【発表案件】
「飛鳥宮跡保存活用計画」の策定について
県民限定 宿泊等割引「春のいまなら。キャンペーン2022」実施期間について
第7波に備える対策の確立について
【質疑応答】
ガストロノミーツーリズム世界フォーラムの開催延期について
ウクライナ避難民の受け入れについて
これからの日本の大学の在り方について
次期知事選について
司会:
おはようございます。
それでは、知事定例記者会見を始めさせていただきます。
初めに、本日の発表案件についてでございます。本日は、発表案件が3件ございます。1、「飛鳥宮跡保存活用計画」の策定について、2、県民限定 宿泊等割引「春のいまなら。キャンペーン2022」実施期間について、3、第7波に備える対策の確立について、荒井知事より続けて発表をいただきます。
それでは知事、よろしくお願いいたします。
【発表案件】「飛鳥宮跡保存活用計画」の策定について
司会:
おはようございます。
それでは、知事定例記者会見を始めさせていただきます。
初めに、本日の発表案件についてでございます。本日は、発表案件が3件ございます。1、「飛鳥宮跡保存活用計画」の策定について、2、県民限定 宿泊等割引「春のいまなら。キャンペーン2022」実施期間について、3、第7波に備える対策の確立について、荒井知事より続けて発表をいただきます。
それでは知事、よろしくお願いいたします。
知事:
では、発表いたしますが、最初は「飛鳥宮跡保存活用計画」の策定ということでございます。
お手元に報道資料と次の資料が計画の1枚紙がありますが、この保存活用計画というのは文化財保護法に基づきまして、史跡等の所有者または管理団体、これ県になるわけですが、保存及び活用のための具体的な措置の内容等を定められることになっておりますので、それを初めて定めたということでございます。「飛鳥宮跡活用基本構想」が平成30年から決められておりまして、このたびは保存活用計画、より具体的になったということでございます。そのような性格のものだということと、計画対象の範囲は地図がありますが、今まで保存のために公有地化をしておりましたが、そこそこ進んできたということも背景にございます。
そこからは、もう一つのポイントは、「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の世界遺産登録を目指しておりますが、「飛鳥宮跡」はその中の主要な構成資産でございます。20ほど構成資産がありますが、その中の中心地でございますので主要な構成資産でございます。保存活用というように文化財保護法がなっておりますのは、ユネスコ自身が変わってきておりますので、保存一辺倒ではなしにその意味をよく見るようにということで、活用ということはずっと入ってきております。とりわけ、この「飛鳥・藤原」については、表(おもて)に一目瞭然という建物がないわけでございますので、その地中に埋められた、特に遺跡や古墳でも散らばっていて統合的な意味が分からないということ、歴史の意味を知るのが活用の大きなポイントになるわけでございますが、この保存活用計画ではソフトを充実させて、その見えない歴史を理解してもらうようにしようということが大きなポイントでございます。ポイントは保存と活用ということになって、飛鳥でやりましたということが最初の大きなポイント、そこから世界遺産を目指している中での保存活用計画は、重要構成資産の中で大きな意味があります。国内推薦を得る後押しになる可能性がある。そこから理解してもらうためには、特に飛鳥のような見えない遺跡がある場合には、ソフトで理解を進めてもらう、ソフトの活用が大きな意味があると、そのように理解をしております。最後についておりますスケジュールには、今年の閣議了解この冬と書いてございますが、閣議了解を得るのが大きなポイントでございますので、それに向けての大きな弾みになることを期待をしております。
司会:
ほかに御質問いかがでしょうか。
産経新聞さん。
記者(産経新聞):
飛鳥宮跡の保存計画ですけども、国内推薦、世界遺産の国内推薦を得る後押しになるとあるんですが、非常に建物がないだけにインパクトがないという弱みが飛鳥にはあると思うのですが、その対策としてVRとかを挙げているのかなと思うんですけども、何か改めてアピールポイントというか、この計画の中で後押しするためのポイント、目玉というのを教えてください。
知事:
世界遺産登録のためのアピール、それほど下卑た考えはございません。世界遺産登録はこれをしたら通るよというところまで、そんなにインパクトはないと思います。むしろ、この保存と活用というのは大きな流れになっています。保存と活用、凍結保存からこの日本のような国でも保存と活用というふうに、もう踏み出しているのですね。保存一辺倒ということを、凍結保存ということでやって、ICOMOSはそう言っている、ユネスコがそう言っているという日本の学者さんが多かったのですが、ユネスコに行ってみると御本尊はどんどん変わってきているのですね。
保存と活用で、とにかく世界遺産登録に関係する項目では大事なことが2つあります、私の感じでは。一つは、保存についてトレーサビリティーという言葉ですが、保存する場合でもその現状のまま、木造建築物だと補修しないとそのまま保存するということは不可能です。石の場合はそのままでも、ヨーロッパは石文化でそのまま保存もできる遺跡も多いのですけども、木造だと必ず腐ってきますので、あるいは壁画でもそのままもう見ないで保存しようというのは、高松塚を見ないで保存しようということであれば保存はできるけども、何か分からないままというのが活用の分野との調整がつかなかったという苦い反省があります。そのときに、どのようにしましたかということを明確にしてくださいねというトレーサビリティー原則というのがあります。もう一つは、アカウンタビリティー原則というのがある。アカウンタビリティーというのは、説明力。これは何ですか、どのようなものですかと説明しないと分かりませんねと。特に、世界遺産に登録するのは、オーセンティックであると、真正であると。真正というのは、言葉として訳し方が変かもしれません。ほかにかけがえのないものですよということがオーセンティックという意味にあると思いますが、オーセンティシティーというのをアカウンタビリティーで補いなさいというのが基本的な考えだと思います。だから、保存と活用では、トレーサビリティーとアカウンタビリティーというのがキーワードだと思います。
そのような中で、飛鳥というのはアカウンタビリティーがなかなか十分ではないと。見えないもので、歴史というのはアカウンタブルにするというのがなかなか難しい。日本は、思い込みの歴史観というのが割とばっこしてきた歴史がありますので、アカウンタブルな歴史観、これは韓半島とか中国と今両方から言い争いのある分野ですね。その歴史のアカウンタビリティーというのが大きな要素。これは、文化財のアカウンタビリティーにも影響するということになります。佐渡金山もその例だと思いますけども、そのアカウンタビリティーというのも世界遺産登録の大きな要素で、それがICOMOSに行くとさらに大きな要素になるというふうに思いますので、そのような2つのキーワードでソフトについても証明していこうということでありますけども、そのソフトをどのように出すかというのは、これは知恵が要りますね。例えば、ここにないもの、類似のものが大陸にありますよ。サマルカンドにありますよ、中国の敦煌にありますよということを類似で出すと、理解は進みます。奈良の歴史、遺物はほとんど到来物です。到来物の元、源流はこうですよということを出すというのも、一つのアカウンタビリティーを確保する大きなソフト技術です。そのときに、ものを並べるというようなことをしなくても、映像で出すということは十分考えられます。そのような技術とか理解の仕方というのは、もう急激に進んでいます。日本はそのような活用が遅れているというのが、反省をもっとしてもいいかと思います。そのようなデジタル技術の活用を併せた飛鳥理解というのを進めようというのが基本的にありますので、それは世界遺産登録に向けたはずみにはなるように思いますけど。というのは、到来物である、国際交流の結果、奈良に到来されたものだというのは本質的な価値につながると私は思いますので、すると源流がどんなものだ、源流は何かと。源流が存在しないものが奈良には残っているというのが、また大きな意味になると思います。しかし源流は、物はないけども記録はあるというものがあったりいたしますので、それも大きな意味になります。日本の値打ちの中で、到来物を大切に保存して血となり肉とするというのは、日本の文化の特色だと思います。そのようなのもオーセンティックな日本文化ということの証明になろうかと、私は思います。
記者(産経新聞):
VRを使って、宮廷生活を体感できるという。
知事:
