【発表案件】
○大和西大寺駅の高架化について
○シニア起業支援事業について
○奈良県ふるさと納税(ふるさと奈良県応援寄付金)について
【質疑応答】
○ツキノワグマの目撃について
○奈良県・忠清南道交流推進事業について
○奈良県立病院機構の経営状況について
○奈良公園におけるどんぐりの木の伐採が及ぼす鹿への影響について
○県職員の逮捕事案について
司会:
おはようございます。
ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
本日の会見は、ユーチューブ、奈良県公式総合チャンネルでライブ配信しております。
本日は、知事からの発表案件が3件ございます。
まず1件目の発表案件は、大和西大寺駅の高架化についてでございます。
山下知事、よろしくお願いいたします。
大和西大寺駅の高架化について
知事:
大和西大寺駅の高架化については、以前もこの定例記者会見で発表したことがあると思うのですけれども、奈良県と奈良市、それから近畿日本鉄道株式会社の3者で協議会をずっとやっていたのですが、奈良市が参加しないということで、この協議会の開催がずっとできていない状況が続いておりました。このため、資料の2ページに書いてございますけれども、資料の2ページの一番下、協議会の開催のめどが立ちませんので、今年、令和7年度の県から政府に対する要望事項の最重点項目としては、要望を見送るということに決めましたので、お知らせをさせていただくものでございます。
新しく奈良県政担当の記者になられた方もおられますので、簡単に経緯を含めてご説明させていただきますと、1ページをご覧ください。大和西大寺駅の東西には、丸をつけたような踏切がございます。大和西大寺駅の西側について言いますと、4つ踏切がございまして、近鉄京都線を横断する県道に県の管理している県道の踏切があります。平城第3号踏切道というものですね。それから、近鉄奈良線を横断する踏切は、全て奈良市の市道に設置された踏切となっております。それが菖蒲池6号踏切、7号踏切、8号踏切というものでございます。このうち、この菖蒲池8号踏切というのが、近鉄奈良線と近鉄京都線と両方通る踏切になっておりまして、1時間の間に開いている時間が数分しかないというような踏切となっております。西大寺駅の東側にも4つ踏切がございますけれども、こちらも、県道に設置されている踏切が1つで、残り3つは全て市道に設置された踏切となっております。
これまでの経過でございますけれども、令和3年3月に、奈良県、奈良市、近畿日本鉄道株式会社で地方踏切道改良計画というものを作成して、国に提出をしております。この際は、西側4つの踏切は高架化により除却し、東側4つの踏切は平城宮跡からの近鉄線の移設により除去するということを計画に明記して、国に提出をしております。私の就任後の令和5年7月の協議会におきまして、大和西大寺駅の高架化のみ行い、平城宮跡内の近鉄線は存置するという新たな事業案を検討対象に加えまして、この案と、先ほど説明した令和3年3月に国に提出した計画に記載された案の両方を比較検討して、それぞれの案について費用対効果の検討を行った上で、どちらにするかを決めるということになったわけでございます。その次、令和5年11月に3者協議会を改めて開催しまして、以下のことを3者で合意しました。鉄道線形に関する技術的な制約や想定される事業効果等について意見交換を行い、認識を共有。それから、費用や事業性について精査を進めた上で、令和5年度中に第3回協議会を開催すると、こういうことで合意をしたのですけれども、その令和5年度中の3回目の協議会は、奈良市の意向で開催に至らなかったということでございます。奈良市の意向というのは、協議会を開催するのは時期尚早というものだったのですけれども、その後、昨年7月に、私と奈良市長さんとの間で面談をしまして、改めてこの問題について協議をいたしました。その後、2回にわたって、第3回協議会を開催したいということで日程調整等をするものの、奈良市からは回答がなく、あるいは、現段階では出席できないとの回答があったということでございます。今年1月になりまして、奈良県から奈良市のほうに対しまして、次の内容で協議会を開催することを提案しました。それはどういうものかといいますと、協議会において、奈良市が考える高架化以外の方法などについても議論をしていくということですね。そうしたことも提案して、協議会への出席を促したのですけれども、依然として協議会開催のめどが立っていないということで、事業の進捗の見通しが立たないということになりましたので、今回は、最重点要望から見送ることにしました。
3ページですけれども、改めて、高架化に関する奈良県の考えをここに記載させていただいているのですけれども、開かずの踏切が解消されることで、歩行者や自転車、自動車の安全性、利便性が向上すると。それから、高架化を機に駅周辺の道路整備を行うことで、高齢者や子育て世帯にも優しいまちづくりが可能になると。この高架化を機に実施する駅周辺の道路整備については後ほどまた説明させていただきます。さらに、その2番というところで記載させていただいておりますけれども、大和西大寺駅は、県内だけでなく、近隣府県も結ぶ交通の要衝でございまして、将来的にリニア中央新幹線の県内開通も予定されておりますので、大和西大寺駅やその周辺が持っている潜在力というのは非常に大きいというふうに考えております。さらに、高架化を契機に、後ほど説明しますけど、駅周辺の南北分断を解消したまちづくりも可能になると考えておりますので、やる意味があるのではないかと考えております。
次、4ページ目ですけれども、近畿圏の高架化の状況をまとめさせていただきました。これを見ると、この大和西大寺駅の高架化がどういうポジションにあるかということがよく分かるかと思うのですけれども、表が2つ掲載されていますが、その上のほうの表は、大和西大寺駅と乗降人数が同規模の関西大手私鉄の駅の高架化の状況をまとめさせていただきました。大和西大寺駅と同規模ということで、4万人以上5万人未満ということで対象となる駅を抽出させていただいております。これを見ますと、4万人以上5万人未満の乗降客数がある駅で、高架化されていないのは、ラインマーカーした4つだけとなっておりまして、一番乗降客数が多いのが阪急電鉄の武庫之荘駅、その次が大和西大寺駅となっております。それから、阪急電鉄の塚口駅、京阪電気鉄道の香里園駅という順番になっていますけど、香里園駅については、現在、連続立体交差事業が実施されておりますので、そうすると、まだ全くめどが立っていないのが武庫之荘駅、大和西大寺駅、塚口駅ということになります。大和西大寺駅は、その武庫之荘駅に次いで2番目に乗降客数が多いということなので、やはりこういった状況を見ても、大和西大寺駅を高架化するというのは、都市における現代の交通という観点からすると、高架化されてしかるべきなんじゃないかなというふうに私は考えております。ちなみに、県内だけで比較した表がその下ですけれども、大和西大寺駅、近鉄奈良駅、学園前駅、生駒駅とありますけれども、乗降客数だけでいいますと、近鉄奈良駅に次いで大和西大寺駅が2番目となっておりますが、4万人以上の駅で、県内で高架化されてないのは、近畿日本鉄道では大和西大寺駅のみということになります。
