令和7年度新規採用職員辞令交付式 知事訓辞概要

本日付で奈良県庁に入庁される新規採用職員137名の皆様、誠におめでとうございます。

社会人経験があって中途で入庁される方もいる一方で、大学や大学院を出られて新たに社会人として働かれる方も多いと思います。私も今から30数年前に同じような時期を迎えましたが、大変緊張して入社式に臨んだことを覚えています。

 

そんな皆さんにどんな話をしたらいいのか、私も非常に悩んでいましたが、今いただいた宣誓書に「県民全体の幸せ追求に奉仕することを誇りに思い」と書かれているとおり、まさに奈良県で働くということは県民への奉仕ということが仕事になります。どの部門に配属されようとも、それは全て奈良県民や奈良県のためになることばかりです。

もちろん、非常に面白いと感じる職場もあれば、事務的な作業をしなければいけない職場もありますので、皆さんも入庁されて、思っていた仕事と違うなと思う時があるかもしれません。

しかし、どんな仕事であっても全て県民のため、県のために繋がることには間違いないので、公に奉仕できる仕事に就くことの喜びや、やりがいをしっかりと認識して仕事に臨んでいただきたいと思います。

 

今の若い方々は、働くことに対する考え方が、我々の世代とは少し違うということがよく指摘されております。中には、仕事は給料をもらうためだけのものと割り切って考える方もおられるかもしれません。人それぞれ人生観や価値観は異なるので、何が良い悪いということはありませんが、その一方で、考えてみれば一日は24時間しかないわけで、起きている時間の半分は働いているので、「仕事が楽しい」、「やりがいがある」、「自分が生き生きしていられる」と思って仕事をするのと、お金のためと割り切って仕事をするのとでは、人生の充実感が変わってくるのではないかと私は思います。

そのために、私は「仕事にある意味ハマる」ということが、非常に重要ではないかと考えています。どっぷりハマるためにはどうしたらいいかというと、全力投球で仕事に臨むということと、職場の皆さんとのコミュニケーションが非常に重要になると考えます。起きている時間の半分は、職場の人と過ごすので、そこの人間関係が良いか悪いかというのも、皆さんのクオリティ・オブ・ライフに非常に関わってくることは明らかですので、ぜひ職場の人とのコミュニケーションも、積極的に図っていただきたいと思います。

 

新卒で入られた方は、2021年に大学に入られたということで、まさにコロナ真っ盛りな状況で、なかなか大学でサークル活動やゼミができなかった人も少なくないと思います。オンライン授業も多く、人と話すのが苦手だと感じている方もいるかもしれません。

ただ、県の職員からすれば、皆さんは本当にかわいい後輩で、自分と同じ職場を選んでくれた後輩が生き生きと仕事をすることを望まない先輩や上司は一人もいないと私は思っております。そういう意味で、職場の上司や同僚、先輩と良い人間関係を築くには、積極的に皆さんの方からもコミュニケーションをとって、そこの組織に入っていくという努力をしていく必要もあると思います。

皆さんから、色んなことを質問したらですね、先輩や上司が必ず受け止めてくれるというふうに思います。ですので、ぜひそのように職場でのコミュニケーションを図るように努めていただきたいなと思っております。

 

そういうふうにコミュニケーションを活性化するために、県庁の中のある部局では「部長をいじり倒す会」というものを行っている部があります。どういう趣旨かというと、部下職員とのバーベキューで日頃の立場を逆転させ、その日ばかりは部長に言いたいことを言う、あるいは部長の顔に落書きするというような、そういう会を設けています。

普段つながりの少ない若手と部長が交流するという趣旨で部のチーム力を高めるための取り組みをしているわけです。もちろん強制参加ではありませんが、そういうコミュニケーションの機会があれば、ぜひ積極的に参加していただくことが、必ず皆さんにとってプラスになると思っております。オンの時は一生懸命働いて、オフの時は自分の趣味とか友達なんかとのお付き合いを十分していただいたらいいのではないかと思います。

 

また、奈良県は、皆様の働く環境を改善するために色んな新しい取り組みをしています。まず「勤務間インターバル制度」というのを導入していて、勤務終了から次の勤務開始まで必ず10時間以上の休息を確保しなければいけません。「奈良県版フレックス制」では、コアタイムは13時から15時の2時間のみで、あとはフレックスというような制度もあります。

また、職場の人間関係を良くするというような意味合いも含めて、部下が上司を評価する「360度評価」というものも実施しておりますし、「職員相談支援課」という独立した課があり、そこで職員の皆さんの相談に応じるというようなこともしています。あるいは電話対応を効率化するために「通話録音・自動音声案内」の機能を導入し、電話対応の業務改善等もしております。

 

「育児休業の取得の促進」もしていて、知事部局においては、令和5年度の実績で約60%の男性職員が育児休業を取得しているというデータがあります。そして「公務外でも活躍してもらうための兼業」もできるように制度を整えております。「若手・中堅職員からの提案」も積極的に政策に反映するというような制度もあります。

「決裁権限を現場に近い職員に下ろし」なるべく現場に近いところで重要な決裁ができるようにするといった改革もしております。職場における「ジェンダー平等の取り組み」にも力を入れており、大変働きやすい職場になりつつあると自負しています。

 

現在、職場の環境もフリーアドレスにしており、書類のない、すっきりした職場になっておりますし、各フロアに談話スペースを設けていて、昼休みや他部局との打ち合わせにも使用できるようにしております。今、県庁が非常に働きやすい職場になりつつあり、職場の風通しもだんだん良くなってきて、若手の皆さんの提案をどんどん取り入れるような、そういう雰囲気にもなってきています。

あとはその与えられた環境を皆さんがどう活かして、仕事を通じて自己実現を図っていくのか、ひいては奈良県や県民の幸せにつながるような、そんなやりがいのある仕事にしていくのか。それは皆さん次第というふうに私は思っておりますので、今日の私の話をどうか心に留めておいていただいて、色々悩んだ時に思い出していただければと思います。

 

最近の若い方は、組織に定年まで勤めるというような心づもりがない人も多いというふうに聞いております。数年ごとに転職するという職業観もあろうかと思いますが、もし奈良県庁が良い職場であれば、ずっと働き続けることによって、知識や経験、人脈といったものがどんどん蓄積されていきます。

皆さんが選んだこの職場は、定年まで勤め上げる価値のある仕事のできる職場だと思っていますので、そういう気持ちをもって働いていただければと思っております。

少し長くなりましたが、私の歓迎の言葉とさせていただきます。これからともに頑張ってまいりましょう。