令和6年2月7日(水曜日)知事定例記者会見

【発表案件】
○消防学校の移転整備について
○教師にゆとりを!こどもに笑顔を!プロジェクト
○発達障害児(者)の支援
○新しい産業政策のパッケージ

【質疑応答】
○一般国道169号下北山村上池原地内の崩土に係る支援について

 

 

 

 

司会:

 おはようございます。ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。

 本日の記者会見は、ユーチューブ、奈良県公式総合チャンネルでライブ配信するとともに、ライブ資料もホームページに掲載しております。

 本日は、知事からの発表案件が4件ございます。それぞれの発表後に質疑応答の時間を取らせていただきます。

 まず、1件目の発表案件は、「消防学校の移転整備について」でございます。

 それでは、山下知事から発表いただきます。知事、よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

【発表案件】消防学校の移転整備について

 

 

 

 

知事:

 お手元の資料をご覧ください。表紙をめくっていただきまして、まず、現在の消防学校の概要について、現在の奈良県消防学校は、宇陀市榛原にございます。敷地面積は約1ヘクタールです。昭和48年に設置されておりまして、かなり老朽化が進んでおります。2番の現施設の課題ですけども、どれぐらい老朽化しているかというと、近畿府県の消防学校の中で最も古くて、築50年が経過しています。敷地面積も近畿府県の中で最も狭くて、近隣に住宅地が存在するため、必要な消防救急活動に即した教育訓練が十分行えていないということでございます。そうしたことから、現施設の課題を解消するには、移転整備が必要と考えまして、県が保有する未利用地のうち、消防学校に適した場所を選定していたところでございます。その選定作業が終了いたしまして、今日の発表になったわけでございますけども、移転場所については、4番のところに書いてございます旧高田東高校の跡地を考えております。選定理由としては、必要な敷地面積を確保できて、かつ敷地内は平たんかつ整形ということでございます。公共交通機関等によるアクセスがよく、近鉄大阪線の松塚という駅から徒歩7分でございますし、京奈和自動車道や中和幹線などからも近いということでございます。旧高田東高校の航空写真がその右下に載っておりまして、3.6ヘクタールの敷地がございます。

 以上でございます。

 

 

司会:

 それでは、ご質問がございます方は挙手にてお願いをいたします。

 読売新聞さん。

 

 

記者:

 基本的なことの確認ですが、今回の移転で見込まれる事業費は幾らぐらいを想定していますでしょうか。

 

 

知事:

 整備費用は、まだ算定してなくて、今後、基本計画を策定する中で検討を進めたいと考えています。

 

 

記者:

 これから算定するということですか。

 

 

知事:

 そうです。これから算定するということです。

 

 

記者:

 なので、費用等の面ではなく、土地に必要な面積や、活用できそうな土地ということで、今回の旧高田東高校の跡地が選ばれたということですかね。

 

 

知事:

 そうですね。県の未利用地の中から最も適切な場所を選んだと、そういうことでございます。

 

 

記者:

 金額的、事業費的な検討はされていないのでしょうか。

 

 

知事:

 県有地ですから、土地代はもともと要りません。そこに建設する建物というのは、どこに建てても大差ないので、土地の形状や、面積、それから、交通アクセスとか、あるいは、浸水が想定されるかとか、そういった点から検討したわけでございます。

 

 

記者:

 承知しました。ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 NHKさん。

 

 

記者:

 新しい消防学校については、いつ頃からの活用を目指していらっしゃいますか。あと、今の消防学校、かなり厳しい環境の中で、皆さん、訓練されていると思いますが、今回、新たに移転整備をすることで、どのような消防学校にしていきたいとお考えでしょうか。

 

 

知事:

 整備の時期のめど、分かりますか。

 

 

担当課:

 先ほど整備費用のところで申し上げましたけども、現時点ではまだ移転場所を選定したところでございまして、令和6年度、基本計画を策定する予定でございます。その中で検討を進めていきたいと考えています。

 

 

知事:

 それと、先ほど、現在の施設は十分な訓練施設がないということで、現在の場所が敷地面積約1ヘクタール、今回3.6ヘクタールなので、校舎のほかに、そういう訓練ができるような施設も充実させていきたいと考えております。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 毎日新聞さん。

 

 

記者:

 2点、確認ですけども、消防学校は、当初は五條市の大規模広域防災拠点に移転される予定でしたが、それがなくなって、こちらになったということでよろしいでしょうか。

 

 

担当課:

 担当課のほうからお答えさせていただきます。前の知事時代に五條市の大規模広域防災拠点の中に消防学校を移すという議論もございましたけども、決定ではございませんでして、その検討があった中で、今回改めて県内で検討しまして、この場所が適していると考えたところでございます。

 

 

知事:

 一応比較検討した他の県有地のリストには、五條市も入っていますが、旧高田東高校のほうがいいだろうということで、こういう結論になったということでございます。ですから、今説明があったように、従前も五條市の県有地でやると決まっていたわけではありません。そういう議論があったという程度でございます。

 

 

記者:

 分かりました。

 あと、高田東高校は、何年に閉校でしたでしょうか。

 

 

担当課:

 私が直接の所管課ではありませんので、正確なところは分かりませんが、平成19年頃に閉校したと記憶しています。正確ではないので、申し訳ありません。

 

 

記者:

 平成19年。後で確認します。ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 朝日新聞さん。

 

 

記者:

 朝日新聞です。何点か教えてください。まず、学校の校舎というのは、このまま残して、消防学校の一施設というか、メイン施設として残す計画なんでしょうか。

 

 

知事:

 旧高田東高校の校舎は、解体します。

 

 

担当課:

 昭和50年前半に開校した学校でございまして、耐震基準を満たしていないと想定されますので、基本は解体する方向で考えております。

 

 

記者:

 宇陀市の今の消防学校ですが、県の地域防災計画の中で、広域防災拠点の一つに位置づけられていると思うんですけども、移転したタイミングで広域防災拠点の機能としてもここに移るということでしょうか。

 

 

知事:

 新たに旧高田東高校に設置する消防学校のところに広域防災拠点を移す予定はしておりません。

 

 

記者:

 今、五條市も含めて9つ、広域防災拠点というのが地域防災計画の中で位置づけられてると思いますが、1つ減るということですか。

 

 

知事:

 ただ、その代わり、県立橿原公苑が増えるし、今、橿原運動公園も広域防災拠点にしたいということで、橿原市に働きかけていますので、橿原運動公園も、橿原市が承諾してくれれば、10個になります。

 

 

記者:

 移転した先では防災拠点としての機能はもう持たせない、持たないということになるという理解でいいですか。

 

 

知事:

 はい。県立橿原公苑や橿原運動公園からも近いですから、この同じようなエリアに3つも必要はないということです。

 

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 時事通信さん。

 

 

記者:

 機能面の点でお伺いするんですけども、この新しくなった消防学校は、今どんな事業が行われているか分からないですけど、何かこれからの時代に合うような、いろんなDX取り入れたり、機能面の教育コンテンツを入れたりとか、何か先進的なものを予定されているんでしょうか。

 

 

担当課:

 今年度から、消防学校教育の充実を目指しまして、内部で検討委員会を始めておりまして、その中でも今後どのような教育がいいのかと検討しております。消防機関の意見も聞きながら、その検討結果を今回の新消防学校にも反映させていこうと考えております。

