新型コロナワクチン接種後健康被害に係る意見書
新型コロナワクチンの接種が開始されてから4年が経過した現在も、接種後の長期的な体調不良を訴える方が数多く存在しています。しかし、これらの健康被害は十分な実態調査がなされておらず、医療機関による副反応疑い報告の未実施等により、その実態は十分に拾い上げられておりません。結果として、この健康被害の治療研究も十分に進んでおらず、治療法は未だ確立されておりません。
また、唯一の救済制度である「予防接種健康被害救済制度」は、申請手続きが複雑で審査に長期間を要するだけでなく、これまでに医療機関による書類の開示拒否や書類費用の高額請求といった事例も報告されていました。さらに、認定基準や審査内容も不透明で、不認定理由が不明確なケースも近年発生しております。
このような状況下により、健康被害を受けた方の中には、未だに医療面でも経済面でも適切な支援を受けられず、生活基盤を失いかねない深刻な困難に直面している方が存在します。
国はワクチン接種を推奨してきた責任があります。すみやかに健康被害の実態を十分に把握し、安心して医療を受けられる体制を整え、迅速かつ公平な救済がなされるよう、以下の取組を早急に実施すべきです。
1 医療現場への周知徹底と対応改善
予防接種健康被害救済制度に関する申請者の症例について、全国の医療機関及び医師に周知し、症例への理解を促進
すること。
副反応疑い報告基準等について、全国の医療機関及び医師に周知徹底し、医師の理解不足による報告漏れの防止に努める
こと。
2 予防接種健康被害救済制度の抜本的改善
申請手続きの簡素化及び申請から結果通知までの期間の短縮を図ること。
申請者に対し、審査結果を具体的に通知し、特に不認定理由については、より詳細に説明すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年12月15日
奈良県議会議長 田中 惟允
(提出先)
衆議院議長 殿
参議院議長 殿
内閣総理大臣 殿
内閣官房長官 殿
厚生労働大臣 殿
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