【質疑応答】
○県域水道一体化について
○事業見直しの第4分類などの進捗状況について
○知事・近畿地方整備局長会議について
○新型コロナウイルスについて
○全国学力テストの結果について
○高校授業料無償化について
○知事就任から3ヶ月の振り返りについて
○国民スポーツ大会陸上競技等の会場について
○議事メモの開示について
○奈良県の今後のビジョンについて
○奈良市ごみ処理場の移設について
○知事の夏期休暇の予定と過ごし方について
司会:
おはようございます。ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
本日の記者会見は、ユーチューブ、奈良県公式総合チャンネルでライブ配信しております。
本日は、県からの発表案件はございませんので、記者の皆様からご質問をお受けする形で進めさせていただきます。
県域水道一体化について
司会:
それでは、ご質問がございます方は、挙手にてお願いいたします。
朝日新聞さん。
記者:
県域水道一体化の企業団設立準備協議会について、7月21日の第1回の会合では、広域化の趣旨に立ち返って、検討課題を洗い直して、協議会を開くということと、料金の統合、あるいは財政シミュレーションの再検討という大きな宿題ができました。今後、県議会、あるいは各市町村の9月議会でも話題になると思いますが、協議会再開に向けての進捗状況、また、次回協議会の日程はいつ頃になりそうかということをまずお聞かせください。
知事:
私から水道局に対しまして、こういう論点について、担当課としてどう考えるのかといった論点整理と、その論点を議論するために、協議会で必要な資料の作成等を指示していまして、それは結構膨大な宿題になっています。その宿題が出てきて、私と担当副知事と水道局で話をして、こういった感じで協議会に提案しようかということが決まらないと、いつ開催するかも決められないという状況でございます。
記者:
協議会で発言されたシミュレーションが甘いからもう一回やり直したほうがいいのではないかという考えは、今も変わりませんか。
知事:
そうですね。
事業見直しの第4分類などの進捗状況について
記者:
事業見直しのその後について、5月8日に予算査定をすることを明らかにされたときに、いわゆる第1ステージから第4ステージまで示されました。このうち、事業全般に対するヒアリングを実施するとされていた第4ステージについては、まだ結論が出ていない事業があると承知しています。例えば漢方のメッカ推進プロジェクト、奈良公園内の新設ホテルに対する利子補給事業とか。ただ、第4ステージに実は県域水道一体化も入っていたのが、7月21日のあの協議会で再検討を提案されたという経緯があったわけですけど、やはり9月に入りますと、そうした予定された事業が本格的に動き出すのではないかと思いますし、そうしたことから、特に第4ステージで示されていた各事業に対するご判断について、進捗状況をお聞かせください。
知事:
これについては、8月末から9月上旬の間にヒアリングをする予定でございます。既存の事業について見直すことになるかもしれませんし、今のやり方で問題ないということであれば、そのままということにもなろうかと思います。
記者:
具体的にはどの事業を指していますか。
知事:
先行して、もう結論が出ているものも多いんですよね。方向性が大きく変わるような事業はあまりないと思います。見直す必要があると思ったのは、既に査定の対象にしていたので、見直す必要があるというよりも、どんな事業か一応聞いておきたい、事業の全体像を把握した上で、何か問題があれば、ここはこうしようよみたいな議論をするためであって、そもそもあまり既存の事業を変えるためにヒアリングをしようと思ったものではないです。
記者:
中止は、もうないと思っていいでしょうか。
知事:
まだ話を聞いてみないと結論は出ませんが、あるとしても、そんなに多くないと思います。
記者:
分かりました。ありがとうございました。
知事・近畿地方整備局長会議について
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
奈良テレビさん。
記者:
事業見直しにも関わってくると思いますが、昨日、知事と近畿地方整備局の局長との会議がありましたが、査定を受けて、県民の関心が高い近鉄大和西大寺駅、平城宮跡周辺の渋滞踏切の解消に向けた取組の推進における項目で、具体的にどのような話し合いがなされたのか、改めて教えていただけますでしょうか。