 

 

記者:

 具体的にはまだ言えないということなんですか。

 

 

担当課:

 具体的には、まだ現在検討しているところでございます。ただ、一つありますのが、今現在、現消防学校で訓練施設が不足しているというのは事実としてございます。一部他府県に借りて訓練しているところもありますので、そのようなものの一定の整備は必要ではないかと考えております。

 

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 毎日新聞さん。

 

 

記者:

 広域防災拠点ですけれども、宇陀市の今の消防学校が1つ減って、大和高田市のほうに来るということで、宇陀市の広域防災拠点が消えるということですけども、消えたままだと、宇陀市方面の防災拠点の穴みたいなのができるのではないかと、その辺りのケアについて考えていますでしょうか。

 

 

知事:

 跡地利用については、地元宇陀市と相談しながら進めていきたいと思っていますが、その際に、令和6年度に検討する全県的な広域受援体制、この広域受援体制の中で、宇陀市を中心とするこの東部エリアにも広域防災拠点が必要ということであれば、新しい土地利用計画とそごがないのであれば、引き続きそこを広域防災拠点として指定するということもあり得るかと思います。

 

 

記者:

 そのときの議論次第かもしれませんが、跡地に広域防災拠点として、今は消防学校として当然あるものだと思いますが、何か拠点として使えるような倉庫やヘリポートとかになるのか、そういうところを造る可能性も含めて検討していきたい、そういう認識でよろしいですか。

 

 

知事:

 そうですね。敷地全体に建物が建つような土地利用になれば、当然防災拠点には適さないということになると思いますが、空地ができて、そこを災害時に使える場合は、併せて何か防災関連の施設を造るということもあるかもしれませんが、まだ何も決まっておりません。

 

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

 

 

【発表案件】教師にゆとりを!こどもに笑顔を!プロジェクト

 

 

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、2件目の発表案件に移らせていただきます。

 2件目は、「教師にゆとりを!こどもに笑顔を!プロジェクト」についてでございます。知事、よろしくお願いいたします。

 

 

知事:

 皆さんもよくご存じのように、学校の先生の負担が非常に重くなっています。また、不登校をはじめとするいろいろ課題を抱えた子供さんも増えているという中で、知事選挙におきましても、教員の負担軽減ということを公約に掲げさせていただいたんですけども、そうした現在の教育現場が置かれている環境、そして、また、選挙の公約を実現するということから、今般、教師にゆとりを!こどもに笑顔を!プロジェクトを実行することにいたしました。

 資料の表紙をめくっていただきまして、まず、不登校支援ということで、スクールカウンセラー、SC及びスクールソーシャルワーカー、SSWを拡充していきます。スクールカウンセラーの小学校への配置を30校から77校へと2倍以上にいたします。スクールソーシャルワーカーの各中学校区への派遣を54校区から81校区に充実させます。また、1校区当たりの年間訪問日数を12日から24日へと倍増させます。また、県立の教育研究所のヤングケアラー支援室に支援コーディネーター1名、スクールソーシャルワーカー4名、スクールカウンセラー2名を配置します。これは既に昨年10月に配置済みとなっております。

 それから、教員の負担軽減につきまして、教員業務支援員と呼ばれている職種の方がおられます。スクール・サポート・スタッフと呼ばれておりますけども、その配置を促進する事業を実施いたします。教員業務支援員というのは何をする人かというと、資料の印刷や配付の準備、学校行事等の準備の補助、そうしたものに従事して、先生でなくてもできる仕事を手伝う市町村が雇用する会計年度任用職員等となっております。従来、国、県、市でその人件費をそれぞれ一定割合で負担してたんですけども、具体的には、令和5年の予算で申し上げますと約8,000万円、負担割合としたら、県が9分の4、市町村が9分の3、国が9分の2となっておりまして、15市町村、1組合、158校に配置されておりました。しかしながら、市町村負担分が3分の1あるということで、なかなかその分の予算を捻出できないという事情から、配置が十分に進んでいなかったということが課題としてございまして、今回、その市町村負担分を県が肩代わりする形で、配置を促進したいと思っております。右側に令和6年度予算案が載っておりますけども、人件費の総額として1.8億円、県が3分の2、国が3分の1、市町村はゼロとなっております。これによりまして、全39市町村、1組合、297校、県内の全校ですね、県内の全部の小・中学校に配置を目指していきたいと考えております。

 それから、その次でございますけども、学力向上を目的とした学習支援員と呼ばれる方の配置を促進する事業を拡充させたいと思っております。学習支援員というのは、実際に勉強の指導を先生と共に行うとか、勉強の指導をする先生を支援するという、そういう役割を担っている方を学習支援員と呼んでおりますけども、具体的には、児童生徒に合ったきめ細やかな学習指導、習熟度別学習の実施、不登校児童生徒への支援などに従事してくださっている市町村会計年度任用職員等でございますけども、この学習支援員も、先ほどの教員業務支援員と同様、表にあるとおり、市町村の負担があるということで、必ずしも広がっていなかった面がございます。表の左側が現状で、それを市町村の負担をなくすことで、希望する学校、その希望する学校が29市町村、1組合あるわけですけども、ここに全て配置できるようにしていきたいと考えております。

 続きまして、教員の負担軽減の3つ目でございますけども、部活指導員の配置促進事業の拡充ということをしていきたいと思っております。これは、教員に代わって、学校部活動において技術指導をしたり、あるいは、大会に引率するといった業務を担う、これも市町村の会計年度任用職員でございます。

 

 

担当課:

 この事業については、県3分の1、市町村3分の1、国3分の1という、この補助の形は変わらないんですけども、いわゆる配置の人数を拡充しているということになります。

 

 

知事:

 予算を、3,000万から7,000万に増やすことで、希望する学校に全て配置できるようにしていきたいと思っております。これによりまして、休日のクラブ活動を地域に移行していきたい、土日や祝日は先生には休んでいただく、あるいは、教育の研究等をしていただくことで、先生の負担を軽減していきたいと思っております。

 下のほうに書いてございますが、中学校における休日の学校部活動の地域移行というのを進めまして、令和8年度には、休日における教員の指導による学校部活動を廃止したい。これは目標でございますけども、令和8年度には、休日における教員の指導による学校部活動を廃止していく。これを全国初を目指していきたいと考えております。

 あと、3番目は、教育現場では障害者の法定雇用率を満たしておりませんでしたので、この目標を満たすために、専門チームを教育委員会に設置しまして、学校現場の業務内容を精査して、障害者の方にやっていただけるような業務を切り分けるとか、あるいは、長期的な雇用計画を策定していきたいと考えております。

 以上でございます。

 

 

司会:

 それでは、ご質問がございます方は挙手にてお願いいたします。

 共同通信さん。

 

 

記者:

 最後のほうにおっしゃった、令和8年度からの休日における教員の指導による部活動の廃止について、すごく画期的だとは思うんですが、一方で、安全面の確保や指導者の責任の所在など、様々な詰めるべきところがあると思うんですが、令和6年、令和7年で、これに向けてどのような準備を進めていく予定でしょうか。

 

 

担当課:

