関西広域連合には7つの広域事務があり、奈良県も平成27年12月から「広域防災」と「広域観光・文化・スポーツ振興」の2分野に参加していましたが、令和6年4月1日から残りの5分野へも参加し、全部参加が実現しました。全部参加した理由や各分野の取り組み、参加することで得られる効果について紹介します。
平成22年12月に、府県域を超える広域課題に一丸となって取り組み、地方分権の突破口を開くことを目指して設立された、複数府県で構成する全国初の特別地方公共団体です。
当初は滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、徳島県からはじまり、その後、京都市、大阪市、堺市、神戸市、奈良県が加入し、現在では2府6県4政令市で構成されています。広域防災、広域観光・文化・スポーツ振興、広域産業振興、広域医療、広域環境保全、資格試験・免許等、広域職員研修の7分野の事業などに取り組んでいます。
関西地域は、生活圏、経済圏などが府県域を越えて展開しており、関西圏で連携した取り組みを進めることは大変意義があります。こうした中で、関西広域連合はこれまで、地域共通の課題や問題について、連携して取り組んできました。
県も、「広域防災」と「広域観光・文化・スポーツ振興」の2分野に参加していましたが、その他の5分野へも参加分野を広げることで、各分野でより連携、協働が進み、雇用創出や企業誘致、地域住民の生活向上、事務の効率化などにつながるとの考えから、全部参加することになりました。
広域連合における7つの広域事務では、分野ごとに広域計画を策定し、その後適宜改定を行っています。各分野ではどんな取り組みが行われ、広域連合に参加することで県にとってどんなメリットがあるのでしょうか?
戦略的な観光・文化・スポーツ振興で、さらに魅力ある関西を創出します!
●多様な広域観光の展開による関西への誘客
●関西文化の振興と国内外への魅力発信
●「生涯スポーツ先進地域関西」の実現 など
関西広域連合のトッププロモーションに参加することで、2025年の「大阪・関西万博」などのイベントへの来場と関西各地域への周遊を促し、視察旅行や団体旅行など、県への誘客が促進できます。関西の豊かな文化資源に接する機会を提供する「関西文化の日」などの取り組みでも、多数の来訪が期待できます。
関西全体の連携で防災力を高め、住民の安全と安心をもたらします!
●大規模広域災害を想定した広域対応の推進
●災害時の物資供給の円滑化の推進
●関西広域応援訓練の実施
●防災分野の人材育成 など
広域連合が司令・調整役となることで、関西として迅速な意思決定・災害対応が可能になるうえ、構成団体の優れたノウハウを共有することで、質の高い災害対応を行うことができます。関西を活動エリアとする国の機関や事業者との連携が容易になり、円滑な災害対応が可能になります。
戦略的に産業政策を進め、イノベーションが生まれる関西を目指します!
●「関西広域産業ビジョン」の着実な推進
●関西の代名詞となりうる産業の確立
●国内外への農林水産物の販路拡大 など
マッチングイベントやフォーラムへの参加により、県内企業と他府県の企業や大学、研究機関との連携の可能性が広がるほか、県内企業が域内の工業系公設試験研究機関から自府県市内と同じ料金で技術支援を受けられます。また、協調事業である他府県主催のセミナーやビジネスサポートデスクは共同利用が可能です。
(令和6年6月末時点)
関西全体を「4次医療圏」と位置付け、安全・安心な医療の実現を目指します!
●ドクターヘリの活用などによる広域救急医療体制の充実
●災害時における広域医療体制の強化
●課題解決に向けた広域医療体制の構築 など
ドクターヘリのフライトスタッフ間の情報共有やイベントなどによる普及啓発がより一層図られます。医療関係者などを対象とした「災害医療セミナー」や「遠隔医療推進セミナー」などに参加できます。また、広域連合による災害医療訓練や研修会に参加することで、災害時の医療連携体制がさらに充実します。
関西全体で広域の環境保全に取り組み、「環境先進国関西」を目指します!
●「関西広域環境保全計画」の推進
●脱炭素社会づくり ●自然共生型社会づくり
●循環型社会づくり ●持続可能な社会を担う人育て
脱炭素社会にかかる関西全体の優良事例を共有・発信することで、県民や事業者のみなさまによる実践活動の促進につながります。鳥獣対策についても、県境付近で被害が発生している場合などには府県域を超えた対策が容易になります。
資格試験・免許等の一元化により、事務の効率化を目指します!
●准看護師・調理師・製菓衛生師試験の実施、
免許交付など
●毒物劇物取扱者・登録販売者試験の実施
県が実施していた問題作成や願書の受付、採点、合格証交付などの試験事務を、関西広域連合が一括して行うため、県の事務が軽減されます。また、県の受験料より低額に抑えられているものがあり、受験者の費用負担も軽減されます。(令和7年4月から関西広域連合へ事務移管予定)
広域的な視点を持つ職員を育成し、業務執行能力の向上を図ります!
●政策形成能力研修の実施
●構成団体主催研修への相互参加(団体連携型研修) など
職員が政策形成能力研修などに参加することで、広域的な視点の養成や、業務執行能力の向上につながります。さらに、他の構成団体の職員との交流を通じて、新たなアイデア・知見を得ることができ、これを県政に生かすことができます。
写真出典:関西広域連合HP
関西広域連合協議会 大学生等との意見交換会
関西広域連合では、域内の大学生などから政策提案を募集し、意見交換を行うことを目的として意見交換会を実施しており、今年度は奈良県で初めて開催されます。
【参加者】域内の大学生など(8チーム)
事前の予約は必要ありませんので、直接、会場までお越しください。
詳細はこちらから▼
問
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県政策推進課(広域調整係)
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電話
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0742‐27‐8306
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FAX
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0742‐22‐8012
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