令和4年12月23日(金曜日)知事定例記者会見
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令和4年12月23日(金曜日)知事定例記者会見
【発表案件】
○新型コロナウイルス感染症対策について
○女性登用に対する奈良県企業の意識調査(帝国データバンク)について
○「令和4年 県政の主な出来事」及び「今年の漢字」について
【質疑応答】
○県域水道一体化について
○大規模広域防災拠点について
○次期知事選について
司会:
おはようございます。それでは、知事定例記者会見を始めさせていただきます。
初めに、本日の発表案件についてでございます。
本日は、発表案件が3件ございます。1、新型コロナウイルス感染症対策について、2、県内企業の女性登用に対する意識調査結果について、3、令和4年県政の主な出来事及び今年の漢字についてでございます。
各項目の発表ごとに質疑応答の時間を取らせていただきます。
【発表案件】新型コロナウイルス感染症対策について
司会:
それでは、まず、1番の新型コロナウイルス感染症対策について、荒井知事より発表いただきます。
知事、よろしくお願いいたします。
知事:
よろしくお願いいたします。
最初は、新型コロナウイルスについて、年末年始を迎えますので、県民の皆様に改めてお願いという形で、発表させていただきたいと思いました。
秋以降の新型コロナウイルスの感染者数の動向でございますけれども、高止まり、増加傾向というか、大都市から地方に拡散してるというような状況にあろうかと思います。その中で、毒性というのは随分下がってきているように思いますけれども、この年末年始を迎えまして、人の移動が活発になります。コロナウイルスは人との接触、空間接触でうつるということが分かってきておりますので、基本的な感染予防をされていると、感染しないということは分かっております。クラスターでも感染された方を調べますと、ウイルスの伝播があることが分かってきておりますので、念のためにいろんな基本的なことをお願いしたいということでございます。県の役割は、今までも申しておりますけれども、医療提供体制は安全・安心を確保、維持するということが地方政府の大基本でありますので、年末年始を迎えましても、そのようにさせていただきたいと思っております。また、県民の皆様に感染予防を徹底していただきました上で、社会経済活動は滞りなく行っていただけたらというふうに思う次第でございます。いろんな流儀があると思いますけれども、なるべくリラックスをされて、感染予防とリラックスをご家庭、あるいは年末年始のご交際の中では徹底していただければというふうに思います。
今まで申し上げていることで、くどいことになりますけれども、基本的な対策は4つございます。マスクをしていただくということと、換気をする、消毒をする、距離を置くということでございます。やはり身近でできるのはマスクでございますし、空気のとどまってるところにはなるべく身を長く置かないということや、話をする相手と距離を置かれるということが大事だと思います。一方、換気という点では、寒い季節でございますので、閉じ籠もりがちになりますが、換気には注意をしていただけたらと思います。
それからリスクを避けるというのは基本的なことでございますけれども、なるべく人混みや、人のたくさん集まってるところには、注意をしていただければと思います。それから、ご自身も発熱、倦怠感がある等、体調が弱っているときはやはり感染しやすいということがありますので、お気をつけていただければと思います。それから、リスクの低い場所、公園、屋外はリスクは相当低いですので、そのときはマスク、換気はあんまり要りませんし、リラックスをしていただければという、余計なご注意でございますけれども、お願いを改めてさせていただきたいと思います。
そこから、予防接種、ワクチンの早期接種も改めてお願いしたいと思います。やはりワクチンもリスク軽減には役立っておりますので、検査とワクチン接種は年末年始を迎えられるに当たってもしていただければと思います。
7ページになりますけれども、年末年始は、お医者さんも休んでいただかなければいけませんので、医療提供がやや低調になるのが通例でございますが、ここに書いてありますように、電話相談とか、医療提供の体制を取っております。また、年末はいろんな意味で救急が入りますので、どうぞご遠慮なく呼んでいただければと思います。
あとは資料でございますので、私からのお願いは以上でございます。
司会:
ありがとうございました。
司会:
それでは、ただいま発表いただきました案件についてご質問のございます方、挙手にてお願いをいたします。
NHKさん。
記者:
コロナのオミクロン型対応ワクチンについて、年内に早期接種を呼びかけていますが、現時点で県内の接種率はどの程度になっているんでしょうか。分かれば教えてください。
知事:
オミクロン株の接種率ですけれども、18日時点の接種率が出てきております。31.7%と聞いております。全国平均が30.9%でございますので、上回っております。全国順位は24位、近畿では1位ということでございますが、全国の数字をざっと見てみますと、近畿が低いんですね。近畿全体が低いもんですから、近畿で1位といっても低い中の1位ということでございます。東北とかが高い、この資料、見ておられるかもしれませんが、ランクが出ておりますので、近畿で1位といって、別に自慢することでも何でもございませんので、できるだけ高いほうがいいかというふうに思います。しかし、奈良県は低い近畿の中でも接種の希望が多くて、接種をしていただいていることに感謝を申し上げたいと思います。また、市町村、接種者確保にもご苦労されてきた経緯がございますけれども、ご尽力をされておりますので、改めて感謝を申し上げたいと思います。
記者:
ありがとうございます。
司会:
ほかにご質問いかがでしょうか。
毎日新聞さん。
記者:
無料検査のことなんですけれども、他県ではやってるとこもあるようですが、例えばJR奈良駅とか、主要な県外からも奈良を訪れるときに利用するような主要な駅などに県として無料検査場などをつくるというお考えというのはありませんでしょうか。
知事:
無料検査センターを駅やいろんなところでやってもいいと思いますけれども、今までのところ、無料検査センターも順調にしていただいてますので、どこでしろというようなこともございませんので、今までどおりでもいいかと思っております。また希望があって、そういうふうにすればいいなと思うところがありましたら、やることは全くやぶさかでございませんので、そのようにしたいと思います。
司会:
ほかにご質問いかがでしょうか。
朝日新聞さん。
記者:
現時点で奈良県は、そこまで医療が、ものすごく逼迫している状態じゃないんですけども、場合によっては、医療状態が逼迫して、国の言う医療非常事態宣言の対象になってくる可能性もあるかとは思うんですけれども、あの宣言に対して、知事はどのようにお考えでしょうか。
知事:
奈良県はあんまり心配ないように思っています。医療の現場がすごく頑張ってきていただいております。全国的には、医療緊急事態宣言という言葉が躍ってるように思います。奈良県は、通常医療との両立の体制をいち早く整備いたしました、あまり知られておりませんけれども。トリアージをして、通常医療を確保するということも大きな目標にしてきました。緊急事態宣言を出せば、事が済むというわけでもございませんので、地道に医療提供は通常医療との兼ね合いをするというほうがよかったと思っています。国では、医療提供体制の整備を医療機関と協議して、協定ということをやっと言われておりますけど、奈良県はもう既に済んでいることでございますので、今のところ、緊急事態の雰囲気はまだございません。何か自信満々で申し訳ありませんけれども、そういうわけでもない、びくびくしてるんですけれども、おまえ、どうするかと言われても、やることはやってますよと、ちょっとざっくばらんに言えば、そういうことでございます。
記者:
緊急事態宣言をした場合は、国から専門職の方を派遣してもらえるなどのメリットもあって、もちろんそういう事態にならないのがベストですけれども、医療者の方からは、緊急時はそういったことも検討してもらえたらという声もあったりするんですけれども、今のところ、そういったことはあまり考えておられないということでしょうか。
知事:
全体の声をどう捉えるかということが、この危機事態のときはとても大事なんです。声があった、声があった、国が言っているというふうに取材されて言われるんですが、それをよく考えるのが私の役目でございますので、よく考えて対処したいと思います。その声が大変有力な傾聴する声かどうかということを判断したいと思います。ないがしろにするわけじゃありませんけれども、緊急、緊急、危機、危機、大変だ、大変だとあおることは一番いけないことだと思っております。別に皆さんのせいじゃありませんけれども、国であおっていれば、責任があるというふうに思われてるのが、専門家でも何でもありません。冷静に対処することが重要ですので、殊さら冷静ということじゃない、もうどきどきしながら対処はしてるんですけれども、要職にある人は冷静対処することが危機管理では絶対必要です。私は危機管理を何度も経験しました。危機管理では冷静対処が絶対必要です。
司会:
ほかにご質問いかがでしょうか。
奈良テレビ放送さん。
記者:
朝日新聞さんの続きなんですけれども、第八波に対するご感想と、奈良県としてはどういうふうに進めていかれるかという、包括的なお話をお聞きしたいです。
知事:
感染者数がずっと増えてるんですけども、同じようなデータを発表して、報道されてます。すると、感染者数の意味が第五波と、また、第三波では随分違ってきていると思います。それを分析する権威者があまりいないんですよね。しかし、県民の皆様はよく周りを見てよく知っておられて、あんまり深刻じゃないなと思っておられるんじゃないかというふうに受け止められます。その声はあんまり届かないんですけど、あんまり油断するといけないことはもちろん確かでございますけれども、適正な心配というのが幾つも言われておりました。正確に心配するということは、どういうことかというと、危機管理のときは動揺しますので、我々の立場としては、動揺しては絶対いけないと、無理に動揺しないようにしてるところはもちろんありますけれども、今の医療の第八波に向かっても、むしろ冷静に対応して、心配し過ぎないようにということがメッセージであります。やることをやるというのが一番大事なことです。医療もそうですし、日常生活を送っておられる方、あるいはサービスされる方、やることをやるということで、その範囲の中で生活を、日常生活を維持するという強い意思を持ってもらうことが大事かと思います。それにあまりさおを差さないほうが僕はいいと思います。余計な心配しないでねというのが大事なメッセージだと思います。
