9月 定例会の概要
360回目となる9月定例会を、9月17日から10月23日までの37日間の日程で開催しました。今定例会には、知事から補正予算案や決算認定議案など29議案が提出され、議員からは補正予算案に対する1件の附帯決議案を提出しました。
開会日には、山下知事から提案理由の説明を受け、その後、12人の議員が県政全般について代表質問や一般質問を行い、活発な議論をしました。
また、5つの常任委員会のほか、予算審査特別委員会及び決算審査特別委員会を開催し、付託議案の審査などを行った上で、一般会計補正予算などの議案について、原案どおり可決、承認などをし、令和5年度奈良県歳入歳出決算については認定しませんでした。
予算審査特別委員会を開催
令和6年度補正予算案を審査するため、当委員会を設置し、9月30日から10月8日までの間に4日間開催しました。
委員会では、各委員からの活発な質疑に対し、知事をはじめ関係者から詳細な説明が行われ、付託議案については原案どおり可決しました。なお、議案に対して、委員会の意見を表明するため、附帯決議を付すことも可決しました。
予算審査特別委員会委員(定数9名)
委員長
|
若林 かずみ(自由民主党・無所属の会) |
副委員長
|
粒谷 友示(自由民主党・無所属の会) |
委員
|
永田 恒(自由民主党・無所属の会)
川口 信(自由民主党・無所属の会)
芦󠄀髙 清友(自由民主党・無所属の会)
清田 典章(日本維新の会)
工藤 将之(日本維新の会)
小林 誠(日本維新の会)
藤野 良次(新政なら) |
決算審査特別委員会を開催
令和5年度の歳入歳出決算などを審査するため、当委員会を設置し、10月9日から18日までの間に5日間開催しました。
委員会では、各委員からの活発な質疑に対し、知事をはじめ関係者から詳細な説明が行われ、付託議案に関しては、令和5年度奈良県歳入歳出決算について不認定と決し、その他の議案については原案どおり認定等しました。
決算審査特別委員会委員(定数10名)
委員長 |
金山 成樹 (自由民主党・無所属の会) |
副委員長 |
西川 圴(自由民主党・無所属の会) |
委員 |
松木 秀一郎(日本維新の会)
山田 洋平(日本維新の会)
疋田 進一(自由民主党・無所属の会)
斎藤 有紀(自由民主党・無所属の会)
関本 真樹(日本維新の会)
小村 尚己(自由民主党・無所属の会)
亀甲 義明(公明党)
井岡 正徳(自由民主党・無所属の会) |
9月定例会 議決結果 |
項 目 |
件数 |
件 名 |
議決結果 |
知事提出の予算案件 |
3件 |
令和6年度奈良県一般会計補正予算(第2号) 等 |
原案可決 |
知事提出の条例案件 |
5件 |
奈良県税条例等の一部を改正する条例 等 |
原案可決 |
知事提出のその他案件 |
2件 |
令和5年度奈良県水道用水供給事業費特別会計剰余金の処分及び決算の認定について 等 |
原案認定 |
9件 |
損害賠償額の決定について 等 |
原案可決 |
1件 |
公安委員会の委員の任命について |
原案同意 |
7件 |
公立大学法人奈良県立大学の経営状況の報告について 等 |
報告受理 |
1件 |
地方自治法第179 条第1項の規定による専決処分の報告について |
原案承認 |
1件 |
令和5年度奈良県歳入歳出決算の認定について |
不認定 |
議員提出の予算案件 |
1件 |
議第80号 令和6年度奈良県一般会計補正予算(第2号)に対する附帯決議(案) |
原案可決 |
|
▼全ての議案等の件名及び議員別の表決結果はホームページに掲載しています。
|
9月定例会代表質問
保育の人材確保について
西川 圴(にしかわひとし)議員(自由民主党・無所属の会)
問
|
待機児童を解消するため、保育の担い手である保育士等の確保にどのように取り組んでいくのか。 |
答
|
