前年は4位まで下がったのですが、がん死亡率が全国一低い県を目指しております。そのためにがんの治療とともに、がんの検診、また、医療の高度化などの予算を計上しております。
 66ページ目でございますが、健康寿命が延びても、楽しい高齢人生でないといけないというふうに思いますので、そのためのいろんな仕組みを従来からやっております。
 67ページ目は、それを支える制度でございますが、国民健康保険の県営化については、奈良県が最も進んだといいますか、考え方がはっきりした県だと言われております。奈良方式と言われているようなやり方でございますが、同じ所得・世帯構成であれば、県内のどこに住んでも保険料水準が同じとなる、県内保険料水準統一の令和6年度達成を目指した取組を進めているものでございます。
 68ページ目は、地域医療構想の推進でございます。断らない病院と面倒見のいい病院の機能分化を進めております。だんだん進んできておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大で本当に試されているようなことでございますけれども、左のほうの医療従事者・医師数が最近ぐんと上がってきております。このような取組をしておりますと、医師の集積が進んでおるというのが実感できます。
 69ページ目からは、新型コロナウイルス感染症対策でございます。これは別途いろんな会議で報告をしておりますけども、予算的には、病床・宿泊療養施設の確保で、合計318億の予算を計上する予定でございます。福祉施設のクラスター対策として7億3,000万、また、ワクチンの接種のために24億を計上することにしております。
 次のページでございますが、各般の取組で約21億、それから生活支援につきまして145億を計上する予定でございます。下のほうに中小企業の売上げ回復のための補助金の創設、また、制度融資などを計上しております。
 71ページ目でございますが、医療費適正化の目標が4,813億、目標を決めてその後フォローする、奈良方式と言われる取組の一環でございます。
 72ページ目でございますが、その中で地域包括ケア・在宅では、南和における方式、一次接触と後のフォローアップ体制ということを南和で実験しようかと思っている考え方を、新型コロナウイルス感染症でも適用しようかとしております。その中で、デジタル化を入れる予算などを計上しております。
 73ページ目でございますが、奈良県立医科大学を近くに移転するということを進めておりますが、いよいよ工事が始まります。新キャンパスの先行整備の予算が大きく計上されます。造成工事が始まっておりますが、建築工事をこの令和4年度から始めまして、令和6年度に、このキャンパスの主要部を完成するという予定でございます。現キャンパスの教育部門が出ていきました後で、新外来棟を整備するための検討費を計上しております。
 74ページ目でございます。西和医療センターの移転・再整備の検討でございます。下にありますように、JR王寺駅前に持っていくと。後でまちづくりのほうでもう一度出てまいります。
 75ページ目でございますが、福祉の奈良モデルの条例を上程しております。福祉の奈良モデルの基本的な考え方は、一次接触者を、国のほうは縦割りでずっと下りてきておりますが、地域では地域割で、その全ての困り事を一次接触で探し出して、後ろのカンファレンスで合議をして、その仕組みを元の住民に届けるという考え方でございます。大変新しい考え方でございますが、福祉の奈良モデルということで条例をつくり、その実践をしていくための予算でございます。重症心身障害児の居場所の確保にも予算を計上しております。
 77ページ目でございますが、出所者の更生就労支援で、かがやきホームをつくりました。また、更生支援の条例をつくりました。奈良県が、この出所者の就労の場づくりに走っております。前年に続きまして、来年度からも出所者に来ていただけるようでございます。奈良県の条例の特徴は、何度来てもいいよと、家庭代わりに奈良県のこのかがやきホームを運営するということでございます。
 78ページ目でございますが、スポーツ振興ビジョンでございます。健康増進のためには、食事とスポーツ、社会活動と言われておりますが、その中で運動、スポーツのためのいろんな試みの予算になっております。
 79ページ目は、その一環にもなりますが、国体が10年後に予定されておりますので、その施設の整備計画を来年度、実施計画として固めていきたいと思っております、その予算でございます。
