特集

県民だより奈良
2024年5月号

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タイトル

 奈良県は、道路環境が良くないと言われています。実際、道路整備率は全国の都道府県で最下位となっています(「道路統計年報2022」より)。
 また、舗装に関する苦情・要望の件数は、全体の約20%を占め、類型で第1位となっています(令和4年度)。
 このため、令和6年度から令和10年度の5カ年度において、予算を集中的に投入し、道路利用者の皆さんに安全で快適な道路空間を提供するための「ならの道リフレッシュプロジェクト」を実施することにしました。

プロジェクトの柱

1舗装の耐久性の向上

路面損傷が著しい道路の計画的な舗装修繕により、耐久性を向上

2区画線の維持修繕

区画線の損傷が著しい道路の計画的な区画線補修により、視認性を向上

3草刈りのメリハリ化

計画的な防草対策を実施することにより、雑草のはみだしによる危険度、不快感を軽減

4道路維持管理のDX

SNSによる通報サービスやドライブレコーダーを用いることにより、異常箇所を早期発見

1舗装の耐久性の向上~きれいな舗装を長持ちさせる~

県管理道路の現状

 舗装の損傷状態を3つの指標(ひび割れ、わだち掘れ※1、1.R1.※2)で総合的に判断すると、損傷が著しい状態(損傷度3.)の道路は、 全体の約26・1%※3を占めています。
※1 車両が通過する位置に連続的に生じる横断方向の凹凸
※2 車で走行した時に感じる進行方向の凹凸(車の乗り心地)
※3 令和元~3年度 県調査実績

舗装劣化のメカニズム

 表層にひび割れが発生するとそこから雨水が浸入し、路盤の支持力が低下します。さらにひび割れから路盤の成分が流出することにより劣化していきます。
 舗装の耐久性を向上させるためには、表層だけではなく路盤を含めた修繕を行うことが重要です。


出典:国土交通省資料

交通量と舗装劣化の関係

国土交通省の調べによると、大型車交通量1,000台/日・方向以上の路線(奈良生駒線など)は舗装が早期に損傷し、1,000台/日・方向未満では、大幅に損傷の進行が緩やかになるとされています。

ひび割れ率に関する標準的な劣化曲線

出典:国土交通省データ

これまでの修繕方法

 毎年、限られた予算の中で多くの路面を修繕するために、主に舗装の表層の修繕を実施してきました。
 そのため、舗装が早期に損傷し、修繕が追い付かない状態でした。

これからの取り組み

 約2,000kmある県管理道路を、大型車交通量に応じて、下図のとおり管理区分を設定しました。
 その上で、管理区分Aに設定した主要道路の約110kmから優先的に、表層だけではなく路盤も含めた修繕を実施することで舗装の耐久性を向上させ、快適な路面状態を維持します。

県管理道路の区分

2区画線の維持修繕~見やすい区画線に~

区画線の損傷状況

 区画線の損傷状態を3段階に区分すると、損傷が著しい道路(判定3.)は全体の約23・5%となっています。
(令和元~3年度 県調査実績)

これまでの修繕方法

職員のパトロールや住民の皆さんからの通報により、補修箇所を選定し、補修を実施してきました。

これからの取り組み

 県管理道路の管理区分A・B(3ページ参照)の道路のうち、区画線の損傷が著しい道路(約200km)について、優先的に補修を実施します。
 さらに、ドライブレコーダーの映像を用いて損傷箇所を検出し、把握する取り組みを新たに始め、迅速な修繕につなげます。

県管理道路の区分

3草刈りのメリハリ化~不快感のない道路に~

これまでの草刈りの方法

 通行の障害となる雑草や、沿道環境を害する雑草が繁茂する区間を対象に、原則年1回の草刈りを実施しています。
 しかし、「雑草が伸びているのでもう一度草刈りしてほしい」や、「雑草が伸びて見通しが悪く危険なところがある」などの声が多く寄せられ、年1回の草刈りでは不十分でした。

これからの取り組み

●従来の草刈りだけではなく、雑草が生えない対策(防草対策)も実施します。

【防草対策の方法】

  • 縁石と舗装の隙間を埋める
  • 道路の外側や中央分離帯を防草シートや張りコンクリートで覆う

【対象区間】

県管理道路の管理区分Aの道路、および年2回の草刈りを行っている道路(合計約140km)

観光地周辺の道路や、道幅が狭い道路などの危険箇所においても、草刈りや防草対策を実施します。 

対策のイメージ

4道路維持管理のDX~異常を効率的に見つける~

これまでの方法

 道路の異常などについて、電話で県民の皆さんなどから通報を受けた場合、場所の特定や状況の把握が難しく、時間を要することが多くありました。
 また、道路パトロールでは、全ての県管理道路の状況を把握することは困難でした。 

これからの取り組み

 写真、位置情報の送信が可能なSNSを活用することで、利用者の通報しやすさが向上します。
 また、ドライブレコーダーの映像を活用することで、効率的に道路状況を把握し、異常箇所を早期に発見します。

 道路の異常を発見した際の通報手段として、国の道路緊急ダイヤル(#9910)のLINEアプリの運用が本県でも開始されています。
 LINEアプリによる通報では、写真や位置情報を簡単に送信できますので、ぜひご利用ください!

詳しい操作方法や注意事項はこちら(県公式HP)

www.pref.nara.jp/65930.htm

友だち登録はこちら ※アカウントは国土交通省で作成

lin.ee/TIeEUPu

ならの道 リフレッシュ プロジェクト以外にも
大宮通りの歩行環境向上

 大宮通りは、奈良公園へのメインルートであり、沿道に市役所、学校、ホテルなどの施設があります。
 歩行者も多いことから、歩道の舗装修繕や防草対策などを実施します。

大宮通りの歩行環境向上
※「県民だより奈良」は県内の各家庭にお届けしています。
 市町村窓口、県の施設などにも配置しています。
※点字と声による「県民だより奈良」も発行していますので、必要な方は県広報広聴課へご連絡ください。
 県では、経費削減のために、「県民だより奈良」の裏表紙に有料広告を掲載しています。
 広告の申込・お問い合わせは、株式会社キョウエイアドインターナショナル大阪支社(TEL:06-4797-8251)まで

お問い合わせ

広報広聴課
〒 630-8501 奈良市登大路町30
報道係 TEL : 0742-27-8325
広報制作係 TEL : 0742-27-8326 / 
FAX : 0742-22-6904
デジタル広報係 TEL : 0742-27-8056
県民相談広聴係 TEL : 0742-27-8327 / 
FAX : 0742-22-8653
相談ならダイヤル TEL : 0742-27-1100

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