令和6年11月12日(火曜日)知事定例記者会見

【発表案件】
県立学校の空調設備について

【質疑応答】
大和西大寺駅の高架化について

 



司会:
 おはようございます。ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 本日の記者会見は、ユーチューブ、奈良県公式総合チャンネルでライブ配信しております。
 本日の知事からの発表案件は、県立学校の空調設備についての1件でございます。
 山下知事から発表いただきます。よろしくお願いいたします。



県立学校の空調設備について




知事:
 資料のほうをご覧ください。
 背景や課題ですが、昨年も今年も非常に夏が暑く、授業中等の熱中症リスクが高まっている現状がございます。これまで、学校における熱中症対策ガイドラインというのを策定して、各学校において、予防策を講じてきておりましたが、昨年、今年の猛暑を受けまして、学校への空調設置を速やかに進めてほしいと県民の皆さんや県議会議員のほうからお声をいただいております。そうしたことも踏まえ、今般、県立学校における空調設備について、工事をかなりスピードアップして、もともとの計画より前倒しをして設置を進めることにいたしましたので、それについてご説明させていただきます。
 左下のところ、青い部分、県立の高校及び特別支援学校につきまして、普通教室は、既に空調の設置は完了しております。特別教室につきましては、本年9月1日の時点で、高校は70%、特別支援学校は98.7%となっております。体育館は同じく今年の9月1日の時点で、高校は僅か7.1%、特別支援学校は66.7%となっております。令和6年の全国平均と比べますと、県立高校については、普通教室、特別教室ともに、全国平均を上回っておりますが、体育館については、全国平均が14%に対し、奈良県は7.1%と、約半分にとどまっております。特別教室についても、全国平均は上回っているものの、まだ3割が未設置という状況になっております。特別支援学校のほうは、こちらを優先してやってきましたので、普通教室、特別教室、体育館ともに全国平均を上回る状況となっております。
 こうした状況を鑑みまして、右側のほうの今後の対策ですが、まず、県立高校の特別教室への空調設置につきましては、令和9年度までに設置率80%以上にするという目標を掲げております。稼働率が1日当たり一コマ以上、1日最低1回は使う特別教室全てに令和9年度末までに設置していきたいと考えております。この稼働が1日1コマ以上の全教室に設置すれば、結果として設置率が80%以上になるということでございます。
 それから、体育館への空調設置につきましては、まず、特別支援学校につきましては、災害時に福祉避難所となることから、これまで優先して体育館への空調設置を進めてきました。これまでは、令和9年度末に設置を完了する計画だったのですが、これを前倒しして、令和8年度末の設置完了を目指します。県立高校につきましては、これまでの計画では、特別支援学校の体育館に設置が完了した後に着手する予定だったのですが、特別支援学校と並行して同時に実施するということで、既に今年度から着手をしております。こちらのほうについてはなるべく早く設置の完了を目指していきたいと考えておりますが、県立高校全ての体育館に空調が設置完了する時期について、めどはまだ立っておりません。
 私からは以上です。

☆質疑応答
司会:
 それでは、本件に関しまして、ご質問がございます方は挙手にてお願いいたします。
 NHKさん。

記者(NHK):
 改めてですが、この事業に対しての知事の思いをお願いできますか。

知事:
 私立高校の授業料の無償化というのは今年度から始まっており、私立高校の入学者も増えている状況でございます。一方で、県立高校につきましては、非常に校舎の老朽化が進んでいたり、備品等が非常に古かったり、そういう問題がございましたので、校舎の長寿命化対策というのも急いでこれから進めていきます。しかし喫緊の課題として、特別教室や体育館への空調設置、これについては本当に熱中症のリスクが高まっておりますので、高校生の生命、身体にも関わるという緊急性があることから、優先して取り組む必要があると判断しました。従前から取り組んでくれてはいたのですが、この計画を前倒しして、より早期の全県立高校及び全特別支援学校への設置の完了を目指していきたいと思った次第でございます。

記者(NHK):
 やはり子供たちの教育環境などをより改善していきたいという思いもありますか。

知事:
 もちろんです。

記者(NHK):
 分かりました。

司会:
 共同通信さん。

記者(共同通信):
 体育館の空調設備の設置について、特別支援学校の設置完了を前倒しにするということですが、具体的に前倒しするために、どういったことを行っていくか伺えればと思います。

知事:
 従前、令和7、8、9年の3か年でやる予定だったものを、まとめて令和7、8年で行うため、1年当たりの設置の校数を増やします。

記者(共同通信):
 県立高校については、まだ完了のめどは立ってないということですが、これからということですか。

知事:
 めどは立っておりませんが、従前の計画だったら、令和10年度から開始だったことを、それではあまりに遅いだろうということになり、もう既に今年度から一部設計業務に着手しておりまして、来年度から本格化させたいと思っております。

記者(共同通信):
 ありがとうございます。

司会:
 ほかに質問はございますでしょうか。
 朝日新聞さん。

記者(朝日新聞):
 設置を進めていくに当たって、県内でどの地域から始めるか、生徒数がどれぐらいのところから始めるかなど、進める際の優先順位はありますか。

知事:
 空調設置以外の長寿命化の工事もしておりまして、それと同時にやったほうが学校の授業等への支障等がより少なくてすみます。そのため設置順序につきましては、他の工事となるべく一緒に行うということになり、現在検討中でございまして、今ここで公表できるようなものはございません。