それから、最後、5ページですけれども、これは、このような整備ができたらいいなと現段階で奈良県が考えている案なのですけれども、今回、高架化に伴いまして、線路をちょっとずらすことになります。近鉄奈良線については、ちょっと南側に線路敷を振ります。近鉄京都線については、西側にちょっと線路敷を振ります。そうすると、既存の線路敷のスペースが空いてきますので、そこに県道を通そうということを考えておりまして、ですから、この道路ありますよね。これは菖蒲池駅から大和西大寺駅に向かって通っている県道ですけれども、これを旧の線路敷に通すことで、劇的にこの大和西大寺駅北側の道路環境が変わるのではないかというふうに思っております。それと、これもイメージですけれども、近鉄京都線の旧の線路敷ですね。ここのところは、例えば遊歩道にすると、歩行者専用道にするというような形で、整備をすれば、大和西大寺駅の北側もすっきりするのではないかなと思っています。ご案内のように、大和西大寺駅の北側の道路は非常に狭いし、歩車分離もできておりませんので、それがこのようになれば、大和西大寺駅北側のごちゃごちゃしたイメージもちょっと変わるのではないかなと思っています。それから、これがサンワシティビルで、これがならファミリーのほうですけど、この間に通っている道があるのですけれども、高架化すれば、その道をそのまま南口のロータリーのほうに高架の下をくぐらせて通らせることも可能かなというふうに思っております。こちら、奈良市道だと思いますけれども、そういうことで、大分、北と南の分断が解消されるというふうに思っています。既にロータリー等はきれいに整備されておりますけれども、既存のロータリーを移設するといった必要はないというふうに考えております。あと、これは近畿日本鉄道株式会社がどう考えるかですけれども、空いた土地を活用して、こういう駅ビルですね、近鉄生駒駅や近鉄学園前の駅には駅ビルございますけれども、そういった駅ビルの建設も可能になるということでございますので、非常に大きな効果があるというふうに思っておりますので、ぜひともやっていただきたい、やっていきたいなと思っています。
あと、6ページですけれども、今後のこの大和西大寺駅高架化に対する奈良県の対応方針でございますけれども、奈良県としては非常に必要性があると思っているのですけれども、あくまでこれは奈良市のご理解がいただけないとできないというふうに思っておりますので、奈良市の意思が非常に重要であると考えております。奈良県としては、奈良市のほうが、大和中央道の若葉台工区というのができることで、大和中央道というのは、今、押熊のほうから南北に新たに奈良市が開設した道路ができていまして、それが菖蒲池駅と大和西大寺駅の間で止まっているのですね。それをさらに南側のほうまで延伸させると。近鉄奈良線の南側のほうまで延伸させるというプランを持っているのですけれども、それができれば、大和西大寺駅周辺の道路の混雑は緩和されるというふうに奈良市は言っておられまして、だから、高架化は要らないというふうにおっしゃられているのですけれども、もし大和中央道の近鉄奈良線の南側が開通したとして、本当に大和西大寺駅のほうに来る車の量が減るのかということのシミュレーションもしてみたいなというふうに思っております。先ほども言いましたように、この大和西大寺駅の東西の踏切は、8分の6が奈良市道ですけれども、西側に限っては4分の3が市道ですけれども、奈良県としては、踏切道の一部が県道であることや、同駅の高架化による県全体への利便性、県全体にもたらす利益に鑑みて、応分の負担をしたいと考えております。
まとめますと、最後のほうに書いてございますが、奈良県としては、単なる駅の高架化にとどまらず、高架化に伴う駅周辺の道路整備や速攻対策も含めて、総合的に検討を進めていきたいと考えています。ですので、引き続き、奈良市との合意形成には汗をかいてまいりたいと考えておりますが、ひとまず、国への最重点項目としての要望は見送るということに決定をいたしました。以上です。
司会:
それでは、質問がございます方は、よろしくお願いいたします。
時事通信さん。
記者(時事通信):
この件は、奈良市は費用負担のところを一番気にしているのかなと思っているのですけれども、現時点で奈良県は奈良市や近畿日本鉄道株式会社に対して、費用負担というのはどういったものを提案している状況ですか。
知事:
費用負担については、これまで奈良県と奈良市で行ってきたこういう連続立体交差事業と同様に、奈良県と奈良市で同額を負担するということを申し上げております。
記者(時事通信):
それに対する奈良市の反応が悪いということですか。奈良市側は同額というのはちょっと不服ということですか。
知事:
奈良県と近畿日本鉄道株式会社だけでやるならやってくださいという感じですね。奈良市としてはお金を出すことはできないと。
記者(時事通信):
奈良県としても、そこに関しては譲歩するつもりはないというような形ですか。
知事:
先ほど言いましたように、奈良市の市道にかかる踏切が4分の3ですから、にもかかわらず、奈良県は2分の1ずつ出すので、これ以上の譲歩は難しいかなと思っています。
記者(時事通信):
近畿日本鉄道株式会社は、現段階では費用負担というのは。
知事:
近畿日本鉄道株式会社はすると言っています。
記者(時事通信):
近畿日本鉄道株式会社はどの程度されるのですか。
知事:
全体の55%が国でしたか。
リニア・地域交通課:
はい。
知事:
近畿日本鉄道株式会社が7%。残り38を奈良県と奈良市で半々ということです。
記者(時事通信):
分かりました。ありがとうございます。
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
朝日新聞さん。
記者(朝日新聞):
まず、今回、政府要望を見送られたということですけれども、これまでは、されてこられた。
知事:
これまではずっと私が直接、国土交通省等に要望する最重点要望に入れておりました。
記者(朝日新聞):
ただし、奈良市との協議が今膠着状態であるので、今回は見送るということ。
知事:
そうですね。
記者(朝日新聞):
そういう理解で。
知事:
そうです。
記者(朝日新聞):
それから、前提として、この高架化ですけれども、1ページの資料でいうところの西側の4つの踏切の部分を高架化するということですか。
知事:
そうです。
記者(朝日新聞):
平城宮跡にかかるこの西大寺第1号踏切は、もうこのままということですよね。
知事:
はい。
記者(朝日新聞):
分かりました。
