酒井 藍(さかいあい)さん
田原本町出身。専門学校を卒業後、奈良県警に就職し約1年6カ月勤務。
2007年に行われた「吉本新喜劇金の卵オーディション」に合格し、吉本新喜劇の座員となる。現在は吉本新喜劇で女性初の座長やたわらもとPR大使を務めるなど多方面で活躍。
おいしいもんいっぱい、人の温かさが感じられる奈良が大好きです
3年くらい前まで田原本町に住んでいました。奈良で過ごした中では小学5年生から20歳まで続けていた柔道が印象に残っています。高校の柔道部の練習で持久走をするんですけど、私は走るのがめっちゃ嫌いやったんです。しかも、ランニングコースはアップダウンが激しくて、最後の坂を駆け上がっていくのが本当にきつくて。それで、ある日ずるをしてテニスコートの横の崖を登って柔道場に戻ったら、いつもビリやのに一番に着いていたんです(笑)。そこから、いつもは優しい顧問の先生からもうずるをしないようにということで、毎回100円を渡されてコースの途中にあるパン屋であんぱんを買ってくるように言われて走っていたつらい思い出があります。先生とは、吉本新喜劇に入ってから鶴橋で2人でお酒を飲んだんですけど、高校のころと変わらず優しくて嬉しかったですね。
小学生のころから、友達と漫才やコントをしていて吉本新喜劇に入りたいと思っていました。高校3年生の時の文化祭ではイケてる女子たちはダンスをする中、私は友達と漫才をするくらい、本当にお笑いが大好きだったんです。それで、高校卒業後の進路を決める時に両親に吉本の養成所に入りたいと言ったんですけど猛反対されてしまい、専門学校を卒業して奈良県警に就職しました。それでも夢を諦めきれず、父に吉本新喜劇の座員募集のオーディションの記事を何も言わずに見せると、「お前まだ諦めてなかったんか。絶対受からんから一回受けてみろ」って言われたので受けたら、ラッキーなことに受かりました。しかし母は猛反対で「新喜劇に入るんやったら出て行き!」って言われて、全然出て行く気はなかったんですけど「出て行く!」って言ったんです。それぐらい腹を決めているならと、ようやく母も理解してくれて、出て行かずにも済みました(笑)。
コロナ禍で通勤を短くするため今は大阪に住んでいますが、休日はしょっちゅう奈良に帰っています。奈良の風景を見て、奈良の空気を吸うとすごく癒やされるんですよね。奈良の良さって、みんなガツガツしていなくてのんびり、優しく、ニコニコし合っているところだと思っています。おかえりと声を掛けてくれたり、地元トークが出来たりして人の温かさを感じられるので、奈良でロケをするのが一番好きですね。あと、「奈良にうまいものなし」って言われますけど、おいしいもん多くないですか!私はイチゴの古都華がめっちゃ好きなんですけど、「めっちゃおいしいもんいっぱいあるねんで」って言いたいですね。
今後は、座長として初めて奈良で新喜劇をすることが目標です。奈良あるあるとかを取り入れて、どの座長よりも奈良の皆さんに親しんでもらえる新喜劇を作れる自信があります。奈良出身の座員もたくさん連れて行きたいと思っているので、その時はぜひ見に来てくださいね!