令和7年3月21日(金曜日)知事定例記者会見

【発表案件】
都市計画区域における南部・東部地域の土地利用制度の見直し方針
定年後のキャリアチェンジ支援

【質疑応答】
公益通報について
国道168号香芝王寺道路の香芝市所有歩道橋架け替えについて香芝市が費用負担を拒んでいる件
奈良公園における鹿の保護・収容について



 

司会:
 おはようございます。ただいまから、本年度最後の知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 本日の会見は、ユーチューブ、奈良県公式総合チャンネルでライブ配信しております。
 本日は知事からの発表案件が2件ございます。
 1件目の発表案件は、都市計画区域における南部・東部地域の土地利用制度の見直し方針でございます。
 知事、よろしくお願いいたします。



都市計画区域における南部・東部地域の土地利用制度の見直し方針




知事:
 では、資料を1枚おめくりいただきまして、南部・東部地域における課題と取組ということでございます。過疎の集落が増えているというようなことを踏まえまして、県では、奈良県南部・東部振興基本計画というものを策定しておりまして、市町村と共同して、地域の振興に関する施策に今取り組んでいるところでございます。
 もう1枚めくっていただきまして、この南部・東部地域は、19の市町村から成り、そのうち、五條市、御所市、宇陀市、高取町、明日香村、吉野町、大淀町、下市町、この8つの市町村は、都市計画区域に含まれておりまして、都市計画制度による土地利用規制というものをこれまで実施してまいりました。右側の地図を見ていただいたら、グリーンのところが南部地域、水色のところが東部地域で、赤い太線で囲ったところが都市計画区域でございまして、両方がかぶっている地域が、今申し上げた8つの市町村ということになります。都市計画制度というのは、ご存じのとおり、人口増加を背景にしまして、無秩序な市街化を防止するということを目的とする制度でございました。しかしながら、人口の増加というのは、もうとうの昔に止まっておりまして、人口減少下において、これまでと同様の規制を適用することがそもそもよいのかという課題がございました。
 もう1枚めくっていただきまして、これまでも市街化調整区域におきましては、県において、開発許可基準の緩和ということをしてきましたが、南部・東部地域の市町村長さんからは、次のような声がこれまで上がってまいりました。人口が著しく減少している山間の過疎地域と平野部とでは条件が異なるので、一律の基準、運用では、南部・東部地域において必要とされている施設の立地が難しい、あるいは、現在の基準や運用では想定されていない新たなニーズへの対応が現行制度では困難であると、企業誘致を速やかに行いたいが、地区計画制度や開発許可といった、市街化調整区域における開発の手続にはかなり時間が必要になっているということ、そんなお声がございました。
 めくっていただきまして、そうした背景がございまして、これまで市町村や有識者と意見交換を重ねながら、今後の都市計画区域の在り方について検討してきましたが、無秩序な市街化につながらない範囲で、農林漁業や景観などとの調和を図りながら、市町村長のリーダーシップの下、地域が求める将来像に沿った土地利用や真に必要な施設の立地が行えるよう、今回見直しを図るものでございます。見直しの方針は、3つございます。まず、産業や商業、観光の振興や居住に資する施設の立地に関する土地利用制度の運用を見直します。それから、南部・東部地域の市町村がまちづくり方針を策定して、地域振興に資すると認める施設については、許可対象とします。3番目は、手続を迅速化するということでございます。
 次、めくっていただきまして、以下、この産業振興の視点、それから、商業・観光振興の視点、住宅に関する視点、それから、手続に関する視点、この4点について、もう少し具体的に見直し内容を説明させていただきます。