給与の引き上げを含めた保育士等の処遇改善に取り組み、保育現場を魅力のある職場にすることで、人材の確保や離職防止につながると考える。令和5年度の「奈良県保育士等実態調査」では、回答者の7割以上が仕事内容に比べ給料が低いと答え、働く環境への不満も高かった。このため、保育士給与の原資となる公定価格に関する国への要望、民間保育所等に勤務する保育士等の給与加算を実施する市町村への補助、復職したい保育士への伴走型支援、勤務時間外でも相談できるSNS相談を開始した。こうした取組により、保育士等の確保と定着を促し、保育サービスの提供体制の整備を進める。 |
他の質問項目
■広域防災拠点の整備
■国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に向けたスポーツ施設の整備
■「飛鳥・藤原の宮都」の世界文化遺産登録
■奈良県職員の公益通報窓口
■第77回全国植樹祭の開催
■道路整備の推進
防災対策の推進について
清水 勉(しみずつとむ)議員(日本維新の会)
問
|
災害応急対策検討部会での議論を踏まえ、いつ発生しても不思議ではない大規模災害に対応するため、停電時の非常用電源を備えた広域防災拠点の整備に早急に取り組むべきと考えるがどうか。 |
答
|
検討部会において提示された中間とりまとめでは、北部、南部中核拠点が連携・補完して災害対応にあたることとし、南部中核拠点では、ベースキャンプ、支援物資保管庫、ヘリパッド、駐機場等を整備する方針である。
南部中核拠点の自立した運用、孤立集落の発生、長期の停電リスクに対応するため、非常用電源の確保は重要な課題であり、今後の検討部会において、必要量や導入方法を検討する予定。
また、完成後の施設運用についても、訓練を実施しながら改善するプロセスが重要であると考えている。 |
他の質問項目
■医療体制の充実
■教育の無償化と子育て支援の深化
■奈良モデルの今後
■経済・観光振興に資する道路整備
奈良県文化会館の整備について
大国 正博(おおくにまさひろ)議員(公明党)
問
|
整備中の奈良県文化会館について、本年5月、世界的ピアニストの反田恭平氏に芸術監督に就任いただいたことで、どのように魅力的になると考えているのか。 |
答
|
反田氏からは文化会館での演奏経験も踏まえ、演奏者と鑑賞者双方から選ばれるホールとなるための席や舞台に関する意見をいただいた。それらは、文化会館の価値を高めるのに必要不可欠なものと判断し、整備に反映した。文化会館の多様な使い方や一層の魅力向上につながるとともに、若い世代が気軽に利用でき、文化振興の裾野が更に拡大することを期待する。今後も文化会館の認知度向上に協力いただき、運営面などでもアドバイスをいただきながら、リニューアル後の文化会館が地域の賑わいの核となるよう検討を進める。 |
他の質問項目
■子育て情報の発信
■国道169号下北山村上池原の崩土災害の復旧
■平城宮跡周辺の渋滞対策
■災害時の被災者支援の充実
■発達障がい者の理解の促進
■認知症施策の推進
■歩行者安全対策とその周知
9月定例会一般質問
脱炭素社会の実現に向けた取組について
若林(わかばやし) かずみ議員(自由民主党・無所属の会)
問
|
奥大和地域の林業振興につなげることができ、県のカーボンニュートラル達成にも貢献すると考えられることから、森林吸収源J-クレジットの活用促進について考えを伺いたい。 |
答
|
森林吸収源J-クレジットは、森林管理への新たな民間資金の導入が期待でき、林業振興と環境保全に資するが、販売先の確保が課題。県内で組成されたクレジットを奈良県のクレジットとして登録する独自制度の創設を検討し、その広報や活用促進、金融機関との連携による販売先の確保にも取り組む。 |
他の質問項目
■西和医療センターの移転・再整備
■新アリーナの整備
■部活動の地域移行
不登校対策について
金山 成樹(かなやましげき)議員(自由民主党・無所属の会)
問
|
県では、小学校・中学校・高校ごとに、どのような不登校対策を行っているのか。また、そもそも長期欠席や不登校にならないために、各教育現場ではどのような取組や工夫をされているのか。 |
答
|
義務教育でのICTを活用した学びの場の提供、教育相談担当者相互のネットワーク構築等による支援の強化、高校での学校間連携による単位認定、専門家派遣や客観的データの活用による早期支援など、個々の状況に応じた支援を行っている。今後も、あらゆる手立てを研究していく。 |