宮廷生活というのはどういうものかということの説明が要りますよね。こう書いていますけど、宮廷生活といっても大極殿のような大きな屋根瓦はなかったのですから。かやぶきの屋根で天皇陛下が住んでおられたのですから。その宮廷生活と書いていますけども、かやぶきに天皇が座っておられるVRが出てくるのではないかと私は思いますけど。それはどのように出てくるか分かりませんけども、それは想像と違う、日本人が一般に想像しているのとは違う宮廷生活になるはずであります。
記者(産経新聞):
今、学術で分かったところを、VRで表現するというようなイメージですよね。
知事:
昔の想像は分からないですけど、高松塚の衣装、高松塚美人の衣装がありますね。あれが宮廷美人、日本の宮廷美人なのか、中国におられた美人を模写しただけか、大きな論争があります。日本の宮廷であのような服を着てされていたのかというふうに、早とちりはできないですよね。その実証の絵なんか、あの壁画というのは物すごく値打ちがあります。それが飛鳥での日常生活、日常宮廷生活であるということが分かればすごいことだけど、そうではないのではないかという説も有力ですので、すると中国の宮廷なのか、どこの宮廷なのか、混ぜこぜなのかと大論争がありますけど、あのようなものが残っているというのは奈良の大きな特色です。色彩壁画は、あの2例しかないわけです。日本で2例しかない。外国にもほとんどないわけで、すごい値打ちがあると思います。その値打ちを、例えばデジタルで高松塚とかキトラの壁画を、色彩壁画をVRで外に出すということは十分考えられると思います。
記者(産経新聞):
分かりました。ありがとうございます。
【発表案件】県民限定 宿泊等割引「春のいまなら。キャンペーン2022」実施期間について
知事:
続けて2つ目の発表資料について申し上げます。
「春のいまなら。キャンペーン2022」という1枚紙、横書きになります。対象は、奈良県民限定の割引であります。実施期間は、この4月15日からということにさせていただきたいと思います。6月30日までの約2か月ということでございます。最大3割程度、ここにプランの料金のランクがありますが、2,500円以上から2万円を超えるのまでの4段階のランクがありますが、最大3割程度の割引、そこからワクチン3回目接種済証の提示があれば4割割引というのが特徴でございます。対象は、宿泊について認証制度を取得されているということを前提にしております。認証制度のある宿泊施設は、感染防止が徹底されているということが証明できますので、またこのようなキャンペーンの中で認証取得の意味が発生をするということになろうかと思っております。
なお、この4月15日からは、滋賀県も同じように開始をされるというように聞いております。発表は明日になると聞いておりますので正式のことではございませんが、開始準備の歩調を合わせる結果になってきていると認識をしております。
司会:
ありがとうございました。
それでは、ただいま発表いただきました案件につきまして、御質問のございます方は挙手にてお願いをいたします。
NHKさん。
記者(NHK):
「春のいまなら。キャンペーン2022」についてお伺いしたいのですが、今コロナの感染状況が県内でも下げ止まりをしていて、地域によってはリバウンドが見られるような状況も発生している中で、今回「春のいまなら。」を実施されるということですけども、なぜ、このタイミングで実施されるのかということについて改めてお伺いしたいのと、コロナの再拡大への懸念はないのかというところについてお伺いできますでしょうか。
知事:
このようなキャンペーンのタイミング、またその環境の認識ということになりますが、コロナの感染が例えば、花見に行ってはいけないというときに、「花見に行っちゃいけないよ。」と言わないで、「気をつけて行きなさいよ。」と、刻々と変わっているわけです。行動指針というのは、はっきりしないのが外国でもそうなのですが、日本でも同じことでございます。奈良県もそのような傾向がありますが、コロナと共生する社会経済活動というのが大きなテーマでございますので、その防止対策の徹底と社会経済活動の維持というのが大きなことだと思います。奈良県では、県民の方に県内の安心なところに行っていただきましょうというのが、この「春のいまなら。」の大きな要素でございます。
しかし、そのような配慮をしていただいて安心なところへ行っていただくということになっても、あまりすごい勢いで伸びているところはやはり控えたほうがいいでしょう。今は、どのように表現されるか分かりませんが、まだ感染が日々発生していることは確かでございますが、下がり気味でございます。ピークは過ぎたということは思います。ピークは過ぎましたが、下げ止まりと表現されるのか、もう少し下がる予定と表現されるのか、これは分かりません。分かりませんが、ピークは過ぎた状況であろうことは間違いないと思います。そのような時期でございますので、今、この時期でということはピークは過ぎた時期ですということが端的な答えになろうかと思います。
それと、感染防止を徹底した上で、感染防止を徹底されている認証施設を御利用くださいということでございます。感染防止の徹底の中には、日頃のマスクとかそういうのもありますけど、ワクチンというのも大きなことでございます。3回目を打っておられますと割引率を上げるというのも、そのような意思の表れでございます。そのような状況の中での、今なら県民の方への社会経済活動を取り戻していただくというのが大きな目的になろうかと思います。社会経済活動の振興というところまで、奈良県はあまり意識はございません。社会経済活動を用心をして取り戻していただくというのが、基本的な気持ちということになろうかと思います。
以上です。
記者(NHK):
ありがとうございます。
司会:
ほかに御質問はいかがでしょうか。
奈良テレビさん。
記者(奈良テレビ):
先ほどの「春のいまなら。キャンペーン2022」の件で追加でお聞きしたいのですが、例えば、これから感染者がすごく増えたりとかした場合に、以前の「いまなら。」のようにちょっと停止したりとか休止したりとか、まだ始まっていないので分からないと思うのですが、そういった可能性とかはありますか。
知事:
例えば、想像ですけども、ピークは越えるような勢いで急にリバウンドが激しくなったときは、やはりちょっと考えなければいけないと思いますが、だから、そういう停止ということもあり得ると思いますし、何が何でもやるよということではないということでございます。
ただ、用心しながらということは「春のいまなら。」を打ちだすほうも用心をしながら、行っていただく方も用心しながら、そのような環境であろうかと思います。用心しながら社会経済活動を取り戻してもらうというのが基本的な精神でございますので、もちろん用心しながらということでございます。
【発表案件】第7波に備える対策の確立について
知事:
次は、第7波に備える対策の確立という点について経過報告でございます。
第7波に備えた対策を確立したいということでございます。今まで、奈良県がやってきた延長になりますが、奈良県の感染対策の特徴は2ページ目に書いてございます。分析と事例研究を中心に対策を練ってまいりました。それに基づいて、医療・介護関係者と非公開を含めまして意見交換を数度してきております。それで、意見交換でポイントがフォーカスされてきており、これがポイントではないかということが明確になってきておりますので、それを基に第7波に備えた方針を今月中、連休前になろうかと思いますが、決定して実践に移したいと思います。それに向けての結果報告ということでございます。どういう対処方針になるのか、その項目をアウトラインとしてお示ししているのが、今日の発表になろうかと思います。
3ページ目、対策のポイントでございますが、療養先トリアージという項目になっております。新型コロナに感染された方が、感染症法による原則入院でいいのか、あるいは自宅、あるいは高齢者施設で療養されたほうがいいのかというようなことを問題提起をしております。国の基本方針は、原則入院ということになっております。これは、感染症法の基本方針を受けてのことでございます。ただし、医師の判断によっては入院させなくてもいいよ、そのただし以下が曖昧でございます。具体的に、現場感覚でどのような場合に入院させ入院させないほうがいいのかということを、奈良県では確定をしていきたいという意思を持っておりますが、これについてはトリアージというステージの作業になるわけですが、医療関係者の方と意見を重ねております。今まで出てきた意見を1パラグラフに書いてございます、感染軽症で基礎疾患重症というのは入院させるべきかというような問題提起を私からしております。それについて、医師の関係の方もやはり曖昧なんですけども、具体例を検証して、このような場合は自宅あるいは、それまでおられる高齢者施設のほうがいいのではないかというような事例を参考にでも挙げられたほうがいいのかなというような、事例研究を中心にしてきた奈良県でございますので、そのように考えております。