知事:
県の方針について、近畿地方整備局に説明させていただいて、それについて特段、近畿地方整備局からは何もコメントはなかったです。ですから、もともとの平城宮跡から移設するという案と、移設はせずに平城宮跡内を通すという案の2つの案を費用対効果の点で検証して、結論を出しましょうということで一致したと思っています。
記者:
今後どのように進めていきたいか、スケジュールなどがあれば教えてください。
知事:
今年度の後半ぐらいから、近鉄や奈良市と議論をしまして、12月ぐらいまでにはおおむねの合意を目指したいと思っています。令和5年度中には整備方針の正式合意を目指したいと思っています。
記者:
ありがとうございます。
司会:
ほかにございますでしょうか。
NHKさん。
記者:
近鉄奈良線と近鉄大和西大寺駅の高架の事業のことについて確認ですが、昨日の会議で、県が出された資料の中に、7月4日に第1回の協議を開催すると書かれていましたが、その会議に知事はご出席されていましたか。
知事:
私は出ていないです。
記者:
先ほどおっしゃった今年度後半ぐらいから近鉄や奈良市と議論をする場には知事も入られるご予定ですか。
知事:
担当課とはどうするか協議ができていないですが、少なくとも最終合意のときには行くのではないかと思います。
記者:
知事としては、現時点でも、近鉄奈良線に関しては、移設ではなく現存のというお考えに変わりはないですか。
知事:
はい。そのほうが費用対効果は優れていると思いますし、近鉄も奈良市もおおむねそういう意見ではないかと思っています。
記者:
現時点では、今年度中に正式に方針は決まるであろうと。
知事:
はい。
新型コロナウイルスについて
記者:
もう1点、新型コロナウイルスに関して、5月の定点観測になって以降、増加傾向が続いており、直近でもかなり増えているという県内の感染状況について知事はどのように受け止めて、把握されていますか。
知事:
5類に移行した後、ずっと定点観測による患者の数が増えていまして、直近では1週間当たり16.89人という数字になっております。これから夏にかけて、お盆休み等が始まりますので、旅行とか、人が移動したり、接触したりする機会は増えると思います。県民の皆さまには、人混みや電車では、必要に応じてマスクをするなどの対応をしてほしいと思っております。7月21日に県のホームページで、今申し上げたような、夏に向けた基本的な感染対策を県民の皆さまに呼びかけたところでございますし、明日、県の公式ツイッター等のSNSでも注意喚起をするような投稿をしたいと思っております。それから、8月中旬をめどに、新型コロナウイルスによる入院患者を収容するための運用病床数を、現在の301床から412床に増やすということで、お盆休みの期間中に感染者、そしてまた、感染による重症患者が増えても支障なく対応できるようにしていきたいと思っています。
記者:
その病床の使用率に関しても、厚生労働省が毎週公表しているものを見ますと、8月2日現在で、奈良県は272人の方が入院されていて、確保病床に対する使用率というのは、今現時点では33%という状況ですが、現時点で一般医療への影響や救急医療への影響は県内では起きていないということでよろしいですか。
知事:
はい。そういう認識です。
記者:
今後、さらに病床を増やすということですか。
知事:
はい。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
全国学力テストの結果について
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
朝日新聞さん。
記者:
先日結果が出ました全国学力テストの結果についてお伺いします。最近は全国平均を下回る傾向が続いていると思いますが、まず、この点について、知事のお考えをお伺いしたいと思います。あとは、大阪では市町村別や学校別の成績開示といったことも取り組んでいますが、そういった同様の改革について、現時点でお考えはありますか。
知事:
なぜ全ての教科で全国平均を下回っているのか、理由はよく分かりませんが、現時点で、それに対して、こういう対策をしていきたいという対策案を持っているわけではありませんが、学校ごとの成績の公表によって、先生や生徒が頑張るというものでもないと思います。やっぱり地域的なものもあると思いますから、学校ごとの成績の公表は現時点で考えていないです。
記者:
大阪では、維新の会がそういったことを進めてきたこともあるので、維新の会から出た知事としては、そういった市町村を競わせること自体に意義があるとか、その辺のお考えはありますか。
知事:
奈良県は、大阪といろいろと土地柄も違うので、それを公表することで先生や生徒が頑張るというようなことはないと私は思います。多分、地域的に学力の高い地域とそうではない地域というのが、ある程度あるのではないかなと思っています。
高校授業料無償化について
司会:
ほかにございますでしょうか。
毎日新聞さん。
記者:
教育無償化の話が今進んでいるところですが、無償化について、私学団体側と話し合いをしたであるとか、何か進捗はありますでしょうか。
知事:
先日、奈良県の私学団体の大会に来賓として呼ばれ、その大会が始まる前に私学団体の会長、副会長とお話をしました。奈良県の私学団体も、大阪が当初示していた60万円を上限とするキャップ制は反対ということを表明されていましたので、そういった意見が会長、副会長から出ました。
記者:
それ以来、何か話合いの場を持たれたとか、今後こういう日程で話し合いをする予定ですとか、こういうところが決まったとか、そのようなことは今のところはないですか。
知事:
ないですね。
記者:
分かりました。
知事就任から3ヶ月の振り返りについて
記者:
間もなく、知事が就任されて3か月になったかと思います。現状のご自身の仕事ぶりなど振り返られて、どのように考えてらっしゃいますでしょうか。
知事:
そうですね。令和5年度当初予算の見直しは、かなり多くの事業の見直しをしたので、関係する自治体の皆様には混乱を与えてしまったところはあるとは思いますが、それは今後、大規模防災拠点にしても、大和平野中央田園都市構想にしても、国体の競技会場の件にしても、代替案を示して、きちんと代替案に理解を示してもらえれば、収束というか、一定のご理解をいただけるんじゃないかと思います。それ以外の点については、3か月、比較的スムーズにここまで来たんじゃないかなという認識は持っております。
記者:
事業の見直しについて主眼を置いて取り組まれてきたことかと思います。先日、三宅町に行かれたと思うんですけれども、地元への説明や、各市町村長との話し合い、それから、6月議会では県議会議員にも説明をしたり、いろんなところに説明をして、当然、今までとは違う観点でやってきたことなので、反対というか、ハレーションもあったと思うんですけれども、このハレーションの声というのは、知事が予測されてたよりも多かったのか、想定してた範疇ぐらいなのか、その辺りの温度感はどうでしょうか。
知事:
想定していたぐらいだと思います。
記者:
先ほど、代替案を出すという話もあったと思うんですけれども、基本的な見直しの理念とか、こういう考えの下で見直しますという説明はもう恐らく今までで済んだかなと思います。今後、丁寧な説明をしていくということだと思うんですけれども、対応していくにあたって一番大切なことといいますか、一番重要だというふうに個人的に思われていることは何になりますでしょうか。
知事:
それはやっぱり地元のご理解を得られるような代替案を示していくと、これに尽きると思います。
記者:
三宅町の説明会でも代替案を提示してほしいという声が当然あったと思うんですけれども、代替案をいつぐらいまでにお示しするかということについて、具体的なスケジュールはまだ決まってないと思うんですけれども、そのスピード感みたいなところはどういうふうに考えていますか。各事業ごとに時期は違うと思うんですけれども、一貫したスピード感はどういうふうに持っていたいというふうに考えてらっしゃいますでしょうか。
知事:
大和平野中央田園都市構想の代替案については、先日の県と3町との協議の場で令和6年度中ということで合意したと思いますので、令和6年度中のなるべく早い時期というふうに考えています。防災拠点については、いつ頃までに示せるかまだ分からないですね。国体の会場については、それよりもっと早期に、令和5年度中ぐらいには、ある程度目処はつけたいと思っています。日本スポーツ協会などの視察が令和7年度にありますので、遅くとも令和6年度中には決めなければいけないというスケジュールだったと思います。
記者:
来年度いっぱいということでしょうか。
知事:
来年度いっぱいに決めればいいんですけど、やっぱりもうちょっと早く決めたほうがいいかなとは思ってます。
記者:
分かりました。
国民スポーツ大会陸上競技等の会場について