他の質問項目
■(仮称)奈良県総合防災体制基本構想
■県立民俗博物館
■学力の向上
■高校生の就職活動
平群町のメガソーラー建設に対する県の指導について
山村 幸穂(やまむらさちほ)議員(日本共産党)
問
|
平群町において行われているメガソーラー建設について、地元住民から濁水の流出に対し不安の声が上がっている。濁水を規制する法令がなくとも、何らかの規制を行う手立てが必要ではないかと考えるがどうか。 |
答
|
林地開発変更の許可に際して、事業者の安全対策が技術基準に適合していることを確認している。また、工事施工や、土地改変の状況把握のため、県職員が定期的に現地を確認している。強雨の際は、県職員による事業者への安全対策や防災対策の徹底を指導している。 |
他の質問項目
■陸上自衛隊の駐屯地誘致
■民俗博物館の今後
■若者支援、学びたいを応援する高等教育に係る給付型奨学金
■奈良教育大学附属小学校への不当な介入
「どんづる峯」の保存活用について
芦髙 清友(あしたかきよとも)議員(自由民主党・無所属の会)
問
|
「どんづる峯」の天然記念物の指定区域拡大や地下壕の軍事に関する遺跡への指定等、文化財としての保護措置を拡充し、観光資源としての活用も進めるべきと考えるが、県の考えを伺いたい。 |
答
|
天然記念物の指定範囲拡大及び地下壕の史跡指定は、所有者の意向を確認し協議しながら、学術調査の必要性や軍事に関する遺跡の評価基準の検討を進める。また、「どんづる峯」を活用した地元市町村等での地域活性化や観光客受入整備等の取組を支援し、魅力発信にも共に取り組みたい。 |
他の質問項目
■災害時の活動体制の充実に向けた取組
■県域水道一体化
■国道165号香芝柏原改良をはじめとした直轄事業の推進
特殊詐欺対策について
森山 賀文(もりやまよしふみ)議員(新政なら)
問
|
県内における特殊詐欺の発生状況及びその特徴はどのようなものか。また、高齢者をはじめ、県民が特殊詐欺被害に遭わないよう、警察本部はどのように取り組んでいるのか。 |
答
|
特殊詐欺の認知件数はほぼ横ばいだが、被害総額は増加。県警察では、被害防止に関する情報の発信や、県内事業者への啓発、防犯機能付き電話の普及促進、キャッシュカードでの振込・引出限度額や年齢制限の見直し、また、被害防止への貢献者への謝礼交付といった取組を実施し、被害防止に全力で取り組む。 |
他の質問項目
■「飛鳥・藤原の宮都」の世界文化遺産登録
■河川区域の不法占用
■「なら歯と口腔の健康づくり計画」と、お口の健康を支える歯科衛生士
■県立高校の野球の選択肢
過疎地域における高齢者等の移動手段の確保について
星川 大地(ほしかわだいち)議員(日本維新の会)
問
|
過疎地域など公共交通が脆弱な地域においては、自家用車の代替手段となる地域公共交通を維持する必要があると考えるが、どのような取組を行っているのか。 |
答
|
公共交通サービスの維持・充実に向け、市町村、交通事業者等と連携し、様々な取組を推進している。具体的には広域バス路線運行費の一部補助、住民に身近な移動手段確保に取り組む市町村の実証運行等の取組への支援、市町村等が自家用車を活用して実施する「公共ライドシェア」のモデルケースの組成に取り組んでいる。 |
他の質問項目
■ソーシャルメディアを活用した情報発信
■高齢者の介護予防の取組
■奈良公園周辺における観光施策
■優秀な警察官の確保
県立民俗博物館及び民俗資料整理の今後の方向性について
関本 真樹(せきもとまさき)議員(日本維新の会)
問
|
県立民俗博物館の展示スペースの今後の方向性について、スケジュールも含めて考えを伺いたい。また、県で保管している民俗資料の整理について、現況と今後の計画について伺いたい。 |
答
|
大量の民俗資料の整理に向け、専門家の協力を得て、令和7年度中の収集・保存ルールの策定を目指す。その上で、資料やデータ整理を実施し、収納スペースの確保に取り組む。令和9年度中の展示室の再開に向け、収蔵展示やデジタルアーカイブによる公開など、様々な観点から検討を進めたい。 |