 もう1枚おめくりください。産業振興に関する見直しでございますけれども、地域の産業に資する工場などの施設につきまして、地区計画の面積要件を緩和するとともに、開発許可基準における対象業種や立地要件などを追加いたします。具体的には、産業活性化型の地区計画を策定した場合は、市街化調整区域においても産業目的での土地利用ができたわけですけれども、これまではこの産業活性化型の地区計画というのは、面積要件が1ヘクタール以上で、全ての区画において土地利用の具体的な計画があることというのが条件でしたが、これを0.3ヘクタール以上に緩和いたしまして、全ての区画ではなく、1区画のみで土地利用計画が具体化していれば、それでよしとするというようなものでございます。それから、これ、今、都市計画法第34条の話をしていますが、工業系ゾーンの工場については、従前は市町村マスタープラン等に位置づけられた区域でしか認められなかったものですが、それを従来の基準に加えまして、市町村が策定したまちづくり方針に位置づけられた工業系ゾーンを対象地として追加します。つまり、必ずしも市町村マスタープラン等に載っていなくてもいいということでございます。それから、インターチェンジの周辺等に工場を建てる場合は、市街化調整区域でもこれまでもできましたが、京奈和の各インターチェンジからおおむね1キロ以内の区域という要件に加えまして、先ほど言いましたように、市町村が策定したまちづくり方針に位置づけられた工業系ゾーン区域内であれば、京奈和のインターチェンジから1キロメートル以内に限る必要はないと、こういうことになります。
 次、商業や観光振興ですけれども、少し細かい話になってきますが、引き続き、都市計画法第34条の話です。市街化調整区域におきまして、日常生活に必要な店舗等を建設する場合は、申請地の半径500メーター以内に100戸以上の住宅があるということがこれまで要件でしたが、この基準を緩和いたしまして、日常の生活上必要な施設であって、地域振興に資すると市町村が認めるものについては、この店舗を建てられるようにするというふうに基準を緩和します。それから、観光資源の利用に必要な店舗につきましても、最寄り駅から徒歩で通常利用する道路の沿道であるということが、観光資源の利用に必要な店舗を建てるための条件でしたが、それも地域振興に資すると市町村が認めるものを要件に追加することで、規制を緩和するというものでございます。道路沿道サービス店舗におきましても、国道や12時間交通量が3,000台以上の県道の沿道とか、あるいは、飲食店の客席数が20以上といった要件があったんですけれども、それも市町村が認めるものについてはオーケーにするというものでございます。それから、運動・レジャー施設については、これまで遊園地、動物園、観光植物園などを対象としていましたが、これに加えまして、市町村のまちづくり方針で位置づけられたキャンプ場やピクニック緑地の附属建物のようなものもオーケーにするという変更をいたします。
 それから、住宅ですけれども、市街化調整区域内で住宅を建設する場合の条件として、既存集落活性化型の地区計画というものを定める必要がありました。その地区計画を定めるための条件といたしましては、面積要件が1ヘクタール以上で、駅や市役所等の周辺で50戸以上の建築物が連なっているということが立地条件だったんですけれども、今後は、市町村長が、地域コミュニティーの維持などを図るため、適切な立地要件、面積要件を判断した上で、必要と認める集落というふうに緩和をしたいと考えております。それから、既存建築物の建て替え等による住宅建設につきましては、これまで既存建築物が取り壊されてから1年以内に限って建物の建築が可能でしたが、除却されてから1年以内という、その時間的な要件を撤廃します。以前建物があったところであれば、除却後の期間にかかわらず、新しく建物を建てられるというふうにします。これはかなり大きな緩和かなと思っています。
 このように、これまでの基準は割と定量的な数値の入った要件でしたが、それを、市町村長が認めるものというように、割と定性的な要件に変えているところが今回の改正のポイントでございます。
 それから、9ページ、手続の迅速化でございますけれども、地区計画につきましては、様々な努力を県庁内でいたしまして、立案から都市計画決定まで、これまで約1年かかっていたところを9か月程度に短縮をいたします。そのために、そこに書いてございますとおり、原案の検討、作成の過程から市町村を支援するとか、協議結果を市町村に早期に通知するとか、そういうことを県庁で頑張るということで、3か月間短縮をしたいと考えています。それから、開発許可の手続につきましても、開発審査会へ付議する対象を縮小するとか、あるいは、申請手続について、事前協議を要しない対象を拡大するとか、あと、開発審査会はこれまで年4回、3か月ごとに開催してきましたが、これを随時に開催するというような形で手続の迅速化も進めてまいります。
 最後、こうした形で改革をいたしまして、新たな市街化調整区域における地区計画制度、開発許可基準につきましては、令和7年度中に運用を開始したいと思っております。
 11ページは、イメージを書かせていただいたものでございます。
 私からの説明は以上です。