 現在、国が令和7年度までに地域移行を推進していってる流れの中で、県としては、令和8年度までに、土曜日、日曜日のいわゆる教員の指導による学校部活動を廃止することにより、地域クラブ活動への移行、いわゆる地域移行を進めていくということになります。地域クラブ活動になりますと、その指導の母体が責任も持ちながらやっていくということになります。現在は、その地域移行をスムーズに進めるために、部活動改革検討委員会を設置し、いわゆる地域移行に向けての手引を作成して、市町村に示していきたいと考えております。また、指導者の確保に向けては、人材バンクの整備を現在進めているというところです。以上です。

 

 

記者:

 ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 産経新聞さん。

 

 

記者:

 重ねて地域移行について質問させていただきたいんですけれども、現在では、すでに進み始めているんでしょうか。何か指標といいますか、数字があれば教えていただけませんでしょうか。

 

 

担当課:

 現在、国でも地域移行を進めるために、モデル事業として、国の補助金を使った実証事業を行っております。今年度については、11市町がその実証事業に取り組んで、課題や成果を担当者と共有しているというところです。

 

 

記者:

 11市町でモデル事業が行われているということですね。

 あと、プロジェクトの全体に関わるところで、財政的な支援については今回の発表で分かったんですが、人員確保については、十分に確保できるのかというところと、今後、確保するために何か進めていくことがあれば教えてください。

 

 

担当課:

 教育委員会では、人材を求めるために、今年度、教育委員会の公式LINEアカウントを作成して情報を発信しておるところです。退職教員等に向けても留まってもらえるように情報発信して、人材の確保に努めているところでございます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 時事通信さん。

 

 

記者:

 人材確保について確認ですが、目処がついているということでしょうか。それとも、これからということでしょうか。あと、退職教員については、教員業務支援のところはある程度、長けていると思うんですが、地域移行のスタッフであったり、学力面については、新しいことがどんどん入っていく中で、どちらかというと心配な面もあるかとおもうんですけど、その辺りはいかがでしょうか。

 

 

担当課:

 失礼します。教員の学力面についてご心配になられていらっしゃいますが、指導力というのは十分にありますので、新しい教育にも対応しながら、支援していくこともできると考えているところです。

 

 

知事:

 退職教員でも指導はできるということですね。

 

 

担当課:

 はい、そう考えております。

 

 

記者:

 部活動のほうも大丈夫ということでしょうか。

 

 

担当課:

 部活動につきましても、現在、市町村から希望が上がってきた部分の配置を拡充しておりますので、それぞれの市町村である程度人材の目処が立っているというふうに理解しております。

 

 

記者:

 分かりました。

 あと、都道府県で全国初を目指すということですが、今、調べますと、愛媛県でも同様に部活動指導ゼロを目指すといったことを掲げられていますけれども、これは、この令和8年度の廃止が実現すれば、今のところ全国初になるという理解でよろしいんでしょうか。

 

 

担当課:

 現在、こちらが把握しているところでいいますと、例えば新潟県も令和7年度の完全な地域移行を目指すということを掲げていますので、奈良県としましても、教員の指導による学校部活動を県として廃止ということになりますと、それができれば、全国初になるのかなというふうに考えております。

 

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

司会:

 読売新聞さん。

 

 

記者:

 令和8年度に目指す休日の学校部活動の教員指導の廃止に向けて、どれぐらいの人数の確保が必要なのかお伺いできますでしょうか。

 

 

担当課:

 指導者の人数としては、500人ぐらいと考えております。

 

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 

司会:

 朝日新聞さん。

 

 

記者:

 この令和8年度からの、休日における教員の指導による学校部活動の廃止についてもう少しご説明いただきたいのですが、要は、教員が休日に指導することを禁止するということなのか、それとも、休日の部活動自体を縮小させていくような方向ということなのでしょうか。

 

 

知事:

 禁止ということではないと思いますが、学校の先生が中心に指導するという実態を令和8年度にはなくしたいということでございます。

 

 

記者:

 1月末にこの11市町の実証事業の報告会があって、私も聞かせていただいたんですけれども、実際、かなり難儀しているなという印象を持ちました。先ほど、500人ぐらいの指導員の確保も必要だというお話がありましたけれども、現場の理解というか、そもそも子供さんが希望しないとか、いろいろハードルがあると思われますが、この令和8年度からの実施に向けて、どういった課題を解決していく必要があるというふうにお考えでしょうか。

 

 

担当課:

 課題については、恐らく実証事業でも出てきてますように、人材、いわゆる指導者の確保や、現在ある学校部活動をどのようにしていくのかということについて、方向性を示すことによって、具体的な課題も見えてくると考えておりますので、市町村の意見も聞きながら、その辺りをしっかりと県として支援してまいりたいと考えております。先ほど申しましたように、教員の土曜日、日曜日の指導はなくなりますけれども、例えば、現在、指導したいという先生方もいらっしゃいます。そういった方が、いわゆる地域クラブ活動の指導者として兼職、兼業できるような体制についても現在検討しているところです。以上です。

 

 

記者:

 それに向けて来年度、こういうところまでのルールづくりをしたいとか、近々の目標として考えておられるところって何かありますか。

 

 

担当課:

 現在もそれぞれの市町村の担当者を集めた会議を持っておりますが、モデル事業につきましても、次年度につきましては、現在11市町であるところを、全体で17市町に拡大を予定しております。そういった中で課題をしっかりと聞きながら、その課題解決に向けて進めてまいりたいと考えております。

 

 

記者:

 知事にお伺いしたいんですが、選挙の公約では、教員の残業代の創設といったものとかも打ち出しておられたかと思うんですけれども、今回のこのプロジェクトで教育現場にどういったゆとりが生まれるのかというところについて、もう少しお聞かせいただけないでしょうか。

 

 

知事:

 残業代を払うよりも、そもそも残業をする必要がないようにするほうが絶対にいいと思いますので、残業自体を減らすという意味で、まずは、先生でなくてもできるような仕事は、教員業務支援員にやっていただきます。そして、実際の子供への指導の補助をする学習支援員も充実します。そして、部活動の指導も土日、祝日はしなくてもいいようにするということで、かなり残業を減らせるのではないかと思っております。残業時間に見合う手当の支給については、現在、定額で手当を支払っていると思いますので、その額に見合う程度までに残業時間を減らせれば、実質的にただ働きさせているというような批判はされなくなると思います。残業代を払うというのは、残業をしていただくのが前提なので、そうではなく、定額で払っている手当に見合う残業時間に減らしていくという方向で、負担と給与のバランスを取っていきたいと思っております。

 

 

司会:

 朝日新聞さん。

 

 

記者:

 2番の「教員の負担軽減」のところで、教員業務支援員の全校配置を目指すとありますけれども、これは、各校に最低1人は配置するという理解でよろしいんでしょうか。

 

 

知事:

 そういう理解で問題ありません。

 

 

記者:

 分かりました。

 その中で、来年度の予算案としては、市町村の負担がゼロになるということなんですけど、これは、その分を県が持つということになるんでしょうか。

 

 

知事:

 そういうことです。

 

 

記者:

 この表を見ると、国の負担割合が、9分の2から、9分の3に若干増えてるのかなと思うんですけど、これは何か国の制度が変わったということでしょうか。

 

 

担当課:

 この補助金の制度なんですけれども、国の負担割合が、県の負担額の3分の1ということになっております。今までは、市町村負担がまず3分の1というのがございまして、残りの3分の2のうち、3分の1が国から出ているということですので、3分の2掛ける3分の1で、9分の2が国負担であったということでございます。

 

 

記者:

 つまり県の負担が増えたから、国の負担も増えたということですね。

 

 

担当課:

 はい。

 

 

記者:

 分かりました。

 市町村の負担がゼロというのは、市町村からしたら大歓迎だというふうに推察されますが、市町村の負担がゼロというのは、ほかの都道府県で例があることなんでしょうか。

 

 

担当課:

 ほかの都道府県でも例はございます。

 

 

記者:

 あと、休日における教員の指導による部活動の廃止を目指すということですけれども、印象論で恐縮ですが、その割には、先ほどと比べて市町村の負担割合というのは変わっていないのですが、果たしてそういうことで実現が可能なのでしょうか。なにか市町村側の意向とかも含めて、もしこれが目指せるという根拠があれば教えていただきたいと思います。

 

 

知事:

 部活の指導員については、たしか市町村が負担しなければならないと決まっているんでしたよね。制度上、ゼロにはできないみたいなんです。ですから、そこは市町村にもご負担いただいて、あとは、最初の2つの教員業務支援員と学習支援員については市町村負担がなくなるので、そちらに払ってる分を、この部活の指導員のほうに充てれば、この部活指導員の人数が増えても対応していただけるんじゃないかなという思いはございます。

 

 

記者:

 分かりました。

 最後に、知事にお伺いさせてもらいます。このプロジェクトは公約の一つの柱だったと思うんですが、実際の制度設計というのは教育委員会が中心となってされたと思います。知事として、この制度設計を考える上でこだわった点とか、指示した事柄とか、そういうものがあれば、教えていただきたいと思います。

 

 

知事:

 このスクール・サポート・スタッフという制度や部活の地域移行については、選挙前からこういうことはしなければならないと思っていたので、私から明確に指示しました。教員業務支援員を拡充したいというふうに言ったところ、広がらないのは市町村負担があるからだという話を教育委員会から聞きました。本来は、市町村の教職員の人件費というのは、全部県が出してるわけですよね。それなら、本来、県が出すべきものなんだから、県で肩代わりして、市町村負担がなくなれば広がるんじゃないかというような議論を教育委員会として、このような制度設計になったということでございます。この学習支援員という制度は、選挙前は知らなかったんですが、これについても、発達障害のお子さんや不登校のお子さんが増えてますので、そうした対応で、先生がすごい時間を取られているという現状がある中で、学習支援員を増やしたいという教育委員会の意向がありました。教育委員会から、先ほどと同様の理由で、これも増やすためには、市町村の負担分を県が肩代わりすれば広がるというような提案がありました。つまり、もともと教員の人件費というのは県負担なわけですから、それについては県が負担するということでも理屈が通るんじゃないかと考えて、教育委員会の要望を受け入れたということです。休日の部活の指導を地域移行するというのは、もともと私もしていきたかった事業なんですけれども、これについては、先ほどからご指摘があるとおり、受皿をどう確保するかということが非常に重要な問題でございまして、受皿を確保するために、それを増やすための予算の拡充をしたということでございます。先ほど申しましたように、これについては市町村負担はなくせないので、ほか2つの市町村負担をなくすことでご対応いただけないかなというふうに考えた次第でございます。残業代を払うというのは、法律との整合性といったこともございますので、なかなか難しいかなというふうに思いまして、先ほど言いましたように、残業そのものを減らすという視点でこういった3つのメニューを考えたということでございます。

 

 

記者:

 ありがとうございます。

 

 

司会:

 朝日新聞さん。

 

 

記者:

 スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの拡充に関して、それぞれ配置と派遣が拡充されるということですが、どういった基準で増やされるのかというところの補足のご説明をいただけないでしょうか。ニーズがあるからそこにということなのか、予算枠が増えたから増やせるということなのか、どういった形で広げるのか、それによってそれぞれ何%カバーされる形になるのかというところをご説明いただけないでしょうか。

 

 

担当課:

 もともと、ニーズが本当にたくさんございます。スクールカウンセラーは、全公立小・中学校に週1回概ね4時間程度、また、スクールソーシャルワーカーは全中学校区に週1回3時間の配置が、国の基盤となる配置となっておりますが、奈良県は十分に足りていませんし、現場でもかなりこれらのニーズが高まっておりますので、段階的に増加させていただいているところでございます。スクールカウンセラーに関しましては、小学校で年に1回であったりとか、時間数がとても不足している状態なので、それを十分に増やしていくということを目指しています。人員の確保も必要ですので、一気に国の基準まで達することは難しいかと思いますので、数年の長期目標で増加させていただいております。スクールソーシャルワーカーに関しましては、昨年度までは各市町村で独自配置しているところには、県のスクールソーシャルワーカーを派遣しておりませんでしたが、独自配置しておられた市町村とも連携を進め、県から派遣をし、令和6年度は現在の54校区から81校区に増加させていただくところでございます。

 

 

記者:

 県内で約300の小・中学校があると思いますが、これによって、どれだけフォローされるようになるんでしょうか。

 

 

担当課:

 スクールソーシャルワーカーは、中学校区を基本とし、小学校にも巡回しています。スクールカウンセラーは各小学校に、年に1回は必ず行けるような体制はつくらせていただいておりますので、漏れ落ちのないような形で現在は配置させていただいているところかと思います。

 

 

記者:

 分かりました。

 あと、業務支援員の配置ですけども、これは2019年度から設置が進んできたかと思いますが、現場での活躍や満足度などのリサーチというのはこれまでされてきたんでしょうか。

 

 

担当課:

 今のところ、奈良県から直接アンケートは取れていない状況です。現場からの声は時々寄せられることはあります。助かっているというふうな声は頂戴します。あるいは、支援員が何曜日に来るということを校内で周知することによって、先生方の仕事の進め方が変わったということも聞きます。といいますのも、例えば、その日にやってもらいたいことを整理して書類をお渡しするというようなところで、先生方の業務の進め方がテンポよくなったというか、計画どおりに進めれるようになったというような声も聞きます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 NHKさん。

 

 

記者:

 知事にお伺いします。今回こうしたプロジェクトを進めることによる先生の負担軽減に伴って、子供たちにもいい効果が出てくるということが最終的な目的になるかと思うんですけれども、そこについて、知事は、どういうふうな奈良県の教育を目指していきたいとお考えですか。

 

 

知事:

 今回のプロジェクトの名称を「教師にゆとりを!こどもに笑顔を!」としたのは、まさにNHKさんがおっしゃったようなところに主眼があるわけでございまして、少しでも先生方が子供さんと向き合って、子供さんと話をする時間を多く取っていただきたい、あるいは、授業の準備を充実していただきたいといった思いがあるからです。先生でなければできない仕事に集中してほしいということです。そのことによって、子供の健全な発育、成長を促したいと、こういったことが狙いでございます。後でもご説明しますが、先ほども申しましたように、発達障害のお子さんなども増えており、また、親御さんの学校に対するニーズというのも非常に高くなっております。あるいは、子供同士のいじめへの対応とか、教育現場では様々な課題がある中で、そうした先生でなければできないことに集中していただき、課題のある子もない子も十分に自らを伸ばせるような、そんな教育環境を奈良県で提供できたらというふうに思っております。