この奈良市の認識がいまいち分からないところもあるのですけれども、知事としては、先ほど奈良市は高架化が要らないとおっしゃっているというご発言もありましたけれども、奈良市は、高架化がもはや、さきほどの道路ができたら、もう混雑が回避されるので、不要だという考えだという認識なのか、高架化は進めたいと思っているけど、費用負担が奈良市としてはきついというような意味合いなのか、どちらでしょうか。
知事:
表向きおっしゃっているのは、大和中央道が近鉄奈良線以南まで延びれば、車の流れが変わるので、もはや高架化の必要性はないのではないかというふうにおっしゃっているのですけれども、本音ベースでは、お金を出したくないのではないかというふうに私は推察しています。というのは、大和中央道ができたからといって、大和西大寺駅の車の混雑が緩和されるとは到底ちょっと考えられないので。
記者(朝日新聞):
改めて、奈良県としては今後、奈良市との協議だとか、今言ったようなトップ同士の協議も含めて、どのように進めていきたいという、今現時点のお考えをお持ちでしょうか。
知事:
議論を進めるには、材料が要ると思っていまして、そのためにも、6ページに記載している大和西大寺駅周辺の交通シミュレーション調査ですね、高架化によって、あるいは、大和中央道が南まで延びることで、どう車の流れが変わるのかきちんとした調査をした上で、大和中央道ができても、大和西大寺駅周辺の道路の混雑は変わりませんよというデータを奈良市さんへお示しした上で、議論の促進を図っていきたいと思っています。もう一つ、5ページに記載したイメージパースについて、これはこのたび新たに発表させていただくものです。ただ単に線路を高架するだけではなく、この大和西大寺駅の北側が劇的に変わることもお示しをして、ここまでするのであれば、高架化に意味があるとご判断いただけるのではないかという、そういう説得の仕方をしていきたいなと思っています。
記者(朝日新聞):
ありがとうございます。
先ほど県と市で38%分を半々に分けるという、今現時点での県のお考えだったと思いますが、実額としては、38%、19%というのは、どれぐらいの金額になるのでしょうか。
知事:
ざっくりですが、1,000億円としたら、19%は190億円ということです。ただ、それを一遍に払うわけではございませんので、多分20年、あるいはそれ以上かかる事業なので、年間10億とかのレベルかなと思います。
記者(朝日新聞):
この負担割合というのは、いつ決まったのでしょうか。
知事:
負担割合は、明確に合意はしていません。
記者(朝日新聞):
負担割合が出たあたりで、奈良市側としては協議を拒否してきたということですか。
知事:
そうですね。ただ、第3回の協議会が開催できなかったので、協議会自体は令和5年11月の第2回で終わっています。それまで、第1回、第2回の協議会で、負担割合について明確な議論は出ていないです。ただ、第3回目がなかなか開催されないので、令和6年7月に、私と市長及びそれぞれ県、市の幹部職員で面談したときに、費用負担については、これまでJR新駅で行っている枠組み、あと、JR奈良駅の連続立体交差事業の枠組み、いずれも県と市で半々というスキームで行ってきましたので、今回もそれでお願いしたいということは申し上げました。
記者(朝日新聞):
客観的に見て不思議なのは、最初、3者ですすめていたわけですよね。
知事:
はい。
記者(朝日新聞):
ところが、令和5年の11月以降に、協議会を開けない、開かないということになった、その一番のきっかけ、要因は何だと考えておられますか。これは、仲川市長に本来聞くべきことですけど、折衝していた県側としてはどういうことだと理解していますか。
知事:
いや、それは我々も分からないです。
記者(朝日新聞):
政府要望を見送るということだと思いますが、このタイミングで、県としてこういう会見の場で大々的にイメージパースまで作って発表した狙いというのはどういうことでしょうか。
知事:
今日の午後、政府要望の説明会があります。県選出の国会議員や市町村長さんに対して説明をするので、そのとき、大和西大寺駅の高架化に関する要望が最重点要望から外れるということなので、これは、そこに出席される国会議員や市町村長のみならず、県民の皆さまにも説明しておく必要があると判断した次第でございます。
記者(朝日新聞):
ありがとうございます。
司会:
産経新聞さん。
記者(産経新聞):
先ほど説明されました交通シミュレーションは、いつ頃にされる予定ですか。
リニア・地域交通課:
今年度、2,000万円の予算を取っておりまして、契約手続が順調に進んでございます。6月中に契約を行いますので、契約でき次第、速やかに選定された事業者と打ち合わせをして、年度内にはしかるべき成果物を必ず出して、奈良市に相談できるように進める予定でございます。
記者(産経新聞):
年度内には実施するということですね。
先ほど、大体20年ぐらいかかる事業だということですけど、県としては、着手の時期や完了の時期について、いつぐらいを想定されているのでしょうか。
知事:
それは現時点では全く見通しが立っていないということです。
記者(産経新聞):
大体20年ぐらいはかかると。
リニア・地域交通課:
令和3年に改良計画を出したときは、奈良市とも合意した上で、当時は高架化のみではなくて、移設もするということで、計画策定時から40年間、事業期間がかかる計画でございました。今回は、移設をやらずに、まずは高架化のみを行うということであると、具体的に何年間短縮できるとは言えませんが、当初想定した40年間よりは相当程度、期間は短縮できるのかなと思っていますが、着手の時期は、今、知事がお話をしたとおりです。
記者(産経新聞):
大きく期間がかかるというのは、用地買収とかですか。
知事:
そうですね。一番大変なのは用地買収です。というのは、先程、近鉄奈良線を南に振る、近鉄京都線を西に振ると言いましたが、既に家が建っていますので、建物及び土地の補償交渉をしなければいけませんので、それが一番大変だと思います。ただ、大変ですけど、さきほどお示ししたように、乗降客数が4万人以上の関西の私鉄で、高架化のめどが立っていないのは3駅しかございません。大和西大寺駅と武庫之荘駅と塚口駅ですから、20年以上の期間と1,000億円以上の経費がかかるとしても、将来的なことを考えると、やっぱり高架化をしたほうがいいのかなと思います。単なる高架化のみならず、大和西大寺駅北側の道路や、あるいはショッピングなどの環境が劇的に変わるという、そういう付随的な効果も含めると、1,000億円以上、20年以上の時間とお金をかけて行う価値はあるのかなと私は思っております。
記者(産経新聞):
ありがとうございます。
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
読売新聞さん。
記者(読売新聞):