司会:
 それでは、ご質問がございます方は挙手にてお願いいたします。
 毎日新聞さん。

記者(毎日新聞):
 この見直し方針を通して、知事が目指す南部・東部の将来像を伺えればと思います。

知事:
 将来像というのは、工場や店舗、あるいは住宅の建設をより容易にすることで、人口減少を食い止めるとともに、そこに住む人があまり遠くまで通勤しなくても近場で働けるようにすると、そういったことかと思います。

記者(毎日新聞):
 先ほど、この制度によって定量的なものから定性的なものに変わるとおっしゃっていました。市町村長が判断することになったと思いますが、その判断について、無秩序なものにならないように、県から最低限審査するなどというのはありますか。完全に市町村に委ねる形になりますか。必要性の検証みたいなところはするのでしょうか。

知事:
 ただ、市町村においても、例えばその場その場で市町村長が許可を出せばいいというものではなく、まちづくり方針をあらかじめ策定していただくことになろうかと思います。そのまちづくり方針を策定するに当たっては、当然、都市計画区域内の市町村であれば、都市計画審議会があると思いますので、当然、都市計画審議会の議を経る形で、ある程度合理的な、土地利用のルールが各市町村で定められるのではないかと想定していますが、事務局、いかがですか。そういう理解でいいですか。

県土利用政策課:
 今、知事から説明がありましたとおり、まちづくり方針につきましては、市町村が策定するものではございますが、当然のことながら、県のほうも協議という形で必要な助言等をさせていただく立場かと考えてございます。加えまして、市町村の中で、市町村の都市計画審議会や、あと、地域のご意向などを丁寧に酌み取っていただきながら、まちづくり方針を策定いただく形になろうかと考えてございます。

記者(毎日新聞):
 12か月かかっていたものを9か月にするために、県庁が頑張るとおっしゃったと思うんですが、人員や、体制をこれによって新たに変えることはありますか。

県土利用政策課:
 基本的には、現行の体制の中で、市町村との協議をより密にすることなどで、実現可能かと考えてございます。開発許可制度に関しましても、開発審査会のご理解を得ながら進めていくことが可能かと考えてございます。

記者(毎日新聞):
 ありがとうございます。

司会:
 産経新聞さん。

記者(産経新聞):
 全国的に見まして、こういった住宅や工場について、同様の条件の緩和というのは結構あるものでしょうか。

知事:
 調べた限りではあまりないと聞いています。何か補足はありますか。

県土利用政策課:
 ご指摘のとおり、人口減少が進んでいることは全国同様の条件かと思います。そういった中で、各自治体、いろいろ工夫はしているところかと存じますが、今回のような形で、一定地域を絞って、かつ、市町村のリーダーシップを加味しながらというのが、調べた限りでは同様のものは見つけることはできませんでした。

記者(産経新聞):
 一定地域を絞ってというのはほぼないと言っていいということですか。

県土利用政策課:
 もう少し全域的に行っているケースはあろうかと思いますけれども、特に人口減少が著しい南部・東部の都市計画区域というターゲットを絞ってということが今回の特徴だと考えてございます。

記者(産経新聞):
 ありがとうございます。

司会:
 日経新聞さん。

記者(日経新聞):
 知事は、従前から市街化調整区域など見直しをすると掲げられておりますが、今回の取組が、その一番のポイントといいますか、取組の核になるのでしょうか。北部のほうでも工業地の取組はされていると思いますが、いかがでしょうか。

知事:
 そうですね、核となる取組だと思っています。

記者(日経新聞):
 もう1点、この新たに生まれたニーズへの対応が必要ということですが、例えば南部のほうは、キャンプ場などのニーズも出てきていると思います。新たなニーズというのは、特に南部・東部でどのようなものがあるのでしょうか。

