意見書第7号

意見書第7号

 

聴覚補助機器等の積極的な活用への支援を求める意見書

 

 今日、社会の高齢化に比例して、難聴の方も年々増加している。難聴は認知症の危険因子の一つと言われており、また難聴になると、人や社会とのコミュニケーションを避けがちになり、その後社会的に孤立する可能性も懸念される。

 この難聴対策として補聴器が知られているが、一般的に「補聴器」と呼ばれているものは、収集した音を増幅して外耳道に送る「気導補聴器」である。一方で様々な原因で外耳道が閉鎖している方には、骨導聴力を活用する「骨導補聴器」が用いられてきた。

 近年、これら2種類の補聴器に加えて、耳の軟骨を振動させて音を伝える「軟骨伝導」等の新しい技術を用いたイヤホンが開発された。この聴覚補助機器は、従来の気導・骨導補聴器では十分な補聴効果が得られない方や、装用そのものが難しい方に対しての新たな選択肢となった。

 この様に、さまざまな難聴者に適用出来る聴覚補助機器等の選択肢が整った今、政府に対して、我が国の更なる高齢化の進展を踏まえて、認知症の予防と共に、高齢者の積極的な社会参画を実現するために、次のとおり聴覚補助機器等の積極的な活用を促進する取り組みを強く求める。

 

  一、難聴に悩む高齢者が、医師や専門家の助言のもとで、自分に合った補聴器を積極的に活用する環境を整えること。

 

  一、耳が聞こえにくい高齢者や難聴者と円滑にコミュニケーションを取れる社会の構築を目指し、行政等の公的窓口など

   に、合理的配慮の一環として聴覚補助機器等の配備を推進すること。

 

  一、地域の社会福祉協議会や福祉施設との連携のもと、聴覚補助機器等を必要とする人々への情報提供の機会や場の創設

   等、補聴器を普及させる社会環境を整えること。

 

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

  令和6年7月3日

                                 奈良県議会議長 中野 雅史

 衆議院議長 殿

 参議院議長 殿

 内閣総理大臣 殿

 内閣官房長官 殿

 総務大臣 殿

 財務大臣 殿

 厚生労働大臣 殿

 内閣府特命担当大臣 共生社会担当 殿

 

  聴覚補助機器等の積極的な活用への支援を求める意見書

 

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