それをまとめますと、新型コロナに感染されても高齢であったり基礎疾患がある場合には、どのように判断をすべきかということについて県内の医療関係者の今までの意見は、ADLという日常生活動作の状況を判断しなさい、基礎疾患の状況を判断しなさい、療養に伴って環境変化、うつると認知症の方が増悪するケースも見られますので、そのような影響も考慮して療養先を選定することが重要であると、この1パラグラフに書いてありますことは県内の医療関係者がそのように意見を言っていただいております。では、具体的にどうするのかというのが、この対策の中のポイントになろうかと思います。
また、そのような判断を、トリアージをした場合、これまでの検証をして今後のことを考えるという基準を整理したいというのが今のことでございます。具体的な事例に基づいた奈良県基準を整理していきたいと思っております。その際は、入院先は実は認知症対策あるいは看護対策は新型コロナ病床で十分かどうかというような議論もございます。病院でございますので、新型コロナ病床にはそのような看護師とかを集められるわけでございますけども、県立病院などの大きなところは集められるんですけれども、中小病院で新型コロナ病床を持っていただいている方々は、そこまでできるのかというのが実は課題としてあります。認知症の方が入られて、認知症対策のいろんな話かけなど個室でできるのかというような課題がございます。その病院のキャパシティといいますか、サービスの提供の仕方にも関係するトリアージの方針を決めていかなければいけないということに、問題意識を持っております。
4ページ目の2つ目でございますが、それでは自宅とか高齢者施設にいるほうがいいですよというトリアージができますと、そのときはそれでも新型コロナ感染者がおられますと医療提供をどのようにするかということが課題になります。自宅とか高齢者施設でも、今までにパルスオキシメーターとかいろんなものを提供しておりますが、それは家族の判断に任されているわけでございますので、より頻繁に医師、医療サービスとの連携が必要でございますし、訪問というのが必要であろうかと思います。「自宅での療養は医師会に任せてください。」と会長がおっしゃったんですけど、「どのようにされているんですか。」「それで大丈夫ですか。」という問いも併せて発しております。具体的な事例を基にして、遺漏がないですねということを確認したいということ、疑っているわけではございませんけども、具体的にということが大きなポイントでございます。
医療提供体制の整備は高齢者施設でも同じことでございます。高齢者施設では、施設医師がおられるわけでございますが、感染した場合の他への感染をしないようにということの配慮もまた合わせているわけでございますので、医療提供と感染防止を両立させるという課題があると思います。自宅の場合は家族で囲われてますので、家族への感染ということはあると思いますが、その課題があると思います。そのときに、ここのポイントにしておりませんが見送りというのもどうするか。病院で入院されて亡くなられた場合、家族の見送りができないというようなことも出てきております。自宅で見送りたいという方の御意向があるときに、どのように判断するのか。感染症法、原則入院ということで、ただし医師の判断でということになりますが、その医師の判断にこのADLとかだけではなしに、御家族の御意向ということをどのように反映させるかということもポイントになってくると思います。事例を検証して、どのように判断をすればいいのか、県内の医療機関と協議をして対処方針の確立に向けたいと思います。
3つ目は、それとも関係いたしますが、病院のクラスターと高齢者施設のクラスターがより深刻だと思います。ほかもございますけども、県は幸いにして笠原感染症センター長(奈良県立医科大学附属病院)が感染マニュアルを今つくっていただいております。また、クラスターが発生した現場に行って感染指導をしていただいております。先ほど申し上げました、医療・介護関係者との協議にも笠原先生は再三再四参加をしていただいております。大変、貴重な御意見をいただいております。その中で出てきた意向、意見でございますが、1つは笠原先生の実証研究の結果で、高齢者施設、病院に入ってくる感染の第一は職員がほとんどであるということが言われております。職員の方の持込みということ、そのときに、その日で対処するのか、3日後で対処するのか、クラスターになるかならないかの分かれ道だというようなとこまで奈良県の事例研究は進んでおります。
また、そのようなことを踏まえまして、施設ごとの実践責任者を登録したらどうかという意見も出てきております。施設には、火災責任者ということを決めなければいけないということが定められております。コロナ感染症対策法や基本方針には定められてございませんが、奈良県では感染対策マニュアルを笠原先生につくっていただいて、それを実践する実践責任者を登録していただくということのアイデアが出てきております。そうすれば、実践責任者等がそれぞれほかでクラスターが発生したときの知見を共有するということが大きな役目になりますので、そのような体制ができるかどうかというのも1つのポイントでございます。笠原先生の作成、監修のマニュアルというのも1つの方針の元手になるというふうに思っております。奈良県では、笠原先生が事後監修をしていただいて、現場によく行っていただいております。それが、事前の慣習につなげられないかということが課題でございます。
4つ目の対策のポイントと考えておりますのは、ワクチン4回目接種の早期展開でございます。国から3月25日に通知が参りまして、4回目接種に向けての準備を2か月程度を目途にということは、5月末を目途に完了するようにという通達が来ました。ワクチンの供給もしますよということだと思いますので、4回目接種体制の構築を進めていきたいと思っております。奈良県の3回目までの接種実績は、近畿で2番目、全国で15番目、接種者の中ではそのような実績でございます。接種率は、44%になっております。また、高齢者については84%になっておりますのと、全国10位、近畿2位の実績でございますので、接種体制の実績はございますのでワクチン4回目の接種についても、早期展開を図っていきたいというのが4つ目のポイントになろうかと思います。
5つ目は感染防止対策の徹底ということになりますが、感染防止対策については、それぞれの方が笠原先生のおっしゃるような配慮、ソーシャルディスタンスとかマスクとか換気とか消毒、この4つでございますが、その4つを気にされるのが基本になろうかと思いますけども、それぞれの活動があるところでの行動指針をなるべくお示しして、その中で実践をしていただくのが人が集まる場合、イベントとか学校などについては大事かと思いますので、そのような感染防止策を参考にお示ししたいと思います。
しかし、感染防止と社会経済活動の両立を図ってくださいというのを基本方針にするということになろうかと思います。経過の御報告ということになりますが、連休前に対策を確立できるように、これからも関係者と協議を進めたいと思っております。
私からの発表案件の説明は以上でございます。
記者(奈良テレビ):
すみません。今現在の感染状況はピークを過ぎたということなんですけども、全国で見るとオミクロン株のBA2への置き換わりとか確認されているところもあります。奈良県については、どう分析されているのでしょうか。
知事:
オミクロン株の正体はデルタと随分違ってきている。またオミクロンの2番バッターが出るというようなことで、今までの感染症対策は株の正体が分からないまま右往左往している。株の正体はこうだからと決めつけられないというのが特徴でございます。株の正体については、昔、かっけの原因はビタミンB1不足だったかどうかというのを引き合いに最近出すんですけど、正体が分かるまで何十年とかかっているんです。昔、理論派のお医者さんである森鴎外さんなんかが陸軍の中心にいて、陸軍はドイツ式のかっけ対策を行っていたわけですが、ところが海軍はイギリス式で、経験として、例えば、白米を食べずに麦飯を食べていれば、原因は分からないけどもかっけにならない、というのがイギリス海軍のほう。日本陸軍はドイツ陸軍のやり方を取って、日本海軍はイギリス海軍のやり方を取って、海軍は発生しなかった。陸軍は発生した。ちょっと長い話になって恐縮ですが、正体が分からないままに対応しなければいけないというのも感染症の特色で、何年も先になったら原因はすぐに分かると思います。それは、社会の現象を見て身を守るということになると思います。皆さん方が、感染者が増えると国が言うまでもなく外出自粛を自然とされています。強制的にやるか、判断してやってもらうかという違いはあると思いますが、こういう感染症危機のときの社会とのコミュニケーションの仕方というのは、国によって特徴はあるんだなというように思います。あまり、こうだと決めつけてやるのは経験主義からすると私はあまりよくないと、経験に基づいてこうなっているからこうしたほうがいいんじゃないかということを、会話するというイギリス式のほうがいいんじゃないかというように思っています。すると、原因や正体が分からないと何もできないのかということではなく、どのように感染が広がっているかということを、専門家の方に統計を読んでいただいて、専門家の方が陸軍主義ではなく海軍主義であることを望みますけども、経験から判断するというのが今、一番大事なことだと思います。