県土利用政策課:
 新たなニーズにつきましては、この間、市町村と様々な意見交換をさせていただきました。お話のありましたキャンプ場ですとか、あと、従来型の観光ですと、名所旧跡が核になっていたかと思うのですが、自然そのものを楽しみたいといったニーズが高まっていると、そういったものをサポートできるような施設があってもいいのではないかという視点でございます。

記者(日経新聞):
 事務局の方に質問です。どちらかというと観光か、産業の部分か、住民の利便性の買物など、どちらを重視されていますか。

県土利用政策課:
 新たなニーズというのは、主に観光や、訪れられる方、交流人口といったところに視点を当てた意味で考えてございます。

記者(日経新聞):
 まちづくり方針を各自治体がつくるというのは、来年度中から始めるということですが、それも来年度中に早めに作成するということでしょうか。

知事:
 市町村がいつから取り組みされるかということまでは我々のほうでは分からないです。

記者(日経新聞):
 県の希望としていつまでに策定してほしいですか。

知事:
 あくまで、これは市町村からの要望に基づいて実施している新たな制度なので、こちらからいつまでにつくってほしいというものではないとは思いますが、つい先日、地価公示を行いました。奈良県は、住宅地については17年連続で下落しているのですが、商業地は3年連続で地価が上がっており、工業地は10年以上連続で上がっているという状況があるので、一定、商業や工業面での土地利用のニーズはあると考えられます。ありますが、特に工業は、10年連続で上昇しているということは、ニーズはあるのに供給がないから値段が上がっているのだろうと思います。やはりもう少し土地利用をしやすくしてほしいと思っている市町村は少なくないと思いますので、早期にまちづくり方針を策定されるものと見込んでおります。

司会:
 ほかに質問はございますでしょうか。
 時事通信さん。

記者(時事通信):
 先ほどの市街化調整区域の見直しの話の中で、たしか県議会やサミットでも、北部のほうからも上がっていたと思いますが、この南部に絞ったのか、今後、北部もそういった検討していくのかどちらでしょうか。

知事:
 この資料の中で、例えば6ページは、南部・東部地域に限ると書いています。7ページもそうなっていますが、8ページの建物除却後の建て替えについて、これまでは1年以内に限って建て替えを認めていたのを、その期間制限をなくすことや、手続の迅速化についても、南部・東部地域には限りませんので、一部、今回の見直しで南部・東部地域以外も対象になるのはあるのですが、平野部においては、従前から、それほど問題があるという声が市町村長から上がっていたわけではなく、やはり南部・東部地域からそういった声が大きかったということで、南部・東部地域に限って今回規制を緩和するということになりました。

記者(時事通信):
 分かりました。
 ということは、今後、北部をさらに検討していくわけでは、取りあえずは、ないということですか。

知事:
 そうですね。

記者(時事通信):
 知事自身もたしか北部の工場地などで都市計画緩和できればという話をされていたことがあった気がしますが、今回は特に関わってこないということですか。

知事:
 北部で都市計画を、ですか。

記者(時事通信):
 私の記憶違いでしたらすみません。都市計画の話が出たサミットの終わりの囲み取材で、市街化調整区域を緩和して、北部エリアも含めて、工場地や商業地の誘致をもう少しできればといった話をされていたような気がしたのですが、取りあえずは南部・東部地域に限るということでしょうか。

知事:
 今後、市街化区域を拡大することは、平野部ではあり得ると思います。

記者(時事通信):
 なるほど。取りあえず、今回はこのような形ということですか。

知事:
 はい。

記者(時事通信):
 この南部・東部で緩和するのは、これも従前から、県も市町村長も気にされていましたが、農振法(農業振興地位の整備に関する法律)との兼ね合いのところは、開発していっても大丈夫なのでしょうか。

知事:
 農振法上の目標面積を下回った場合は、農振地域からの除外が難しくなるという問題はこれにも該当はすると思いますが、全ての耕作放棄地が農振地域の農用地区域に該当するわけではないので、農用地区域に該当するのは、やはりその問題はありますが、農用地区域に該当しないものは、特にその問題はないという理解をしております。