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
読売新聞さん。
記者:
代替案のことが出たので、お尋ねしたいんですけども、国体の施設に関して、陸上競技場は、今も奈良市もしくは他府県の施設でというお考えでしょうか。
知事:
そうですね。陸上競技場ができるのは、県内では鴻ノ池陸上競技場しかないので、鴻ノ池陸上競技場を使わせていただきたいと思ってますし、それが無理なら、大阪でということになると思います。
記者:
なるほど。大阪というと長居陸上競技場ということですね。
知事:
はい。
記者:
基本的に、開催する市町村が改修等の費用を持つということになろうかと思うんですが、例えば大阪市の長居陸上競技場を使う場合もそうなるんでしょうかね。
知事:
いや、長居陸上競技場は観客席もたくさんあるから、特段、改修の必要はないんじゃないでしょうかね。
記者:
もし、大阪市が必要であるとかいった場合ですよね。
知事:
大阪市が必要であるというふうに言った場合は、2分の1で上限1億円ということで補助することになるんじゃないでしょうかね。
記者:
奈良県が補助、お金を出すということになる。
知事:
はい。ただ、恐らく要らないと思いますよ。なみはや国体を開催したのって、たしかそんな昔じゃないでしょ。
記者:
それは大阪市の意向を聞かないと、ゼロで済むかどうかというのは分からないですよね。
知事:
それはそうですね。
記者:
でも、もし必要な場合は県内の施設と同じスキームを用いるということでしょうか。
知事:
そういうことになるでしょうね。
記者:
なるほど。となると、他府県の施設、資産に奈良県がお金を出すということになるということですか。
知事:
だけど、自前で造るより、そのほうが安ければ、合理性があると思いますけどね。
記者:
分かりました。
司会:
ほかにございますでしょうか。
毎日新聞さん。
記者:
先ほど長居陸上競技場の名前が出たと思いますが、これはもう既に大阪市に打診されてるんですか。
知事:
打診はしてません。
記者:
分かりました。
長居陸上競技場を使おうというのは、担当課にそういうふうに検討するよう指示をしているのか、あくまで知事の腹積もりで考えている段階なのか、どちらでしょうか。
知事:
というか、奈良市の鴻ノ池陸上競技場が使えなかったら、長居陸上競技場がベストですよね。第1種陸上競技場では長居陸上競技場が一番近いんじゃないですかね。全国からのアクセスもしやすいですし。
記者:
それはまだ担当課にそういった指示は出していなくて、知事の中でそういうふうに考えているという段階ですか。
知事:
いや、担当課ともそういう話はしましたよ。もし奈良市が貸してくれないというんだったら、もう長居陸上競技場しかないよねという話はしてますが。
記者:
長居陸上競技場を選択肢にしたのは、先ほどおっしゃられた理由で、一番近いからというのと、アクセスもいいからという、そういうところですかね。
知事:
施設も立派ですからね。
記者:
分かりました。
奈良市の鴻ノ池陸上競技場が使えなければということになってくると思うんですけれども、現状、鴻ノ池陸上競技場の使用をめぐって、奈良市との協議状況については何か進捗ありましたか。
知事:
それは、今、事務レベルで話してます。また発表できる段階になったら、発表いたします。協議はしています。
記者:
事務レベルでというのは、まだトップ同士が会ってとかではないけれども、事務方同士で話は進めているということですか。
知事:
そういうことです。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
議事メモの開示について
記者:
事業見直しにおいて、今回、議事録等を作成されてないということでしたけども、例えば県の規則においては、そういった意思決定における過程について、文書を作成しなければならないという規則があろうかと思うんですが、その辺りの整合性についてはいかがお考えでしょうか。
知事:
読売新聞さんの記事で私もそういう規則があるのは初めて知ったんですけど、それがどこまで法的な拘束力があるものかは別だと思うんですよ。庁内のあらゆる会議で適用されるルールなのかどうなのかね。少なくとも、その適用範囲がよく分からないし、そのルールが適用されるとしても、いろんな事情で議事録を作らない場合もありますから、議事録を作らなかったからといって違法かというと、私はそういうことではないと思っています。あれは一つの目安といいますか、そういうものだと思ってますので。