 80ページ目は、まほろば健康パークのスイムピアと浄化センターとの間に8.6ヘクタールの土地がございます。それを、80ページ真ん中にありますように、6か月から5歳まで、これが(1)、野球場のある右のほうのゾーンになります。3歳から10歳までが(2)のゾーン、8歳から15歳までが(3)のゾーン、年齢別で遊ぶあるいは運動する内容が違ってまいりますので、それにそれぞれ適した遊び場、運動の場をつくっていきたいということでございます。来年度はその調査、また民間活力の導入の手続を開始いたします。令和9年度の開園の予定でございます。
 81ページ目からは、智恵の「都」。82ページ目は、県立大学の教育の充実でございます。県立大学が西の京高校を附属高校化し、この4月に開校いたします。また、工学系第2学部の設置の準備をしたいと思っております。三宅町で新キャンパスをつくることを決めておりますけれども、現キャンパスを利用して、3年後の令和7年度、先行開学を目指しております。そのために県立大学の施設整備、一番下でございます、クラブハウス棟の建設と教育研究棟の基本実施設計に入りたいと思っております。
 83ページ目は、奈良県立医科大学の将来像、ずっとこの会議を続けておりますが、そのための予算でございます。
 84ページ目は、県と海外の大学・研究機関との交流でございます。清華大学との交流、BCC(バスクカリナリーセンター)との交流などの予算でございます。
 85ページ目は、県立高等学校の教育、実学教育、インターンシップの推進。実学教育は県の大きな目標でございますが、フォレスターアカデミーと森林の教育、また食と農の大学校などで結実いたしましたが、その他の項目も上げた予算でございます。
 86ページ目は、私立学校の運営。約100億円の私立学校助成をしておりますが、経常費補助で61億円、その中で政策加算を1割ほどしております。一方、授業料に対する支援が約4割程度含まれます。
 87ページ目は、教育ICTの推進でございますが、教員の役割がティーチャーからファシリテーターに、と書いてございますのが一番分かりやすいことでございます。教える内容はデジタルで登場いたしますが、その理解を進める、また対話をするといったファシリテーターの役目が教員に発生しておると。
 88ページ目は、教育振興大綱。89ページ目は、文化の振興でございますけども、10年続いておりますムジークフェスト。それから2のほうは、音楽団体との連携による未来の演奏家の育成、これは反田プロジェクトと呼んでいただいてもいいんですけれども、反田さんが音楽学校をつくりたいとおっしゃったことを受けまして、音楽学校をつくるための準備のような予算でございます。それから、奈良県みんなで楽しむ大芸術祭の予算、また、美術の予算など文化の振興で計上しております。
 90ページ目でございますが、歴史関係の文化の振興で新しいのは、真ん中の「欧州での開催ノウハウ」と書いてございます。大英博物館とパリのギメ東洋美術館に奈良の宝物を持って行きましたが、このたび中国の清華大学の芸術博という大変大きな博物館で展覧会を初めて実施をいたします。それから、記紀・万葉プロジェクトの継続ということで、来年度は壬申の乱をテーマにしていきたいと思います。
 91ページ目は、文化財の保存と活用。92ページ目は、飛鳥・藤原の世界遺産登録でございます。世界遺産登録で大事なのは、国内推薦決定がこの12月にある予定でございまして、閣議了解をもらうのが大きなことでございます。それと、2年後のICOMOS(イコモス)の現地調査の2つが大きなイベントでございます。世界遺産登録に向けた取組の予算でございます。
 93ページ目でございます。なら歴史芸術文化村の活用でございますが、「なぜ?」が芽生える、「知る」を楽しむということで、若いお子さん、また中年・高齢者の方が全てここで「知る」を楽しむことができますようにということで、対話型、鑑賞、また体験を中心として活動してもらう予算を計上しております。また、地域の活性化のための予算を計上しております。
 94ページ目でございますが、国際交流の中で、新しくウズベキスタン・サマルカンド州が入ってまいりました。そのための予算を新しく計上しております。それから、従来からやっておりました東アジア地方政府会合、西ジャワ州で行います予算、またアジアコスモポリタン賞の予算などを計上しております。豊かな「都」で、産業振興でございます。
 96ページは、農地マネジメントの中で、特定農業振興ゾーンの整備の予算でございます。
 97ページ目でございますが、中央卸売市場の再整備でございます。右の下の図にありますような中央卸売市場中央棟を西のほうに寄せて、空いた佐保川との間に、BtoCのにぎわいを創出するという構造になっております。来年度は大変重要な年でありますので、アイデア募集と事業者募集に入りたいと思っております。
 98ページ目は、NAFICのセミナーハウスの整備がこの9月に完了、供用開始されますが、その予算。また、その上の眺望のよいセミナーハウスの上段部の設置に向けての予算でございます。
