令和6年5月15日(水曜日)知事定例記者会見

【発表案件】
奈良県災害リスク情報システムの運用を開始します
三宅町(石見地区)における新たなまちづくりの進め方について
第13回東アジア地方政府会合の開催について

【質疑応答】
国道169号下北山村上池原地内の崩土等に関する3村(下北山村・上北山村・川上村)への支援パッケージについて
ヘイトスピーチ解消法について
商業地や工業地を増やすための施策について
令和6年度奈良県こども・子育て支援推進会議について

 

 

 

 

司会:

 おはようございます。ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。

 本日の記者会見は、ユーチューブ、奈良県公式総合チャンネルでライブ配信するとともに、配付資料もホームページに掲載しております。

 本日は、知事からの発表案件が3件ございます。それぞれの発表後に質疑応答の時間を取らせていただきます。

 まず、1件目の発表案件は、奈良県災害リスク情報システムの運用開始についてでございます。

 それでは、山下知事から発表いただきます。知事、よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

奈良県災害リスク情報システムの運用を開始します

 

 

 

 

知事:

 お手元の資料にも記載しておりますが、これまでは、県の河川整備課のホームページにおきまして、洪水浸水想定区域図というものを、河川ごとにPDFで公表していました。お住まいの地域によっては、一つの河川だけではなく、複数の河川の氾濫によって浸水の被害を受ける可能性がありますので、そういう点を一覧性をもってウェブ上で見ることができたら、より便利であろうということで、今般、県のホームページにシステム改良を加えまして、地図上の任意の地点をクリックすると、どの河川からの浸水のリスクがあるのかということが即座に表示されるようにしました。1つの河川の氾濫のリスクしかなければ1つしか表示されませんし、複数の河川から洪水の被害を受ける可能性があれば、その複数の河川が表示されます。さらに、お住まいの地点で、例えば、床下浸水何センチとか、床上浸水何センチとか、そうした浸水深と呼ばれるものも表示されるようになったわけでございます。あわせて、洪水浸水想定区域図のみならず、同じ画面上に土砂災害警戒区域のレッドゾーンやイエローゾーンも表示されるように改良を加えまして、これを活用して、県民の皆さんに、ご自身のお住まいの地点で、大雨や台風が来た際に、もし万が一、河川から水があふれる、あるいは堤防が決壊するというようなことがあれば、どういう浸水の被害があるかというのを確認していただけるようにしましたので、ぜひ県民の皆さんに活用していただきたいと思っています。災害時の対応で一番重要なのは自助ということでございますので、まずはその意識を持っていただくようにしていただきたいと思っておりますので、ぜひ報道機関の皆様に報道していただき、県民の皆さんに、ぜひ一度、ご自身のお住まいの地点を画面上でクリックして確認してほしいと思っております。

 口頭の説明だけでは分かりづらいと思いますので、画面上で操作してみたいと思います。大和平野のこの辺りは特に浸水被害が多いとされている地域ですけれども、例えば、川西町付近でクリックしてみます(知事が県内の任意の場所をパソコン操作でクリック)と、こちらに3つの河川名が表示されてますね。この赤い地点で、大和川と寺川と飛鳥川という3つの河川の氾濫の被害を受ける可能性があって、氾濫した場合には、想定浸水深というのがどれぐらいかというのが表示されるんですね。この浸水深というのが、色分けされていて、この色分けで大体分かるんですけれども、さらに詳細な数字を確認しようと思ったら、ここを見れば分かります。たまたまクリックしたこの地点であれば、大和川で4.2メートル、寺川で3.6メートル、飛鳥川で2.9メートルといったようなところまで水かさが増すというようなことがこれで分かるということでございます。

 あわせて、土砂災害警戒区域図というのが表示できるようになっていまして、今、これで土砂災害警戒区域も出ました。これは紀の川沿いで、ここであれば吉野町の辺りですけど、この辺はレッドゾーンですかね。この辺でしたら、イエローゾーンとか、レッドゾーンがこういうふうに併せて表示されるということで、こういった形での活用が可能でございます。

 1件目の発表案件については以上でございます。

 

司会:

 それでは、ご質問がございます方は挙手にてお願いいたします。

 産経新聞さん。

 

記者:

 幾つか確認させていただきたいんですけれども、まず、運用はすでに開始されているということでしょうか。

 

知事:

 はい、そうです。

 

記者:

 いつから開始ですか。

 

担当課:

 今日からです。

 

記者:

