令和7年度 男女共同参画推進セミナー(家族のカタチ) 開催報告

 

変わりゆく結婚観と家族のカタチ

令和7年10月18日(土曜日)10時00分~12時00分 

講師:立命館大学 産業社会学部 教授 筒井 淳也 さん 

 

 結婚観や家族のカタチは、時代とともに大きく変化しています。家族のあり方のこれまでとこれから、今求められる価値観などについて学ぶセミナーを、家族社会学等を専門とされている講師をお招きし開催しました。

 前近代の家族は生活と仕事の場を兼ねており、結婚や子育ても家業の一部として機能重視で捉えられていました。そのため、離婚や再婚、養子縁組も一般的で、情熱的な恋愛は家族の外で行われるなど、家族のかたちは多様で雑多でした。

 近代化により家族と会社が分離され、家族は愛情の空間へと変化。戸籍制度の整備や死亡率の低下により、子ども中心主義や家族関係の緊密化が進みました。皆が法律婚をし、子どもを2~3人もうけるというシンプルな家族のあり方は、実は一時的な過渡期の現象であると説明されました。

 現代では個人の満足度が重視されるようになり、家族のかたちは昔とは違う意味で複雑化しています。講師は、人々の「当たり前」が特定の時代に固定され、「近代家族」が伝統的な家族と誤認されていることを指摘。家族の多様性を尊重する社会の実現には、何よりも適切でバランスの良い知識を身につけることが重要であると強調されました。

 家族の歴史的変遷と現代の課題について、制度や社会構造の視点からわかりやすく説明いただき、参加者にとって家族の変容を深く理解する貴重な学びの機会となりました。

 

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