 99ページ目でございますが、豊かな食と農の振興条例をつくりましたが、一体的な振興のための予算でございます。
 100ページ目は、食品ロス削減の予算。それから、101ページ目は、食肉公社の関係予算。102ページ目は、みつえ高原牧場の整備に取りかかっておりますので、その地形測量などの予算でございます。いろんな環境整備、条件整備に今取り組んでおります。
 103ページ目は、内水産業の振興。104ページ目は、脱炭素時代のエネルギー政策ということで、シュタットベルケの検討を進めたいと思います。場所が見つかれば、大変いい事業になってくるものでございます。一方、CO2吸収源としての森林の整備は従来からしておるものでございます。105ページ目は、従来からの森林環境管理制度。恒続林をつくるというのは脱炭素の観点からも大きなことでございます。そのためのフォレスターの配置、県フォレスターの配置を令和5年度から進める準備の大事な年になってまいります。106ページ目は、県産材の安定供給でございます。
 107ページ以降はまちづくりなどでございますが、108ページ目は、奈良南部・東部の都づくりでございます。美しい南部・東部地域を県と市町村が協働して振興を図る条例の上程を予定しております。テーマを決めて、拠点を形成して結節をするという感じでございます。そのテーマがここに上げておりますようなことでございますが、一つの地域で完結しませんので、それを結節する動きが必要でございます。また、人材の育成が必須でございます。
 109ページ目は、大和平野中央スーパーシティ構想の推進で、2のほうで、必要な土地の確保、基本計画、第2学部の三宅町につくります基本計画、スポーツ施設の基本計画などを来年度予算で計上しております。大和平野中央スーパーシティ構想が固まる大事な年であると思います。そのための推進会議の予算も計上しております。
 爽やかな「都」、110ページ目からでございますが、111ページ目は、市町村と連携したまちづくりが進んでおります。包括協定、55地区でございますが、これから具体化を進める段階に入ってきております。
 112ページ目は、その中での代表的な絵を割と早く描けたところ、近鉄郡山駅のまちづくりをさらに進めたいと思います。
 113ページ目は、医大周辺のまちづくりで、令和6年度に新キャンパスの先行整備工事を完成する。そのための予算が大きなことでございますが、県立医大、残されたところのまちづくりの整備の予算も計上しております。
 114ページ目でございますが、王寺駅周辺のまちづくりで、西和医療センターの移転を軸にしたまちづくりでございます。JR西日本が大変協力的でございまして、留置線の移転はなかなか大きな工事になりますので、留置線は残したままでございますが、その南のJR西日本の用地・施設と王寺町の施設を近所に移転して、その跡に病院を移転させるという構想でございます。来年度にこのような構想を固めるべく予算を計上しております。
 115ページ目は、県立病院の跡地。116ページ目は、県域水道のファシリティ・マネジメントでございます。来年度中の基本計画の策定と基本協定の締結に向けた動きとして、先日も会議をいたしました。基本協定の締結に入られると、県域水道で参加しますよという大きな意思決定でありますので、それに向けた大事な年になってまいります。
 117ページ目は、ごみ処理広域化の奈良モデルへの支援措置。118ページ目は、市町村財政健全化への支援、先日3町と協定を結びました。支援をするための予算を計上しております。重症警報発令の団体の奈良市、五條市とも契約を結んでいきたいと思います。5年間で5ポイント以上の改善を図ったところに、無利子貸付などの助成をするということでございます。
 119ページ目は、県庁版働き方改革。それから、120ページ目は、ファシリティマネジメントの実行。それから、121ページ目は、地域デジタル化の推進でございます。地域デジタル化は、住民目線で進めようということに決めておりまして、ここにあります8項目の主要テーマで進めたいと思っております。その4年度の主な取組の例を挙げております。住民の利便性、リカレント教育、また高齢者の移動の円滑化などの項目の予算を計上しております。
 122ページ目は、最初に申し上げました、財政の中長期運用方針の内容でございます。
 123ページ目は、税収が上がってまいりましたが、徴税率も上がって、関連していると、徴税率を上げると財政健全化の意識が高まりますので、市町村もそのようなことにだんだんなってくることを望んでおります。
 奈良県の予算、奈良新「都」づくり戦略になぞらえました予算説明になります。
 時間がだいぶオーバーいたしましたが、私からの説明は以上でございます。ご清聴ありがとうございました。