奈良県においては、「いまなら。キャンペーン」もそうですけども、いろんなことを経験に基づいて判断しましょうと、そのときの経験はこのように読んでいますから御理解いただきそれに沿って判断しましょうと。根拠は、と言われたら、オミクロン株の性質は分かっていないままでの社会の移り変わりの中での判断ですから、というように理解していただくしかないかなと思っています。
ちょっと長い説明で申し訳ございませんでした。テレビなのに、長い説明をするとよくないですね。
記者(奈良テレビ):
ありがとうございます。
司会:
よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御質問はいかがでしょうか。
読売新聞さん。
記者(読売新聞):
コロナの第7波に関しての対策に関して、総論としては特に特別に異論があるわけではないんですけども、具体的にどう落とし込んでいくかというところで言うと、例えば、療養先トリアージは恐らく保健所の方とかが判断されていくことになろうかと思うんですが、例えば現状でも発生届の際に基礎疾患の記入がないとか、こんなに患者が多くなったときに基本的な情報が県や保健所に入ってないんじゃないかと思うんです。そういった中で、十分なトリアージができるのかどうかという、その辺りの検証はいかがでしょうか。
知事:
このトリアージとか療養先の決定は、国が感染症法に基づいて原則入院と書いてるだけなんです。あとは、みんな現場にお任せなんです。日本では医師が、能力があるかないかにかかわらずオールマイティですから、医師が行きなさいと言ったら療養先が決まる訳ですが、日本では感染者に対して強制するということができませんので、勧奨するということになります。入院拒否という手もあるわけで、実際に入院拒否をされている方もいらっしゃるのと、入院先がいっぱいで全ての患者さんが入ると全病床を使っても間に合わないという県が何府県もあります。そのような状況の中での判断ということでございますので、具体的な判断はどうするのかということになると思いますけど、奈良県のやり方は、事例を重ねてその判断がどうだったのかという結果をもとに、現場に判断してもらうというやり方になるのかなと思っています。
一括して判断基準を書くと、国の判断基準のように曖昧にならざるを得ないわけです。結局、一言で言えば現場の医師の判断ですよと言っておられるような判断基準なんです。感染症の基本方針は毎月といってもいいほど変わってるんですけど、それを何度見てもよく分からないです。変わった意味もよく分からないので、奈良県ではトリアージの事例研究、その結果について千差万別の可能性がございます。全死亡者、あるいは全高齢者についてその事例研究をしたわけではございませんけども、死亡者については全死亡者の事例研究をするようにお願いをしておりますけども、そのような事例研究からもたらされる知見というものがあるんじゃないかというように信じております。それが、その事例の結果に基づいて、イギリス流で経験則的に判断するのがいいのではないかというように思います。ドイツ流というのは、陸軍が学んで理論先走りだったと、今は100年も経って言われておりますけども、経験に基づいて事例を分析して共有するというのが、相手の正体が分からないときには大事かなというように思っていますので、どのようにやるのかということについては、事例の内容によって判断の元手になるような事例の分析ができたらと思っています。まだどのようにというのは私自身も分かりませんし、現場のお医者さんに何度かどういうトリアージがいいかといったことを医療との会話で数度聞いております。曖昧ですね。現場で事例をされた方の判断を尊重するというのが、それを分析して尊重する。それを分析して知見化するというのが、奈良県のやり方として行っていきたいと思っております。
その1つの知見になっておりますのは、感染症法で感染症の死亡者というのが統計がございますけど、死因を判断するのはお医者さんの大きな権限と責任ですが、奈良県のお医者さんたちが死因がコロナ感染症じゃないということを明確に記載されているのが、4割、最近は45%ぐらいあるわけです。そのような方々を、結果で分かるだけなんですけども、入院を強要していいのかどうかというのは私からの問題提起の動機になっています。お医者さんも事例がないと判断できませんので、事例を集めるのは行政の大きな役割でございます。また医療関係者に分析していただき、その結果がよくなるように、知見として尊重できるようになればというように思っています。まだ、ちょっと事例が集まっていませんので分かりませんけども、この対処方針確立までにそこそこ事例が集まればと思っています。まだ、そのような段階での報告で申し訳ございません。
記者(読売新聞):
まだ決まってないということですけども、例えば現場の診察したお医者さんがこの方はこういったトリアージをしたらいいんじゃないかというような、何か所見をつけてということもあり得る。
知事:
その現場でされるトリアージが、どのような基準でされているのか。そのいい判断の材料になるのは、分析の結果を持ち込むのが一番だと思います。それがないと、その場で患者さんの様子で全て分かるか、そういう立てつけはちょっとおかしいと思います。お医者さんはみんな、統計で診断されています。このような場合は、このような結果になる確率が何割、例えばよく手術をすると生存率何割ということまでは、その統計があるからお医者さんが言われるんです。あなたが入院すると、悪化するのは何%というようにもし出れば、お医者さんの判断に資するというように思います。現場で、その人だけを見て判断する能力があるお医者さんは、世界にほとんどおられないんじゃないかと思います。そのようなデータがあって判断されるというのが医療の常識だと私は思いますので、そのような判断に資する材料を分析をして持ち込めないかというのが、繰り返しでございますけども願いでございます。
記者(読売新聞):
分かりました。ありがとうございます。
司会:
ほかに御質問はいかがでしょうか。
産経新聞さん。
記者(産経新聞):
今の関連なんですけれども、トリアージというのをどのタイミングでするのか。つまり、最初に保健所のほうから振り分けられると思うんですけども、その段階なのか、それとも入院なりした後にまた適切なほうに振り分けるのか、今のイメージを教えてください。
知事:
今のトリアージのタイミングは決まっております。まず、感染されたという報告があります。それは、医療機関から保健所に報告があるんです。保健所に報告があると、保健師なり保健所の医師がその様子を聞きます。そして、この人を入院させるべきか、そのまま在宅あるいは高齢者施設にいるべきかという判断を、保健所を中心にするというのが原則になっております。だから、入院判断については、その感染症が分かった時期というのがトリアージの原則であります。そのときの判断を、どのようにしてもらうかというのはここの療養先トリアージの基本のタイミングということでございます。
記者(産経新聞):
となると、読売新聞さんも質問されていましたけれども、その感染された方の情報というのがもともとないと判断ができないということになると思うんですけど、その辺りの体制も考えていくということなんですか。
知事:
そのときの判断は、いろんな事例のフィードバックをしないと判断できないということを繰り返し申し上げているんです。その場で判断して、その後の入院した人と入院しない人の療養の経過についての知見を集めて戻すというのは、医療の原則だと思います。それをしないと戦争には勝てませんよ。日本の戦争はその場主義でやっていたから勝てない。スコア野球と同じです。バントしたら進めるのか、そうやって勝つ作戦なのか、その確率でアメリカンフットボールでも野球でも、確率を見て判断されている。確率判断だと思いますけど、その確率がより正確になるように、その事後の知見を事前の判断に戻していく。クラスター対策もそうですけども、これだけ長年コロナ感染症の対策をしているわけでございますので、その知見が随分集まっているわけで、その知見の分析というのが国でもしていただきたいのですけれども、まん延防止もそうですけれども、効果検証ということは一番大事なことでありますけれども、ここのトリアージの効果検証というのも十分、これは現場に近いところでしてトリアージの現場に戻すというのが一番大事なことであろうかと思います。大鉄則ですね。
記者(産経新聞):
無知で恥ずかしいのですが、コロナ患者が出て保健所が療養するか判断すると思うんですけども、その際というのは判断するときに医師の判断というのは働いているんですか。
知事:
医師の判断で、原則入院を解除してもいいよと、基本方針に書いてあるわけで。
記者(産経新聞):
つまり、その方が感染が分かった段階で。