記者:
とはいえ、今、知事が手がけられている改革というのは、県政の大きな転換点と受け止めておりまして、やっぱり検証というのが必要ではないかと考えているんですが、知事自身は、そういった議事録等が作成されてない状況において、検証作業が十分に行えるというふうにお考えでしょうか。
知事:
以前も申し上げましたとおり、知事がかわって、職員の立場というのはすごく微妙だと思うんですよ。知事はかわったけど、副知事とか部長は一緒じゃないですか。そうすると、その下の課長は、今まではずっと前知事の方針でやってきたわけだから、副知事や部長の考えと反するようなことはちょっと言いにくいし、でも、知事の言ってることも分かる。知事の方針に賛同するような意見を本当は言いたいんだけど、やっぱり部長や副知事もいるし、そんなこと言えないということで、しかもそれが議事録として残るということならなおさらだと思います。もちろん名前は入らないと思いますけど、事業を見れば、どの課がヒアリングに出てたかって分かるじゃないですか。そしたら、その議事録を見て、レクで誰がこんなこと言ったみたいな、そういうことが庁内で噂されるじゃないですか。例えば、何かこう、「新知事の方針のほうがいいと私は思います」みたいなことを言ったら、「何や、あいつ、知事に尻尾振っとるやんか」みたいなね。そういう噂って庁内で立つんですよ。やっぱりそれは同じ組織ですから、みんな縦のラインの、例えば課長補佐や課長は、部長や局長、副知事の顔色をうかがうし、もちろん自分のラインとは違う人からもどう見られるかとか、すごく気にするじゃないですか。そしたら、知事の意見が正しいと思ってても、そんなこと言えない。しかも、議事録に残るんだったら誰かに見られるなって思ったら、やっぱりそれは本音の議論はできないですよ。私が一番知りたかったのは、現場で前知事の方針を受けてやっている職員たちが本当にこの事業が要ると思ってやってたのか。いや、こんなの本当は要らない、だけど、知事の命令だから仕方なくやってるとか、僕はその辺の気持ちを引き出したかったわけですよ。現場の職員こそが一番事業に関する情報を持っているわけじゃないですか。だから、皆さんがどう思っているかということをヒアリングの場で引き出したいと思っていたんですね。その意見はすごく参考になりますので。いや、知事の方針が間違っていて、前知事の方針のほうが正しいって言うんだったら、それはそれで言ってもらったらいいんだけど、やっぱり記録が残るということになると、意見は言いにくくなりますからね。ですから、私からすると、議論を後々検証するということも重要ですけれども、そこで実のある議論をして、よい結論を出すということのほうが価値が高いと思っているんです。そのためには議事録は作らないほうがいいんじゃないかという判断でやったことなんですよ。そうすると、議事録を作って検証できるようにすることの価値と、議事録は作らなくて、自由闊達な議論でより適切妥当な判断を導くということの価値と、どっちを取るかという選択になると思うんですよ。私は、自由闊達な議論によって、より適切妥当な結論を出すことの価値を取ったんで、議事録は作らないようにしましょうというふうに言ったんです。でも、読売新聞さんがおっしゃる、議論の過程の検証というのは、それは、この前も申し上げましたが、私の記憶の範囲、あるいは職員のメモの範囲で質問にはお答えするということで対応するほかないかなと、そういうふうに思った次第です。
記者:
すみません、細かいことになりますけど、その職員のメモというのは、知事の発言をメモしているんですか。それとも担当部署の職員も含めて、議論全体をメモしているんでしょうか。
知事:
どういうメモを職員が作ってたかは、それはちょっと私は分かりません。私はそのメモは見てないので。
記者:
それは政策推進課で作成されたメモということでよろしいですか。
知事:
そうですね。恐らく事務局は政策推進課か、財政課だったかな。財政課か政策推進課が作ってると思いますけども。
記者:
分かりました。
事業見直しの査定会議に関しては、知事のお考えというのは分かりましたけども、そのほかの会議で、例えば、働き方改革推進会議等も行われていますけども、そちらのほうはどうでしょう。そういった議事録等であったり、発言のやり取りというのは記録として残されているんでしょうか。
知事:
いや、それはちょっと私は分からないです。どうですか。