司会:
 ありがとうございました。
 ただいまの発表の予算案についての質疑応答に移らせていただきたいと思います。ご質問のほうは、ご所属とお名前言っていただいた上で、お願いしたいと思います。
 それでは、ご質問のございます方、挙手にてお願いをいたします。

【質疑応答】音楽団体との連携による未来の演奏家の育成事業について

 
記者(共同通信):
 個別の部分で1点お伺いしたいところがありまして、89ページの反田さんのプロジェクトの関係、反田恭平さんのプロジェクトの関係です。
 資料に記載の音楽団体というのは、恐らく反田さんの率いていらっしゃるジャパン・ナショナル・オーケストラのことなのかなというふうに思うんですけれども、今回予算措置してやっていく内容として、具体的にどのようなことをされるのか、まずそれをお伺いします。

知事:
 正直言うと、まだそれほど具体的な「これをこうします」と、この1,000万円の予算の内訳はまだ固まっておりません。反田さんは忙しいものですから、反田さんと連携、それからジャパン・ナショナル・オーケストラ、JNOと連携してやろうと。JNOとの連携協定は間もなく、今週にも何か結ぶ予定でございますけども、それをいたしますと、彼らもこのようなことを予想してなかったかもしれませんけれども、森精機さんが反田さんを奈良での活躍の原点にしようということにしていただきましたので、ジャパン・ナショナル・オーケストラが奈良拠点、ということは大変大きなことでございます。
 反田さんの構想は、ジャパン・ナショナル・オーケストラを大きくする、あるいは外国の演奏家を奈良、日本に持ってきて育てるという、そのときの演奏家のレベルといいますか、高度な人や年齢の高い人よりも若い人、と思っておられるんじゃないかというふうに思います。これは反田さんは忙しいのでなかなか打ち合わせる時間がなくて、とにかく奈良県はこの規模の予算を計上して反田さんを応援しますよというような、中身がないという点では恥ずかしく思いますけれども、その事情からしてそのような内容になっております。

記者(共同通信):
 昨年その賞を受賞されてから、この予算措置がつけられるのがすごくスピードでついているなというふうな感じがするんですけれども、反田さんは、今おっしゃったように、奈良に学校をつくりたいという話をされていました。今回こうやって予算がつけられて、今後恐らくもっと額も増えてくると推察するのですが、このプロジェクトにかける期待というか意義を、改めて教えていただきたいです。

知事:
 そうですね、演奏家の活動は、演奏会で聞いてもらうというのが大きな目標でありますけれども、それとともに、音楽の裾野を広げるということにとても熱心になっておられるのが実情です。
 奈良は、たまたま歴史芸術文化村というのをつくりますが、その中では芸術文化の活動で、若い人、就学前の神経を、特に自尊心と利他心を育むのは芸術文化活動だと。これは3月21日の開村のときにビデオで挨拶してもらいますが、英国の王立美術協会のレベッカ・ソルタさんという人が挨拶してくれるんですけど、彼女が大英博物館に行ったときにその話をして、そのようにおっしゃっていただきました。レベッカ・ソルタさんは、若い頃、滋賀のほうで版画の研究をされてたんですね。日本語しゃべれるかしらと仰っていたぐらいなので親日家でいらっしゃいますが、彼女が言うのが、いろいろな意味でいじめとか自殺とかを防止するのに、自尊心と利他心というものが重要だと。彼らはキリスト教が基にございますが、日本は神道を基にでも自尊心、利他心を育むことができるんじゃないかということであります。これは教育では駄目だとソルタさんが仰っていましたので、それを歴史芸術文化村で実験したい、実行したいと。そのときに、反田さんなどに登場してもらって、芸術家の卵になるような人を育むというようなことも考えております。まだこの予算で具体的ということではございませんけれども、歴史芸術文化村の予算でもできますので、これはまた違うように使うかもしれませんので。ただ、反田さんが登場したりジャパン・ナショナル・オーケストラが登場して、聞かせるだけでなく参加する、体験すると。そこでは小さなバイオリンを買って、バイオリンは左指、右指、目、耳、全部の神経を使いますので、神経の統合化にものすごく役立つという、医療の理論もございます。ミエリネーションという理論でございますが、それは心を養うと。心を養う理論が日本はもうひとつなんですね。我々は、知識を大脳皮質の外に詰め込むばかりで、その犠牲、ではないですがそういうふうに育った人間でございます。その心を養うのは、実はそのような学校ではなくて家庭で、おばあちゃんの教えとか、近所のおばさんの教えなどで育まれてきた記憶のある人はたくさんおられると思いますけども、そのような育みを体系的に実行しようと。そのために教えて育むだけでなくて、音楽で育む体制で神経をつくるというようなことを実行しようという中で、この89ページ目の未来の演奏家ということに書いてございます。その中で演奏家が育まれるかもしれないというようなこと。
 スポーツについても、まほろば健康パークなど大和平野中央の運動施設もそうですけど、就学前の教育の中での運動、高齢者の健康維持増進だけではなく、就学前の神経の育みということも、その実行の大きな要素、その一環というふうに考えております。中身がないのに説明が長くて申し訳ございませんでした。