記者:
ありがとうございました。
【発表案件】女性登用に対する奈良県企業の意識調査(帝国データバンク)について
司会:
それでは、次の発表案件のほうに移らせていただきます。
県内の女性登用に対する意識調査結果につきまして、荒井知事より発表をいただきます。お願いいたします。
知事:
急な発表案件になりまして、申し訳ございません。帝国データバンクで出された資料、帝国データバンクも奈良のことをよく取り上げていただいておりますので、その中で、注目した項目でございますので、改めて知事会見の発表案件にさせていただいた次第でございます。この資料の中で、特記すべきと思われていることを簡単に申し述べさせていただきたいと思います。
帝国データバンクが実施されました女性登用に対する企業の意識調査と企業の実績でございます。12月19日に発表された資料でございますけれども、奈良県では女性登用が確実に進んでいるという報告でございます。女性の就業率は低いのでございますけれども、女性の管理職登用が進んでいるということでございます。3つほど特記事項を申し上げたいと思います。
県内企業における課長以上の、課長相当職以上の女性管理職の割合は、平均13.1%となっております。最初の項目でございます。これは奈良県にとっては過去最高でございますが、これは全国2位のレベルでございます。これがちょっと注目した点でございます。また、近畿1位の高さでございます。
2つ目は、政府が目標として掲げています女性管理職30%を超える企業を増やそうということでございます。2番目の項目になります。3ページ目になりますけれども、その企業の割合は14.1%という報告でございます。全国4位のレベルでございます。また、近畿で1位の高さでございます。
3つ目の報告でございますけれども、女性役員の割合は17.7%ということでございます。4ページ目でございますけれども、これも過去最高でございまして、近畿では1位という高さでございます。女性管理職割合、女性役員割合は、昨年に引き続いて近畿で1位ということでございます。
一方、このようなうれしい業績があるのは、企業の規模別でいいますと、奈良県の規模は、小規模企業が非常に高いということで、小規模企業では女性管理者の割合が高くなるという傾向があろうかと思います。そのような傾向が奈良県で反映されておりますが、それでも大変うれしいことでございますのと、日本全体の課題では、大規模企業での女性登用というようなことが課題であろうかと思います。
しかし、奈良県は女性の登用を、県庁も含めて、一生懸命しようということをしておりましたので、この帝国データバンクの報道資料は大変うれしい報道内容であろうかと思って、会見の中で触れさせていただいた次第でございます。以上でございます。
司会:
ありがとうございました。
司会:
それでは、ただいま発表いただきました案件につきまして、ご質問ございます方、挙手にてお願いをいたします。
読売新聞さん。
記者:
女性のそういう社会進出というか、管理職の割合を増やすために県として取り組んでいることがあれば教えていただけないでしょうか。
知事:
県がやったわけではないというように思いますけど、県も女性管理職の登用の努力はしてきました。その成果が実ったということでは思っておりませんけれども、女性活躍の運動を随分しております。「なら女性活躍推進倶楽部」というものをつくって、女性の社長さんとか、管理職も集まってもらって、その体験談を言ってもらったり、そのほかの商工会議所の人たちと一緒にいろいろやっております。また、女性が企業で働く中で、家業ということも多いんですけれども、家業でないところでも女性の社長、管理職になられますように環境づくりをしてきたことは確かでございます。その中で、女性の管理職とまたちょっと違うんですけども、女性が働くということは、就業率が奈良県は、一番低いものでございます。それも随分意識してきたわけでございます。管理職だけ増えればいいと思ってきたわけではなく、女性が働くということはどのようなことなのかということで政策を推進してきました。女性の活躍というのはどういうことかという、奈良の女性に活躍してもらうということで運動してきた一環が、管理職の登用の上昇につながってきたのかというように思います。女性の活躍自身は、女性は就労してから結婚されて、出産して、離職して、また再就職されたり、離婚されたりする傾向が強いものですから、奈良ではシングルマザーをもっと大事にしようという政策も続けております。女性も大事な労働力でございますし、かけがえのない地域のパートナーでございますので、女性を大事にしようということは随分続けてきたものでございます。