担当部局:
公開でやってるものが多いかとは思います。
知事:
でも、働き方・職場環境改革推進会議とかは、冒頭は記者さんに入ってもらうけど、その後は出てもらうじゃないですか。
司会:
恐らく、中身についての議事録はどこかで準備され、作成されていると思います。ただ、中身を今確認できておりませんので、また後日お伝えできるかというふうに思います。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
奈良県の今後のビジョンについて
記者:
少し抽象的な質問になるんですけども、知事が就任してから3か月が過ぎましたけども、知事の将来のビジョンについてお聞かせください。
知事:
将来のビジョン。
記者:
ぼんやりした質問になるかもしれないんですけども、やはりいろんな方に話を聞くと、知事がかわったと、それでいろいろ方針転換するのは、それは仕方ないというか、ある意味当然であると。そういう受け止めの声が多い一方で、じゃあ、10年後、20年後の奈良県ってどうなっているんだろうと。確かに知事は、教育無償化、授業料無償化等を進められるというようなこともおっしゃっている一方で、やはりどうしても事業を見直しされてるところが目につくわけですけども、いろんな方に聞くと、将来こういう奈良県になるんだと、そういうものはやっぱり知りたいという声が多く、私もそこがすごく一番知りたいとこなんですよね。なので、具体的にこうだとおっしゃるのは難しいと理解しているんですけども、自分が知事になったからには、こういう奈良県になるんだよというものを少しお示しいただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
知事:
人口が国全体で減っていくと、東京に集中していくという流れを、元に戻すのはすごく難しいことだと基本的に思っています。ですから、奈良県は24年連続で人口が減っていますけれども、これを増加に転じるというのは、ほぼほぼ難しいのではないかと思っていますので、人口の点で言えば、減少のスピードを遅めるということだろうと思うのですね。やはり人口というのは、その県の活性化度合いを測るメルクマールとして非常に重要なので。具体的に言えば、人口減少のスピードを落として、それによって県内のいろんな生産活動、消費活動、そうしたものの減少のスピードを押しとどめることによって、現在の活力を維持すると。そのためには、奈良県が企業活動もしやすいし、住民も住みやすいと、そういう県にしていく。奈良県は、やっぱり大阪に近いところは基本的にはベッドタウンとして発展してきたことは明らかだと思うのですよ。私はベッドタウン自体が悪いとは思ってないので、やっぱりまず、このすばらしい住環境を引き続き維持するということと、それだけではなくて、企業の誘致、あるいは県内企業の活性化のお手伝いというのをして、経済活動の指標をなるべく落とさないようにすると。あとは、奈良県と言えばやっぱり観光ですから、観光産業を発展すると、そういうことではないのですかね。何かそれを抽象的なばら色の言葉で表すみたいなことは、あまり好きじゃないのですよ。前知事は、住んでよし、働いてよしとか何か言っていませんでしたか、そういうこと。住んでよし、働いてよし、訪れてよし。それは当たり前のことではないですか。そういう抽象的な言葉が欲しいのだったら、幾らでも美辞麗句で抽象的なスローガンを掲げることはしますけど、そんな具体的なスローガンよりも、着実に政策を実現していって、結果で判断してくださいということだと思うのですよ。だから、奈良県の未来を抽象的に言えば、やっぱり一言で言えば、経済活動とか、人口のレベルを落とさないと、水準を落とさないと。そして、できれば、人口を増やすのは難しいけど、企業活動とか、観光客の数は増やしたいと。それは前知事の言葉で言えば、住んでよし、働いてよし、訪れてよしということだろうと思うのですけど。
記者:
知事のお考えとしては、そういったものを、結果としてある数字とか、指標として出るでしょうから、そういったものからしっかり判断してほしいというような、そういうお考えですかね。
知事:
そうですね、基本的にはね。でも、もうちょっと県民のハートに響くような言い方をすれば、関西の中では京都、大阪、兵庫の後塵を拝していることは間違いないですよね、いろんな意味でね。
記者:
分かります。
知事:
人口とか、企業活動とかの面で言うと、やっぱり大阪、兵庫、京都というのがあって、滋賀、和歌山、奈良という感じではないですか。