知事:
感染が分かった段階で、トリアージとしての隔離というのは感染症の大きな要素です。隔離しなさいよ、入院即隔離ということが基本になっています。隔離すると、患者さんを増悪させるんじゃないかというのが私の問題提起です。
記者(産経新聞):
このトリアージというのは、いつから始めようとかという、まだ具体的にいつから始まるというのはないと思うんですけど、めどとしてはどのぐらいから。
知事:
感染が分かったときにトリアージという作業が始まるというイメージですね。
記者(産経新聞):
まだ、トリアージやってないんですよね。トリアージってまだ奈良県ではやってないんですよね。まだ奈良県はやってないと思うんですけど。
知事:
毎日やってますよ。トリアージは。保健所で毎日やってます。
記者(産経新聞):
申し訳ございません。
司会:
毎日新聞さん。
記者(毎日新聞):
第7波の医療提供体制のことなんですけれども、自宅や高齢者施設で続けていただけるように体制は充実しますということなんですけど、具体的にはどういうことを考えておられるんですか。
知事:
まだ、私どもで考えているわけではなく、医師会がお任せしなさいとおっしゃったので、どのようにされてるんですかということから始まっています。今までに分かっておりますことは、医師会が訪問医療として、訪問して抗体を打つのも随分お金がかかるんです。すると、御家庭が訪問してくださいとおっしゃらないかもしれない。自宅での医療はオンデマンドでやりますよというのが基本になっています。すると、お任せするということはどういうことなのかなと思って、毎日訪問していただけるんですかというと、それほどでもないような感じです。お任せしても、毎日訪問されるというわけではない。しかも、自宅療養者は8,000とか9,000人おられるわけですので、どのように自宅へ訪問医療というものを届けるのかということは、現実的にもなかなか難しいのかなと思って、どのようにされているんですかということは問いかけています。その実績も、どのようにしているから安心ですよということを言っていただくのを期待しています。それを集めて、このようにされているのと、地区医師会では地区によって随分違うかもしれません。人口の多いところは、なかなか訪問できない。あるいは訪問医療も割と充実している地域もあるものですから、その延長で感染者がおられる御家庭はお医者さんが断られる場合もあると聞いておりますので、そのときには行ってくださいということが確実になるかどうかというのも関心の1つです。来てくださいと言っても、来てもらえるかどうかと心配される場合がある。特に増悪するときの家庭の判断よりも、看護師の判断、医師の判断のほうが信頼感が強いと思いますので、その増悪の兆候というのをどのように見て、入院のように医師、看護師がそばにいるわけではございませんので、その御自宅におられるほうがいろんな居住環境、ADLである日常生活環境がいいということが望まれているような感じでありますので、入院されると日常の生活環境が悪くなるとみんな思っておられるようでございますので、すると日常生活環境を維持しながら安心な医療が、医療というのは医療の判断ということになりますけども、例えば電話で診療してもらえるかというようなことも大きな課題、テレ診療と、これ医師会が反対されている項目でありますけども、そのような課題は発生しているんです。テレ診療をしないと、なかなかこの際できないのではないかという問題意識は、こちらは持っておりますけども、大きな方針のバッティングにも発展する可能性もありますので、しかし、そのようなことはしなくても大丈夫であればもちろんいいんだけど、しかし、テレ診療というのはお医者さんにとっても大事かと言われている項目でもありますので、この際、コロナ感染御家族へのテレ診療ということをどうしますかというのは、1つのポイントになると思います。そのようなことを、対話を重ねて勝手に言えばできるという国でもないですので、会話を重ねてできることを対策の中に盛り込むというしかないと思っています。
記者(毎日新聞):
例えば、宿泊療養施設に県のほうは、中和抗体薬の点滴できるような体制を取られましたけど、同じく高齢者施設にドクターが出向いて点滴ができるような体制を手助けしたりというような、そういうことも。
知事:
そういうことは可能かと思います。
記者(毎日新聞):
考えているということでいいんでしょうか。
知事:
それは、具体的に考えられる現実的な方策だと思います。いずれ、この連休前にはこのようなことができるんじゃないか、しましょうねというような方針で出てくると思いますけども、まだそのようなことは考えられるような気がいたしますけど、考えているかと言われるとまだ考えていませんという、取りあえず形式的な返事をせざるを得ないですけど、やっぱりお医者さんとの対話にしないといけませんので、有益なことは実証しようと、行おうというのが奈良県の方針でございますので、そのときに国の方針のような曖昧なままではいけない。具体的に、実行できるような方針にしたいなと思っていますが、そのためには現場との対話というのが欠かせないと思っています。幸い医療関係者、何度も対話に応じていただいておりますので、対話はいろんな意見が出ておりますので、またこういう意見が出たよということをその都度、切り抜き報道というのはあまり望ましくないと思いますので公開しておりませんけども、私の感触では大変有益な意見をその都度いただいております。決め手になるかどうかは、会話を重ねる必要があるのかというのがこれまでの感触です。
記者(毎日新聞):
それと、先ほど知事がおっしゃった家族の見送り、みとりですね。これは確かに、いろいろ問題というか話に出ることがあるんですけど、知事はどういうふうにしたいなと考えていますか。
知事:
これも難しいですね。家族の見送りの中で、本人は身近な人の見送りがあったんですけども、コロナの感染じゃなかったんだけども、病院がコロナ感染防止のために家族のお見舞いを禁止していた病院だったんです。愛知県ですが。そうしますと、最期をみとれなかったと、そばにおれなかったということを遺族は悔やんでおられました。そのときにどうするのかと、家にいれば当然みとれるわけなんですけども、ほかの基礎疾患で入院されたものですから、そういうことがあった。コロナではないのだけども、コロナがある状況だからお見舞いは困りますよと言って禁止されている病院だったんです。それは、そういうこともありますので御家族の希望で、しかし基礎疾患で重篤化したときは家というわけにはいかないから、やむを得ないと思いますけども、しかしそのときにみとりができるのかということは大きな課題だったと思います。まだ報道だけでしか知りませんが、葬儀屋さんに感染症の亡くなられた方との面会を、これは経験ではないですが報道だと、病院から火葬場に直行されて家族のお見送りもできなかったと、骨だけが帰ってきたというふうに嘆いておられる御遺族もおられましたので、そういうことのないようにということを葬儀協会に言われると、葬儀場での感染症防止というのはしていませんから、それを担当に聞いて、遺体からは感染するのかどうかということを聞いている。すぐには分からない。遺体から感染するのか。あるいは遺体に感染しても、それはいいでしょとは私は思いますけども、亡くなっておられる方への感染というのはそもそもないかもしれません。生きている生体にしか感染しないかも、遺体から感染するのか、それもそういう研究もまだできてないように思いますので、それがあると遺体との御面会というのは骨になる前に可能かどうかとも思うんですけど、そこまで奈良県の基本方針に入らないと思いますけど、そのような事例があるので話題にして対話をしているテーマにはしているんですけども、それは葬儀の仕方ということにもなりますし、お見送りのときの病院の対応ということにもなりますので、病院の対応になるとこちらのもし意見がまとまってくれば、このようにできますかということになろうかと思いますが、これも試行錯誤といいますか、あまり考えていなかった事例でもあろうかと思いますので、今、奈良県ではやっと対話が始まったばかりというような感じです。
記者(毎日新聞):
クラスターの実践責任者の登録制にしたらどうかということですけど、これは新しい対処方針に盛り込む方向で。
知事:
これも関係者と、例えば高齢者施設で多分おられると思うのですけども、それが曖昧なところだと襲われる可能性もあるので、責任を明確にされたほうがいいですよというような気持ちです。すると、その人が責任者であれば、誰か事務局長か責任者であれば、その人に検証したりする活動ができます。このようにうつったので、皆さんこのように気をつけましょうね。笠原先生が、その場その場に一々行っていただいているんですけども、まとめて実践責任者を集めてこのように気をつけましょうねと、マニュアル徹底をお願いするというのも効率的ではないかなというように思います。これも、もし全部でなくてもそういうようなことをやりますよという数がそろえば、できるのではないかと思ったりしています。