管理職に登用するだけの目標でやってきたものでないということをちょっと言ってるだけのことなんでございますけれども、そういうような動きが多少は影響したかもしれないと思いますのと、そのような動きをしてきたものとして、発表させていただいてもいいかなと思って、民間のデータバンクの資料でございますけれども、発表させていただいたという理由でございます。このようなことを続けていきますと、女性の活躍自身が、奈良らしい活躍の場がいろいろ出てくるのじゃないかなというように思っています。女性は、いろいろな役割が、人生の中で男性より多いように思います。そのような方をどう助けるか、社会保障の在り方ということにも気を遣っているものでございます。そのような結果が、コロナ禍でも出生率の伸び率が全国3位だったとか、そういう細かいのも、何か思わぬところで影響があるように思ってますので、地方は地方で工夫してやってみるものじゃないかなと思っています。この管理職の登用率が高いのは、別に県がそればっかり狙ってやって成功したというようにはもちろん思っておりませんけれども、女性の活躍を支援したいということは、ずっとやってきたことでございまして、まだ道半ばでございますけれども、これからも続けていきたいと思っているテーマでございます。
記者:
いろんな要因があろうかと思うんですけども、現時点で知事が考える社会進出するための壁、今少しお話にあったかもしれないですが、どういったものが壁になってると今お考えでしょうか。
知事:
いろんな分野での社会進出は期待されて、よく外国の女性の社会進出はすごく目立っていますので、また、国連の中でもそういうランクを表示される、それをまた日本へ持って帰って表現される人もいるのですけれども、日本は日本なりではいいと思いますけれども、日本なりで女性を大事にしてるというように思っています。ただ、奈良県では、役割分担意思が強いということも言われておりますので、女性は家の中で、男性は外でということでありましたが、それが世代交代とともにやっぱり変わってきてるように思います。変わり方がちょっと遅いかもしれないというように思います。しかし、そういう遅い奈良でも変わってきたというのが、また、見方によっては社会が変わってきたということも言えるのではないかなという見方もしています。役割分担意識の強い奈良でも変わってきてますよというようにも、帝国データバンクの報道も見ております。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
司会:
ほかにご質問いかがでしょうか。
産経新聞さん。
記者:
業界別で見ますと、やはり製造業や運輸等々だったり、建設業が若干低い傾向にはあるかと思うんですけれども、これ、全国的なところでもあるかもしれないんですが、そこへの受け止めと、あと、取り組みたいことがありましたら教えてください。
知事:
業態別の、今おっしゃったように、割と面白いんですよね。小規模、中規模、大規模というの、そういう規模形態もあるんですけど、業態で、分野のどこが多いのかということは、女性は、女性の職業、向いてるのはサービスとか、小売とかというように言われてるとこが多いんですけども、割と最近、伸びているのが運輸業とかトラック業とか建設現場とか、今、力仕事だと思われてる部分は機械がとても楽になってきましたので、機械を動かす能力といいますか、作業する能力があれば、力は要らないというように、ハンドルも楽になって、昔はハンドル回すの大変だったって、そんなことないよというようなことが一つ象徴ですので、女性も進出しやすい業態が大変分かれてきてますので、女性が不得意とか、そういうことでもないようになってきたなという実感がいたします。それが奈良の場合でも反映されて、逆に女性が進出するのが男性の労働力が不足しているところだというようにも見えますね、建設業とか、いろんなところは男性の労働力が確保できないという。それは多分賃金のせいかもしれません。賃金が高い低いで、女性の労働力は、パートも含めて、賃金の低いところから入ってくる傾向もございますので、賃金が全体に上がってきて、賃金の分配政策ということになるのですけども、賃金がどのような業態が高いかということになりますので、賃金の在り方は、いろいろ日本の課題でもあります。分配というのが、管理職が、エグゼクティブがたくさん取る、アメリカのような業態とはまたちょっと違うのでございますけれども、あと、ステークホルダーの株主が取る資本主義ともまたちょっと違うのでございますけれども、そのようなことも意識しながら、三方よしの経済振興条例を2月に出す予定をしておりますけれども、働いてよしの企業を推奨する条例になりますけれども、日本風の働いてよしというようになればというように思って、その中で、女性の働きというのは、やっぱり特筆して考えていくべき課題だというように思っています。今の業態別の分析というのも大事かと思いますですけれども、いろんな分析ができますので、これからの分析にもしたいと思っておりますけれども、まだもう少し分析したほうがいいなという感じがいたします。
司会:
