2025年1月号
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vol.52
ものづくりは人づくり夢づくりをモットーに
株式会社M.T.C
代表取締役
森 久次(もりひさつぐ)さん
相互利益のある提案営業を
私は両親が営んでいた金属プレス加工の工場に営業担当として就職し、父の後を継いだ2004年に家内工業からの脱却という長年の夢を叶えるため法人化しました。
当初は父の時代同様、利益より正確性、納期の厳守、安価を重視していたのですが、それでは会社を大きくできないと一念発起。得意先様に安全で確かな製品を安価で提供する姿勢はそのまま、私たちも潤うWin‐Winの「ものづくり」に舵を切りました。
加工費は1プレスごとに発生します。そこで1回で複数回分のプレスができる加工法を独自で開発。1プレス分の加工単価を上げて利益率を改善しつつ、総加工費は下げられる仕組みを確立したのです。この高単価・低価格の提案営業が功を奏し、現在は従業員約50人にまで成長。金属プレス加工・板金加工・溶接加工を社内一貫対応できる体制も整えました。
目指すは自社ブランドの確立
国や県の施策には積極的に参加し、近畿経済産業局主催の「知財ビジネスマッチング事業」では開放特許を活用した「起立補助椅子」を開発しました。メーカーになりたいという夢に近づくため、この事業で共同開発を行った葛城工業株式会社様と自社ブランド創出に取り組み、ソロキャンプブームを見据えたオリジナル商品「焚き火台」も誕生させました。
現在も社員が3つのチームに分かれ、月に一度のミーティングを実施し、それぞれのアイデアを持ち寄って新商品の開発に取り組んでいます。まだ大ヒットした商品はありませんが、この取り組みは社員同士のコミュニケーションの場となっており、会社を活性化させることにつながっています。
従業員たちにも夢を
弊社は、2023年に経済産業省が定める「DX認定制度」に基づき、奈良県で初めて「DXに積極的に取り組んでいる企業」として選定されました。
現在も専務やパソコンや機械設備好きの従業員が中心となり、生産管理や人事管理システム、AI搭載画像判別カメラセンサを用いた無人化による検査工程の導入など、さまざまなところでDX化を推進しています。
また、「夢を持って努力すれば夢は叶う」ことを、従業員たちにも実感してもらうため、資格取得のサポートや誰もがスムーズに加工手順が学べるシステムの構築、弊社独自の研修などを積極的に実施しています。2024年には「奈良県社員・シャイン職場づくり推進企業」にも表彰されました。
今後も従業員が夢を叶えられる企業として成長するとともに、奈良県の経済発展に貢献していきたいと考えています。
株式会社M.T.C
住設用建材、鋼製家具、建設用建機・重機などの金属プレス・板金加工を行っています。
マスコット
キャラクター
「ホクちゃん」