近年、水質汚染事故やテロ等による有害物質の水域への流出が懸念されています。
しかし、あらゆる有害物質を24時間絶えず水質検査することは困難です。
そこで、奈良県水道局では、水道原水を導いた水槽で魚を飼い、その挙動から水質異常の有無を感知する魚類水質監視装置を御所浄水場の下市取水場と桜井浄水場に導入し、水の安全を24時間体制で監視しています。
突発的に発生する水源汚染に対して早期発見が可能になり、異常が発生すれば直ちに対応することができるシステムです。
奈良県水道局ではいつでも県民の皆様に安心して水道水を利用していただけるよう常に最善の努力を行っています。
魚類水質監視装置(桜井浄水場)
魚類水質監視装置のしくみ
魚が口をパクパクさせたりエラを動かしたり、あるいは泳いだりしている時には魚体には電流が発生しています。
奈良県水道局で設置している装置では、水槽内に取り付けたセンサーにより魚の活動時に起こる電位(活動電位)を検出し、活動量の測定を行っています。
この活動量が前もって決めた平常時の上限値を超えたときには、魚が毒物により異常な状態になったものと判断して通報する予報(アラーム)と、活動量がゼロになった時、魚が致死したと判断してアラームを発信する装置です。
また、水質異常時の水を採取するための自動サンプリング装置が付いています。
水質監視の例
毒物流入時の例を示します。
監視用魚類(たなご)
成魚で4cm程度。
水質異常に対する反応はコイ、フナよりも敏感で、監視用魚類として適している。