 

 

 

 

【発表案件】発達障害児(者)の支援

 

 

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 それでは、3件目の発表案件に移らせていただきます。

 3件目は、「発達障害児(者)の支援」についてでございます。知事、よろしくお願いいたします。

 

 

知事:

 「障害の有無にかかわらず、子どもたちが能力を発揮できる社会を目指して」ということで、発達障害児、発達障害者の支援に取り組んでまいりたいと思います。

 まず、現状ですけれども、奈良県が田原本町にございます奈良県総合リハビリテーションセンター内に設置している奈良県発達障害者支援センターという機関があるんですけれども、この奈良県発達障害者支援センターや市町村の相談窓口に対して寄せられる、発達障害児(者)に関する相談が直近5年間で2.2倍に増えているという状況がございます。発達障害児(者)が受けられるいろんな福祉サービスがあるんですけれども、その福祉サービスを受けるためには、発達障害があるということの何らかの証明が必要になります。その何らかの証明というのは、必ずしも医師の診断書でなくてもいいんですが、市町村のほうで医者の診断書を取ってきてくださいと案内することもあって、なおかつ、この発達障害を専門とする小児科の医者の数が圧倒的に足りないという状況がございまして、その市町村の担当者は、この田原本町の奈良県総合リハビリテーションセンターで発達障害を専門とする小児科医の診断を受け、診断書を持ってきてくださいと案内することが多いようです。事前予約制になっているんですが、現在、予約してから発達障害の専門医の診察を受けるまでに5か月から6か月待たなきゃいけない実情があると聞いております。それでは、福祉サービスを受けるために5か月、6か月待たなきゃいけないということにもなりかねませんので、そういう状況はやはり早期に改善する必要があるだろうということで、今回、施策を立案した次第でございます。

 A4横の資料を見ていただきたいんですけれども、まず、1番、当事者とその家族に寄り添い、伴走する体制の充実ということで、1つ目の丸ですが、先ほど紹介しました奈良県発達障害者支援センターの相談員を5名から7名に増やすと。同センターの地域支援マネージャーという役職を新設して、2名を配置いたします。地域支援マネージャーって、どんなことをすることを予定してるんですか。

 

 

担当課:

 福祉医療部でございます。発達障害ですが、子供の頃から症状が発現し、それから長い間、地域で暮らしていただきますので、地域の教育でありますとか、福祉サービスでありますとか、いろんなサービスを地域ごとに組み合わせて、適切に提供できるような地域づくりに取り組んでいただく役割を果たしていただきたいと思っております。

 

 

知事:

 2番目の丸ですが、市町村の乳幼児健診の際に、発達障害かもしれないということを発見できるようなスキルを、市町村職員の保健師さん等に向上してもらうための研修を充実させたいと考えております。

 それから、2番、早期に適切な発達支援につなげる仕組みの構築ということで、先ほど言ったような問題がございまして、発達障害の診断を行う医師の確保や育成が必要ということから、まず、1つ目の丸、県総合リハビリテーションセンターの小児科医師を1名増員いたします。それから、発達障害医療を担える小児科医を育成するために、この専攻医というのは、従前、後期研修医と呼んでた人たちなんですけど、大学出て、研修を前期が2年間、後期が2年間、トータル4年、研修医として勤務するんですけど、その後期の2年の専攻医を県総合リハビリテーションセンターに受け入れて、そのスキルを身につけてもらうということ。それから、先ほど言いましたように、福祉サービスを受けるためには、必ずしも医者の診断書がなければサービスが受けられないというわけではないんですけれども、市町村の職員は、診断書もらってきてくださいと案内することが多いので、県の総合リハビリテーションセンターの小児科に患者さんが殺到してるという状況があるので、医者の診断書がなくてもサービスは受けられるんですよということを、まず、市町村の担当職員に十分認識してもらうとともに、医者の診断書に代わるそういうものを提供できるような、そんな専門職を配置していきたいと思っております。あわせて、3つ目の丸でございますけれども、総合リハビリテーションセンターに来た患者さんは、子供さんの状況どうですかみたいな、そういうヒアリングをまず受けるわけですよね。そのヒアリングを受けて、医者の診断を受けるわけですけど、そのヒアリングにすごく時間がかかるということで、医者の診断の前に、そうしたヒアリングを行えるような専門職も配置していきたいと思っております。

 それから、当事者を中心に、地域でチームとして支援する体制の整備促進ということで、児童発達支援センター、これは法律で市町村に設置が努力義務とされているセンターなんですけれども、発達障害児の療育等に関する相談機関なんですが、児童発達支援センターを設置する市町村や、あるいは、保育所への巡回支援に取り組む市町村に対し補助をするとか、診断に携わる医師間の連携強化、地域で支援を行う福祉事業所や学校等のネットワークを構築していきたいと考えております。

 以上でございます。

 

 

司会:

 それでは、ご質問がございます方は挙手にてお願いをいたします。

 朝日新聞さん。

 

 

記者:

 診断書を取ろうにも、診察を受けるまでに時間がかかってしまうというのは本当にゆゆしき問題だと思うんですけれど、今、5、6か月かかってしまっている実情というのを、今回の措置によって、どのぐらい短縮できればみたいな思いはあるんでしょうか。

 

 

担当課:

 具体的な月数まではまだ分かりませんけども、少なくとも医師を1名、常勤医師を増やしますので、かなりスムーズには診断にいけると思ってます。

 

 

記者:

 診断書がなくてもサービスを受けられるようにというところがイメージがつきにくかったんですが、チェックリストみたいなものがあって、それを満たせば診断書に代わるみたいなものなのか、どう柔軟に取り組まれていくのかのイメージをもう少しお聞かせいただければと思うんですけど。

 

 

担当課:

 実際には、まずは発達障害に対する診断なんですけれども、あくまでその子供の成長に合わせて、状態に合わせて適切な療育というサービスを提供するためにその状態を確認するための診断であって、それがマストではないということでございます。ですので、福祉サービスにつなげる際に、例えば市町村の保健師が一定のチェックリストに基づいて状態をチェックして、そのままサービスにつなげている市町村もございますが、県内39市町村で同じ状態ではありませんので、その辺りを市町村と連携しながら体制の整備をしていきたいと考えているところです。

 

 

知事:

 どういうチェックをしたら、療育のサービスを提供できるのかということの基準が市町村によってまちまちだと聞いてまして、県がこういうことをチェックして、こういう作業をしたら、療育サービスを提供してもいいんじゃないかみたいな指針を示すということで市町村の担当職員の事務処理の効率化を図ると。そういった感じでいいんでしょうか。

 

 

担当課:

 はい。知事のおっしゃるとおりでございますが、統一的な基準を示すのはなかなかこの分野、大変難しゅうございます。世間の理解も進んでいるとともに、発達障害に関する研究でありますとか、対応も日々変わっておりますので、確立した基準ということで示せるかかどうかは、まさにこれから検討したいと思います。そういった意味では、来年度、県立医大の小児科医局でありますとか、いろんなところと検討会もしながら研究してまいりたいと考えております。