今日からということですね。

 あと、この資料にもありますけど、従来は、河川ごとにPDFで確認していく必要があって、複数の河川の想定浸水深を同じ画面で見るというのはできなかったということですかね。

 

知事:

 はい、そうです。

 

記者:

 分かりました。

 あと、これから梅雨のシーズンにも入ってきますし、例年、大雨など、災害が発生する懸念というのがあるかと思うんですけれども、県民に、この新システムをどう活用していただいて、それによって、どんなことを期待したいと知事はお考えでしょうか。

 

知事:

 大雨、集中豪雨とか、台風とか、そういった災害が予測される場合は、事前に天気予報等で皆さんも知る機会があると思います。「まさか自分の家が」というような意識でおられる県民の皆さんが多いと思うんですけれども、そのまさかが発生したときに行動を起こしても遅いという場合があります。万が一の場合は事前に避難所に避難するといったことが必要なわけで、そのためにも、ご自身の住んでいるところが、万が一のことがあった場合にどれぐらいの被害が想定されているのかということをあらかじめ認識しておくことで、地方公共団体から避難指示等が出た場合に、すぐに避難所に避難できるようになると思います。そういった避難勧告、避難指示といった市町村からの警告に機敏に対応していただけるようになればいいなというふうに思っております。そういう機敏な対応をするには、先ほどから申し上げているとおり、自分の家がどれぐらい水に浸かるかという認識がないと、そういうアクションに結びつかないと思いますので、そういうふうに活用していただければいいなと思っております。

 

司会:

 奈良テレビさん。

 

記者:

 地図上の任意の地点をクリックするということですけれども、例えば、位置情報で自分のいる場所から浸水リスクが分かるような機能というのは備えられているんでしょうか。

 

知事:

 それはないです。

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 見やすくなったというところだと思うんですけれども、改めて、改良したことによる一番のメリットを教えてください。

 

知事:

 そもそも自分の家の近くにどんな川が流れてて、それがどれぐらい氾濫のリスクがあるかということは、あまりふだん意識されていない方が多いと思うんですよ。しかも、近くの川ならあふれることがあるのかなというふうに思うことがあるかもしれませんが、少し離れた川でも、大和川のような大きな川であれば、自分の家が浸水するリスクもあるわけなので、そういったことがすぐに分かるようになったというのは、すごく大きな改良ではないかなと思っております。あとは、一覧性というのが向上したということですよね。

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 共同通信さん。

 

記者:

 昨年12月に、下北山村で土砂災害もありましたし、いろんな災害の状況というのもある中で、今回このタイミングでシステムを改良したのはなぜでしょうか。

 

知事:

 昨年、奈良県でも線状降水帯というのが初めて、しかも2回発生しました。そういう意味で、比較的災害が少ないと言われていた奈良県においても、そういう大雨による被害というのが今後十分予測されますので、それに備えていただきたいということと、今おっしゃったように、土砂災害というのも大雨とか台風のときには本当に起きやすくなりますので、それについても併せて注意してほしいという思いで、このシステムを構築したものでございます。

 

記者:

 ありがとうございます。

 あと、この旧土砂災害防災情報システムというのは、いつから運用されているんでしょうか。

 

 

担当課:

 ちょっと正確な時期は覚えていませんが、旧システムはもうかなり前からあります。イエローゾーン、レッドゾーンというのが法で義務づけられて、告示された直後ぐらいからだったと思いますが、正確な時期というのが今お答えできません。申し訳ありません。

 

記者:

 それをこのタイミングで改良したということですね。

 あと、最後に、避難所についてですが、自分の住んでいる場所の浸水域を調べた後、実際に避難する場所も調べようとされる方が結構多いのかなと思いますが、このシステムから直接リンク先に飛べたりする機能というのはいかがですか。

 

担当課:

 現状では、そういった機能はありませんが、今後改良していきたいと考えておりますので、県民の方の声も聞きながら、よりよいものにしていきたいというふうに思っております。

避難所については、現在は、市町村がハザードマップというのを作成しており、そこに避難所も表示されておるところですが、現状はこのシステムとは別々になっております。

 

記者:

 ありがとうございます。

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 毎日新聞さん。

 

記者:

 全国初のシステムということですが、こういうGISにしたのが初ということですか。それとも、この3つの特徴を併せ持っていることが初ということなんでしょうか。

 

担当課:

 この3つの特徴を併せ持っているということが全国初になります。

 

記者:

 旧システムについて、確かに一見してすごく使いにくそうではあるんですけど、ほとんど利用がなかったという現状があったんでしょうか。

 

担当課:

 旧システムでは、先ほど画面の右のほうに表示されていた浸水深というのは、まずは0.5メーター、その次が3メーターという、結構大ざっぱな数値でしか表示されてなかったんですね。その点、新システムでは細かい数値、例えば、先ほどの大和川でしたらミリ単位まで画面で確認できたわけですけども、そういったところが大ざっぱ過ぎて分かりにくいという声がございましたので、今回細かいところまで表示するようにしたというところです。

 

記者:

 使いにくいのは見ても分かるんですけれど、このPDFをダウンロードした実績など、どのぐらい利用がされていたのかということなんですが。

 

担当課:

 すみません、どれぐらい利用されてたかというのは把握できてないんですけども、県民の方からも、どれぐらい浸水するのか教えてほしいという問合せが、多い月でしたら、月10件とかございまして、その都度、職員が結構大変な思いをして調べて、回答しているというようなこともございましたので、やっぱり県民の皆さんにすぐに分かるようにしていきたいという思いで、今回のシステム改修につなげたというところでございます。

 

 

 

 

三宅町(石見地区)における新たなまちづくりの進め方について

 

 

 

 

司会:

 それでは、2件目の発表案件に移らせていただきます。

 2件目は、三宅町(石見地区)における新たなまちづくりの進め方についてでございます。

 知事、よろしくお願いいたします。

 

知事:

 お手元のA4横の資料をご覧ください。既に以前からご案内しているとおり、三宅町の石見地区におきまして、(仮称)ヤング・イノベーション・レジデンスというものを県で建設することを考えています。ここは、複数の教育機関、高専(高等専門学校)も含めまして、高校から大学院までの学生さんで、寄宿舎を必要としている人に入居していただいて、さらに、そこにスタートアップのインキュベーションセンターのようなものを設けるとともに、周辺に企業を誘致して、高校生、高専生、大学生、大学院生が、自分が居住する環境で日常的にスタートアップ、起業というものを身近に感じられるような、そんなレジデンスにすることによって、将来、奈良県で起業をする、奈良県に限らず日本で、あるいは世界で羽ばたいてくれるようなすばらしい起業家が奈良県から輩出することを期待しての住居でございます。地方公共団体がこういうタイプの寄宿舎を整備するのは初めてでございまして、これは何としても成功させなければならないと思っております。そのためには、実際に利用する学生、あるいは、そこに学生を送り込む教育機関、そしてまた、企業にとっては、そこで寄宿舎に住んでいる意識の高い学生さんを将来採用したいという狙いも当然あるわけでございますので、そういった狙いで、この事業に参画してくれる企業、あるいは、地元の住民の皆さん、地元の地方公共団体、そうした関係者のご意見やアイデアをこのヤング・イノベーション・レジデンスをつくっていくに当たって、参考にしなければ、絶対成功しないと思っております。この事業に関わる人たちの、いわばアドバイザーズチームのようなものを今般創設することにしたわけでございます。

 どういった方々がこのアドバイザーズチームに入ってくれるかといいますと、資料2ページ目の右上や左上に企業の名前が書いてございます。左下には教育機関、右下には国や町の名前が書かれてございまして、こうした人たちに意見を求めることを検討しております。

 意見を求める手法といたしましては、資料の3ページ目に書いていますけども、まず、この人たちに一堂に会していただくキックオフイベントを6月上旬に開催したいと考えております。それをきっかけに、対面、あるいはウェブなど、様々な手法でご意見やアイデアをいただければなと思っております。ぜひ6月上旬に開催されるこのキックオフイベントに報道機関の皆さんにも関心を持っていただければと思います。

 資料の1ページ目にも書いてございますけども、このアドバイザーの皆さんからのご意見とか、構想の進捗状況につきましては、県の特設ホームページやSNSで発信をしていきたいと思っております。

 私からは以上でございます。

 

☆質疑応答

司会:

 それでは、ご質問がございます方は挙手にてお願いいたします。

 奈良テレビさん。

 

記者:

 学生を寄宿舎に住んでもらうということですが、人数の規模はどれぐらいを考えていますでしょうか。

 

担当課:

 今のところは、100名から百二、三十名ぐらいと考えています。

 

記者:

 このヤング・イノベーション・レジデンスの構想を実現するに当たって、期待することを教えてください。

 

知事:

 まず、そもそものきっかけは、なかなか寮に入れない学生さんが多いという声を奈良高等専門学校や奈良女子大学から伺ったことがきっかけだったんですけども、単なるインターカレッジの寄宿舎ではなく、その寄宿舎に集う人々の交流によって、何か学生さんが啓発されるような、そんな寄宿舎にしていきたいと思っておりまして、もちろん高校、高専、大学、大学院という違う学校種別の人たちが交流する寄宿舎自体、普通あまりないですよね。大学や高校の寮はありますが、そういう異なる年齢層の人が集まることだけでも珍しいし、さらに、大学も複数の大学が参加できる。しかも、そこに大人も関わると。その大人というのは、当然、高校生、高専生、大学生、大学院生で、将来就職を意識しておりますので、自分のキャリアをどうしようかと考えるに当たって、やっぱり実際に企業等で働いておられる人と、あるいは、これから何か新たなビジネスをやろうと思っている人たちと交流することで、どんなキャリア、職業人生を自分は選択していこうかという学生さんにとって、非常に大きな示唆を与えることになると思っております。それが狙いですけども、あとは、スタートアップというと、どうしても東京都とか、せいぜい大阪府ぐらいで、なぜ奈良県でスタートアップなのかとお感じになられる方も多いかとは思いますが、奈良県には、奈良先端科学技術大学院大学や奈良県立医科大学、奈良女子大学、その他、多くのすばらしい高等教育機関がございますし、企業の研究所や製造拠点もたくさんあるわけです。ここに名を連ねているところで申し上げますと、森精機さんとか、大和ハウスさんの研究所がございますし、ロート製薬さんの拠点もございます。また、資料の右上には、割と県内のスタートアップ企業のロゴが入っておりますけども、そういうスタートアップも、少ないながら、今、奈良県内で幾つか出始めているので、そういう企業と学生を結びつけることで、奈良県でも、東京や大阪に行かなくても起業ができるんだという環境をつくることで、若者の県外流出を防ぐとともに、県内の経済の振興も図りたいと、そんな意味合いがございます。

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 NHKさん。

 

記者:

 資料の1ページ目に、ヤング・イノベーション・レジデンス、2030年度オープンへと書かれていますが、知事は、この2030年度には、若者も入居をして、インキュベーションもできて、周辺の企業もあるという、プロジェクト全体のスタートがこの2030年度という意味合いなのか、それとも、まず、若者が先に入居して、段階を踏んでいくようなイメージなのか、どちらでしょうか。

 

知事:

 これは、このヤング・イノベーション・レジデンスに入居できる時期が2030年度という意味です。

 

記者:

 その時点で、周りの企業は、それからになるんでしょうか。

 

知事:

 できれば、この時期に合わせて、ここにインキュベーションセンターを構えてくれるような企業も同時に入っていただければと思っています。

 

記者:

 では、そこをゴールにして、そこに向けて、今後のプロセスということで、こういうスケジュールを組んでいらっしゃるということですか。

 

知事:

 そういうことです。

 

記者:

 もう1点、資料2ページ目のところに、企業や中央官庁など、いろいろ名前が出ていますが、現時点で、何社、何団体ぐらいが賛同して、このメンバーになるよとおっしゃってくれているんでしょうか。

 

知事:

 資料の最後に一覧がついていますけども、それを数えていただければと思います。

 

担当課:

 全部で37あります。

 

記者:

 いつ現在でしょうか。

 

担当課:

 今日現在です。

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 産経新聞さん。

 

記者:

 今回のこのコミュニティーは、スケジュール的にいつまでに何かを決めるとか、そういうのがあるものではなく、何かいろいろ意見を出し合うという意味合いなんですか。

 

知事:

 そうですね。まずは、このヤング・イノベーション・レジデンスの基本構想にご意見等を反映させていくことを当面の目標としては考えておりますけども、当然、基本構想をつくって終わりということではなく、もっと基本計画とか、基本設計をしていく中で、肉づけしていかなければいけないところがありますし、オープンしてからも、多分いろんなご意見をいただく必要があろうかと思いますので、アドバイザーズの皆さんが嫌がらない限りは、ずっと関わってほしいなと思っております。

 

記者:

 基本構想自体はいつぐらいまでに策定を考えていますか。

 

担当課:

 今年度予算いただきまして、今年度中に出す予定でおります。

 

司会:

 朝日新聞さん。

 

記者:

 いろんな企業が参画していると思いますが、あまたある企業の中で、今回こういう企業に参加を求められた、枠組みや県の狙いはあるんでしょうか。

 