記者(時事通信):
 分かりました。ありがとうございます。

司会:
 読売新聞さん。

記者(読売新聞):
 今回の市街化調整区域、大幅にいろいろ見直すと思いますが、これまで県として見直しというのは何度かされているのでしょうか。

知事:
 市街化調整区域における土地利用をしやすくするための改革は恐らくこれまでもしてきたと思いますが、詳しい経緯は事務局のほうからお願いします。

県土利用政策課:
 市街化調整区域において、特に工場の立地について、こういったものに関して、許可基準の緩和といいますか、柔軟化というのは、これまでもいろんな形で行ってまいりました。今回は、そういった基準も併せて、南部・東部地域での柔軟化というものを検討したということでございます。

知事:
 調整区域での土地利用に関して、住宅や観光、商業は、これまで緩和したことがありますか。

県土利用政策課:
 開発許可の基準のメニューを見直したりなど、あと、何よりも地区計画制度で産業型、既存集落活性化型といったメニュー例示をすることで、市町村の運用を促してきたといったところでございます。



定年後のキャリアチェンジ支援




司会:
 2件目の発表案件は、定年後のキャリアチェンジ支援でございます。よろしくお願いします。

知事:
 初めにというところですけれども、高齢者が働く理由というのは、後で説明しますが、多岐にわたりまして、収入のために働いている方の割合は5割未満にとどまっております。本県の課題といたしましては、高齢者の有業率、つまり高齢者が仕事を持っている率が全国平均よりも低くて、この有業率を引き上げることによって、労働力不足を少しでも緩和できるのではないかというふうに考えました。そうした背景を踏まえまして、働きたい、起業したいなど、シニア世代のニーズを支援することによりまして、高齢者にも引き続き社会で活躍していただき、奈良で暮らしてよかったと感じていただくとともに、県全体の労働力を充実していきたいなと、そういう思いから始める施策でございます。
 1枚めくっていただきまして、内閣府が実施した調査によりますと、高齢者が仕事をしている理由として、収入が欲しいからというのは45.8%にとどまっておりまして、それ以外、具体的には、仕事そのものが面白い、自分の知識や能力を生かせる、仕事を通じて友人や仲間を得ることができる、働くのは体によいとか、老化を防ぐことができるからといった、収入が欲しいからという理由以外で働かれる方も54.2%いるということでございます。それから、奈良県における有業者数は、平成24年64.3万人だったのが、令和4年には63.8万人となりまして、約5,000人減少しておるわけですけれども、その下の右側の棒グラフですけれども、65歳以上の高齢者の有業率につきましては、全国平均が25.3%であるのに対して、奈良県は21.9%にとどまっておりまして、全国平均との間で3.4%の差があると。この差を埋めていくことで、奈良県全体の労働力の拡充も図っていけるのではないかと考えたわけでございます。
 めくっていただきまして、今回の支援体制ですけれども、定年退職をされる方、された方には、転職したいとか、起業、独立したいとか、あるいは、地域貢献活動をしたいとかいうような、様々な要望があるわけですけれども、そういった様々な要望に基づく相談を一元的に受け付ける窓口を新たに設置いたします。奈良しごとiセンターの中にそういう一元的な相談窓口を設けまして、様々な関係機関に橋渡しをするということでございます。それは、県庁であったり、市町村であったり、業界団体であったり、様々なところに橋渡しをいたしまして、その多様なニーズを有する高齢者の皆さんが、例えばプロフェッショナル人材として就労していただくとか、起業していただくとか、リスキリングという形でもう一回勉強していただくとか、新規就農、ボランティア、NPO、そういう新しい定年後の活動に従事する、そのサポートをしたいと考えております。
 一元的な相談窓口は、奈良市西木辻町にございます奈良しごとiセンターに設けます。
 主な支援施策の紹介でございますが、まず、自らの経験や知識を生かした起業に踏み出す足がかりとして、行動プランを作成する、そういう講座を県で開催いたします。それがSTEP1というところでございます。この講座におきまして、起業までのスケジュールや基礎知識、心構えや、これまで歩んだキャリアを再確認していただいた上で、行動プランを作成していただくと。それから、次のステップといたしまして、商工会議所とか奈良県よろず支援拠点がやっている創業塾とか、個別相談会、そうしたところにつないでいくと。さらに、創業塾とか個別相談会を経て、さあ、起業しようという段階になった方に対しましては、最大200万円、補助率2分の1の起業支援金を交付するとともに、補助金を受けられることになった方に対しましては、起業に至るまで専門家が伴走支援を実施する、そういうことも行っていきたいと考えております。
 それから、もう一つの例ですが、県内就労あっせん事業ということでございます。これまで企業等において長く働いてこられて、専門的な知識や経験を有する方がおられると思います。そういう専門的な知識や経験をお持ちで働きたいという方に、ご本人の知識や経験を踏まえて、それを生かせるような企業を、プロフェッショナル人材戦略拠点で選定をし、実際の雇用につなげていくというような、県内就労あっせん事業もやってまいりたいと考えております。この就労あっせん事業というのはもう既にやっているものでございますけれども、それを活用するということでございます。
 私からの説明は以上です。