他の質問項目
■コンテンツの整備による観光誘客の推進
■奈良県教育振興大綱
■小中学校における1人1台端末の活用
県立高等学校の熱中症対策と体育館等への空調設置について
福西 広理(ふくにしひろみち)議員(日本維新の会)
問
|
熱中症の危険と隣り合わせの状況で体育や部活動に取り組む高校生の現状について、どのように認識しているのか。また、今後の熱中症対策と、体育館や武道場への空調設置に関する方針について伺いたい。 |
答
|
体育や部活動等での運動中、特に施設内での活動は熱中症リスクが高いと認識している。
県では各種の予防対策に注力するとともに、県立高校の体育館への空調設備は、計画を前倒しして、体育科設置校などから設置に着手する。武道場等への設置は、必要性を判断し検討を行う。 |
他の質問項目
■大和平野中央における新たなまちづくり
■奈良スーパーアプリの市町村との共同利用
■県道の維持管理
学研高山地区第2工区のまちづくりについて
粒谷 友示(つぶたにともし)議員(自由民主党・無所属の会)
問
|
学研高山地区第2工区のまちづくりは、生駒市のみならず県全体の発展に資するものであり、生駒市と連携し県も積極的に取り組んでいくべきと考えるが、知事の所見を伺いたい。 |
答
|
学研高山地区第2工区は、企業立地先としてのポテンシャルが高く、企業立地が進むことで雇用創出、税収増加につながると考えている。現在、生駒市は先行開発区域である南エリアのまちづくりについて、地権者等と協議を重ねている。市から事業内容の詳細が示され次第、取組に協力していきたい。 |
他の質問項目
■辻町インターチェンジの整備
■竜田川の河川改修
■生駒市公共下水道の県流域下水道への編入
■未利用資産の有効活用
質問・答弁の全文は
代表質問・一般質問とその答弁を掲載した会議録を、次の定例会開会までに奈良県議会ホームページに掲載します。
第18回紀伊半島三県議会交流会議を開催しました
第18回紀伊半島三県議会交流会議が、7月31日に三重県にて開催されました。
この会議は、紀伊半島三県(三重県、奈良県、和歌山県)の議員が一堂に会し、紀伊半島の振興及び発展に資するため、直面している共通課題について意見交換を行うことを目的として、毎年開催されています。
本県議会からは、中野議長をはじめ7人の議員が参加し、三県の防災力向上に資する紀伊半島アンカールートの早期整備や、半島地域における防災・減災、国土強靱化などについて、活発な意見交換を行い、今後とも情報共有するなど三県議会が連携して、国に要望していくことで合意しました。
高校生議会を開催しました
8月21日、今年で12回目となる高校生議会を開催し、県内の9校が参加しました。
開会に当たり、中野議長から激励の言葉があった後、本会議では、高校生議長の議事進行で会議が進められ、参加した高校生議員からは、災害対策や観光政策などについて質問がなされたほか、奈良県南部地域の活性化や、奈良県の魅力発信などに関する提言が行われ、すべて満場一致で可決されました。
本会議終了後には、「若者の政治への参加」をテーマに、議員体験の感想などについて、県議会議員との意見交換を行いました。
可決した意見書
この定例会では、意見書3件を可決しました。
意見書は、内閣総理大臣のほか関係大臣などに提出しました。
意見書
▶選挙公報及び選挙ポスターのDX導入の検討を求める意見書
▶自動運転移動サービス等の社会実装に向けた環境整備を求める意見書
▶訪問介護事業の基本報酬引き下げを見直し、介護報酬引き上げの再改定を早急に行うことを求める意見書
議会の様子をテレビやインターネットで視聴できます
●奈良テレビでは、本会議の代表・一般質問を生中継しています。
●インターネットでは、本会議の全日程や委員会の審議の様子をライブ配信するとともに、録画配信も行っています。
県議会では、公職選挙法を遵守し、虚礼廃止の実をあげるため、選挙区内の香典を一切行わないことで申し合わせています。