知事:

 何らかの形で奈良県と関わりがある企業で、なおかつ、こういう事業に関して有益なご意見等を言っていただけそうな企業ということで、声をかけさせていただきました。

 

記者:

 コミュニティーの役割がはっきり分からないんですが、情報発信なのか、県が今後やる基本的設計の反映というところに主眼を置いているのか、どちらなんでしょうか。

 

知事:

 基本的には、県が進めようとしているこの事業に関して、利用者の目線から有益なご意見をいただきたいと。それをこの事業に反映していきたいというのが主眼でございます。当然、協力してくれる企業や関係者が増えていけば、その人たちを通じて、奈良県でこんなことをやろうとしているよというのが口コミで広まる可能性も結構あると思うので、それはあくまで副次的な効果でございますけども、そういう企業を通じて、この奈良県のユニークな取組が全国に広がって注目を浴びればいいなと、そんな思いもございます。

 

記者:

 知事としては、2030年度にレジデンスがオープンされたタイミングでは、今回参画されている企業の中から実際に、ここの施設に何らかの事業所が置かれることも期待されているんでしょうか。

 

知事:

 はい、そうです。

 

記者:

 分かりました。

 先ほど基本構想は今年度中にというお話がありましたけども、資料の1ページ、2ページ目にある基本的な設計に反映というのは、それは基本構想のことと理解していいでしょうか。基本計画が別に、さらにその後にあるんでしょうか。

 

担当課:

 知事が申しましたように、当面は基本構想に向けてと思っていますが、その後、基本設計とか、その辺にもご意見等をいただきたいなと思っています。

 

記者:

 分かりました。イベントがいろいろありますけども、それとは別に、随時企業さんの意見を内々にいろいろ収集することも含まれているんでしょうか。

 

担当課:

 そういうことも含めます。あと、イベントをしたときに、ご意見をいただいたりとか、様々な機会を通じてと考えております。

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

司会:

 ほかに質問はございますか。

 時事通信さん。

 

記者:

 3ページ目の今後のスケジュールのところで、これまで2社とお会いされていると思いますが、ここでのご感触、お話についてその辺り、教えていただけますでしょうか。

 

知事:

 今まで日本生命さんとシャープさんとお話をさせていただきました。日本生命さんがこれまで、自治体等と何か協定を結んで協力するというのは、健康づくりとか、そういったことに限られていましたが、ある意味、生命保険会社とこういう寄宿舎がどう関係があるのかということは、日本生命さんとしても全く新しい試みだったので、これから詰めていくということではありますが、資産運用の一環として結構スタートアップに投資しているようですので、日本生命さんがいろんな資金を拠出しているスタートアップ等に声をかけて、この事業に関心を持っていただくといったことはできるというふうにおっしゃってくださいましたし、県としても、そうした形で、日本生命さん通じて、このプロジェクトが広まればいいなというふうに思っております。シャープさんは天理に研究開発の拠点がございまして、先般、4者で基本協定の締結を発表させていただきましたけれども、シャープさんとしては、当然、人材の獲得という意味で期待をされているようでございますので、そういった意味で、シャープさんにはかなり関与していただけるのでないかというふうに思っております。

 

記者:

 あと、この6月以降のスケジュールは、ほかにも随時されるということでしたが、知事が参加されるということでしょうか。

 

知事:

 全てのイベントに私がどこまで関わるか未定でございます。

 

記者:

 あと1点、見直し事業の関連で、しかるべきときにまた住民の皆さんにご説明みたいな話が2月にあったと思いますが、その辺のスケジュールは今どうなっていますか。

 

知事:

 今のところ、三宅町から住民説明会というようなものを開いてほしいといった要望は聞いていません。ここでの土地活用が具体的に決まれば、当然住民さんに対して説明する機会は設けないと、とは思っていますが、今はまだその段階ではないというふうに考えております。

 

司会:

 毎日新聞さん。

 

記者:

 今回の取組というと、民間資本でよくしている有望人材の囲い込み、起業支援という色が大分濃いと思いますが、一方で、福祉的な色合いが強いと思っています。今回のこの取組で入居者の入居資格や、または費用面というのは、知事はどう考えますか。

 

知事:

 入居資格については、例えば高校から大学院まで想定していますが、当然、国公立とか私立とか限定するつもりはありません。県外まで含めるかどうかというのは、まだそこまでは検討しておりません。使用料につきましては、やっぱり学生や保護者が負担できる範囲にとどめなければならないと思っています。普通、国公立大学とか高専の寮費といったらかなり安いので、あまりそこと差があると選んでもらえないと思いますので、当然選んでもらえるように、その辺は既存の宿舎の使用料とのバランスは考えていかなければならないと思っております。基本的に使用料だけで採算が取れるような事業ではないと思っておりますので、県の持ち出しは一定あるというふうに理解をしております。

 

記者:

 県外を検討しているというのは、県外から来る人ではなく県外の学校に行く人という意味ですか。

 

知事:

 その辺も含めて、定員が100とか、百二、三十と、もし希望者が多ければもっと増やすかもしれません。例えば県内を優先して、それでも定員が満たなかった場合は、県内に住んでいて県外の大学などに通っている人は家から通うと思いますので、関西圏外から関西に来て、大阪、京都の大学に通う人で、あえて学校の近くの寮でなく、こういうおもしろいところだったら、奈良から大阪や京都に通おうという人がいれば、定員に空きがあればそういうことも検討していいのではないかと私は思っています。

 

記者:

 ありがとうございました。

 

司会:

 ほかに質問はございますか。

 朝日新聞さん。

 

記者:

 6月にキックオフイベントを予定されているということですが、比較的期日も迫っていますし、もう少しどういった内容でお考えなのか、具体像を教えていただければと思います。

 

知事:

 今日、一覧をお配りしました関係者の皆さんに一堂に集まっていただいて、この構想のコンセプトや、これからどういった点でご意見をいただきたいかというような内容について、県からご説明をさせていただいて、そこで意見交換をするというようなことを検討しております。

 

担当課:

 まだ日程、場所は未定です。

 

記者:

 知事は、先ほど何としても成功させなければならないという意気込みを語られたかと思います。成功のために欠かせないポイントというのはどういったところになってくるとお考えなのか、現時点でのお考えをお聞かせください。

 

知事:

 学生さんに入ってもらえなければ全く意味がございませんので、利用者のニーズをきっちり把握して、そのニーズを反映させるということに尽きると思います。学校近くの寮でなくて、遠くなるけどこちらに入りたいと思ってもらえるような魅力のある施設にしないと絶対成功しないと思います。そのためには企業さんの関わりがないと独自性というのが出ませんので、これに関わる企業さんの数を増やすこと、あとは、地元のまちや地元住民の人もこの施設を応援しようというような雰囲気を醸し出していただけるか、そうした3点がキーポイントではないか思っております。

 

記者:

 2030年度オープンですので、今、学生さんのニーズを聞いても、その方たちは卒業してしまわれるのでなかなかタイミングというのもあるかとは思うんですが、学生さんのニーズの把握を丁寧にというのは本当に必要なことだと思います。それに関しては今後どういった形で進めていこうというお考えでしょうか。

 

知事:

 まだこれからどうするか検討していきますが、例えば県が各大学や高専や高校に行って、こういうことをやりますので、皆さんの意見を聞かせてくださいというふうに学校に行って意見を聞くような機会や、あるいは、インターネットを通じて、そういった意見を寄せられるような仕組みをつくるとか、SNSでどんどん発信して、それでこのプロジェクトを知った人がネットを通じて意見を書き込めるなど、そんな仕組みを構築していきたいと思います。

 

記者:

 元地権者の方は、地元にコンビニもない中で、本当に学生さん来てくれるだろうかとか、結局まちづくりも並行して進めてもらわないと、この建物だけ建てても難しいのではないかというような見立ても語られていました。知事として、その辺り、まちづくりというところでどう進めていったらいいとお考えなのか、町との連携なども含めて、お聞かせいただけないでしょうか。

 

知事:

 この三宅町の石見地区につきましては、このヤング・イノベーション・レジデンスだけではなくて、企業誘致も考えております。企業が進出すれば、当然そこで行って従業員の方が通勤されることになりますので、そうすると、コンビニ等の出店も出てくるのではないかというふうに期待をしております。おっしゃるように、今は田んぼで、あまり周りに商業施設等はないので、その辺のまちづくりをどうしていくかということについては、今後、町ともよく協議をして、ご指摘されるような懸念が現実化しないように頑張りたいと思います。

 

 

 

 

第13回東アジア地方政府会合の開催について

 

 

 

 

司会:

 それでは、3件目の発表案件に移らせていただきます。

 3件目は、第13回東アジア地方政府会合の開催についてでございます。

 知事よろしくお願いいたします。

 