司会:
 よろしいでしょうか。そのほかにご質問いかがでしょうか。

【質疑応答】リニア中央新幹線について


記者(奈良新聞):
 冒頭に、リニア中央新幹線で「奈良市駅附近」の要望書が提出されましたが、それに絡めまして。15年後に控えているんですが、やはり大事なのは新駅をどこにするかというところで、まず新駅の地域の確定を何年後にするのかと、あと奈良市と大和郡山市からこういう連名で要望が上がりましたが、もう一つの候補者である生駒市、これに関してどう考えているのかも含めてお答えください。

知事:
 新駅をどこにするかが大事だ、というふうに仰いましたが、JR東海については全く大事じゃないですね。新大阪に行けばいいだけだから、というふうなものが基本的にあるんです。しかし、「奈良市附近駅」を設置すると決まっているから、決まっているところを北にしようが南にしようが、JRの関心とても薄いんです。大事だと思っている市とか一部の関係者がいるという状況です、この大きなプロジェクト。いつも反発しますけど、大事だと言わないほうがいいかと。どこか「奈良市附近」に決まることが大事だということです。どこにということなどは大事じゃないです。だから、どこにするかは大事、「奈良市附近」にするかは大事だというふうに、改めて書面が出ましたよということを言っているわけですから、その中のどこにするかって全く大事じゃない、ということで反論しておきます。
 それと、その中で「奈良市附近駅」に生駒市が入るのかということになると、生駒市が要望されるのはまだ自由でございますけれども、「奈良市附近駅」というと生駒市が入るのかどうかという概念的にもちょっと問題があるかもしれません。これは、場所を決めるのはJR東海ですので、両市長とも、決めるのは知事じゃありませんよということ、JR東海が決めるのを助けるのが知事の役目ですよということを言っていますので、生駒市が落ちたということではないので、JR東海が、生駒が「奈良市附近」だよと、こう言えばまたそちらのほうに大きく傾くんですが、そのような気配はないんですよね。JR東海はあまりおっしゃらないですが。そのことだけで、生駒市が落ちたかどうかというのをこちらで決めるような話でもないものですから、そのような状況の判断はしております。

記者(奈良新聞):
 それと、この2月18日の週末に、仲川奈良市長、上田大和郡山市長が要望書を出された、その受け止めも教えていただきたいのですが。ようやく要望書が出されたということの受け止めですね。

知事:
 出されたことは、大変前向きな動きだというふうに思います。奈良県の駅設置はもめているんじゃないかと、こういうことをよその県のマスコミの人に揶揄されてきている。そんなことはありませんと反論しています。50年前から「奈良市附近駅」に決まっております。新谷寅三郎、奈良県出身の参議院、運輸大臣が、「奈良市附近駅」と基本計画に書かれているんですよね。あまり皆さん知っていて書かれないけれども、ものすごく大きなことなんですよ。「甲府市附近」と「奈良市附近」、2つは経由地として書かれているんですよ。整備計画にも入ったというのも大きなこと。
 基本計画、整備計画に「奈良市附近駅」が入っているということはとても大きなことです。それを「奈良市附近」のどこがかといって関心をそちらに向けて、どこをやる、大事でしょうとおっしゃるから、大事かなと。自分の家の前に来るのかなと、そういう話では全くないんですよ。「奈良市附近駅」が、大体アクセスがいいと、リニアが家の前であってもなくても全然関係ないですから。高速道路で乗りに行くとか、広く乗りに来る人があればいいわけで、そのための和歌山線の活用などがあるわけですから。その家の前から駅があるから毎日乗ろうかという人は誰もいませんので、そういうような発想はやめたほうがいいかというのが私の考えです。どの県もそのような発想はしていませんから。
それと、駅が来るなら土地を売らないよという人が、高くしか売らないよという人が必ず出てまいります。奈良県は特にひどいんじゃないかと恐れています。だから、最後までJR東海はどこにするか決めないと思います。そのような人がいれば、やめますよと。「奈良市附近」に駅をつくらないということは国との約束でできないことになっておりますけれども、「奈良市附近」に問題の人がいるところはつくりませんよと、もうそういうのが会話の中でどんどん出てきてますので、どこにつくるか大事だと言っていると、大事ならそう思わないとこにつくりましょうと、そんな感じの話がありますから、できるところができたら一番いいじゃないかというようなこと、そこにアクセスをよくするというのが基本的な方向でありますので、奈良市内だとか大和郡山市内だとかこだわっているほうがおかしい状況だったので、それが改善されたというのは大変喜ばしいことだというふうに思っています。逆ねじをかけないようにしていただきたいなと思います。