記者(毎日新聞):
これ、対処措置に盛り込みたい。
知事:
中に入ってくる可能性はございます。
記者(毎日新聞):
ありがとうございます。
知事:
これも、関係者と議論しなければいけない。
担当部局:
1点補足ですが、高齢者の施設での医療提供体制の関係ですけども、これまで施設費ですとか、地域の連携している医療機関の先生方に中和抗体薬の投与などをやっていただいていたんですけども、上乗せでそういった御協力がないところについて往診で行っていただけるように、医師会の先生方に御協力をお願いしておりまして、近日中にその仕組みについての文書を発出させていただく予定です。
報道といいますか、関係する機関に対して発出させていただく予定です。間もなく整いますので、補足とさせていただきます。
記者(毎日新聞):
高齢者施設についてということですか。
担当部局:
はい。そのように考えていただければと思っています。
記者(毎日新聞):
ありがとうございます。
知事:
対話していますと、知恵がちょっとずつ進むという実感がございます。これは、国の基本方針でそこまで詳細な基本方針が出てきませんので、現場で考えて実践するということしかないかというように思います。現場で考えるのは、ドイツふうの理屈で考えるんじゃなしに、イギリスふうの経験で考えようというようなことを、そのような経験則を大事にしようというのが奈良県の方針でございます。
司会:
よろしいでしょうか。
ほかに御質問はいかがでしょうか。
読売新聞さん。
記者(読売新聞):
コロナの件でもう1点。ずっと知事が指摘されていますけども、コロナにかかっているけども別の病気が重たいという患者のケースがすごく多いというか、非常にあろうかと思うのですけども、その現場の医師の声、要望等はいかがなんでしょうか。どうしたらいいんだというような、その辺りの知見というのは既に幾つか出ているのでしょうか。
知事:
現場というのは、その現場の出てくる事例の統計を集めてやっていますと、今おっしゃったようにコロナ軽症、基礎疾患はいろいろあるんですよね。心疾患から腎臓疾患からいろんな基礎疾患、高齢になるとお持ちでありますので、それがおありになる方の扱いということは先ほどのトリアージの基本的な、それを現場でどうされているんですかということを問いかけているんですけども、病院協会とかの現場でちゃんとやっているでしょうみたいな、最初はそんな返事だったのでもう少し教えてくださいよということを突っ込んで聞き始めています。それは、協会長とか医師会長とかその役職の上の人は現場をどこまで知っておられるのかなと思ったりもするので、現場の事例というのは何よりも貴重な事例でありますので、それを集めてそれを参考にして、その対処の方針にならないかというのを繰り返し言っていますけども、基本的な経験を集めて分析をして対処に結びつけられないかというのが基本的な方針です。
国の基本方針は、極めて曖昧、原則隔離、原則入院、医師が云々でしなくてもいいと、そういうことが毎月ほどフレーズは変わっているんですけど意味の分からないような変化ですので、なかなかそれに従って判断と文章を眺めていてもなかなか答えが出ないので、現場の事例がたくさんありますので、それを集めて分析しようということをやり始めています。まだ完成しておりませんが、それを対処の方針化できないかというのは基本的なことです。だから、そのようなこと、お医者さんはオールマイティだけど1人のお医者さんではできないですよね。そういうトリアージをしたりみとりをしたりするのは、何件かぽつんぽつんとあるわけです。それは、毎日とか1週間、一月見ていると、この地域だけでも随分何十、百とあるわけです。それを集めて分析をするという役目は県にあるんじゃないかなというふうに思っています。そのような作業をしておるという報告にもなっております。
記者(読売新聞):
何か例えば、コロナを併発したことによって、その本来より命に関わる病気の治療が滞ってしまうとか、そういう事例とかもひょっとしたらあるかもしれない。
知事:
そのコロナにかかって、基礎疾患の治療を継続されている方の、コロナにかかったことによって本来あるべき治療が阻害されることがあるのかどうかというのは、今おっしゃるような大きな課題です。まして、入院させると、例えば認知症なんかでははっきり言われているんですけども、認知症では毎日話しかけておられるんだけども、コロナ病床になると放ったらかし、放ったらかしというと言葉は悪いけども4人部屋でずっと置いておくようになる。これは、入院させて環境が悪くなったんじゃないかということを、こちらからはそういう事例が伝わってきますので、それでいいんですかということを聞いたりしています。多分、今の現場ではっきりとした返事じゃないんですけど、やむを得ないでしょうみたいな感じにあるものですから、それはもう少しはっきりさせて、例えば認知症とか行動制約、リハビリ、毎日歩いているから認知症も進まないし、歩行なんか入院させると歩行の介添えも要らなくなるし、一挙に足腰が弱ってしまうんですね。入院というのは、割と体力に影響します、そのまま寝なさいと。ほかの病気だったらそういうこともありますけども、基礎疾患でもそういうような治療をしながら日常生活との兼ね合いを、高齢者施設とか認知症の施設とかでされて、リハビリの施設とかでされているわけで、自宅でもされてるわけで、それを壊して入院としたら環境悪化につながってないかというのは、私の大きな関心事項です。現場に下ろしても、なかなかはっきり返ってこないです。悪化させたと、もう言いたくないのは当然だと思います。事例を集めますからということで、お願いをしております。それで、このような事例は今のままで感染症の対策、うつさないという対策なども含めてするのと、従来の医療については継続するというのはいいのかなと思ったり、これは素人の感触でそのようなことを投げかけていますが、はっきりした返事をもらうまで、もう少し議論が要るのかなというような感じです。
記者(読売新聞):
ありがとうございます。
ガストロノミーツーリズム世界フォーラムの開催延期について
司会:
ほかに発表案件の関係で御質問はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、その他のことも含めまして御質問がございます方は、挙手をお願いいたします。奈良新聞さん。
記者(奈良新聞):
ガストロノミーツーリズムの世界フォーラムの延期についてお話を伺います。まず、延期に関する受け止めと、あと今回延期になったんですけども、ただ裏を返せば準備期間が半年増えるということで、今後どのような取組で参加者をうまくお迎えしてどのようなことをするのかというのを教えていただければと。
知事:
ガストロノミーツーリズムの世界大会というのは、6月13日~15日の予定だったのがコロナ、日本のコロナだけではなしに、外国から来られる方の入国が十分ではないかもしれないということの配慮もあって、これは主催者側、UNWTOから延期の打診もありましたので、こちらは延期でも結構ですよということで調整をして、延期が決まったという過程になっております。その受け取り方ということでありますけれども、6月か12月かということ、私は12月のほうがというまでは言えませんが、12月でも十分いいのではないかなと思っています。食べるということでは、冬のほうがおいしいものが食べられるということと、それとおもてなしは、その時期のほうが燈花会をするとか瑠璃絵をするとか、いろんなおもてなしのパターンがまた変わってきますので、そのようなことも考えています。
それと、6月だと少し国内移動も難しいことの可能性がありましたが、招待者に在京の大使で興味を持っておられる方があるということが分かってきていますので、在京の大使をお招きしようかということを思っています。在京の大使は100人以上おられるわけですけれども、奈良のガストロノミーツーリズム、とにかくUNWTOの「UN」のついた国際大会があるということは彼らの関心がとても高いと思いますので、この前ドイツ大使が奈良に来て、ガストロノミーツーリズムに関心を持っておられることはじかに分かりました。総領事が「俺も行きたいな」と大使が言っておられたのですけども、総領事は「私が行きますから」と冗談で言っておられたようなところも目の前で見聞きいたしましたので、UNWTOのワールドフォーラムというのは大変外交官にとっても関心事項かと思って、在京大使に招待状を出そうかということを検討しております。