司会:
 朝日新聞さん。

記者(朝日新聞):
 予算についてお伺いします。特別教室・体育館への設置を全部行うとすれば、予算額としてはどれぐらい必要だと見込んでおられますか。

知事:
 体育館への空調設置1校当たり、規模によっても変わりますが、6,000万、7,000万円と聞いております。総額で全部というのは分かりますか。

学校支援課:
 今、知事から説明ありましたように、1校当たり、過去の実績で6,000万、7,000万円とありますが、学校の規模等で増減いたしますので、まだ全体像を試算するところまでは至っておりません。

記者(朝日新聞):
 何百億か、さらに多いかなど、ざっくりとした数字をお示しできないですか。

学校支援課:
 何百億まではいかないと思っております。

記者(朝日新聞):
 数十億でしょうか。

学校支援課:
 そうです。規模感としては何十億というレベルかと思っております。

記者(朝日新聞):
 前倒しするということなので、予算的な措置、いわゆる補正予算を12月議会などで組むのかどうか、その辺りは今どうお考えでしょうか。

知事:
 12月の補正予算には含まれておりません。

記者(朝日新聞):
 それは、もともとの予算で前倒しできるということですか。

知事:
 令和6年度の分は既存の予算を使います。

学校支援課:
 令和6年度も予算計上して、執行しているものがあります。今、知事から説明がありましたのは、令和7年度以降の予算で考えてございます。

記者(朝日新聞):
 令和7年度以降の予算を従前より増やし、少し規模を広げるということですね。

知事:
 おっしゃるとおりです。

記者(朝日新聞):
 パーセンテージが資料に示されていますが、実数、箇所数を後でお示しいただければと思うんですけど、可能でしょうか。

学校支援課:
 これは、文部科学省の全国調査でございまして、文部科学省のホームページで全国の状況が載っておりますので、私からも提供できますけども、ホームページで見ていただくことでも数字は把握いただけます。

記者(朝日新聞):
 平均ではなく、県の実数は載っていますか。

学校支援課:
 県の実数も詳細が載っております。必要でしたら、後ほどご提供します。

記者(朝日新聞):
 分かりました。従前であれば県立高校の体育館については、令和10年度から計画が予定されてたということで、設置完了の時期は分からないけれども、年度でいうと、三、四年前倒ししているということでしょうか。

知事:
 そうですね。

記者(朝日新聞):
 ありがとうございます。

司会:
 ほかに質問はございますでしょうか。
 時事通信さん。

記者(時事通信):
 体育館の空調については、学校の生徒、児童へ向けてのアプローチかなと思いますが、一方で、避難所としての在り方という観点もあるかと思います。そうなったときに、もちろん高校も必要ですけども、文部科学省の数字を見ていると、小・中学校もかなり低い数字かなとは思いますが、避難所への空調設備という観点で幅を広げていかれたりや今後さらに支援を拡大されていくお考えはありますか。

知事:
 小・中学校の体育館は、市町村の施設ですので、それは市町村のほうで頑張っていただきたいということになろうかと思います。県でそれを補助するという考えは今ございません。

記者(時事通信):
 分かりました。
 この前倒しというのは、避難所という観点もあるんですかね。

知事:
 はい。

記者(時事通信):
 ありがとうございました。



大和西大寺駅の高架化について





司会:
 それでは、その他のご質問がございます方は、挙手にてお願いいたします。時事通信さん。

記者(時事通信):
 奈良市長との近鉄沿線をめぐってのお話で、その後、何か進捗はありましたか。

知事:
 県といたしましては、奈良市に対して、近鉄、県、奈良市の3者でやっている協議会に出席してほしいので、都合のいい日を教えてほしいというお願いをしておりました。それについて前向きな返事がないまま推移しておりまして、奈良市のご都合は聞けないまま、昨日、3者の協議会というのを開催し、奈良市は出席されなかったので、県と近鉄の2者で意見交換を行いました。現時点で奈良市の今後の方針がよく分かりませんので、今後、この近鉄大和西大寺駅の高架化がどのように進んでいくのかが見通せないです。ただ、県としては、粘り強く、奈良市の参加を促していきたいと考えておりますので、引き続き奈良市に参加を呼びかけるとともに、協議会においては、奈良市さんが参加していただけるまでは、県と近鉄の2者で具体的な高架化の案を検討するという作業を進めていきたいと思っております。

記者(時事通信):
 その協議体としては、2者で進めていっても大丈夫なものでしょうか。欠席ということになるんでしょうか。

知事:
 そうですね。本来は3者でやることですが。

記者(時事通信):
 分かりました。
 あと、トップ同士が会うのも、知事自身もやぶさかでないというお話があったかなと思いますが、そこについては、その後どうなっていますでしょうか。

知事:
 その後、副知事から副市長への面談の申入れをしておりますが、今のところ実現のめどが立っていないということでございます。

記者(時事通信):
 分かりました。ありがとうございます。




※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。
また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。

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