記者(奈良新聞):
 もう1点なんですけれども、新年度予算案、今回、この「奈良新『都』づくり戦略」という銘打っているんですけれども、知事、この新年度予算案をワンフレーズにすると、どのような予算というふうに。

知事:
 予算案の名前。

記者(奈良新聞):
 ええ、新年度予算、そうですね。

知事:
 「都」づくり戦略です。新「都」づくり戦略2022です。

記者(奈良新聞):
 15年後のリニアの全線開通を見据えたものというふうにおっしゃってまして、それを意識したものだと思いますが、改めて何かこう、今、知事が思い描いている、キャッチフレーズというか、そういったものはありますか。

知事:
 予算案は毎年つくりますので、今年は右だ、今年は左だ、右足だ、左足だ、そのようなことを言ったら、いいまちできないですよね。ある程度、奈良県の方向を見据えて、その方向に沿うように着々とするのが予算案だと私は思います。
 そのときに、奈良県の基本的な方向と何度も申し上げておりますけれども、住宅ばかりつくってきたと。若者の働く場所がない地域になって、これが一番大きな決定的な悩みというか、弱点になっています。若者の働き場をつくって、人口流出を防ぐと。脱ベッドタウンですね、これは何年も前から、「都」づくりと言っています基本の考え方はそれに尽きるわけでありますので、だから工場誘致にも力入れる、ホテルの誘致にも力入れる、働き場をつくる、若者の雇用の場所をつくる、観光だと女性の働き場もできるからと、NAFICをつくったり、イベントをしたりというのをみんな同じ一貫した姿勢です。
 だから、今年はNAFICだよ、何だよと、そういうことを言ったことないです、いつも水向けられるのだけれども。頭の中になかなか思い浮かばないもので、思い浮かばないのを無理して言うとあまりいいことにならないのではないかと思って、この辛気くさいことの繰り返しを言っているわけですけれど、それはずっと一貫した流れで、脱ベッドタウンということ、若者の雇用を奈良県でつくりたい、それは自立を図るということにもなる。経済的な自立、メンタルな自立を図るということにもなります。
 このコロナのときに、コロナで奈良県が多いのは、大阪に3割勤務されている。大阪が多いと、大阪への勤務をやめてくださいと、県境を越えた往来自粛なんて、奈良県言えるわけがないじゃないですか、3割が越境して勤労されている方。夜も遊んで帰られることは、ちょっと自粛してくださいねと言ったことはありますけれども。だから、そのような大阪の経済依存県でありますので、できるだけ経済の依存も少し、ベッドタウンとしては宿命でありますけれども、少し減らすことができたらと。
 それは、次の世代の若者が、お父さんと同じように大阪に勤務できるかどうか分からないわけであります。有効求人倍率は大阪よりも奈良のほうがはるかに高くなってきております。奈良で職を求める若者が多いと、高齢者も多いという状況でありますので、職をつくらないと仕事にならないというのが背景にありますので。フレーズでなかなか言えないです。何かうまく言えたらいいのですが、毎年同じことになりますので、「都」づくりは脱ベッドタウンと、こう言っておりますので、聞き飽きるか、あんまり聞かないよ、ということかもしれませんけれども、一貫して変わりませんので、ご理解賜りたいと思います。

司会:
 よろしいでしょうか。

【質疑応答】県税収入の増加について


記者(朝日新聞):
 聞き飽きたとおっしゃられたんですけど、また改めて質問させていただきたいと思います。知事ご説明ありました予算案の要点の部分の1ページ目、左側下から2列目の行なんですけども、知事がおっしゃいました「都」づくり戦略2022というのは、ここでは奈良県発展の屋台骨となるプロジェクトを機軸につくられたものというふうに書かれております。つまり、ニアリーイコールで、今回の当初予算案も、このような「県発展の屋台骨となるような予算」というふうに言い換えてもよろしいでしょうか。

知事:
 すみません、ちょっと……。

記者(朝日新聞):
 このプロジェクトを、県発展の屋台骨となるプロジェクトを機軸としてつくられたと、この「都」づくり戦略を。ということは、ニアリーイコールで、予算もそのように。

知事:
 ああ、今言っていたような話。

記者(朝日新聞):
 はい、解釈していいでしょうか。

知事:
 さすがですね。いいフレーズだと思います。そういうフレーズ、ちょっと私思いつかないんだけども。

記者(朝日新聞):
 いやいや、県が。

知事:
 そのように私の気持ちにぴったりですね。

記者(朝日新聞):
 ありがとうございます。

知事:
 すみません。自分で言えないのが情けないですけど。

記者(朝日新聞):
 いえ、知事のおつくりになられた資料かと思ったのですが、県がおつくりになられている資料にあるフレーズです。

知事:
 そうですか。

記者(朝日新聞):
 もう1点が、県税収入が今回上がっておりますが、新型コロナの影響の観点と、あともう一つ、先日の記者レクで、総務部長が、これまでの投資した、その果実が今回実ったというか、得ることができたというふうにおっしゃいました。この2つの観点から、今回の県税収入等の増加をどのようにお考えでしょうか。