記者:
はい。
知事:
人口とか、企業活動で言うと、もう滋賀には抜かれていますよね。だから、そういう言い方をすれば、やっぱりあんまり県と県の比較というのもちょっとどうかとは思うのですけど、大阪、兵庫、京都、そして奈良というぐらいの、関西の2府4県の中で第1グループと第2グループがあるとすれば、第1グループに頭一歩近づけるぐらいな、そんなイメージでどうでしょうか。
記者:
おっしゃりたいことは、よく分かりました。
知事:
私は、やっぱり奈良県にはすごい歴史文化遺産もあるし、大阪や京都にも近いではないですか。滋賀はすばらしい自然がありますけれども、観光客という面では滋賀よりはいろんな観光資源が豊富だし、観光客の数も多いと思うのですよ。大阪には、滋賀より近いしね。ですから、せめて滋賀ぐらいには、たしか滋賀の人口は140万人だったと思うのですけど、奈良県は一頃140万人でしたけど、今129万人ですからね。やっぱ滋賀ぐらいは追い越したいなと、そんな感じですかね。
記者:
ぜひ、この関西の2府4県で奈良県が存在感を示せるような……。
知事:
そうです、そうです。
記者:
そういう県にしていただければなと思いますので、ありがとうございます。
奈良市ごみ処理場の移設について
司会:
ほかにございますでしょうか。
奈良新聞さん。
記者:
奈良市のごみ処理施設の話なんですけれども、七条地区に移転をしたいというふうに計画を立てているんですけれども、その中で、県立奈良養護学校について、奈良市は県と移転に向けて協議を進めているというふうに説明しているんですけども、その辺り、どうなのか教えていただけますか。
知事:
はい、奈良市の説明のとおりです。
記者:
具体的にもうどこかに移転する方向で協議が進んでいるということですか。
知事:
奈良市の意向で移転するので、移転に伴う費用は奈良市で出していただくということが前提ですけど、もし奈良市から頼まれれば、それに応じていきたいというように思っています。
記者:
移転には前向きということですか。
知事:
はい、そうです。
記者:
具体的にどの部分の費用負担をするとか、そこまで議論は進んでいるんですかね。
知事:
そこまでは議論してないですけど、例えば県の遊休地があれば、そこに移転して、建設費は出してもらう。県の遊休地がなければ、土地、建物、両方出してもらうと、そういうことになると思います。
記者:
それは、知事と仲川市長の間で議論が進んでいるということですか。
知事:
それは、事務レベルで。ただ、私もそういう方向でいいですよということは言っています。
記者:
具体的にいつぐらいから議論しているんですかね。
知事:
先月ぐらいからではないですかね。
記者:
七条地区に造るということになると、近くに大和郡山市のごみ処理場もありまして、近くに2つのごみ処理場が建つことになるんですけども、その辺りについてのお考えはいかがですか。
知事:
それは私がコメントする立場にないと思います。それは奈良市が地域住民の理解を得て進めることですから、それがいいとか、悪いとかというように私が言う立場にはないと思います。
記者:
ありがとうございます。
知事の夏期休暇の予定と過ごし方について
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
NHKさん。
記者:
知事はお盆休みは取られるんでしょうか。
知事:
はい。
記者:
いつ頃、取られて、何かご予定とかありましたら。
知事:
明日から。
記者:
いつまで。
知事:
17日までではなかったかな。
記者:
何かご予定はありますか。
知事:
奈良マラソンに向けて、ランニングの練習をやりたいと思います。運動ですね。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
司会:
ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。
幹事社さん、よろしいでしょうか。
それでは、以上をもちまして、知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。
※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。
また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。