よろしいでしょうか。
県内企業の女性登用の関係、ほかにご質問いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
【発表案件】「令和4年 県政の主な出来事」及び「今年の漢字」について
司会:
それでは、次の発表の案件のほうへ移らせていただきたいと思います。続きまして、3番になります。令和4年県政の主な出来事と今年の漢字につきまして、荒井知事から発表をいただきたいと思います。
まず、令和4年の県政の主な出来事のほうから発表いただきたいと思います。
知事:
漢字を先に発表してよろしいですかね。
司会:
はい。
知事:
漢字をちょっと先に発表させていただきます。こういう漢字を今年使いました。「念」という漢字でございます。また理由を説明申し上げたいと思います。よろしいでしょうか。
このように、皆さん、よくご存じの「念」という漢字ですけども、この「念」を選んだ経緯といいますか、結局、私なりの選び方ということになるだけですけれども、先日、コロナで困ってる中国に日本のテレビ局が取材に行かれて、中国の方々に今年の漢字は何ですかと聞いておられたんですね。こういう聞き方も珍しいだろうなと思って見ていましたが、中国の方々が答えておられて、その中の一つに、若い方が、今年の漢字は「念」だとおっしゃっていたのがすごく印象的でした。そのインタビューでその方ははっきりおっしゃっていましたが、中国のコロナ対策には反対だと。こんなことをしてと。中国は動揺してるというか、いろいろ難しい目に遭っているというようなことをおっしゃっていて、しかし、そのようなことに対処するには、我々の人民の気持ちは、この「念」の気持ちが大事だというようにおっしゃったのが、すごく印象的だったんです。世の中が動揺してるときに、心も動揺してはいけないと。心を動揺させずに、静かにするには、この「念」という漢字が大事だとおっしゃって、中国の若い方でしたが、すごく教養がおありだなと感じました。それで、少し「念」という字に興味を持って調べたんですが、この念という字は、「心」というのが下にあって、上に「今」という字がありますので、今というのは、心に蓋をするようだというようなことも言われる。心を静めると、今という字で蓋をするというふうにも解釈されているというようなことで、「念」というのは、深く考えて対処すればいいというふうにも解釈できる字です。朝日新聞さんのご質問でちょっと余計な言い方をしたんですが、今は冷静な対処が大事だと言いましたが、冷静な対処が今は必要だということを思って、「念」という字を選んだということでございます。今、日本では、奈良県でもそうですけれども、コロナとか、ウクライナとか、北朝鮮とか、少子高齢化とかいう課題ばっかりでございますけれども、そのような状況は、今だけでなくて過去にもありましたので、そのような過去の例を見ましても、あおったり、冷静さを失うと、あんまりろくなことがないといつも思っております。そのようなことで、心の動揺を抑えて、念ずるがごとく過ごすというのが大事かというふうにも思ったところでございます。それと、この「念」という字は、広報広聴課で調べてくれたんですけれども、古くから日本の中にもある言葉でございます。日本の中というか、十七条の憲法に「念」という字が現れてきます。十七条の憲法は、日本書紀で引用されているものが初出でございます。また、漢文で書かれており、その中で、「念」という字が現れるということも調べてくれました。十七条の憲法のうちの7条でありますけれども、「尅(よく)念(おも)ひて聖(ひじり)を作(な)せ」と書かれています。よく考え、深く考えて、立派なことをできる人になれというような意味でございますけれども、「世に生れながら知ること少なけれども、尅(よく)念(おも)ひて聖(ひじり)を作(な)せ」というのが一文でございます。これは大変立派なことを十七条の憲法で書いておられるんだなと。「尅(よく)念(おも)ひて」という箇所に、この「念」という字が使われております。もし必要ならば、この訓訳を配付いたしますけれども、にわか勉強でございますけれども、そのような学をにわかにつけて、この発表の字にしたものでございます。
続いて、この県政の主な出来事は資料配付されてるかと思いますけれども、この「念」と何が関係するのかということで、今の「念」という字を掲げますと、これまで念願がかなった項目と、これから念じて行わなければいけない項目と、県政の出来事には2つあるように思いましたので、それに印をつけて、黒丸と丸と四角にしたものでございます。黒丸は条例でございますので、これからこのようなことをしたいという念ずるほうの「念」がこの黒丸に入っております。丸は念願がかなったという項目で、例えば2の平城宮跡歴史公園大極殿院大極門の南門完成というのは念願がかなったという丸でございます。四角は、例えば5になりますけれども、大規模広域防災拠点整備事業の事業開始式を行ったというのは、これから念じて行う事業が開始されましたというようなことでございますので、その「念」と結びつけて、出来事を10個選びました。