【質疑応答】
○来年度予算について
○奈良県中小企業会館跡地を利用したホテル誘致計画について
○「奈良の鹿愛護会」による鹿への虐待疑惑について
○県域水道一体化について
○日本版DBSについて
○道の駅「クロスウェイなかまち」にかかる工事の入札中止について
○西和医療センターの移転候補地について
司会:
おはようございます。ただいまから、知事定例記者会見を始めさせていただきます。
本日の記者会見は、ユーチューブ、奈良県公式総合チャンネルでライブ配信しております。
本日は、県からの発表案件はございませんので、記者の皆様からご質問をお受けする形で進めさせていただきます。
来年度予算について
司会:
それでは、ご質問がございます方は、挙手にてお願いいたします。
毎日新聞さん。
記者:
予算審査特別委員会が昨日まであり、来年度予算や県政運営について、知事が今後やりたいことは何ですかと県議から質問があったと思いますが、知事が来年度予算にこんなことを盛り込みたい、新しくこんなことを始めたいと考えていることは現時点でありますか。
知事:
従前から申し上げているとおり、教育の無償化の一環として、私立高等学校への授業料の助成は必ず入ると思います。その他、子育て支援に関する施策等が盛り込まれる予定ですが、まとまった段階で発表させていただきます。ある程度決まってはいますが、現時点で言及は控えたいと思います。
記者:
子育て支援というのもかなりジャンルが幅広いと思いますが、その中でも具体的に何をやるのかというのは、大体腹積もりぐらいは決まっているという段階ですか。
知事:
そうですね、ある程度は決まっています。
まだ発表できる段階ではありません。
記者:
分かりました。
教育無償化は必ず入るということで、現時点でも県の助成があると思いますが、より拡張した制度を考えているということですか。
知事:
当然です。
記者:
その協議状況は、今、どのような感じでしょうか。
知事:
検討している案はありますが、順番としては、やはり私学団体の皆さんとお話をしてからということになりますし、議会への説明もございますので、報道機関の皆さんへの発表はそうしたことが終わってからになると思います。
記者:
私学振興大会が少し前にありましたが、それ以降で話合いの場はありましたか。
知事:
特にありません。当然、私学団体の協力がないとできない事業ですから、発表する前の段階においては、きちんと私学団体の皆さんとお話をさせていただいて、合意形成をしてからの公表になると思います。
記者:
それは、ある程度の案をつくってから、これでいいですかと話し合うことになるのか、結構幅を持たせて、これぐらいにしようと思っていますがどうしましょうという話し合いになるのかどちらでしょうか。
知事:
前者ですね。
記者:
ある程度固まってから持っていこうということですね。
知事:
はい。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
奈良県中小企業会館跡地を利用したホテル誘致計画について
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
朝日新聞さん。
記者:
奈良県中小企業会館と奈良商工会議所会館の敷地にホテルを建設する計画について、前回の定例会見で知事は肯定的なニュアンスでお話をされたかと思います。中小企業会館には、きてみてならSHOPという土産物店が入っていて、これが単なる土産物店ではなく、県内の工芸作家の方にとっては作品を発信する貴重な場所になってきたという経緯があるようです。そういった拠点が失われることに懸念の声が上がっているんですが、芸術振興や作家さんの保護といった観点から、拠点が失われる懸念に対する知事のお考えをお聞かせいただけないでしょうか。
知事:
既に天理のなら歴史芸術文化村とか、東京のまほろば館で展示販売をしております。きてみてならSHOPができたときには、天理のなら歴史芸術文化村もなかったですし、まほろば館が銀座に移ってからはかなりのスペースを取って展示即売をしていますので、あれで十分ではないかと思っております。
記者:
近鉄奈良駅に近く、外国人観光客も多いということで、特に今年に入ってから売上げを伸ばしているというようなこともあるようで、そういった意味で唯一無二の場所かと思います。現時点ではそれがなくなったとしてもやむなしだというのが知事のご見解ですか。
知事:
もし近鉄奈良駅付近でそういう場所を設けたいというのであれば、その業界団体がどこか場所を見つけて、家賃を払って借りればいいのかなと思います。特定の業界団体だけに対して、そういう便宜を図るのは公平性の観点からもいかがかと思います。
記者:
分かりました。
「奈良の鹿愛護会」による鹿への虐待疑惑について
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
朝日新聞さん。
記者:
奈良の鹿愛護会に関して、調査を進められるということですが、今週末、鹿の角きり行事が予定されています。恒例の伝統ある行事ですけれども、虐待の疑いが寄せられているという状況において、鹿を捕まえて角を切るということを、このタイミングで例年どおり行うことが適当かどうかというところについて、知事のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
知事:
角きりというのは、観光客に危害を加えないためにやっているものだと思いますし、そういった意味ではやらないわけにはいかないと思うんですよね。その場面を見せることが観光資源にもなっているということですから、特別柵に収容されている鹿の飼育体制の問題とはちょっと別なのかなというふうに私は考えております。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
県域水道一体化について
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
時事通信さん。
記者:
県域水道一体化について、10月の議会の一般質問の中で知事は、10月中に第2回の話し合いの場を設けたいとおっしゃっていたと思いますけども、現状どうなっているか、教えていただけますでしょうか。
知事:
今日の午後、記者クラブにペーパーが投げ込まれるということですが、明日の午後4時から奈良ロイヤルホテルにおきまして、第2回の奈良県広域水道企業団設立準備協議会を開催します。
記者:
そこではどういった話をされるご予定でしょうか。前回、宿題とおっしゃっていたのは全て片づいたということになるのでしょうか。
知事:
そうですね、こういった積み残された課題があるだろうと考えたことについて、県で検討して、そういった論点についてはこう考えるというようなことをお示ししたいと思っています。
記者:
スケジュール感などについてもその場で話し合っていくということになるのですか。
知事:
はい、その場で説明させていただきます。
日本版DBSについて
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
時事通信さん。
記者:
少し前に日本版DBSのことで今回の臨時国会は見送りするという報道が出ていますけれども、知事のお受け止めと、もし見送りになった場合に、率先して県のほうで条例などを進めていくなど、お考えがありましたら、教えていただきたいです。
知事:
有識者会議の案は、性犯罪を防止するために性犯罪歴の照会を子供に関連する事業者に義務づけるということで、性犯罪の防止と、過去に性犯罪を犯した方の更生、この2つの価値が衝突する、どこに線を引くかという問題なのですけれども、私は両者に配慮したバランスの取れた案だったのではないかなと思っていますけれども、立法をするのは国会ですので、立法の判断があると思いますので、それは尊重しなければならないだろうと思います。性犯罪歴というのは、当然、法務省が持っていますので、県単独でできるようなものではありません。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
道の駅「クロスウェイなかまち」にかかる工事の入札中止について
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
NHKさん。
記者:
先日、常任委員会で、中町の道の駅の入札が不調で、道の駅のオープンが年度内は厳しいんではないかという見解を部長が示されておるんですが、その件について、知事はどのように受け止めておられて、今後どのように対応されるとお考えでしょうか。
知事:
残念なことではございますが、建設資材や労務費の高騰などが原因で、予定価格では多分採算が取れないと事業者が判断して、入札不調になったんだろうと思います。昨今の建設資材の急騰というのは過去に例がないようなものだということですので、やむを得ないかなと思っております。今後は、再公告に向けまして、発注内容、具体的には資材の単価等を見直して、改めて再公告をして、できる限り早期に入札を実施していきたいと思っております。
西和医療センターの移転候補地について
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
朝日新聞さん。
記者:
昨日の委員会でも取り上げられた西和医療センターの移転についてお伺いいたします。まず、経緯に立ち返って恐縮ですけれども、もともと計画されていたJR王寺駅南側の移転候補地について、知事としては、ちゃんと検討された経緯がないということで、再度検討すべきだということだったと思います。具体的に、どういうことに基づいて、検討が不十分であると判断されたのでしょうか。予算執行査定の際に部局がそう言ったのか、もしくは、いろんな議員の意見を聞いて知事がそう感じたのか、その辺りのことを詳しく教えていただけますか。
知事:
予算執行査定の際に、どういう経緯でJR王寺駅南側に決まったのか聞いたところ、担当部局はその経緯をよく把握していませんでした。おそらく、前知事の意向ということだろうと判断しました。ただ、他の候補地について検討したことはないのかと聞いたら、形式的に何か所か簡単な調査はしたという回答はありましたが、今回のような詳細な調査は行っていないとのことでした。その簡単な調査の結果というのは具体的には聞いていませんが、担当課も、十分に他の候補地との比較検討をしたわけではないということは認めておりましたので、再度、一から場所を選定し直すということで方針が決まりました。
記者:
つまり、担当課も合理的になぜそこに決まったのか説明できなかったということでしょうか。
知事:
そういうことです。
記者:
当時のトップである前知事がここだということで決まったということですか。
知事:
担当課も前知事への配慮がありますから、はっきりそうは言いませんでしたが、私はそうだろうなと思いました。なぜここに決まったのかということについての合理的な説明はありませんでしたし、他の候補地と客観的に比較検討したような資料というのも出てきていませんので、なぜここでなければならないのかということについて、私が納得いくような説明はなかったということです。
記者:
その上で、知事もしくは部局として、JR王寺駅南側の候補地が適切かどうかについて、課題をそもそも感じておられたということですか。具体的にはどんな点でしょうか。
知事:
現在の敷地は2万平米ですが、JR王寺駅南側の候補地は1万平米しかありません。現在の計画では、JR西日本の操車場の一部と、王寺町が運営している駐輪場、駐車場もあるということで、当然その移転補償費がかかります。また、県側の想定では、進入路を確保するためには、民間の施設にも立ち退きを求める必要があると考えており、移転補償費の交渉にどれぐらい時間がかかるか分かりませんし、高額な費用が余計にかかるということになります。建物のない土地であれば、移転補償費を支払う必要も、交渉する必要もありません。さらに、以前、葛下川が溢水した際にこの地域が水に浸かった経緯もあり、浸水想定エリアになっています。ですから、まず狭い、移転補償費がかかる、移転補償費の交渉に不測の時間がかかる、浸水リスクがある。以上の4点が主な理由です。
記者:
確認ですが、今回、情報提供の段階で9つの候補地が挙がっており、その中にはJR王寺駅南側の場所も依然として含まれていますが、ここが完全に除外されたわけではないということでしょうか。つまり、まだJR王寺駅南側の候補地が最終的に選ばれる可能性もあるのでしょうか。
知事:
最終的には、当然ながら候補地を決めてから発表すべきものだと思いますので、今この場で、9つの候補地の中から、特定の場所だけを除外するようなことを言うのは適切ではないと思いますね。そこも候補地として検討しているわけですから。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
幹事社さん、よろしいでしょうか。
それでは、以上をもちまして、知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。
※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。
また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。