司会:
 それでは、質問がございます方はお願いいたします。
 毎日新聞さん。

記者(毎日新聞):
 今回の新しい内容としては、窓口を設置したというところと、県実施の行動プランのところもですが。

経営支援課:
 5ページのSTEP1の行動プランの立案というところが新規になります。また、STEP3の起業の起業支援金と伴走支援についてですが、今までは、シニアに特化せずにしていたところあるのですが、一般の枠とは別に、シニアに特化して、新規で追加したところでございます。

記者(毎日新聞):
 シニアに特化したというのは、枠を増やしたということですか。

経営支援課:
 令和6年度は10枠だったものを、シニアに特化したものを2枠増やして、合計12枠になります。

記者(毎日新聞):
 県内の65歳以上の有職者が平成24年から増えていると思うのですが、有業率が全国に比べて低い原因は、知事としては何だと考えておられますか。

知事:
 よく分かりません。

記者(毎日新聞):
 ありがとうございます。以上です。

司会:
 ほかに質問はございますでしょうか。
 時事通信さん。

記者(時事通信):
 潜在的に奈良県内に働きたいが、一歩を踏み出せてない高齢者の方がどのくらいいるのかというのと、県としてはどの程度の就業者を増やしていきたいかというのはいかがでしょうか。

知事:
 働きたいけど、働けないという人がどれぐらいいるのかというようなデータはないですね。

人材雇用政策課:
 今、明確なものは持ち合わせていません。

知事:
 2番目の質問、何でしたっけ。

記者(時事通信):
 この施策でどの程度、就業率でいうとどのくらいまで増やしていきたいのか。

知事:
 この65歳以上の有業率を全国平均ぐらいまでは持っていければと思います。

記者(時事通信):
 追加でこういう施策を検討しているとか、そういったものは何か特にありますか。

知事:
 現時点では、この制度を県民の皆様に多く利用していただけるようにしていきたいと思っております。

司会:
 読売新聞さん。

記者(読売新聞):
 シニア起業支援事業についてお伺いしたいんですけれども、ここで言うシニアというのは65歳以上のことを指して、65歳以上が対象になるという理解でいいんでしょうか。このシニアというのと、高齢者という使い分け、違いを含めて、お伺いしたいです。

知事:
 定年前に早期退職される方も対象にしたいと思っていますので、55歳以上と考えています。

記者(読売新聞):
 県内就労あっせん事業のほうも55歳以上とか、そういったイメージでいいですか。

知事:
 これはどうですか。

人材雇用政策課:
 この事業自体は、年齢問わず実施しているものですが、今回の定年後のキャリアチェンジ支援に合わせて、キャリアチェンジ支援の枠組みの中ではおおむね55歳以上の人を対象として考えていきたいと思っております。

経営支援課:
 5ページのシニア起業支援事業ですが、起業支援金のほうは、知事おっしゃったとおり、55歳以上になります。STEP1の行動プランの立案につきましては、それに向けて準備をしていただくという趣旨ございますので50歳以上、このような状況になります。