先ほどもお話がありましたが、お昼からの政府要望の話のときに、見送ることの説明もされるということでしょうか。
知事:
そうですね、そういう説明もしたいと思います。
記者(読売新聞):
知事要望ではありますが、ほかの首長さんにもこういった状況ですというのは説明されるということですか。
知事:
はい。
記者(読売新聞):
分かりました。ありがとうございます。
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
読売新聞さん。
記者(読売新聞):
これまで政府要望をされてきたということですが、この高架化に関して、いつからされてきて、これまで見送ったことがあるか、教えていただけますでしょうか。
知事:
見送るのは今回初めてです。
リニア・地域交通課:
今手元に資料がないのですが、令和3年に計画を提出していますので、それ以降は毎年要望しているというのは確実でございます。
知事:
少なくとも、私が就任した令和5年と6年は要望しています。令和3年と4年ははっきりとしたことは分からないです。
記者(読売新聞):
承知しました。ありがとうございます。
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
時事通信さん。
記者(時事通信):
費用に関して質問ですが、20年かかるとなると、資材の高騰などで結果的にはもっと膨れていくかなと思いますが、そういう想定は、今のところはされていないということでしょうか。
知事:
当然、人件費も資材の単価も上がっていくと思います。ただ、10年、20年の間にどれぐらい上がるかというのは、さすがに今の時点では分からないので、1,000億円ではとどまらないということはほぼ間違いないと思いますが、先ほど言ったような、関西の立体交差化の状況や駅北側の新しいまちづくりを考えると、やるべきかなと思っています。
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
毎日新聞さん。
記者(毎日新聞):
この件に関して、県民の方から何か意見や要望などは入っているのでしょうか。
リニア・地域交通課:
「県政の窓」を通しては、早期に踏切問題を解消してほしいというお声もいただいていますし、あとは、西側の踏切だけではなくて、東側の踏切をどうするかも含めて、しっかり議論してほしいといった声をいただいているところでございます。
記者(毎日新聞):
件数はどれぐらいでしょうか。
リニア・地域交通課:
すみません、今手元に資料がありませんので、件数はわかりません。
記者(毎日新聞):
たくさんあるような感じでしょうか。
リニア・地域交通課:
一番は、令和5年に知事が就任されて、事業執行査定で、新案を計画するという発表をしたときは、一定お声をいただいてございます。
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
奈良テレビさん。
記者(奈良テレビ):
資料の2ページ目に、令和7年1月に、県から市に対して高架化以外の方法についても議論していくとありますが、結局、大和西大寺駅周辺の交通シミュレーション調査を行われるということは、高架化以外の方法というよりかは、高架化に向けて説得をしていく段階に、今、県としてはあるのでしょうか。
知事:
もし奈良市さんから高架化以外の方法で今の大和西大寺駅の問題を解消できる案が出てくれば、もちろんそれは検討しますが、具体的な高架化以外の問題解決の方法はまだ示されていないので、現時点では、県としては高架化しかないのではないかなと思っていますので、それを中心に議論していきたいと思います。繰り返しになりますが、奈良市から別の案が出れば、検討はしたいと思います。
記者(奈良テレビ):
分かりました。ありがとうございます。
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
奈良新聞さん。
記者(奈良新聞):
奈良市としては、交差点改良や大和中央道の延伸で対応できるのではないかと主張していたと思いますが、奈良市の方針というのは、解決策にはならないとお考えですか。
知事:
はい。たしか県議会で誰か議員が説明して、私が議場でスライドを用いて説明させていただいたと思いますが、交差点改良は、この菖蒲池の、この地図でいうと、8号踏切に新たに、これが県道ですが、県道がこう来て、こう来て、こう来て、こう来て、こう行ってる、この県道ですね。ここから南向きの右折レーンを設けるというような案だったと思います。奈良市さんが言っているのは、この道路のこの交差点で、直進すれば南に行き、左に曲がれば駅の北側に行きますが、ここのところに、左折するのと、直進するのとのレーンを造れば解消するのではないかという提案があったと思いますが、それは実際に考えると難しいということが分かったので、それは議場で説明したと思います。大和中央道については、この地図でいうと、今、この辺までできているのですが、結局、大和西大寺駅に行く車というのは、買物や送迎や通勤通学など、そういったことで駅に行く車が多いので、ターミナル駅ですから、通過交通だけではないんですよね。ですから、大和中央道ができれば、北から南に行く通過交通が大和西大寺駅を経由する必要はなくなりますけど、大和西大寺駅に用事がある人の車が減るわけではないので、それは難しいのではないですかと今考えています。それをしっかりデータで示そうということです。
司会:
ほかにご質問はございますでしょうか。
朝日新聞さん。
記者(朝日新聞):
おそらく検討されていると思いますが、高架化とは別の渋滞緩和の方法としては、いわゆる立体交差、地下に穴を掘ったり、もしくは踏切の上を越えるようなのを造るという手もあると思いますが、それではなくて、高架化しかないと考える理由はどんなところなのでしょうか。
知事:
事務局から。
リニア・地域交通課:
道路を地上に通すということですが、道路を上に通すと坂を上っていく形になるので、緩やかに上れる範囲で取っていくと、単に、今、鉄道は既に線路を通っているので、一定その線路敷とかを少し南にずらして高架化することが可能なのですが、道路は、それとはまた別に上に上げるという形で、相当の用地を拡幅しなければいけませんので、これもまたかなりの事業費と事業期間が当然かかり得るものですので、現実的ではありません。なおかつ、歩行者や自転車を、実際、道路の上に上げて走らせるという問題もあるので、基本は鉄道を上に上げるということと、あと、鉄道の地下化というものも、これも当然かなり事業費と期間を要するものでございますし、そうした観点から、高架化が一番優位である、有効であると考えているところでございます。
シニア起業支援事業について
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
それでは、次の発表案件に移ります。