 

 

記者:

 対応件数が5年で2.2倍に増えているというお話があったかと思うんですが、その件数を教えていただければというのと、県内の発達障害を持っている子供の数が増えているとか、今何人なのかとか、何かそういうデータというのはあるのか、教えていただければと思いました。

 

 

担当課:

 人数につきましては、統計データはございません。県内39市町村に設置をしております一次相談窓口と、それから、二次相談窓口であります田原本町の県発達障害者支援センターでぃあーに寄せられております件数が、概数で申し上げますと、平成30年度で1万1,000件ぐらい。それが令和4年度で2万5,000件ぐらいまで増えて、大体2.2倍に増えております。子供の数が増えているわけではないので、そういったお困り事を抱えていらっしゃる当事者、ご家族等が増えているものと考えております。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 NHKさん。

 

 

記者:

 すみません、資料、1のところにある地域支援マネージャーの新設ですとか、2のところの丸の3つ目のアセスメントを行う専門職の配置、この新規に関しては、他府県での事例はあるんでしょうか。それとも、奈良県独自のものなんでしょうか。あと、このアセスを行う専門職の方というのは、実際には保健師さんとか、そういう方を想定してらっしゃいますか。特殊な資格であったり、そういったものが必要な方になるんでしょうか。

 

 

担当課:

 地域支援マネージャーという形で役割を明確にした形については、ないかと思いますが、特に調べておりませんので、確定した情報ではございません。地域づくりをしっかり行っていただくということで、県とも連携をしながら役割を果たしていただきたいと思っております。こちらは県の発達障害者支援センターでぃあーに設置したいと考えております。

 それから、2つ目の診断前のアセスメントでありますが、こちらにつきましては、ちょっと幅広に考えております。まずは職種としては臨床心理士が適切ではないかと考えております。医師の診断待ちも含めまして、事前に心理テスト等を行ったり、生育歴を聞き取ったりというところから、あわせて、診断を経るまでもなく、地域のサービスがありますので、つなげましょうよということを幅広に診断前に行っていただく方を想定しておりまして、こちらにつきましては、リハビリの小児科でありますとか、発達障害者支援センターと連携が取りやすい場所に設置しようと考えておりますので、場所的には田原本町のリハビリセンター内に設置したいと考えておるところでございます。以上です。

 

 

知事:

 それが全国初かどうかという質問もあったと思うんですけど。

 

 

担当課:

 どういうところに置くかということにも関わってくるかと思うんですけれども、他府県でも置いていらっしゃる例はございます。

 

 

記者:

 ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 毎日新聞さん。

 

 

記者:

 これ全部、令和6年度に新規、拡充を図る取組なので、来年度予算に入れる話かと思うんですけれども、盛り込む額ってどれくらいになりますでしょうか。

 

 

知事:

 額は、新年度予算を発表するときにご説明したいと思います。

 

 

記者:

 分かりました。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 奈良新聞さん。

 

 

記者:

 発達障害児の支援に力を入れることへの知事の思いというのを聞かせていただけますか。

 

 

知事:

 発達障害を持つお子さんというのは、何らかの形でちょっと生きづらさを感じてたりするとか、ほかのお子さんと発達度合いが違うというだけであって、子供の頃にきちんとした療育を施すことで、社会に出てご活躍いただける、そういう方だと思ってますので、きちんと教育機関や福祉、医療、そうしたところがサポートすることで、その人が自分らしい生き方をできるはずだと思っています。ただ、それを、親御さんだけが課題を抱えるというのは重過ぎますので、そういう親御さんをサポートする、親御さんの相談に乗ると。社会全体で発達障害児(者)をサポートする仕組みが今すごく求められていると思っておりまして、そういった体制を奈良県で充実していきたいと、そういう思いでございます。

 

 

 

 

【発表案件】新しい産業政策のパッケージ

 

 

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 それでは、4件目の発表案件に移らせていただきます。

 4件目は、新しい産業政策のパッケージについてでございます。知事、よろしくお願いいたします。

 

 

知事:

 奈良県が持つポテンシャルを最大限に引き出す新しい産業政策のパッケージということでご説明をさせていただきます。

 12月の第1回目の定例記者会見において、この8つの柱については、既に記者の皆さんにもご説明させていただいたところでございますけれども、今般、その8つの柱に基づく具体的な政策のほうがまとまりましたので、それをご紹介させていただきます。ちょっと資料がかなり多くになっておりますので、時間の関係もありますので、かいつまんでご説明をさせていただきます。

 1ページ目は、前回の記者会見のときに申し上げたのですけれども、本県は製造品出荷額が39位ということで、人口が奈良県より少ない和歌山県よりもこの製造品出荷額は低いということになっておりまして、本県はその潜在力に見合った成長を実現できていないというように認識をしておるところでございます。では、行政として何ができるかということになると、それはやはり企業さんがお仕事しやすいような環境を醸成するということが行政の務めだというように考えております。そうすると、やはりその企業さんのニーズに合致した産業政策でなければ、十分な効果は発揮されないというように思っておりまして、そうしたことから、企業さんのリアルなニーズを把握するために、これまで170社から、経営戦略や事業環境、それから各企業の抱える課題について、話を聞かせていただきました。いわゆる御用聞きをさせていただいたということでございます。それを踏まえまして、8つの柱ということを打ち出したわけでございます。それが2ページ、これは既に説明していますので、説明は省略いたします。

 まず、この8つの課題の1番目の人材確保の抜本的強化というところなのですが、資料の3ページでございます。ほぼ全ての経営者の一番の悩みは人手不足と採用難ということでございます。今、企業の声というところを紹介していますけれども、その1つ目の丸ですね。ほぼ全ての経営者の一番の悩みが人手不足と採用難。それから、県内の学生に自社を深く知ってもらいたいが、交わる機会がないと、大阪に学生が流失しているというような声がございました。その1番目の丸の課題に対しまして、まず、今後の取組の、丸がずっと並んでいますけれども、上から2番目の丸ですね。例えば東京圏からの移住支援金について、子育て世帯の支援金を加算すると、子供1人につき100万円を加算すると。今、既に1世帯当たり100万円、単身者60万円というのは既存の制度としてあるのですけれども、子供がいる場合は、さらにそれに子供1人につき100万を上乗せするという、ここが新規ということでございます。

 それから、詳しくは4ページ目を見てもらったほうがいいですね。4ページ目の左側に今の子育て加算の新設が載っております。単身者60万円、世帯100万円に対しまして、子育て分を加算すると。それから、企業が採用した従業員の奨学金を肩代わりして返還するという、そういう取組に対しまして、県がこれまで、その企業が奨学金を肩代わりして返済する、その原資を補助していたという制度があるのですけれども、これまでは、4ページの右にあるとおり、製造業に限るという条件があったのを全業種に拡充する。それから、従業員の要件が、今まで理工系学部の新卒で、かつ研究職、技術開発職に限るというようにしていたのを、学部不問、新卒ではなく、35歳未満であればいいと。それから、職種も研究職、技術開発職に限らず、全職種でいいという形に要件を緩和することにいたしました。