知事:

 昨年、同じ中国の臨沂市というところで開催された東アジア地方政府会合でございますけども、今年は、5月22日から24日まで、中国の陝西省西安市で開催をいたします。西安市は、ご存じのように、奈良市が姉妹提携を結んでいる市でございます。

 今回の会合のテーマは2つございまして、一つが農業におけるイノベーション、それから、もう一つはビッグデータ等の活用でございます。そうした分野で、参加している地方政府がそれぞれの取組を発表し合って、他の国の地方政府の取組を参考にするという、それがメインセッションの内容です。それとともに、プロモーションの機会も用意していますので、本県としては、イチゴや柿などの奈良県産の農産物のPRや大阪・関西万博のPRもしていきたいと思っておりますし、当然、奈良県の観光のPRも併せてしていきたいと思っております。これには、資料にも書かせていただいているとおり、私のほかに、県議会の副議長、それから、総務警察委員会の委員長らが参加をいたします。また、県内の経済団体の皆様も同行しまして、現地の先進企業を視察したり、意見交換をする予定が組まれております。中国の有名な電気自動車メーカーのBYDの工場を視察すると聞いております。

 私からは以上でございます。

 

司会:

 それでは、ご質問がございます方は挙手にてお願いいたします。ご質問はよろしいでしょうか。

 

(質問なし)

 

 

 

 

国道169号下北山村上池原地内の崩土等に関する3村(下北山村・上北山村・川上村)への支援パッケージについて

 

 

 

 

司会:

 それでは、その他のご質問も含めて、ご質問がございます方は挙手にてお願いいたします。

 奈良テレビさん。

 

記者:

 下北山村などの3村への応援旅行割があさってから販売開始されますが、改めて県内外の方への呼びかけをお願いします。

 

知事:

 昨年末に下北山村で土砂の崩落事故が発生をいたしまして、それ以来、かれこれ5か月ぐらいでしょうか、本当に不便を強いられているのが下北山村や上北山村の村民の皆さんでございます。その村民の皆さんを少しでも応援できればということで、こちらを訪れる観光客の皆さんの費用負担を減らすという、このキャンペーンをすることになりました。もちろん夏場は、非常に自然が豊かで、遊びに行ったり、合宿したり、釣りに行ったりするには非常にすばらしい場所ですけども、さらに、今、不便を強いられている村民を応援するという気持ちも込めて、ぜひこのキャンペーンを活用して、この3村(下北山村、上北山村、川上村)を訪れていただきたいなと思っております。

 

 

 

 

ヘイトスピーチ解消法について

 

 

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 朝日新聞さん。

 

記者:

 知事にヘイトスピーチの解消に向けた認識についてお伺いをしたく、ご質問させていただきます。2016年にヘイトスピーチ解消法が国で施行されて以降、各自治体においてヘイトスピーチを抑制する条例が制定され始めており、本日も奈良県でも条例を制定してほしいという市民団体からの要望書が提出されると伺いました。その上で2点お伺いしたいんですけども、まず、知事はヘイトスピーチの問題に対してどのような認識をお持ちなのかというところと、あと、今後、県として条例制定などを通じて問題を解決していくような具体的な案というものはお持ちなのかというとこをお聞かせ願えますでしょうか。

 

知事:

 当然、ヘイトスピーチというのはあってはならないことでございます。表現の自由として許容される範囲を超えていると思っておりますので、そうしたことが奈良県内でなされないようにしていく責務が地方公共団体にもあると思っております。県で条例制定を求める動きがあるのは把握しており、現段階で条例制定のスケジュール等を具体的に決めているわけではございませんけれども、そうした要望書を拝見して、今後、県庁内で検討してまいりたいと考えております。

 

記者:

 ありがとうございます。

 知事のお考えとしては、条例を通じて、そういう問題解決に向かっていくというスタンスでしょうか。それとも、ほかの案というものをお持ちだったりするんでしょうか。

 

知事:

 特に案というのはないですけど、団体の方が求めているのが条例制定だと思いますので、まずはそれについて検討することになるのかなと思ってます。ただ、運用面でいろんな課題があるということが指摘されておりますので、そうした運用面をどうクリアできるのかといったことは、先行してそういう条例が制定される自治体がございますので、先行事例を研究して、運用面でもスムーズにできるのか、そうしたことも併せて検討しなければならないかなと思っております。

 

記者:

 ありがとうございます。

 課題というのはどういったところをご認識されてますか。

 