2件目の発表案件は、シニア起業支援事業についてでございます。
知事、よろしくお願いいたします。
知事:
1枚おめくりいただきまして、定年後のキャリアチェンジの支援につきましては、本年3月21日の定例会見でご説明させていただきましたが、めくっていただきまして、その支援策の一環として、このシニア起業支援事業の具体的なメニューと日程が決まりましたので、今般お知らせさせていただくものでございます。
まず、その支援は大きく2つございまして、その1つ目がシニア起業講座というものでございます。プレセミナーと本セミナーの2種類に分けて開催をさせていただきます。プレセミナーは7月24日で、6月2日から県のホームページを通じて申込みの受付をさせていただくという予定にしていますので、今般、定例会見で発表させていただくものでございます。プレセミナーは、起業とは何かといった基本的な考え方を学びたい方を対象としたものでございます。対象は50歳以上の方とさせていただいております。本セミナーは、プレセミナーを受講されて、あるいは、受講はしていないけど、もう起業するんだと決断された方を対象としまして、具体的な起業に必要な知識や心構え等をセミナーでその内容を提供させていただくものでございます。本セミナーは、第1回から第4回までに分けて、ご覧のとおりの日程で開催をさせていただきます。セミナー終了後は、受講生と起業経験者との交流会も開催をさせていただく予定にしておりまして、こちらのほうは、県のホームページより7月25日から受付を開催いたします。下のほうに書いてございますけれども、参加者同士の対話、交流を重視して行いたいと考えておりまして、毎回15名から20名程度の少人数で開催したいと考えております。
それから、めくっていただきまして、シニア起業支援金の制度でございますけれども、こちらについては、実際に今起業する方に対して、一定の補助金を出して支援をする事業でございます。こちらは、国のお金が半分、県のお金が半分というのが財源の構成となっております。対象は、本年6月2日から令和8年、来年の2月27日までの間に個人事業の開業届、もしくは法人登記を行って事業を開始する方を対象としています。こちらも55歳以上の方が対象となります。地域課題の解決に資する事業、あるいはデジタル技術を活用した事業であるといった要件も定めさせていただいております。補助金の額は200万円でございまして、補助対象経費は起業に必要な経費ということで、具体例は資料に記載のとおりでございます。それとともに、専門家による個別の相談支援というものも月1回で、1回当たり1時間から2時間程度、対面、またはオンラインで行いたいと考えております。募集は6月2日、こちらも6月2日から7月18日の日程で募集をさせていただきますので、本日の定例会見で発表させていただくものでございます。
私からの説明は以上です。
司会:
それでは、ご質問がございます方はお願いいたします。
時事通信さん。
記者(時事通信):
シニア起業支援金のほうですが、この対象の地域課題の解決に資する事業というのは、具体的にどういったことを想定されてますか。
知事:
その辺りは何をもって地域課題とするかとか、厳しい縛りは設けないつもりでございまして、国、県が補助金を出す以上、どんなビジネスも社会の役には立てていると思うのですが、やはりある程度、その事業の便益が県民全体に及ぶようなものというぐらいの感じで考えています。担当のほうからもし補足があれば。
経営支援課:
医療、福祉、子育て支援、または、県産材や県の食材を使ったカフェ・飲食店、あとは、南部・東部の移住の関係、あとは、県の観光の促進とか、そういった大きな関係での課題解決ということで考えております。
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
毎日新聞さん。
記者(毎日新聞):
シニア起業支援金ですが、決定までの過程について、どんな感じなのでしょうか。
経営支援課:
まず、1次審査、2次審査に分かれていまして、有識者などが入り、書類審査をさせていただきます。2次審査につきましては、起業を志す人からプレゼンテーションをいただき、有識者のほうで審査するという形になります。
記者(毎日新聞):
これは、採択枠2件ということで、2件までが限界ですか。
経営支援課:
はい、そのとおりです。
記者(毎日新聞):
ありがとうございます。
奈良県ふるさと納税(ふるさと奈良県応援寄附金)について
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
それでは、次の発表案件に移ります。
3件目の発表案件は、奈良県ふるさと納税(ふるさと奈良県応援寄附金)についてでございます。
知事、よろしくお願いいたします。
知事:
令和6年度のふるさと納税の状況が固まりましたので、ご報告させていただくものでございます。
資料を1枚おめくりいただきまして、本県におきましては、この表に記載のとおり、寄附受入額と住民税控除額、つまり本来奈良県に入るべき税金が外に出ていっており、差額が年々拡大している状況にございました。この流出額のうち、75%は地方交付税措置されることになっておりますけれども、残り25%は県の歳入が純減することになりますから、この流出と流入の差を減らす取組が必要だと考えておりまして、そのために、寄附受入額を増やすための取組を令和6年度から始めたものでございます。その75%の交付税措置を踏まえた収支差につきましては、表の一番下段のほうに記載をさせていただいておるとおり、令和5年度におきましては6億6,700万まで拡大をしていたということでございます。
めくっていただきまして、令和6年度におきまして、ポータルサイトの拡充や返礼品の充実によって、寄附の受入れ促進を図ったところ、令和5年度と比較しまして、寄附受入額が3倍になったということでございます。8,100万円から約2億3,400万円に増加いたしました。
どういう取組をしたかというと、3ページ目でございますけれども、まず、ふるさと納税する場合は、皆さん、インターネットのポータルサイト上からされますので、以前は、このふるさとチョイス1つのみと県は契約をしていましたが、令和6年度から、このふるさとチョイスに加えまして、楽天、ふるなび、さとふる、STAY NAVI、アマゾン、この5つのポータルサイトと新たに契約をして、奈良県に対するふるさと納税の受付を開始したものでございます。
