歴史文化遺産や豊かな自然環境に恵まれた奈良県を未来に引き継いでいくには、県だけでなく、市町村、企業、そして県民一人一人が連携・協働し、景観や環境に配慮する行動を心がける必要があります。
「麗しい奈良県づくり」は、次の3つのプロジェクトを進めることで「誰もが安心して快適に暮らすことのできる持続可能な地域づくり」を目指す取り組みです。
麗しい奈良県づくりに取り組む
ボランティア団体を紹介します。
忍阪(おっさか)区自治会|桜井市|
きれいで安全な道を目指して新学期前に通学路を清掃
忍阪区自治会は月1回、地域の公園や寺社、道路周辺、水路などの清掃活動を行っています。「活動によってまちがきれいになり、地域の絆も強まるのがうれしいです」と区長の藤本憲正さん。新学期前の4月初めと8月末は桜井中学校の通学路を清掃し、子どもたちが安全かつ気持ちよく通える環境を整えています。
心に潤いをもたらす花のあるまちづくり
自治会では区民が大切に守り続けている忍坂坐生根(おしさかにいますいくね)神社や石位寺などの花壇に花を植栽。草むしりや水やりなどの手入れも行っています。藤本さんは「癒やされる、と地域住民や訪れる人から好評です」とにっこり。足を止めて花を眺める人の姿も多く見られるそうです。
背丈ほども伸びるという路肩の雑草を清掃
通学自転車が滑らないよう路面の砂掃除
歴史ある街を美しく
子どもたちが安心して暮らし、誇れる忍阪に
奈良盆地の南東部、『古事記』や『日本書紀』にもその名が記される桜井市忍阪。
忍阪区自治会は、「歴史ある忍阪を美しく住みよいまちにしたい」という思いを一つに、清掃や花壇の手入れなどの積極的な景観維持活動に取り組み、美しい自然や文化を守り伝えています。
区長 藤本 憲正
さん
まちの景観とつながりを次世代に残すために
多くの自治会員が参加する清掃活動や手入れが行き届いた花壇から伝わる「美しく、住みやすい忍阪を守り伝えたい」という熱い思い。藤本さんは「今後は、まちの治安と景観をさらに良くするために、空き家の外観整備や耕作活用にも積極的に取り組めたら」とまちの未来を見据えています。
当日は自治会員20人以上が参加
自治会で手作りした花壇に四季折々の花を植栽
クリーンリバー飛鳥|橿原市|
清掃活動によって川の環境が少しずつ改善
地域の川をきれいにしたいという思いを持つ有志により約10年前に発足。現在は子どもも含め約30人が参加し、年10回、飛鳥川にかかる地黄橋周辺から春日橋までの斜面や川底を清掃、春と秋には草刈りを行っています。
「以前に比べゴミの量が減りました」と代表の竹内敏幸さん。活動の成果は着実に現れています。
メンバーは和気あいあいとゴミ拾い
川の中に入り、ごみを回収
美しい川を、桜を、次世代へ
子どもも大人もみんなで楽しく清掃活動
『万葉集』にも詠まれ、春になると美しい桜並木が人々の目を楽しませる飛鳥川。
クリーンリバー飛鳥は、橿原市の中心地域の里川である飛鳥川の清掃活動を定期的に行い、きれいな水辺空間づくりに努めています。
保護者と一緒に活動する子どもも
毎回20人以上が活動に参加
多くの人々に愛される桜並木をいつまでも
「無理せず、できる範囲で、というのが活動のモットーです」と語る皆さんですが、定期的な川の清掃に加え、河川敷の桜を自発的に手入れをしています。木に巻き付いて傷をつけるツル科植物の伐採や朽ちた枝の剪定(せんてい)などを行い、名所として知られる飛鳥川の桜並木を守ってきました。
子どもたちの美化意識を育み活動の輪をつなげたい
会の今後について、「次のリーダーが出てきてほしい」と考える竹内さん。会の認知度を高めるため、インターネットなどで積極的に情報を発信しています。また、「清掃する姿を見せることが川の美化に関心を持つきっかけになれば」との思いから、小学校の登校時間に合わせて活動を行うことも。美しい川を次世代に残すため、人の心に残る活動を続けていきます。
代表 竹内 敏幸
さん
今回紹介した2つの団体以外にも、県内には「麗しい奈良県づくり」に取り組む団体がたくさんあります。
多様な主体が連携・協働する“オール奈良”による実践活動へつなげていくため、県では平成29年より「きれいに暮らす奈良県スタイルジャーナル」を発行し、その取り組み事例を紹介してきました。令和6年3月発行の第27号が最終号となりましたが、左記HPでバックナンバーをご覧いただけます。
創刊号から第27号までご覧いただけます
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