また、そのときは万博が近づいて、3年以内になっていますので、万博の関心を呼ぶための宣伝の場にも使えますよということを関経連にも言っています。在京の大使が来られると、その方々に大阪・関西万博をアピールする場にもなりますので、在京の大使の関心でその在京の大使が本国のいろんな要職の人、要人の人が来られる場合でのアピールの項目の中に入って、この関西というのは在京でありますので関心が多少薄いかもしれませんが、万博をしますよ、こんな準備ですよ、近所に奈良のようなところもありますよ、おいしいものがありますよということを重ねて、万博の御縁のための宣伝にもつながるかと思っていますので、万博の宣伝もガストロノミーツーリズムの場を借りてさせていただきますよということを重ねて言っています。これまでは、ICOCAを配って関西は便利ですよという宣伝を、万博の宣伝をしますよということを申し上げていたのですけれども、それに追加して在京の大使を通じた宣伝をさせていただきますよということを、この前、関西広域連合の関西経済界との対話で表明させていただきました。だから、遅れることについては、そんなにハンディキャップはないと思います。その思いの中には、奈良の宣伝というよりも、日本の国際協調の宣伝、国際的な関心、理解が、日本に対する関心、理解があると、その後の観光、インバウンド観光にもつながりますし、ひいては安全保障、愛される国になるというは大きな安全保障の要諦だと私は思っていますので、このような文化のあるところはやたらに攻撃してはいけないなというのが第二次大戦の大きな結果でもありましたし、そのようなこと、国際世論のこのような立派なところは守ってもらえますかという、集団安全保障で守ってもらえますかというように暗にアピールできる奈良でもあろうかと思いますので、そのような全体の奈良という存在をアピールする機会では当然ありますけれども、関西万博の宣伝、ひいては日本の存在意義の宣伝につながればと思っています。
ウクライナ避難民の受け入れについて
記者(NHK):
ウクライナの関係でお伺いしたいんですけれども、ロシアによるウクライナ侵攻から1か月余り経って、日本においてもウクライナの避難民の方の受入れの動きが徐々に広がってきていると思います。県内においてもそうした動きがそろそろ始まっているのかなと認識しているんですけれども、県が主体になるのか分からないですが、奈良県としてウクライナの避難民の受入れを行うような考え、御予定があるのかということと、あるいはそうした受入れを行う個人だったり事業者だったり、自治体の支援を行うようなお考えがあるのかどうかお伺いできますでしょうか。
知事:
先日、NHKさんのおられないときに、ウクライナ避難民の受入れの意思表明をいたしました。その後、具体的な相談はまだございませんけれども、奈良にはウクライナ人の方が9人おられます。そのような方を通じて友人、親戚が来られる場合もあると思いますけど、それは一つのエピソードです。むしろ、組織的な受入れということを念頭に置いています。奈良県で一つは外国人支援センターというのがあります。労働者で来られている方もおられますので、奈良に来られると奈良では働く場合も温かく受け入れていただいて、また研修もしてもらいましたよと、奈良県に来られた外国の方に思ってもらえる奈良県にしたいということで、既にそういう介護士とかの分野ですけれども、進んでいます。建築現場とかそういう労働も、ちゃんとした受入れをするというのは奈良県の方針で、外国人支援センターというのを設けてしておりますので、ウクライナ人の方も一つはその延長で活用してもらうというのも、当然あります。それで多言語による相談とかというようなことがもう既にありますので、それをウクライナのケースに適用するということになります。
もう一つは、ウクライナ人の方の対応について、奈良県はそういう全体の受入れ態勢の中で、ウクライナ人の方もちゃんと温かく受け入れたいですよというのが基本方針です。ただ、ウクライナ人の方については難民に近い方、あるいは難民になられる方という方もおられるかもしれませんので、特段の事情があるかもしれない。それは来られる方の事情によってバリエーションが要るかというようには思っています。基本的な仕組みはできているんですけれども、それをウクライナの方に適用するときに工夫が要るのかということは考えています。ただ、具体的にどのような方というのはまだ分かりません。林外務大臣がウクライナに行かれて、何十人か避難してこられるということでありますけれども、組織的な避難民の受入れだとまず水際でどのような扱いをされるのかがありますので、避難民ということになるとその受入れの仕組みについて国の方針に沿う形、どこに沿うかというようなことになると思います。これはNHKの報道だったかな。アジア福祉教育財団にまず投げてということが出ていました。ベトナムの難民が出たときに、急遽できた事業団ですけど、アジア福祉教育財団は広尾にありますけど、奥野誠亮さんゆかりの事業団ですね。それに、そのような経験があるからそこでやってもらって、地方自治体にあっせんするということは報道で出ていましたが、そのようにするという通知が来たというのはまだ承知していないですけれども、国からじかに地方公共団体に言われても大丈夫だと思います。まだケースが出てないので、国も迷っておられるのかもしれません。だんだん出てくると思います。奈良県はその中で温かく受け入れるようにしようと。特に、東日本大震災のときに福島の人が長期滞在、もうそのまま居着かれた方もおられるんですけど、別に居着いてもらってもいい、ウクライナの人に居着いてもらってもいいですよとは思っています。労働者の方はワークビザで来られて、またある程度収入を得ていただいて帰られるという状態でありますので、そのようなことを想定していますが、ウクライナの方はもう帰る場所もないからここにいるよとおっしゃる方もおられるかもしれませんが、そのような方も受け入れます。
奈良県は福祉条例というのをつくりまして、全ての困っている人を助けますよという条例ができているんですよね。全ての困っている人というのは、外国人は排除するということはありません。全ての困っている人というのは外国人も含めてということを明言しておりますので、ウクライナの人も奈良県の福祉条例の対象だと思っています。国の制度は、生活保護だとかいろんな国籍条項があると思いますけれども、奈良県は国籍条項に関係なく全ての困った人、現場があれば助けますよというのが条例の精神ですので、そのような実践をウクライナ人の避難民の方が来られたときはさせていただきたいと思っています。
記者(NHK):
ありがとうございます。
これからの日本の大学の在り方について
記者(読売新聞):
4月で入学シーズンということで、大学についてお尋ねしたいんですけれども、非常に今、例えば世界大学ランキングでも日本の大学というのはもうベスト100に2つぐらいしか入ってないかと思うんですね。なかなか世界の中で後れを取ろうかという懸念もある中で、スーパーシティ構想の中でもそういった奈良県の新学部の設立という動きもありますし、国立ではありますけど奈良女子大が工学部をつくったり、奈良県の中でも転換期を迎えようとしてるのではないかというように感じているんですが、知事の中で令和の時代におけるこれからの大学の在り方、位置づけというのを今どのように思い描いているか、新学部も踏まえて少し御想像をお聞かせいただけないでしょうか。
知事:
何かすごい質問ですね。いい質問だと。また、私の関心事項でもありますのでいいんですけども、奈良県では、奈良県のことから話させていただきますと、奈良県では県立大学の第2学部をつくるということで今進めて、そのための勉強をいろいろしています。第2学部をつくる、第2学部は工学系ということで、デジタルサイエンスも含めた工学系ということで想定して、その勉強をしています。その勉強の中で、いろんな立派な人に教えてもらっている中ですけれども、その中で読売新聞さんがおっしゃるような日本の教育というのがすごく問題であるということは、つくづくよく分かってきました。どのようにというのはなかなか難しいんですけれども、日本の教育の改善すべきポイントというのは幾つか、私のような頭でも見えてきています。一つは教え方といいますか、教育の仕方というのが大きな要素で、今まで日本は追いつけ追い越せ型、明治以来150年、追いつけ追い越せ型だからモデルを持ってきて、そのモデルをドイツ、ドイツばっかりで申し訳ない、ドイツ式の医療とか教え込むというのが教育の基本になっていたのですね。すると、自由な発想を阻害するということが分かってきています。イノベーションが起こらない、日本はイノベーションが起こらないで固まってしまうというのが教育の結果ではないかと。これまでの教育の結果ではないかとまで言われております。イノベーションを起こす教育というのはどういうものかというと、自由な発想を促す教育ということで、工学系の第2学部の議論でしておりますのは対話型教育、先生が教え込むのではなしに、生徒の促しをする。先生のイメージがファシリテーターのようなイメージ。それは県立大学で既にコモンズという形でやっておられますけれども、それの延長になるということが分かってきています。それは世界の教育の今はもう主流ですね、前から主流なんだけども、今読売新聞さんがおっしゃった遅れている最たるもの、教え込みが遅れている原因ではないかというように私もそのように思うところがございます。それは高等教育で遅れている、イノベーションに結びつかないということでもありますけれども、義務教育の部分から教え込み中心で受験に役立つように教え込む、記憶力中心の教育ということが、もうむしろ弊害まで出ているのではないかというように言われております。すると、高等教育だけ変えても駄目だし、義務教育からその対話型をする。すると、記憶力の差でやる受験というのは意味があるのかどうかという本質的なところまで出てきています。