記者(読売新聞):
 分かりました。

知事:
 県内就労あっせん事業は明確に年齢要件がないんですね。

記者(読売新聞):
 県内就労あっせん事業ですが、これに選定される企業というのは大体何社ぐらいから選ぶとか、そういう規模感はいかがでしょうか。

知事:
 この制度は、そういうプロフェッショナル人材を求めている中小企業に登録していただく制度なので、どれぐらいあるんですか。

人材雇用政策課:
 特に数というわけではなくて、県内企業が対象になります。

知事:
 別に登録制度ではない。

人材雇用政策課:
 そうですね。はい。

知事:
 ただ、求人が出ている場合があるでしょ。どれぐらいの企業から求人が出ているかというのは分かりますか。

人材雇用政策課:
 そういう情報もこのプロフェッショナル人材戦略拠点のマネジャーたちが情報収集しまして、この制度を使うかどうか、企業とやり取りしながら進めていきますので、明確に何社が対象とか、そういうものではございません。

記者(読売新聞):
 今後そういった企業を公募するとか、そうした予定も今のところはないということでいいんでしょうか。

人材雇用政策課:
 そうですね。この制度があること自体は、県内の企業の皆様に周知しておりますので、その中で、プロフェッショナル人材戦略拠点のマネジャーたちが企業とやり取りしながら、参加していただけるところには参加していただくというようなことになります。

司会:
 そのほか、ございますでしょうか。
 時事通信さん。

記者(時事通信):
 先ほどの質問と少し重複するんですけど、県としては、この54.2%の「収入以外の理由」の人にできたら就業してもらいたいというお話だと思うんですが・・、

知事:
 いや、別にそういうことではないです。「収入がほしいから」というのが理由でもいいと思うんです。

記者(時事通信):
 そうなんですか。

知事:
 はい。

記者(時事通信):
 そうしましたら、働いていない人に働いてもらいたいということだと思うんですけども、需要があるのかなと。今お話をこうやっていろいろ聞いていて思うんですけど、ちゃんとニーズがあって、そこに対して人をあてがっていくなら分かるんですけど、実際、今どれくらいの人が働きたいのかという数字がないといいますか、漠然としていて、今後、事業としてうまくマッチしていくのかなと思いまして。

知事:
 何かやりたいけど、どうしたらいいか分からないとか、何かきっかけがないとか、そういう人をターゲットにしている事業なんですね。おっしゃるように、そういう人たちがどれぐらいいるのかというのは、働きたいという希望を持っている人のアンケートとかがないので数字は分からないんですけど、65歳以上の有業率が全国平均より低いということからすると、働きたいけどそういうチャンスがないとか、どうやったらいいか分からないという人が一定数いるんじゃないかと想定しています。ですから、今後、こういう制度を始めたということを大々的にPRしていくことで、何か取っかかりが欲しいなとか、ちょっとどうしたらいいか分からないので相談したいなとか、そういう人に機会を提供するための取組というふうにご理解いただければと思います。

記者(時事通信):
 なるほど、分かりました。
 理念的にはよく理解できます。実際、企業側も、高齢者側の人数など、何もちゃんと把握できてなかったので、大丈夫かなと思いまして。

知事:
 なるほど。

記者(時事通信):
 理念としてはすごく分かるんです。高齢者の方にも働いてもらいたいし、県としては税収アップにもつながるとは思うんですけど、例えば、よく報道とかであるのは、65歳以上の男性に保育士の手伝いをしてもらうとか、塾のちょっとした、いわゆる補助教員みたいなところをやってもらうとか、何かニーズがあったら分かるんですけど、その辺はどうでしょうか。

知事:
 いや、需要はあると思いますよ。全般的に県内企業は人手不足ですから、需要はあると思います。ただ、働きたいけど、働くチャンスがないという人がどれぐらいいるのかというのはよく分からないんですけど。

記者(時事通信):
 なるほど。

知事:
 求人倍率は1.0を超えていますので、採用のニーズはあると思います。

記者(時事通信):
 なるほど。では、今後、周知して高齢者側のニーズを調べながらということですかね。

知事:
 そうですね。

記者(時事通信):
 分かりました。ありがとうございます。



公益通報について




司会:
 それでは、その他のご質問がございます方は挙手にてお願いいたします。
 毎日新聞さん。

記者(毎日新聞):
 兵庫県の告発文書に関連して、先日、第三者委員会で、文書がいわゆる3号通報、公益通報に当たるものだというふうに指摘がされた報告書が出たと思います。知事はこれまで、SNSなどで、兵庫県職員の方の自殺と関連があるのかという部分への疑問というところから、そこに焦点を当てて積極的に擁護されてこられたと思うんですけれども、この公益通報に対する対応という点では、この報告書で不適切、違法とされましたけれども、知事としてはどうお考えか、お伺いできますか。