知事:
 総じて、コロナと経済の影響ということが1つの点であると思います。日本全体で、国税収入も上がっているんですね。県税もその一環かもしれないですけれども、コロナでも上がるのは、消費はちょっと抑制的だと思いますけれども、生産は割と上がっている。いろいろハンディはありますけど、上がってきているというようなことはあると思います。
 そのような経済見ますと、コロナとの関係では、コロナで痛められているのは消費の一部だと。観光・飲食じゃないかという見方もあります。これは、まだあんまりコロナと経済の分析は進んでないように思いますけれど、奈良の実感といたしましてよく目立つ、消費が目立つのは、表向きで人が出てる、出てないで目立ちますので。ところが、お金が流れるのは、人が出ているから流れるんじゃなしに、通り過ぎるだけですから、お金を使うのは飲食店であったり宿泊所であったり、あるいは映画館であったり、あるいはスーパーであったりするわけであります。スーパーの方は、客が減ったかもしれませんが、そんなに落ち込んでないような感じですから。だから、その一部の、消費の一部が打撃を受けているというようなコロナ対策の結果じゃないかなと思います。
 しかし、それがやむを得ない結果であれば納得感があるんですけれども、効果があるの、ないのということが検証されないままだと、経済を痛めているんじゃないかということが大きなポイント、あまり出る人も、マスコミに出てきたり来なかったりしますけれども、そういう論はあるということであります。それを冷静に判断しなきゃいけないと、我々はということになります。それが1つ。
 コロナの影響のことであれば、税収という面で見ても、そんなに奈良県だけじゃなしに、国のほうも税収という、そんなに影響がないようには見えますけど、GDPの流れが上がったり下がったりですけれども、数か月前だとGDPは年率5%になるとか、また上がったり下がったり、落ち込むときは波を受けるという特徴があります。これは消費の波が激しいからということでありますので、それでまた為政者が、こんなに落ち込んではといって緩めるとか、世界中そんなことの繰り返しであります。消費のほうはそのようになるということでございますけれども、生産のほうは安定している面があろうかというように思います。
 それから、それと奈良県の県税の影響ということでありますけど、先ほどの、これほど県税が伸びることは大変うれしい、本当に伸びたんだというような感じなんです。本当にうれしいんですけど、その内容については、県税と、消費税の清算金と地方譲与税、これは法人事業税。例えば、地方譲与税が82億増えておりますけど、そのうちのほとんどが特別法人事業譲与税なんですね。これは法人事業税の配分基準は変わったことが大きなことだと。東京都から1兆円もの金が各県に配られたと。法人税が東京都に集中していることの改善であります。その改善された税金を地方に散らばらすこと、地方消費税もそうですが、その反面で、交付税とか臨財債を減らすという、国の財政運営が反映されているということになりますので。
 しかし、その法人税あるいは法人税等になると国の施策に関係いたしますけれども、減る県と、そんなに減らない県と、あるいは増える県と、大きく増える県と分かれていると思います。奈良県にとってみれば、やっぱり法人税の中で工場立地の法人税というのが、法人事業税が増えてきております。77億のうち半分以上、38億が法人事業税ですので、これはあとは東京商工リサーチなんか、事業所の立地件数の伸び率というのは1割に届くほど、割と好調なほうで、事業所の立地件数ですね、そのような調査もありますので、そのようなことを見ますと、奈良県への、事業所自身は大変少ないものでございますので、工場も少ないほうでございますので。
 しかし、今まで住宅ばかりのところに、事業所あるいは工場が増える要素が最近続いているのは、うれしいことだというふうに思います。それが反映していることは定かじゃありません、反映しているような感じがいたしますけれども、そうであればさらにうれしいことだと思います。これは、今までずっとやってきたことが実り始めたかもしれないという希望的な観測を持ち始めております。そうすれば、来年度予算でやろうとしています工場立地の促進、それからホテルの立地の促進、事業所の対外的な所得を域内に戻す代表的なインバウンド系統の経済活動ですので、それが伸びるということは大変楽しいことでございます。
 地域地域で、いろいろ皆、工夫してやっております。奈良県は、2周回遅れのようなことでございますけれども、2周回遅れでも、このような動きがなってくれば、その方向としては自立を図るということで、コロナにも、大阪勤務者が本当に少なければコロナ感染率はまた違ってくる面もあろうかというふうに思うところがありますので、交流はするけど自立はするよということは、スイスみたいに、とても大事なことだと思います。日本の経済、それぞれの地域が自立を図って交流もしなさいねというほうが、みんな一丸となって。造船所をつくろう、自動車をつくろう、そういう特化型の傾斜生産というのはもう時代遅れになってきていると思います。
 それは地域地域がいろいろ考えて、その地域の経済発展を国が応援するという、ドイツがそういうことになっておりますけれども、そのような体制に、政治もそうですけど、経済体制がそのようになればいいのになと。奈良県は、そのような取組が基本的な精神として持っておりますので、それがいいように実現、いい効果が出ているということであれば、大変うれしいことでございます。狙っていたことがそのように映っているということであれば、うれしいことであります。