簡単にご紹介いたしますと、上から1の条例ですが、条例は4つあるんですけども、この2月にも条例をいろいろ上程しますが、大変ユニークな条例を今年つくることができました。そのうち、就職、再就職の地域雇用戦略条例が1でございます。2は、3月でございますが、国営公園の中の完成でございます。これは国が100%でやってくれたことで、念願がかなったということです。3でございますけども、全国知事会議が奈良で、初めて開催されました。この四十何年間、開催したことがなかったわけでございますので、念願がかなったということでございます。4でございますけれども、ガストロツーリズム世界フォーラムも念願がかなったということと、このガストロツーリズム世界フォーラムよりも意味が大きいのは、BCCと連携協定を締結したということです。関係の人はびっくりしてるんですね。BCCは世界のトップで、もう3,000人も生徒がいる学校でございますし、博士課程もあるんですね。その20人の定員確保に四苦八苦してるNAFICと、よく連携してくれたなと、私もびっくりするようなことなんですけど、これは念願がかなったということでございます。そこから、5の四角は、大規模広域防災拠点整備事業の着実な進捗、これも念願がかないました。緊急防災・減災事業債の適用がかなったということでございます。奈良っ子はぐくみも、これはこの念じていたとこが条例化されたということで、これからの話です。それから、6はリニア関連でございますけれども、いろいろありましたが、岸田総理が強いリーダーシップを発揮して、総理大臣がこのようなことを言うのは初めてのことでございますので、奈良にとってはより大きなことということでございます。その次の健やかな「都」の中の黒丸の1になりますけれども、福祉の奈良モデル条例というのも念願がかなってきて、これもこれからという項目でございます。それから、7のなら歴史芸術文化村は、奈良で芸術文化村というのはユニークな施設でございますので、これを利用して、子育てとか、芸術文化をテーマに地域振興を図るということでこれからのことだと思います。そこから、8になりますけど、第11回東アジア地方政府会合がインドネシア・西ジャワ州で開催されましたけれども、奈良以外でやるのは2回目ということです。3回目は来年、中国・山東省臨沂市で行うということで、東アジア地方政府会合という文字どおり、東アジアの安定と平和のためのマルチの会合と、意見交換の会合という、EUでやっているような会合を東アジアでもするというのが奈良県の願いでございましたが、それがかないつつあると思います。そこから、下のほうの黒丸の1は、南部東部の振興条例で、これも地域振興条例としては大変ユニークでございます。9の四角は、大和平野中央田園都市構想というのが大変進んできておりまして、県立工科大学の設立というのも、これからの念ずるところでございます。10の県域水道一体化についても大体よく進んできておりますので、これもこれからのことというふうに整理をいたしました。主な出来事については以上でございます。
司会:
ありがとうございました。
県域水道一体化について
司会:
それでは、ただいま発表いただきました今年の漢字、県政の主な出来事につきまして、ご質問ございます方、挙手にてお願いをいたします。
読売新聞さん。
記者:
個別の案件になるんですけども、一番下の四角の10番の県域水道一体化について、年内に参加する市町村から回答をもらうということですけれども、構想発表から5年ほどで、ようやくここまで来ましたが、知事の現在の受け止めというのをお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。
知事:
今日時点での参加表明資料がありますけども、配っていいですか。まだ最終じゃないんですけども、現時点では、26市町村が参加表明です。不参加は葛城市です。未回答が桜井市と宇陀市です。ここに書いてありますように、まだ議会会期中なので未回答ということで聞いております。26日の月曜日が最終期限でございますので、月曜日の時点で取りまとめて、27日に最終結果を報告させていただきたいと思います。現在のところ、このような状況でございますので、広域水道の老朽化対策がこれで随分進むと思います。
記者:
やはり念願がかないそうだということでよろしいでしょうか。
知事:
そうですね。30年かかりますし、まだこれからということになります。老朽化対策については10年の集中期間で、国が3分の1補助、県が3分の1補助で、広域化対策をしたものについて3分の2の補助が出ますので、自己水源にばっかり頼らないで、他市水源、あるいは県水に頼って効率化しようという仕組みでございますので、それを信用して、広域化水道に入るという市町村が奈良県ではこれだけおられたということでございます。入らない市は、水道が必ず要りますので、自己水源でありますから、その3分の2の補助は要らないからとおっしゃった市ということになります。頑張ってくださいということになると思いますけれども、そのような状況で水道一体化が進むということは、いいことだと思います。うれしいことでございます。だから、10大ニュースで、うれしいことの10大ニュースというふうに思っております。
記者:
残念ながら、葛城市さんは不参加ということになりましたけども、県はその意向を尊重するということですか。
知事:
そうですね。市長のご判断ですので、市民のご判断か、市議会のご判断かというのはまだちょっと残ってるかもしれませんが、市長のご判断は不参加というご判断だというふうに受け止めております。それはそれで尊重したいと思います。正しいかどうかは別にして、尊重したいと思います。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
司会:
奈良テレビ放送さん。
記者:
大和郡山市が参加することについての受け止めをお教え願いたいのですが。
知事:
大和郡山市は、28億円の水道の収入を一般会計へ持っていかれました。これは原則にはもとると私は思っていまして、それをしないと、その債務と資産も皆持ち寄ろうということが大前提でございます。資産だけ残すよと、負債だけ持っていくよと、負債は、借金という数字の負債もありますし、古い施設という負債もございますので、古い施設も持ってきて、したがって、資産も持ってきてくださいというのに少しもとるところがありましたので、その大前提を崩さないと駄目。崩した上で、持ってきたところの見返りということは当然計算されますので、見返りということは十分、そのルール化されてない間は保留されて、入らないと言っておられたように思います。協議会の中で、持込みがあったら見返りをルール化してもいいのではないかという議論が進みましたので、昭和浄水場を存続して、これはリダンダンシーという、二重化のための存続、自己水源存続ということで理屈も立ちましたので、ご判断されたということでございます。それが合理的なご判断だと思いますので、歓迎をしたいと思います。また、尊重して、評価をしたいと思います。
記者:
歓迎したい、評価したいということなのですが、全体の中で見た場合、大和郡山市さんが参加することの受け止めというのは何かありますか。割と大きな市だと思いますが。
知事:
全体の中で、その地理的なこともあると思います。広域化に役に立つ浄水場を持っておられるところと、端で、それほどでもないというところもあると思いますが、ほかのところに上水の水道を運べるところは、広域化に大いに役に立つということ、あるいは、高いところに浄水場を持っておられるところは役に立ちますねと。それはそのときに県水が大滝ダムから戻ってきて、高いところに水を置いていますので、それを流すことで広域化に役に立つようになってきましたというのが奈良県の広域化の大きな理由でありますので、高いところの県水を利用されると、浄水場も減りますし、地下水を使うのも減りますし、老朽化対策にも資するというのが今の奈良県広域水道一元化の状況だと思います。しかも、国の補助金が出ますし、県も補助金を出すので、この際、老朽化対策を一挙にしておかないと、相当老朽化が進んでいるところもありますので、いつ壊れるか分からないというところも、壊れるときは予告なしで壊れる可能性がありますので、壊れてからの費用のほうがはるかに大きいわけでございます。壊れる前に予防措置をするほうが効率的であり、補助も出るということだと思うのですが、勇気がある方は、一緒にしなくてもいいよと、こうおっしゃるところがあると思いますが、奈良県は勇気がありませんので、用心、用心、用心ということで、しませんかということを呼びかけてきたつもりでございます。このような形で、多くの水道局が入っていただくことは、やはり老朽化を心配されてる方が多いんだなというように私は思いますので、県も特段の補助金出したり、応援をする体制でございますが、たくさん入っていただくと応援のしがいがあるというように思います。
記者:
ありがとうございました。
司会:
よろしいでしょうか。
ほかにご質問いかがでしょうか。
奈良テレビ放送さん。
記者:
県域水道で補足で質問ですが、桜井市と宇陀市は、議会会期中のためということですが、見込みとしては参加するというように事務局は思っておられるのでしょうか。
知事:
参加の意向だと見込んでいます。今までのご発言だと、そのような意向で、議会会期中なので正式発表はできないというように聞いております。
記者:
ありがとうございます。
大規模広域防災拠点について
司会:
ほかにご質問いかがでしょうか。
毎日新聞さん。
記者:
大規模広域防災拠点ですが、10月に事業開始式を行いましたが、工事の着工時期というのはいつぐらいになる見通しでしょうか。
知事:
工事をするために調査、設計が必要でございますので、来年度予算で、調査設計に向かう予算が入っていると思います。設計をしないと、工事ができませんので、設計は多分1年では終わらないかもしれません。しかし、何年もかかりませんので、2年か3年だと。設計をすると着工と、工事着手ということになると思いますので、2、3年以内に工事、2年というと、ちょっと設計の段階が早いかもしれませんが、思い出す限りでは、3年以内に工事着手というような感じになると思います。それが着手になると、リニアの土が出るのと、また、着手が2,000メートル着手なのか、2期までの工事着手なのか、そのときにまた判断しなくてはいけないと思います。工事の設計は、2,000メートルを念頭に置いて着手、調査、設計してほしいと思っておりますけども、そうでないと、600メートルできたけど、2,000メートルは滑走路がずれたということでも困りますので、設計は2,000メートルを念頭に置いて、そのうちの1期、2期ということ、それと、現状でも防災機能を発揮しようということでございますので、途中経緯の設計というのも大事だと思います。割と大事な設計作業になると思います。来年度予算からは、そのようなものをお願いしたいというように思っています。