 資料の3ページに戻っていただきまして、下段の上から5つ目の二重丸でございますけれども、県内の中高生の企業の現場体験プログラムというのを始めたいと考えております。これにつきましては、資料の5ページをご覧ください。先ほども言いましたように、県外就業率が高い。そもそも、県内にどういう企業があるのかを知らないで、皆さん、大阪で就職してしまうというような状況がございまして、かつ離職率も高いということから、ミスマッチが起こっているのではないかということの問題意識を持っておりまして、就職活動を始める前から県内企業について知ってもらう機会が必要ということから、県内企業を中高生がバスで訪問すると、そういうツアーを開催したり、SNSで奈良県の企業情報を発信したりというようなことをしていきたいと考えております。

 次、6ページ、用地確保と先進的なグリーン化ということなのですけれども、企業等の「声」というところで文化財発掘調査等の予見可能性が著しく低く、他地域に比べ投資環境が厳しいと。これ、奈良県特有の事情でもあるのですけれども、これを解決するために今後の取組ということで、下段の真ん中辺りに、文化財発掘調査の効率性・予見可能性の向上というのがございますけれども、新たに4つの取組をしていきたいと思っております。体制の強化、機材の充実、環境整備、発掘見通しの提示ということでございます。

 具体的には、7ページ以下なのですけど、8ページ、文化財発掘調査が県内の企業誘致、インフラ整備の遅れの要因の一つであるという指摘が従前からございました。それが、文化財発掘調査の予見可能性が著しく低く、他地域に比べ投資環境が厳しいと。ちょっと掘ってみたら遺跡がありそうなので、その埋蔵文化財の調査に時間がかかると。そうすると、この年から工場を操業したかったのに、埋蔵文化財の調査をしていたら、到底もうそれには間に合わなくなると。そんなリスクがあるのだったら、もう奈良県内で工場を新設するのはやめようと、そういうような埋蔵文化財の発掘調査にどれぐらい時間とか、費用がかかるか分からないということから、県内での立地を敬遠するというような話がございました。それを解消するということと、同様に、京奈和自動車道とか、リニア中央新幹線等の整備促進や、昨日説明しました大和平野中央田園都市構想の県有地の有効活用の推進にも、この文化財発掘調査の効率化が必要だというように考えたところでございます。これは、決して埋蔵文化財調査をおろそかにするというわけではなくて、要するに量と質を拡充すると、非効率だった部分を効率的にするということで、文化財調査はきちんとしつつ、もうちょっとそれを迅速化すると、めり張りをつけるということでございます。

 具体的には、9ページですけれども、体制強化ということで、県立橿原考古学研究所の調査員や事務職員を増員します。市町村にございます文化財部局との調査業務の分担も図ってまいります。それから、民間の研究機関、例えば元興寺文化財研究所というところでもこういったことのできる人員がいるのですけれども、そうしたところとの連携、協力も図っていきたいと。それから、短期的な調査人員確保のための雇用制度の創設といったことで、まず、マンパワーを増やしていくと。それから、予算確保と運用の円滑化ということで、県立橿原考古学研究所の調査機材を充実させます。それから、調査業務の発注方式の見直しということで、複数の案件をまとめて発注するとか、あるいは、今まで全部、単年度契約だったものを複数年度契約を導入することで調査業務を受注する側の負担を減らしていきたいと。要するに、毎年度、毎年度、精算という決算の作業が必要だったのですけど、それを例えば3年で契約すれば、もう3年の調査期間の最後でいいというような、そういったことにしていきたいと考えております。それから、3番ですね、DXの推進とか、出土品処理の円滑化、ワンストップ窓口の設置。それから、4番、中長期の事業量を把握、公表し、事業の見通しを示すことで、発掘調査関連企業の参入を促進すると。これは、どういうことかというと、民間企業にもやってもらうためには、ここ数年間でこれぐらいの業務量がありますよというようなことを事前に公表することで、そういう民間の発掘調査関連企業の参入を促せるのではないかというように考えております。

 それから、調査の効率化ということでは、トレンチ調査という、これは試掘のようなものですけれども、その期間を今まで最長6か月かかっていたのを3か月ぐらいに、例えば、5,000平米ぐらいだったら最長6か月かかっていたのを3か月に短縮するとか、あるいは、今までは、実際の発掘調査については1年間で最大1万平米しかできていなかったのを3倍にするとか、調査の量も増やしていきたいと考えております。

 それで、資料の6ページに戻っていただきまして、それがこの文化財発掘調査の効率性・予見可能性の向上ということでございます。

 それから、グリーン戦略については、県内初のRE100工業団地に向けた調査を実施ということで、これにつきましては、10ページを見てください。RE100工業団地というのはどういうことかというと、再生可能エネルギーで発電した電力で全ての業務用の電力が賄われていると、そういう団地のことでございますけれども、今、取引先からRE100の電気で製造した部品でないと買わないよというようなことを言われている業者さんが多いということで、そうした企業のニーズに応えるために、RE100工業団地というのを、県でそういう新たな工業団地を造成したらどうかというように考えていまして、まずは、そういったものを実施するための工業団地を造成するための調査を実施していきたいと考えております。ですから、五條市の太陽光発電施設につきましては、災害時は非常用電源になるわけですけれども、平時はこういうRE100の工業団地に電力を供給するといった拠点にもなり得るかなというように考えてございます。脱炭素の話は、以前紹介しましたので、今日は割愛をさせていただきます。

 それから、資料の11ページ、企業さんの声といたしましては、構造的な人手不足の中で、雇用者数ではなく、雇用の質や生産性の向上に着目した支援をしてほしいということで、具体的に言いますと、現在の奈良県の企業立地補助金、これには新規雇用を何名することというような要件を課しているのですけれども、それがあるために、この企業立地促進補助金を受けられないというような例がございます。そもそも、今、各企業は、機械化やAI化によって、なるべく人手のかからないような取組をしている中で、新たに奈良県に工場を新設する際に地元雇用何名というのを課せられたら、そもそもそれは無理があるというようなことから、非常に使い勝手が悪いというようなお声がございました。その新規雇用の要件も、3人とか、5人とか、数はもともと少なかったし、新たに奈良県に工場を新設して、例えばもともとは大阪府で操業していて、奈良県に工場を移しました。そうすると、当面は大阪府から、大阪府の工場で働いていた大阪府の人が奈良県に通ってくるということになるのですけども、その人が定年退職すれば、当然、地元で新たに雇用するということを企業は考えますので、時間がたてば地元雇用に切り替わっていくわけですよね。ですから、新規立地の際に、新たにわざわざ新規雇用、新規の地元雇用何人という要件を課すというのはあまり意味がないというように思っております。県内に企業の拠点ができれば、いずれ地元雇用が増えるわけですから、それを撤廃しようと考えました。これは全国初です。これはかなり思い切った取組であるというように考えております。

 雇用要件を廃止するとともに、メニューを統合して、さらに上限額を引き上げるということで、具体的には12ページをご参考ください。今まで3つの種類に分かれていたのを一本化いたしました。新規雇用の要件はなしで、上限は全て10億円といたしました。