記者(朝日新聞):
 ありがとうございました。

司会:
 ほかにご質問いかがでしょうか。

【質疑応答】子育て家庭への支援について


記者(産経新聞):
 先ほど知事も、ホテル誘致とか工場誘致とかで、若い人の働き場創出という話をされていましたけど、今回も結構子育て支援であったりとか、子供の学べる環境づくりとか、定住を促すというか、若い人に流入してきてもらって、そのまま安住してもらうという意識が強く出た予算なのかなと思ったのですが、その辺りはどうでしょうか。

知事:
 子育て支援と工場誘致は、関連した予算案でございます。というのは、工場も働き手がないと役に立たないんですよね。奈良県は大変住まいやすいので、例えばいろんなところで、積水化学があそこを買収、平城宮跡の南、売ってしまったと。次の工場をどこに移すのかと。岡山に自社工場あるんだけど、そちらに行こうかと判断したら、従業員は奈良県にいたいということを強くおっしゃった。奈良県、住みやすいよと、働きやすいよと、従業員としては。それで、昭和工業団地に積水化学の新しい工場ができて、しかもその物流まで岡山から持って来られた、こういう事情があります。
 それでつくづく思いましたけども、奈良県は、勤労者にとって住まいやすい、働きやすい。その働く場が大阪に行かなくて奈良にあれば、もっといいなと、そのお子さんたちが全て思っておられるんじゃないかなというふうに思います。だから、そのためには、子育てをするというのは、今の現世代では女性の方が子育てしながら働くというスタイルが、奈良県は女性の就業率が一番低いですが、それでもそのように、専業主婦が多いということは、割とぜいたくな、ゆっくりされているんじゃないかなと思うとこもあるんですけど、それでも、若い世代は親世代と違って、働く環境、労働条件悪くなってますので、やっぱり共稼ぎが増えていることは間違いない。
 そのときに、子育て世代が働きやすい地域をつくるかどうかが、企業誘致でも大きなポイントだと。工場の土地をつくるのと、働く環境をよくするのは大きなことだと思います。それは、このような工場だけじゃなしに、病院とか医療関係も全くそうなんですね。女性の働く人が多いので、女性の働く環境をよくしないと、病院のコメディカルや看護師等、人材がそろわないです。それはもう医療の現場の方がつくづく言っておられますので。医療の現場で子育て環境をつくるというのは、物すごく、それは県立医大とか、そのようなことを個別に措置をしてまいりましたけれども、全体として、女性の働く環境をつくる。女性に特化した医療とか介護とかの働く環境もそうですけども、飲食もそうですけれども、いろんな場面で女性の働く場をつくると。
 それと、子育て環境って、ご家庭そのもの。男性も含めて、奈良は子育てしやすいと。教育レベルは割といいんですけど、住宅もいいんです、食事もいいんですけども、次世代の働く場がないから、残念ながら勉強をさせて県外へ行かさざるを得ないという事情でありますので、その工学系の学部がない県でありましたので、それで工学系の学部をつくるとか、そういうことをいろいろこう、やっとやれるようになってきたということでございます。
 だから、子育てと事業所の土地づくりとも一貫したことでございますので、幸い、子育ての条例も局長がつくってくれましたので、気合が入った条例ができてまいりました。大変喜んでおります。気合が入った条例と、予算をつけていこうという。条例は、体系化ができますので、体系化ができて、それに従ってやろうというふうに進むことになってきたのは、大変喜んでいます。

司会:
 よろしいでしょうか。
 ほかにご質問いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 幹事者さん、よろしいでしょうか。
 それでは、本日の記者会見を終了をさせていただきます。ありがとうございました。

知事:
 ありがとうございました。

※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。
 また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。

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