それから、4ページ目でございますけれども、返礼品の充実なんですけれども、体験型を含め、奈良県の魅力を詰め込んだ返礼品を充実させました。約80品目を追加して、返礼品の数を約3倍の110品目に増やしました。30品目から110品目に増やしたということでございます。例えば奈良といえばやっぱり観光でございますので、観光の体験ができるような、そんな返礼品を開発したものもありまして、その例が若草山の山焼きの特別観覧権というもので、奈良公園バスターミナル屋上での観覧について、これ、従前から抽せんで受け付けてたんですけれども、ふるさと納税を1万円していただいた方には、抽せんなしでご覧いただけるという制度を創設したわけでございます。募集枠は150名でございました。それから、県内の宿泊に使える旅行クーポンを返礼品としたり、県内の宿泊施設の宿泊券や食事券を返礼品とするなど、そういう体験とか、宿泊、食事に使える返礼品を増やしました。
それから、その食品等の返礼品は従前からやっていましたが、様々な工夫をいたしました。奈良県の場合は、複数の市町村にまたがる返礼品をミックスして返礼品にできるという、そういう立場にございますので、関係団体や製造者と連携し、奈良のお酒を詰め合わせた奈良酒飲み比べセットや奈良まほろば館セレクトなど、奈良の様々な県産品を組み合わせた返礼品を開発して、提供をさせていただいたということでございます。
さらに、これからも返礼品の充実を考えておりまして、6ページでございますけれども、新たに奈良マラソンの出走権をふるさと納税でもらえるという制度を始めます。それから、TOKiという奈良まほろば館にございますレストランのランチコースのお食事券、それから、飛鳥・藤原ツアーという特別なツアーへの参加権、どこが特別かというと、ふだん入れない橿原神宮内の拝殿での特別な参拝などを含む、そういったツアーを造成いたしまして、寄附いただいた方には、そのツアーに参加していただけると、そういった新たな返礼品を設ける次第でございます。それから、なら歴史芸術文化村工芸品セレクト、なら歴史芸術村にぎわい市場セレクトといった、前者は木工品などの伝統工芸品をパックにしたもの、後者は、ここに道の駅がございますので、そこで売っている県産の食材などをセットにしたものを返礼品にしていこうと考えております。
7ページ、最後でございますけれども、ふるさと納税の返礼品は、奈良県外にお住まいの方にしか贈ることができませんが、ぜひ県民の皆様におかれましては、県外に住んでるご家族、ご親戚、ご友人などに奈良県へのふるさと納税をぜひお勧めいただければと思っております。なお、奈良県にお住まいの方でも奈良県にふるさと納税することはできますが、返礼品の贈呈はありません。以上です。
司会:
それでは、ご質問のございます方はお願いいたします。
時事通信さん。
記者(時事通信):
令和6年度の額が3倍に増加したということです。この収支は、どうなっていますか。
知事:
収支とは、出ていくほうとの比較ですか。
記者(時事通信):
そうです。
知事:
すみません、今、そのデータはないです。
政策推進課:
控除額のほうはこれから締めるところになりますので、現時点ではまだ不明でございます。
記者(時事通信):
あともう1点、返礼品を充実させていく中で、市町村もふるさと納税を受け付けて返礼品を出していると思うのですが、バッティングしないように対策とか、そういったところは何かされていたりはしますか。
知事:
県が返礼品としている産品などを市町村が同じように返礼品とすることはできますので、県の取組を参考に同様のスキームで市町村でもやっていただいたらいいのではと思っています。
記者(時事通信):
今後そのすみ分けというのを県として考えていくつもりは特にないですか。
知事:
すみ分けは別にしなくていいのではないでしょうか。双方、切磋琢磨してやればいいと思います。
記者(時事通信):
分かりました。
しかし、特に大きな市などであれば、ある程度予算もつけてできると思いますが、町村に関しては、そこまでマンパワーがなかったり、結構厳しいところもあるのではないかと思います。何か特に県のほうにそういった要望が来てるということはないですか。
知事:
それについては、今日の午後の奈良県市町村長サミットで、そのテーマを取り上げますが、例えばうちの町、村には何か特産物がないというような場合でも、隣町、隣村の産品を共通返礼品、A町とB村が共同で返礼品を設けるということもできます。ですから、自分たちの町や村に限って考えるとないかもしれませんが、その周辺エリアも含めて考えれば、ふるさと納税の返礼品になり得るものがある場合は、共通返礼品という制度があるので、そういったものに取り組む市町村へ支援を新たに始めようと思っていまして、それについて、今日の午後の奈良県市町村長サミットでアピールする予定にしていますし、肉とか魚は難しいと思いますが、野菜とか、あるいは体験というのは、実はすごく大きな返礼品になりますので、私は何もない町や村というのはないのではないかと。都会の人が魅力を感じるような町や村の観光資源に、その町や村の人が気づいていないという側面もあるのではないかというふうに思っています。こんなものがふるさと納税の返礼品になるのかというのを、トライ・アンド・エラーでいいと思うので、チャレンジしていったら、ひょっとしたらヒットするものがあるのではないかと思っていますので、私は各市町村が、その規模にかかわらず、やる気を出せば、幾らでもできる余地はあると思います。
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
奈良新聞さん。
記者(奈良新聞):
返礼品を充実されて、体験型も増やされたということですが、実際反応はどうでしたか。
知事:
反応というのは。
記者(奈良新聞):
例えば若草山の山焼きの観覧についてどうでしたか。
知事:
150名分募集して、結果どうでしたか。
政策推進課:
約50名でした。
知事:
50名。
政策推進課:
短期間ではございました。
知事:
ただ、去年はちょっと周知期間が短かったんですよ。なので、もっと前から周知すれば、150名分は、僕は埋まると思っています。
記者(奈良新聞):
ありがとうございます。
ツキノワグマの目撃について
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
それでは、ほかにその他のご質問がございます方はよろしくお願いいたします。
NHKさん。
記者(NHK):
まず、熊について伺いたいと思います。
今月に入ってから、天理市、山添村、昨日、おとといには奈良市のほうでも熊の目撃情報が相次いでいまして、これまで県北、北和のほうではあまり熊の生息というのは確認されていなかったかと思いますが、最近相次いでいることについて、まず、受け止めをお願いいたします。
知事:
原因はよく分からないのですが、山に餌がなくなってきているのではないかと想像しておりますけれども、令和7年度の取組として、捕獲したツキノワグマを放獣、一回放す際に、首輪をつけて、そこに発信機をつけて、GPSを利用し、その熊の位置をリアルタイムで把握できるシステムを導入して、人里に近づいたらアラームが鳴るというような、そういった制度を導入しておりますので、それを新たに見つかった地域にも対象を拡大することを考えていきたいと思います。