知事:
 第三者委員会の見解の適否については、兵庫県が選任した専門家が出した結論ですので、コメントする立場には私はないと思います。ただ、齋藤知事の初動と自殺との間の明確な因果関係というのがあるかないかは、依然として分からないのではないですか。

記者(毎日新聞):
 初動対応について、知事としてはどう捉えておられるのかというのをお伺いできますか。

知事:
 もともと、別に初動がよかったとか、悪かったとか、違法とか、適法とかいうことは発信してないと思いますので、それについてはコメントする立場にはないと思います。

記者(毎日新聞):
 分かりました。
 報告書の中で、兵庫県の内部通報に対する啓発体制にもちょっと課題があるというような指導があったんですけども、奈良県で何か内部通報について啓発をしたりとかというのは今後お考えでしょうか。

知事:
 その一つが、先般発表した外部窓口の設置ということだと思います。

記者(毎日新聞):
 ありがとうございます。



国道168号香芝王寺道路の香芝市所有歩道橋架け替えについて香芝市が費用負担を拒んでいる件




記者(NHK):
 県議会でも出ていましたけれども、香芝市との間での歩道橋の問題について、香芝市側が県を提訴するということを表明しています。改めて、そのことに関して、知事はどのようにお考えでしょうか。また、県としての意見というものをお聞かせ願えたらと思います。

知事:
 前回の記者会見でかなり詳しく申し上げましたけれども、その債務が不存在であるということの理由は、全く根拠がないものだというふうに思っていますし、香芝市の側から債務不存在の確認を求めて、訴えを提起する利益もないということなので、提訴については、なかなか理解が難しいということでございます。

記者(NHK):
 今後、逆に、県が香芝市を提訴するというようなことも想定はされるのでしょうか。

知事:
 それについても、前回の記者会見で質問されたと思うんですけれども、その債務不存在確認訴訟で債務があるという判断が出れば、それにもかかわらず支払いしないというような対応はさすがにされないと思いますので、県が裁判を起こして達成しようとしていた目的は、香芝市が県に対して提起する訴訟に応訴するという形で十分達成できるかなと思っています。

司会:
 そのほか、ございますでしょうか。
 読売新聞さん。

記者(読売新聞):
 今日の午後には香芝市が提訴するそうですが、今後、どのように裁判に臨まれるかというところを、改めて簡単にコメントをお願いできますか。

知事:
 県の主張を粛々と裁判の中で展開させていただいて、あとは、適正な結論になることを期待しております。



奈良公園における鹿の保護・収容について




記者(NHK):
今日の午後ですが、奈良の鹿の保護管理計画に関する専門家の委員会が行われます。知事も以前から、奈良公園の鹿の保護、収容の在り方というのは、今のままではよくないから見直していくべきだということだったと思うんですが、新年度も引き続き検討は続くと思いますけれども、知事ご自身は奈良公園の鹿の保護管理について、どのようにあるべきだと現時点でお考えですか。

知事:
 私が申し上げたのは、鹿苑での終生収容というのが動物愛護の観点からどうなのかということです。本来、外を飛び回っていた鹿が、農作物を荒らしたことで、亡くなるまでそこに収容されるということと、鹿苑の収容の環境にも課題があったということなので、私としては、まずは、鹿苑での終生収容の体制ということの是非が議論されて、改善されることを期待していますけれども、それ以外の部分については、従前から当該委員会で専門家がご議論して決めてこられたことだと思いますので、その専門家の皆さんの見解を尊重する立場にあるというふうに思っています。

記者(NHK):
 ありがとうございます。

司会:
 ほかに質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、以上をもちまして知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。




※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。
また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。

 

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