 それから、次、13ページ。これは、我々の反省すべき課題なのですけど、行政対応の不満・ボトルネック解消ということなのですが、企業さんの声は、例えば工場を新設するとかいうときに、県の部局が違うと一から同じ話をさせられると。県庁内で横の情報共有がなされていないと。あるいは、県の支援施策の情報を知らないので、支援施策を使いたいが使ったことがないということから、県と企業をつなぐ専任担当者制というのを導入したいと思っております。つまり、企業さんが県内の複数の窓口を渡り歩くのではなくて、担当者を決めて、その人が県内の各部局を取りまとめて、企業さんに対応する。企業さんは、例えば産業部のAさんという人に相談すれば、Aさんが県内の各部局と調整して企業さんに必要な情報を伝えたり、相談を受けたりすると。そういった仕組みを導入したいということで、そのために、民間企業の取組を参考といたしまして、県庁版CRMというのを導入したいと考えております。CRMというのはカスタマーリレーションシップマネジメントと呼ばれるものでございます。県内企業からの相談や指摘をこのCRMシステムで一元管理して、庁内で共有をするということでございます。その専任担当者制のイメージは、14ページに記載のとおりでございます。

 それから、15ページが新たな成長のフロンティアということで、企業の海外展開を支援するというスキームでございます。県内の中小企業にとりまして、海外というのはハードルが高い。どこに相談したらいいかも分からないし、何をすべきかも分からないということ、そういう声がございまして、これに応えるためにジェトロの奈良事務所に海外展開サポートデスクというのを設置して、関係機関による海外展開サポートのネットワークを形成していきたいと考えております。具体的なイメージは、16ページをご参照ください。

 それから、17ページ、重点的な外国人材の呼び込みということでございます。企業さんの中には、日本在住、奈良県在住の、別に大阪在住でもいいと思うのですけれども、留学生をできれば採用したいという声がございます。ただ、そうは思っているのだけど、留学生と接触する機会が乏しいということで、新たに外国人留学生の県内企業への就職を支援するプログラムというのを開始したいと思っております。具体的なイメージは、18ページをご参照ください。

 次に、19ページ、事業承継。ご案内のとおり、中小企業のオーナー社長さんとかの後継者がなかなか見つからないという、そういう問題が非常に今、我が国の中小企業を取り巻く大きな問題になっております。中小企業のオーナー社長さんの中には、法務や税務等の専門知識がなくて、かつ、専門家の力を借りるためのそういう経済的負担にも耐えられないといった方が一定数おられるということで、既に県事業承継・引継ぎ支援センターというのがあるのですけれども、そこと連携強化して、専門家派遣などの支援によって、事業承継のマッチングを加速していきたいと考えております。具体的なイメージは、20ページのとおりでございます。

 少し長くなりましたが、以上でございます。8本柱の8つ目はスタートアップ支援なので、これは以前、既に記者発表したとおりでございますので、今日は割愛をさせていただきます。

 

 

司会:

 それでは、ご質問がございます方は挙手にてお願いをいたします。

 日経新聞さん。

 

 

記者:

 用地確保で文化財発掘調査などの効率化ということですけども、そもそも奈良県は文化財が出るので、用地確保しにくいとか、そういうイメージ先行で、実際はそれほど他県に比べて時間がかかったり、滞ったりすることはないと聞くのですけども、実態、その辺の現状というのはどうなのでしょうか。

 あと、もう一点が、これからその期間を短縮したり、調査対象を広げるという場合に、県だけでこれはできるのか、あるいは、国の文化庁とかと調整するような必要のあるところというのがあるのかどうかという、2点お願いします。

 

 

知事:

 担当から回答させていただきます。

 

 

担当課:

 1点目の現状でございます。公共事業、それから、民間開発に含めても、量的に絶対的に発掘の体制が今現状で不足しているかということではないのですが、当然、新規のご要望とかあった際に今回の取組で対応できるようにということで、引き続き体制強化に努めていきたいというのが1点でございます。

 それから、効率化で書いております量、期間の短縮等についての取組でございますが、県の機関であります橿原考古学研究所のみで全てを対応するということではなくて、先ほど知事からも発言ありましたように、例えば元興寺文化財研究所でありますとか、エリアが限定されますが、奈良文化財研究所等、そういったところとも連携しながら、絶対量といいますか、発掘量の確保という形で取り組んでまいりたいというように考えてございます。以上です。

 

 

記者:

 では調査期間が、立地の面というか、建築するときに時間がかかるとか、データみたいなものというのは特にないということなのか、あと、さっき2番目の全部、県の中で調査とかの期間変更とかはできるという、国との調整は要らないというようなことで、現状どうなんでしょうか。

 

 

担当課:

 具体的なデータといいますのは、あくまでも届出とか、発掘した過去のデータというのはございますが、逆にご要望に応えられなかったデータというのは、今現状としては手元にはないということでございます。

 それから、文化庁との調整ということについては、やり方については、当然ながら、各種の文化財保護法以下、そういった基準にのっとってということの取組でございますので、それについては特段の調整は不要でございます。

 

 

 

 

一般国道169号下北山村上池原地内の崩土に係る支援について

 

 

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、その他の質問も含めて、ご質問がございます方は挙手にてお願いをいたします。

 NHKさん。

 

 

記者:

 下北山村の土砂崩れの今後の対応、今日午後からもまた専門家の先生方の会議もありますが、地元のほうからもやはり早期に通行止めを何とかしてほしいというような要望もかなり上がっていますが、現場の安全というものが一番大事だと思うのですけれども、現時点で今後の見通しですとか、知事としてはどのように地元に応えていきたいかというようにお考えですか。

 

 

知事:

 まずは、例えば片側交互通行によって道路の通行を開始した場合に、同様の事故が起きてしまうということだけは絶対に避けなければならないというように考えておりますので、そういった二度と同様の事故を繰り返さないためにはどういう復旧工事をすればいいのかということの検討を今日の有識者会議で検討してもらって、結論を出していただくというように認識しています。具体的には3つ、案があるということで、その3つの案から最も妥当なものを有識者の意見を聞いて決定するという流れになっております。では、いつ、あそこは通れるようになるのかということについては、なかなかちょっと具体的な時期を言うのは難しいのですけれども、できる限り早くということで考えてございます。

 それから、先般、下北山村、上北山村、川上村の3村から要望書を頂きました。その中には様々な要望がありましたが、事業者の中で、特にご商売をされている方々に影響が出ているというご指摘がありました。これにつきましては、災害等で売上高が減少した方にご利用いただける新型コロナウイルス感染症対応資金や経営環境変化・災害対策資金等の制度融資が活用できます。これらが利用可能であるということをご案内させていただいております。

 

 

記者:

 県として、何らかの金銭面での支援というのは、今のところはまだ考えていないのでしょうか。

 

 

知事:

 はい、考えておりません。

 

 

記者:

 あと、実際に今日そういう方針が決まって、実際のお役所の論理で行くと、いろんな手続を踏んでやっていったら、またそこに時間がかかってしまって、復旧の作業がまだ時間かかるのではないかとも思われますけども、災害復旧なので、知事の専決事項にすることも可能かとは思うのですが、どのように進めていきたいというようにお考えですか。

 

 

知事:

 この(復旧)工事の実施に係る予算、変更契約の締結については、専決処分でやりたいと考えております。

 

 

記者:

 ありがとうございます。

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 幹事社さんもよろしいでしょうか。

 それでは、以上をもちまして、知事定例記者会見を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

 

 

※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。

また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。

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