知事:

 課題というのは、ヘイトスピーチの定義を何をもってヘイトスピーチと認定するかということとか、それをどうやって規制していくのかというようなことかなと思います。

 

記者:

 ありがとうございます。

 

 

 

 

商業地や工業地を増やすための施策について

 

 

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 朝日新聞さん。

 

記者:

 関西プレスクラブの講演で、奈良は商業地、工業地が限られるというようなところに言及されていたかと思います。これを具体的に増やしていくための何か施策など、お考えがあるのか、お聞かせいただければと思いました。

 

知事:

 市街化調整区域の土地利用規制について、これを緩和してほしいという声が市町村からたびたび上がっておりまして、令和6年度の予算で、この市街化調整区域の土地利用に関して、新たに検討する予算をつけております。担当部局のほうで、いろんな検討をこれから始めようとしているところでございますので、(詳細については、)直接そちらに聞いていただければと思います。まちづくり推進局の県土利用政策課だと思います。

 

記者:

 詳細はそちらにお聞きするとして、知事自身の現時点での問題認識を改めてご説明いただければありがたいんですが。

 

知事:

 都市計画法という法律ができた背景は、人口がどんどん増えていって、都市の中心部から周辺地域に無計画な開発がなされてはいけないと、乱開発がなされてはならないということで、その開発を秩序立って行うという、そういうことを目的とした法律だと思うんですよね。中には工場と住宅が混然一体として立地しているようなところもあるじゃないですか。そうじゃなくって、開発を抑制する区域と開発を進める区域と分けて、開発を進める区域の中においても、ここは良好な住宅地、ここは工業ゾーン、ここは商業ゾーンみたいにゾーニングをすることで、系統立った開発を進めていくという、そういう趣旨でつくられた法律だと認識しています。しかし、今、人口は減っていっているわけですよね。そうすると、別に都市計画法で市街化を抑制する必要というのがどこまであるのかという問題がございます。では、市街化調整区域に、今どんどん住宅開発等が進められるような住宅開発のニーズはあまりないと思います。ただ、市街化調整区域に住んでいる人が、例えば家の近くに自分の持っている田んぼや畑があり、東京から息子夫婦が帰ってくるんで、そこに家を建てさせたいといった場合に、農家住宅というような位置づけでなかったら家が建たないとか、そういったような問題もございますし、市街化調整区域で、一定、工場等が立地できるような、そういう場合もあるんですけれども、新たに工場を増築しようとかいうときに、いろんな許認可とかを経なければいけなくて、それがなかなか難しいということです。もう県内でそういう新たに工場新設等はやめて、もっと新設しやすいところにもう移転してしまおうということになれば、そこで雇用が失われるわけでございますし、雇用も失われ、消費も失われ、税収も失われてしまうということになりますので、ある程度、市街化調整区域の土地利用をしやすくしないと、自分の所有している土地なのに思うように利用できないので不便だと、そういうことをよく聞きます。もう少し使い勝手のいい制度にしていくべきではないかなと、そんな認識を持っております。ですから、市街化調整区域という網をかぶせて、一律に市街化を抑制するというような、社会経済情勢ではないと思っていますので、そうではなくて、スポット的に市街化調整区域の自分の土地を有効に活用したいんだというニーズにどう対応していくかということが課題なのかなと思っています。

 

記者:

 ありがとうございました。

 

 

 

 

令和6年度奈良県こども・子育て支援推進会議について

 

 

 

 

司会:

 ほかに質問はございますでしょうか。

 読売新聞さん。

 

記者:

 こども・若者委員に最近選定されたお二人が近く会議に初めて出席されるとのことで、改めて、知事からお二人に期待することを一言いただいてもよろしいでしょうか。

 

知事:

 これまで、地方公共団体の政策に関して、そういう未成年が関わるということはほとんどなかったと思います。しかしながら、特に子育て支援とか教育に関する政策について言いますと、実際にその政策の恩恵を受けるのは未成年の子供さんですから、そういう人たちの思いというのを反映しないと、本当によい政策は立案できないと私は思っておりまして、そういう言わば子育て支援とか教育のユーザーの視点でご意見をいただくというのは非常に有益なことだと思いますので、積極的な提案を期待してます。

 

記者:

 ありがとうございます。

 

司会:

 ほかに質問はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

 幹事社さん、よろしいでしょうか。

 それでは、以上をもちまして知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

 

 

 

 

※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。

また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。

 

 

 

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