記者(NHK):
これまで、熊は、吉野とか、県南のイメージでしたが、北のほうに出てきていることについて、どう思われますか。
知事:
先ほど言ったように、どういう理由か分かりませんが、山が荒れてきたということが背景にあるのではないかと思います。あるいは、地球温暖化の影響で生態系が変わっているのではないか、など。
記者(NHK):
注意の呼びかけなどありましたら、出会ってしまうとなかなか難しいと思いますが、何か知事の呼びかけなどありましたら、お願いします。
知事:
それは、熊に出会ったらどう行動すべきかといったことですか。
記者(NHK):
そうですね。出会わないのが一番いいですが、なかなか最近、結構市街地に近づいてきているというような目撃情報が続いているものですから、結構県民の不安も高まっているかと思うのですが、いかがでしょう。
知事:
熊に出会った際にどういう対応すべきかというのは、専門家でない私が間違った認識に基づいてメッセージを発信してしまうと、よくないと思いますので、その辺りは改めて、担当課のほうで把握されていると思いますので、担当課のほうに取材していただけますか。
記者(NHK):
分かりました。
県としては、そういった首輪とかをつけたりして、できるだけ、被害のないように熊対策に取り組んでいくということですか。
知事:
はい。もちろんです。
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
奈良テレビさん。
記者(奈良テレビ):
先ほどの、対象を拡大していくというのは、見つかった市町村も対象にするのか、それとも、まだ見つかっていない市町村も広く対象にしていくのか、もう少し詳しく聞かせていただけますか。
知事:
制度設計がどうなってたか、私もうろ覚えなんですけど、これまでは十津川村とかで発見されていたので、そちらを念頭に新たに首輪をはめるという制度を設けてたと思うんですね。紀伊山地においては、熊は令和4年か何かの環境省の調査で数が少なかったので保護の対象なんです。射殺するにしても一定の条件が必要となる紀伊山地で見つかった場合を念頭にしていた制度を、ほかの地域でも適用できないのかどうか、それを検討したいと思ってます。
奈良県・忠清南道交流推進事業について
記者(NHK):
日韓交流事業についてですが、アーティストの出演情報などで進捗はありましたでしょうか。
知事:
まだ連絡は来ていないです。
記者(NHK):
その後、忠清南道のキム知事と何かお話とかはされましたでしょうか。
知事:
話もしてないですね。事務レベルでは業者の選定などをしていると思います。
記者(NHK):
どれぐらいに出演者が決まるかという目処はどうでしょうか。
知事:
何か聞いてますか。
知事公室長:
近々とは聞いてはいるんですけど、どっちにしてもボールが向こうにあるので、今こちらとしては待っている状況です。
記者(NHK):
分かりました。ありがとうございます。
奈良県立病院機構の経営状況について
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
朝日新聞さん。
記者(朝日新聞):
県立病院機構の赤字問題についてお伺いします。昨年の議会などで問題として浮上し、その後、中期計画の見直しを進めている最中だと思うのですが、6月議会で提出できる目処がどの程度あるのか、改めてどういう方向性で経営の見直しを行っていくべきだと知事として認識されてるか、その辺り、お願いいたします。
知事:
近日中に病院機構の理事長ほか幹部の方と県の私含め幹部で面談をいたしまして、中期計画の修正について協議をいたします。その協議の結果、方向性について、双方の合意が形成されれば、6月議会に提出したいと思っております。内容につきましては、収支を改善するということですから、収入を上げて、歳出を減らすということになるわけですけれども、他の同レベルの公立病院と比べて、歳出が非常に大きいということが県内部の調査で分かっていますので、大胆な歳出削減策を盛り込んでいただく必要があるんじゃないかと私としては考えてます。
記者(朝日新聞):
歳出が大きいという部分ですけれども、それはいわゆる人件費なのか、例えば薬代みたいなもの、医療機器的なものなのか、どちらなんでしょうか。
知事:
主には材料関係ですね、薬とか、いろんな医療材料とか、委託費とか、そうしたものが高止まりしていると、そういう認識を持ってます。
記者(朝日新聞):
医療は、当然一定のお金はかかるとは思うのですが、歳出削減によって、医療の質が下がるという懸念もなくはないのですが、その辺りはいかがでしょうか。
知事:
もちろん医療の質が下がらない程度で、歳出削減をするということでございます。例えば総合医療センターと同レベルの公立病院と比べても、明らかに高い歳出項目がございます。その同レベルの公立病院で何か医療の質が悪いかというと、そういうこともないと思いますので、何かが過剰になっているんじゃないかと思います。その辺の要因を分析して、改善していくと、そういうことになろうかと思います。医大と比べても高い項目がいっぱいありますので。
記者(朝日新聞):
それは、単価が高いのか、買い過ぎてるのか、品目が多いのか。
知事:
その辺は中期計画の内容をご覧いただいたら分かると思いますので、現時点での言及は差し控えさせていただきます。
記者(朝日新聞):
6月議会が始まる前に、機構の経営陣らと面談されて、そこで方向性として一致すれば、議会に提出されると。
知事:
そうです。
記者(朝日新聞):
分かりました。ありがとうございます。
奈良公園におけるどんぐりの木の伐採が及ぼす鹿への影響について
司会:
ほかに質問はございますでしょうか。
毎日放送さん。
記者(毎日放送):
奈良公園の植栽計画に基づいて、公園内の木の伐採が数年前から行われていますが、その中でも、ドングリの木が伐採されていることについて、一部の方々からドングリは鹿の貴重な食料というところもあり、ドングリの木の伐採については考え直してほしいという指摘もあります。要望書を出された方も、今月、おられたようですが、知事はこのドングリの木の伐採については、どのように受け止めれておられますでしょうか。
知事:
まず、前提の事実から確認させていただきたいんですけれども、奈良公園の県が管理している区域というのは、寺社仏閣や奈良国立博物館が管理しているエリアを除く部分ですけれども、約1,000本のドングリの木がございます。そのうち、令和3年度から令和6年度末ですから、4年間で38本伐採してます。それから、今後あと20本伐採をいたしますので、合計58本ということで、約1,000本ございますので、5%ということでございます。全体の数と比べて、伐採の本数は非常に少ないということです。