記者:
そうしますと、いわゆる飛行場の設置許可というのは、これも設計が終わった後にしていくということになるんでしょうか。
知事:
そうですね、飛行場の設置許可をいつ出すかということになりますので、その一つの前提は、2,000メートルの工事設置許可になるのか、600メートルになるのか。2,000メートルを出して、その中で600メートルの工事をしますよというほうが普通だと思います。2,000メートルの飛行場設置許可になりますと、そのときの要件が、その敷地の権原と言われる、契約はしてなくても同意があればいいということを聞いておりますので、田になっていますとこの地権者との同意がその時点で要ると思います。そういうものはまだこれからでございますので、数年かかると思いますけども、飛行場設置許可は、権原が確保した時点と設計ができた時点で、これでやっていいですかということの設置許可をもらわないと、工事は勝手にできますが、それが飛行場設置がかなわないと困りますので、普通は飛行場設置許可をもらって、600メートルの工事も2,000メートルの工事も始めるというのが普通だと思います。その段取りはまだ未確定のところもありますけど、おおむねのところは、そのような調査、設計をして、飛行場設置許可をもらって、工事施工をするというような段取りになると思います。それは数年以内だと思います。
記者:
ありがとうございます。
次期知事選について
司会:
よろしいでしょうか。
ほかにご質問いかがでしょうか。今年の漢字、主な出来事につきましてご質問いかがでしょうか。
続けて、毎日新聞さん。
記者:
知事が選ばれた念という漢字、深く考えて対処する、冷静に対処するという意味合いがあるということなのですが、そこで、来年の知事選挙については、今まだ熟慮中ということで、変化はないんでしょうか。
知事:
熟慮中です。だから、年内の最後の記者会見でも発表案件には入りません。越年しそうですね。熟慮を重ねたいと思います。別に念を込めてるわけでもないです。
記者:
ありがとうございます。
司会:
ほかによろしいでしょうか。発表案件の関係ではよろしいでしょうか。
それでは、その他の案件も含めまして、ご質問ございます方、挙手にてお願いをしたいと思います。
読売新聞さん。
記者:
知事選で、越年しそうだという言葉もありましたけども、知事は、もし次、出馬すれば、5期目への挑戦となりますが、いわゆる多選については、どういうようにお考えでしょうか。
知事:
まだあんまり考えてませんので、熟慮中の項目の一つかもしれません。一般的なことを言えば、この立場の役目というのは、要は、首長というのは仕事に役に立つかどうかというのが本人の意識でも有権者の判断でも、これはこちらから言うことでもありませんが、最も大事かなというように思っています。そのときに役に立つ人がいれば、国でも地域でもリーダーとして大いに助かるし、そうでない人が来れば、ろくでもないというのがありますので、多選とか、年齢というよりも役に立つかどうかという判断が最も大事かと自分では思っています、一般論ですけども。自分はそれでテストに合格しているのかというと、それは自分ではあんまり分かりませんが、選挙と公職ということの組合せがいい組合せで、いい人が来れば、地域発展することは間違いないということは、いろんな事例を見て経験的に分かっております。自分のことということよりも、一般的なことであろうかと思います。
年末年始について
司会:
ほかにご質問いかがでしょうか。
毎日新聞さん。
記者:
知事は年末年始はどういうふうに過ごされる予定でしょうか。
知事:
熟慮の期間にしたいと思います。熟慮といっても、そんなに考えを深くするわけではないですけども、多少リラックスして暮らしたいと思います。
記者:
県内で。
知事:
県内ということでございます。家族と一緒に暮らすということになります。
司会:
ほかにご質問いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
幹事社さん、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、本日の定例記者会見のほうを終了いたします。ありがとうございました。
※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。
また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。
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