それと、項目的にはあとは最初に教えないほうがいい、医学もそうですけど卒業時に免許を取って教え込まれた教育内容が一生生かされるかというのは、もう生かされてないことは自明です。進歩、世の中が進歩するから。すると、リカレント教育というのが必須だと思います。リカレントの教育の場が日本はあまりないですよね。だから、大和平野中央の教育現場でリカレント教育というのは、大きな場所の大きなテーマにしていきたいと思います。リカレントは退職された後というのもありますが、ミッドキャリアのリカレントというのもあろうかと思っています。それも大きなテーマであります。
それと義務教育は教育委員会の壁というのがあって、国が差配している分野でありますけれども、それも周りから県知事が教育振興大綱というのをつくれるようになりましたので、義務教育の過程での教育振興の方針を提示できるようになりました。それで教育委員会と対話をするという段階まで来ました。
それとほったらかしになっているのが、就学前教育ですね。就学前教育で教え込みは駄目ですよと各国の教育者は言われているんですけれども、保育と幼稚園という分断的な施設があるのが、特に遅れている象徴でありますけれども、ゼロ歳から11歳、12歳までに何をすべきかと理論がもう随分出ているので、それは神経と気持ちの発達ですね。それは教え込みでは絶対できない、自分で意思表示、意志表現をどんどんしないとできない。その過程で、自尊心と利他心が養われるという理論を信じています。それを実践しようと思っていますのが、天理につくりましたなら歴史芸術文化村で就学前教育の就学前の育みを実践したいと思っています。奈良県でできることということから始まるわけでございますけれども、国の方針があまり、弊害が出てきているという認識の下で始めようとしている。ところが、文科省はそういうのをやるのに、昔ほど怒らないですね。昔はやっては駄目だと。教育振興大綱を知事がつくれるようになったということは、一つ大きな進歩だと思っています。
アメリカの知事会、アメリカとの日米知事会があって、アメリカでは教育はみんな知事が全権を持っているんですね。雇用者の再教育、出所者の再教育、プリズナーの再教育、みんな彼らが自慢するのは「再犯防止につなげたよ、教育で」と自慢するんですね。びっくりしました。日本はそんなことはありません。教育の全権は知事が持っている。国は何も下ろしてこないという国柄ですので、そこまではなかなかいかないと思いますけれども、地方で昔、藩校というのがありました。教育は藩の責任で、藩校の優秀なところは規範意識が高いというように、統計的には分かります。規範意識の高い統計がそろっている県は、立派な藩校のあったところだというのを統計上調べたことがございますけれども、藩校の存在というのはすごく大きかった。寺子屋も大きかったんですけども、江戸時代の教育ということと明治の教育というのは全く様子が変わってきましたので、今度はポスト明治の教育ということに入っていると思います。令和の教育ということになると思いますけれども、それはまだ試行錯誤でありますけれども、地方の役割、試行錯誤の試行という意味で地方の役割も大きいと思いますので、奈良県では県立大学第2学部の設置を目指す中で勉強を重ねて、リカレントあるいは就学前教育、義務教育の中での教育方針などについて県の考え方が浸透あるいは実行できるケースを勉強していることであります。不十分な答えですけど、奥深い御質問だと思いますが、大事な御質問だと思います。
記者(読売新聞):
ありがとうございます
次期知事選について
司会:
ほかに御質問いかがでしょうか。
記者(毎日新聞):
すみません、一つだけ。知事の4期目の任期も、あと1年ということになりました。知事は今年77歳になられました。知事選まであと1年になりますが、今現在の知事、荒井知事の次の5期目についての意欲やお考え、知事選についてのお考えなど聞かせていただけませんでしょうか。
知事:
何もありません。何にも考えていません。何にも考えていない。まだ1年ありますので、この予算案が認められたばっかりなので、予算の実行が楽しみですよね。予算の実行を精いっぱいするのが私の任期のことです。任期中の仕事は手を抜いてはいけないとずっと思っていますので、今までもずっとそうですので、次のこと、任期は来るわけでございますけれども、どのような身の振り方をするのか、いずれ私の感覚では神様から教えていただけるだろうというような心境。だから白紙ということで、だから何も考えていませんという返事になると思います。自分の進退ということですね。何も考えていません。白紙ですということですね。何も考えてないと白紙というのは、ニュアンスが違うのかな。自分では同じようなことですけれども。どちらの表現でもいいですけれども。あまり頭には出てこないということですね。仕事は、こんなふうにどんどんどんどん思い込みが出てきますけども、自分の進退は白紙ですかね。すみません、いつも同じ。
記者(毎日新聞):
いや、短い答えでありがとうございました。
司会:
産経新聞さん。
記者(産経新聞):
関連ですけども、もう1期やるのか2期されるのか分かりませんけども、いずれは知事を辞められる時期が来ると思うんですが、その後、こんなことをしてみたいとか、何かそういう思いはありますか。
知事:
自分の人生、それもいい質問であろうと思いますけれども、それも考えてなかったですね。考えるといえば、しばらく前は考えていたこともあるんですよね。例えば、いい車に乗ってアメリカ大陸を横断したいなとか、ヨーロッパの東、東ヨーロッパといいますかね、ベルリンの壁があったときにパリに駐在していただけだから、ベルリンの壁の東に車で行ったことがないんです。東ベルリンも行かなかった、西ベルリンは行ったんだけども。飛行機でワルシャワとプラハには行ったことがあるので、一応外交官だったからそういう便があって東ヨーロッパには行けたんですけど、もう少し東のほうで、解放された後の東ドイツのライプツィヒなんか行きたいなとか、あるいはドナウ川をブルガリアまで下ってみたいなとか、そういう旅行の思いは、家内とパリに30年も前ですけどいましたので、東ヨーロッパはあまり行ったことないなという夢がありましたけども、最近はテレビの映像がすごく立派だから、アームチェアトラベラーズというらしいですけど、家でヨーロッパの、あれはNHKだったか民放だったかな、「空からクルージング」という番組があるんですね。空からヨーロッパの空をずっと見て、ドローンもあるからクルージングする。あれでも十分かなと最近、すごくいい画ですよ。中国もいろいろ行くところはあるなと思ってたんだけど、今例えば大同という雲崗の画がこの前NHKでされてました。夜中遅いんだけど、録画をして雲崗の石仏群を解説つきでやっておられましたけど、とても中国の研究員のレベルが高くて感銘しました。北魏という国の2世紀、3世紀から6世紀の間の皇帝が仏像化したような、それが雲崗。大同という町ですけど、それは平城という町なんですね。平城とは、この平城宮の平城の町ですから関係あるなと。北魏という、鮮卑という北方の遊牧民族がつくった国の仏像ですけど、あんなのは行っても、行くのも大変だけれども、解説つき映像というのはいいなと思って、それでその後十分かなと最近思い始めたりしているような昨今ですので、行動に結びつくような、結局そのようなことは余暇というか、余生ということになりますので、余生の楽しみはそれぞれみんな、皆さんも年を取ると出てきますが、余生の楽しみを考えるのは楽しいことでありますが、まだそれこそ思いつかない。車で横断の夢が破れたから、もう高齢者運転で免許を返上しましたので。
記者(産経新聞):
以前、新嘗研究をされたいとか。新嘗研究、大嘗祭に絡めた話がありましたけど、歴史とかこんなことをせっかくだから研究したいとかということはありますか。
知事:
大嘗祭、産経新聞さんと趣味は共通するかもしれませんけれども。多少、それと直接関係ないけども、神社参りは好きですので。奈良は神社仏閣が多いので、奈良はいいとこだなと思っています。元気でいればできるのではないかなと思って、まだ具体的に、来年からとかそこまで思っていませんので、全くないですけど。
記者(産経新聞):
ありがとうございます。
司会:
御質問はよろしいでしょうか。
幹事社さん、よろしいでしょうか。
それでは、本日の知事定例記者会見はこれで終了いたします。ありがとうございました。
※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。
また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。