それから、なぜドングリの木を伐採するかと申しますと、これは、むしろ鹿の餌を確保するためでございます。どういうことかというと、ドングリの木の枝が伸びることで、木の下に生えるべき芝なんかの下草が生えなくなります。普段、鹿はそういう下草を食べて生活してますので、鹿の食べる餌である下草が減ってしまうと。ですから、ドングリの木を伐採することで、鹿の餌を増やすと、こういう目的でございます。
奈良公園においては、先ほど言いましたように、5%分、ドングリの木が減ってしまうわけでございますけれども、ドングリの木は奈良公園内だけにあるわけではなく、奈良公園周辺の山にもたくさんございます。奈良公園の鹿は、奈良公園の中だけで捕食しているわけではございませんので。あと、ドングリの実を食べるのは主に冬場でございます。冬場、1000分の58本なんで、それぐらい切ってもほとんど影響はないかと思いますけれども、仮に微々たる影響があったとしても、奈良公園以外、奈良公園の外側の山に行ってドングリの実を食べればいいということなので、鹿の生体には全く影響がないと、そういうふうに認識しております。
記者(毎日放送):
では、この伐採については問題がないと認識しておられて、残りあと20本切るという予定があるわけですけども、それをやめる、中止するということは検討していない、続けるということですか。
知事:
はい。むしろ鹿の餌を増やすためには必要であると考えてます。
記者(毎日放送):
ドングリの木と同様に、その要望書の中には、例えば登大路の辺りとか、芝地がほとんど減ってきている、土がすごく増えてきていて、芝が枯れているという話もあります。実際に私も見てみると、芝がかつてはあったところが、ほとんどもう枯れるというか、根っこが抜けていて、土だらけになっているような認識はあります。これも、鹿の主食というところで守らなければならないことなのかなと思うのですが、芝地が減ってきていることについては、県としてはどのように思われますか。
知事:
ですから、それも今申しましたように、木の枝が繁殖して、日が当たらなくなって、芝地が減ってきているという部分もありますので、今回の措置は芝地を増やすための措置であると、こういうふうにご理解いただきたいと思います。
記者(毎日放送):
県庁の正面のところの登大路のところは木があるというよりも、開けた場所でよくイベント等も行われているところだと思いますので、そこは大きな木が生えているから芝が生えないとかいう問題ではないような気がしていて、観光客とかがたくさん来る踏圧で、根っこのほうが抜けてしまっているのかなという気はしますが、いかがでしょう。
知事:
どこの箇所をおっしゃってるんですか。
記者(毎日放送):
登大路ですかね、県庁の正面、ちょうど観光客の方が多くおられるところ。
知事:
登大路園地のことをおっしゃってるんですかね。
記者(毎日放送):
はい、そうです。
知事:
あそこの状況については、把握はできておりませんが、イベントはもともとやってましたし、あそこの草が劇的に減ったかどうかというのは、今、記者さんも推測で言われていると思いますが、我々もデータを持っておりませんので、言及は控えさせていただきたいと思います。
記者(毎日放送):
以前、芝生が生えてあったところが枯れているのは目で見て分かるものでしたけどね、推測ではなくて。
知事:
それ、データ持っておられますか。
記者(毎日放送):
写真もあって、過去にはここに生えていたのに、今は茶色くなっているというのは分かりますし、これは、県の担当者の方にお話を聞いても、芝というのが今少なくなってきているという話は出てましたけども、それについて、知事としてのお考えは。
知事:
おっしゃってる事実が真実かどうかということのデータを持ち合わせてないので、それについてはコメントできないです。
記者(毎日放送):
分かりました。
では、ドングリの木の伐採については問題ないと認識をしておられるということですね。
知事:
はい。
記者(毎日放送):
分かりました。ありがとうございます。
知事:
付け加えて言いますと、奈良公園の鹿は、行動半径が広いんですよ。ですから、登大路園地の面積ってどれくらいですか、1ヘクタールあるかないかぐらいだと思うんですけども、仮にご指摘のようにそこの芝が減ったというのが事実だとしても、それ以外に出かけて食べますので。そもそも鹿の頭数が減ったのかという、そこのデータに関して申し上げますと、奈良公園内の鹿の頭数はどんどん増えてます。餌が足りないんだったら、鹿の頭数は減っていくと思うのですが、鹿の頭数は年々増えていってますので、餌が減って鹿が困っているというのは、客観的事実に基づかないご指摘であると私は考えております。
記者(毎日放送):
分かりました。ありがとうございます。
県職員の逮捕事案について
司会:
ほかにご質問はございますでしょうか。
NHKさん。
記者(NHK):
一昨日、県庁職員が逮捕された件について、知事、受け止めをお願いいたします。
知事:
大変残念な結果であると思っておりまして、こうしたことが二度と起こらないように、綱紀の保持ということを徹底してまいりたいと考えております。
記者(NHK):
県としては、今回の事件について、何か問題点、課題点など、今後改善していく、再発防止策など、考えてますでしょうか。
知事:
当該事件については、県警のほうで捜査中だと聞いておりまして、事件の具体的な対応等についてはまだ明確になっておりませんので、今回の事件を踏まえて何らかの対策を講じるべきかどうかについては、現段階でコメントすべきではないと考えています。
記者(NHK):
盗撮未遂ということで、県庁職員の中でも不安というのはあるかと思うのですが、その辺りのケアというのはどうしていきたいでしょうか。
知事:
その職員のですか。
記者(NHK):
その方のケアももちろんですけども、ほかの職員全般のケアというのはいかがでしょうか。
知事:
従前からそういう職員の相談窓口というのは、私が知事になってから充実させていただいております。職員相談支援課という特別な課も設けておりまして、職員が相談しやすいように、総務部長がその課長を兼務しておりますので、そういう既存のシステムを活用していただきたいなと思っておりますし、総務厚生センターというところがあるんですけれども、そこには保健師等もおります。ぜひそういう県の用意している窓口を活用していただければ、十分既に体制は整っているとご理解ください。
記者(NHK):
分かりました。ありがとうございます。
司会:
ほかにご質問はございますでしょうか。
幹事者さん、よろしいでしょうか。
それでは、以上をもちまして知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。
知事:
ありがとうございました。
以 上
※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。
また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。