ある日電車に乗っていると、一人の外国人から声を掛けられました。その人の発話はゆっくりで、いわゆる“カタコト”の日本語でしたが、好きな料理や観光地、自国の文化について電車を降りるまで、ずっと話をしてくれました。きっと日本で暮らしながら一生懸命日本語を学び生活しているのでしょう。 県内には、約18,000人の外国籍の人が生活しています。こうしたいろいろな国のルーツを持つ人や、さまざまな生い立ちの人の学習の場所として「公立中学校夜間学級」「自主夜間中学」や「識字学級」が県内各地で運営されています。ここでは文字の習得や文化的な学習など、教育から一人も取り残さない取り組みが行われてきました。ある80代の男性は、小学生の時のいじめが原因で不登校になり、読み書きができないまま大人になりました。妻に感謝の手紙を書くため定年と同時に夜間中学へ入学し、結婚から35年目に初めて妻にラブレターを渡しました。この人のように学びの場を必要としている人はたくさんいます。 そんな「識字の灯を消さない」運動を応援していきたいです。
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